一つ、紅蓮の炎の火炎剣
一つ、大地をも穿つ水勢剣、流水。
一つ、天をも焦がす雷鳴剣
一つ、金剛の如き毀れずの土豪剣
一つ、駆け抜ける疾風の風双剣
一つ、響き渡る調の音銃剣、錫音。
一つ、封印と新月の闇黒剣、月闇。
聖剣の世界、解けし時、
七つの世界にて聖剣の担い手現れ、
世界をめぐり再び七本そろう時……
<必殺読破!
黄雷抜刀!ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊斬り!
サ・サ・サ・サンダー!>
「トルエノ・デル・ソル!」
オラクルレイを足場代わりに電光石火の速さで距離を詰めてきた敵、仮面ライダーエスパーダゴールデンアランジーナは、腰のバックルから聖剣、
覚悟して目をつむるが、肉を切る音も骨を断つ音も聞こえるが、いつまでたっても痛みは来ない。
目を開けると、そこには真っ二つになった相棒が重力に従って落ちていく場面だった。
(キリカ!?嘘…体ごと盾に?)
「無駄だ!」
エスパーダはすぐさま次の行動に切り替え、左の肩アーマーからランプの魔人を召喚。
織莉子の背後を取らせて頭から真っ逆さまに落とされる。
魔法少女故、常人よりパワーは有るが、近接戦特化ではない彼女には振り払うことはかなわない。
<必殺読破!
ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊撃!
サ・サ・サ・サンダー!>
「オーロ・ボンバルデーロ!」
その場で体をひねったエスパーダの尖った雷をまとったキックが織莉子の上半身をえぐり飛ばした。
べちゃ!と汚い音を立てて残った下半身は断面から地面と激突する。
「世界を救うのは、俺だ……。」
「いやぁああああ!はぁ……はぁ……うぷっ!」
ベッドから飛び起きた美国織莉子はくっついて寝ていた親友、呉キリカをやや乱暴に振り払うとトイレに駆け込み、こみ上げていた全てを吐き出した。
(また、この夢…違う、未来。)
どれだけ選択を変えても、必ず奴が、仮面ライダーエスパーダが自分もキリカをも斬る。
最初は相打ちまで持ち込めていたが、どうゆうわけか彼は次々新しい力を、仲間を手に入れていき、最初は一冊だけだった本の力も三冊。
最初はいても巴マミしかいなかった協力者も予知を重ねるたびに佐倉杏子、千歳ゆま、果ては何度も殺し合ったはずの暁美ほむらとも手を組み立ちはだかった。
「お前らでは世界を救えない。
世界を救うのはこの俺と雷鳴剣黄雷!
仮面ライダーエスパーダだ!」
不敵に言い放つ奴の姿が何度もフラッシュバックする。
それにつられて何度でも鮮明によみがえる崩れ落ちる自分と、キリカ。
「エスパーダぁああああ!」
織莉子は吐き気と戦いながら憎々しげにその名をつぶやいた。
いつも夢に見る。
いや、夢だけではない。
昼起きていてもふとした時に思い出す。
それは滅んでしまったあの世界の記憶。
『
先代スラッシュは敵の幹部と相打ちになり
『お前ら!未来は、お前ら若いのに任せたぞ!』
先代バスターは殿を務めて
『
鍛錬は怠らず、甘いものはちゃんと節制してくださいね?』
先代ブレイズは愛した女性を守って
『くそ……くそぉ!賢人君…俺、悔しいよぉ。
賢人君みたいにもっともっと強くなりたかったのに!
こんな所で終わりなんて…くやしいよぉおお!』
先代剣斬は自分の腕の中で
『賢人ぉ!やれぇえええええ!』
先代セイバーは、裏切りの騎士、カリバーの隙を作るために、息絶えた。
皆、目の前で死んでいった。
そしてカリバーを倒し、残る幹部たちも倒した。
けど、間に合わなかった。
「ああ……ああああああーーーーーー!
ごめん、ごめんよ皆!俺は、俺は世界を救えなかったぁ!
うわぁあああああーーーーーー!」
他の世界に散らばっていく聖剣を掴むことはできなかった。
自分の雷鳴剣が飛んで行かないようにするので精一杯だったのだ。
そして気が付けば自分は、剣ごと別世界に飛ばされていた。
『……と君。賢人君!』
「……蓮?」
「? ゆまはゆまだよ?」
どうやら転寝をしていたらしく、エスパーダ、富加宮賢人は起き上がりながら自己嫌悪に陥った。
(馬鹿か。蓮がこんな奇麗なソプラノボイスの女の子な訳ないだろ。
あれは、夢だ。過去の、夢だ……。)
「ぐあいわるいの?」
「いや、平気だ。少し寝ぼけてるだけで、いたって健康だ。
ゆま、お前こそ毎晩遅いんだから寝れるときにしっかり寝ておけ。」
「じゃあ賢人君!またご本よんで!」
「いいぞ?何がいい?」
「トライケルベロス!」
「わ、ワンダーライドブック!?」
「だめ?」
「駄目じゃないが……。
その注文はちょっと予想外だったな…。」
ちゃんとした寝床に向かいながら賢人はどうやったらこの本を読み切れるものかと思案した。
仮面ライダー解説 その5
仮面ライダーエスパーダ=富加宮賢人
・プロフィール
性別:男性
年齢:19歳
趣味:童話鑑賞
特技:強いて言えば剣術
聖剣:雷鳴剣黄雷
好きなもの:信頼、剣士らしい行為
嫌いなもの:裏切り、剣士らしくない行為
・概要
かつて存在した聖剣の世界の最後の生き残り。
そして現状唯一の正規の訓練を積んだ聖剣の騎士でもある。
雷鳴剣黄雷ごとおりこ☆マギカの世界に転移し、世界を救うべく行動する。
かつて仮面ライダーカリバーだった父がおり、そのためか『闇』や『時間』に作用する能力に敏感。
暁美ほむらの時間逆行にもある程度耐性があり、完全に記憶を引き継ぐことは不可能だが、体感やなんとなくの記憶は引き継げる。
・他のメンバーからの評価
セイバー「怖い先輩。けど頼りになるし、良い人だと思う。」
ユウキ「賢人さんはいい人。ペコさんたちとも仲良し!」
バスター「悪い奴じゃねえけど母ちゃんかってぐらいうるさい。
そーゆーのはセレナだけでお腹いっぱいだっての。」
和真「時々俺と先代を重ねて見て勝手に落ち込むのはやめてほしいかな?
普段時間にめっちゃ厳しかったりスティール使うたびにぐちぐち言うのはまあ、風紀上仕方ないけどさ…」
セレナ「仲はいい方ですよ。
よく一緒に訓練と、ご飯作ったりしますし。
なんて言うか、話してて親近感沸きます」
八幡「嫌いだ。金色とか生まれついての剣士とか…。
俺の大嫌いなあいつを思い出す。」
マミ「久しぶりに、一緒に戦ってくれた仲間です。
歳は離れてんすけど、友達と言ってくれた人です。」
杏子「あいつのお節介がなかったらマミともこう…喧嘩別れしたまんまだったし、まあ、感謝はしてるよ。
あ、でもことあるごとにお菓子取り上げんのは許してないからな。」
ゆま「やさいいよ。ときどきこわいけど、
ねるまえにご本よんでくれる。」
ほむら「利害が一致してるだけの関係よ。
それ以上でもそれ以下でもないわ。」
・総評
他の聖剣の騎士に対しては『騎士らしい行為』を求め、厳しく接する。。
しかし八幡のようにあからさまに拒絶したりしないし、実際に先代ブレイズから剣を託されたユウキやその仲間に非常に好意的に接したりと、真面目だが頑固ではない。
使命感と過去に葛藤しながらも突き進む実直な人物、といったところだろう。