ウマれた意味を探すRPG   作:ゆーり

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タマモクロス:対クリーク戦線の盟友。欠点は私に関西弁の記述を強要してくること。


タマモクロス

「なんやしんどそうな顔しとるけど、今回も痴情のもつれらしいな。ほんまによぉ飽きんなぁ」

 

 別に痴情はもつれてない。最初はただ勝利に見合うご褒美をあげるって話だったんだ。

 

「ほー、ご褒美ねぇ。アンタのチームってことはGⅠやろ? まぁそれなりのモンを要求されるかもな」

 

 一泊二日の遊園地、使途不明の書類への押印、指に付けるアクセサリー、家。……羅列するとこれ、遊園地に行くのが正解なんじゃなかろうか。

 

「生殺与奪握られとるやん。ウチ、スズカに賭けとるんやけど大丈夫やろか」

 

 おい、なに人の不幸で賭け事して遊んでるんだ。レースで賭け事は校則で禁止だぞ。

 

「トゥインクル・シリーズは関係ない健全な賭けやからセーフや。……オグリと細かい決め事なしで飯の奢りを賭けたんは失敗や思うてるけどな」

 

 お前だって財産握られてるみたいなもんじゃねーか。愚かだな、タマ。

 

「アンタにだけは愚かって言われたくないんやけど。それにしても、これを痴情やと認識できんのは根が深いなぁ。ウマ娘に対する評価が変に高くて、自己評価が異様に低いから歪なモノの見方になるんやろか?」

 

 別にウマ娘に対する評価なんて高くねーし。ちょっと足が速くて体力多めで見た目が可愛いからって調子に乗らないでほしい。

 

「相変わらず難儀な性分やなぁ」

 

 ウマ娘って言っても年頃の女の子なんだよな。なに考えてるのか分からんし、よく怒られるし。世のお父さんたちの気持ちが理解できた気がするよ。

 

「それをオトンに対する年頃の娘の反抗期的な態度や思てるとこがアカンのやけどな。気難しい生き物なんは否定せんけど、今回の場合はアンタがアホなだけやと思うわ。……ほんで、昨日のドタバタ騒動はどないなったんや」

 

 あの後、テイオーがスぺに意味不明な宣戦布告をしたと同時に、部屋にスズカたちがなだれ込んで来てな。

 

「誤解があったみたいだから、俺とスぺの間で何かあった訳じゃないって説明したんだ。なのに誰一人として納得していない感じだった。スぺがレースに勝ったお祝いのニンジンを隠してただけって、ちゃんと伝えたんだがなぁ」

 

 マックイーンは『GⅠ勝利のご褒美としてトレーナーというニンジンを食すという意味かもしれませんわ』とか言ってたけど、アイツの思考回路はどうなっているんだろうか。ニンジンをあげたのは俺じゃなくてスぺのお母ちゃんだと言っているだろう。

 

「どうもその場凌ぎにしかなっていない気がしてな。抜本的な解決策が必要じゃないかと思ってるんだ」

 

「諦めたほうがええんちゃう? ウマ娘にレースで勝つ夢の方は応援しとるけど、こっちの問題は犬も食わんで」

 

「俺の悩みを犬の餌以下扱いするのやめてくれない?」

 

 こっちは真剣に悩んでいるんだ。そこで俺の思いついた策を聞いてほしい。

 

「聞くだけならタダやから聞いたるけどな。なんや考えがあるんやったらウチに相談せんで試したらええんちゃうか」

 

 協力者は多い方がいいと思ってな。

 

「色々考えた結果、スーパークリークを頼ろうかと思ってな……」

 

「クリークを? 確かに理性的なときは穏やかで人当りもええし、仲裁とかに向いとる性格かもしれんけど」

 

「いや、素直に仲裁を頼んだとして、なんか暴走気味のアイツらが言う事を聞くか分からないし、クリークがあちら側に付く可能性もある。だからもっと強引な手段を取る。……なんとなく俺が原因なんだろうなって気はしてるんだが、ウマ娘に負けを認めたみたいで嫌だからな。死なば諸共」

 

「アンタ、今かなり最低なこと言っとる自覚はあるよな?」

 

 まぁ、多少は。

 

「で、強引な手段ってなにするつもりなん?」

 

「無差別でちゅね計画だ」

 

「……!! トレーナー、自分が何を言うとるか分かっとるのか。戻ってこれんようになるで」

 

「ああ、俺も間違いなくでちゅねの波にのまれるだろうな。だが、全員を巻き込んでしまえば後は野となれ山となれだ」

 

 俺はすでに経験者だし。背に腹は代えられるのだ。

 

「全員が赤ちゃんになってクリークの一強支配体制を確立する。赤ちゃんは難しい問題なんて抱えない。これで全てを有耶無耶にする」

 

「前言撤回するわ。言っとること最低最悪やと思うで」 

 

「……ああ、俺は最低最悪のトレーナー『おウマ ジオウ』になる」

 

「しょーもないボケをしろとは言ってへんやろ。てか、そのアホ丸出しな作戦にウチが関わる要素ないやん。アンタらで勝手にオギャればええんちゃうか?」

 

 クリークに差し出す生贄が多いほうがやる気になるかと思って。ほら、タマってクリークのお気に入りだろ?

 

「あんまり舐めたこと言うとるとしばくぞ、ワレ!」

 

 すまんすまん、冗談だから電気をバチバチするのは止めてくれ。それ、ルドルフと属性被ってるぞ。

 

「アレはあっちがウチの属性パクったんやからな! 先に電撃バチバチしたんはウチやからな!」

 

 でもプリティなダービーだとルドルフが先に使ったし。

 

「そ、それでもウチには狐火的な炎属性もあり得るから。青い炎とかどう考えてもレア属性やろ」

 

 それもエアグルーヴとかグラスワンダーがすでにメラメラしてたような。

 

「生徒会の連中、ウチのお株奪い過ぎやろ。ウマ娘の活躍の場を奪うとか会長の理念はどこ行ったんや」

 

 ルドルフの理念は自分が頂点になってこそ始められるって言ってたから、まずは全員叩き潰すつもりじゃないっすかね。

 

「それにしたってレースの外で露骨なキャラ潰しはアカンやろ。ただでさえウチはイナリと慎重に擦り合わせしていく必要あんのに」

 

 ちんまい世話焼き関西弁とか、そうそうキャラ食われたりしないから大丈夫だろ。

 

「その油断が命取りや。なんやライスも最近お兄さまに近づく妹キャラが現れたとかで怖い目ぇしとったわ」

 

 ライスシャワーのトレーナーにねぇ。あんまり付き合いないけど、今度の春天に出てくるんだよな。頼むからマックイーンとテイオーを負かしてくれないだろうか。

 

「厳しいやろなぁ。いまの二人は断食したときのオグリ並みやろ。ウチはハングリー精神が大事や思うとるけど、アレに気持ちで勝つのは至難やで」

 

 タマがそこまで言うとはな。マックイーンはスイーツなのかも知れないが、テイオーはいったい何に飢えているんだろうか。やはり七冠の夢がそれほどに大きいのかな。

 

「ところでトレーナー、興味本位で聞くけど一人の女の子として見たらどのウマ娘が好みやの?」

 

 ウマ娘の時点で好ましくないんですけど。

 

「レースとか勝ち負け云々を排除した見た目とか生き様の話や。ウマ娘の個性を認めとらんわけやないやろ?」

 

 勝ち負けの話を抜きにして女の子として見たら、か……。

 

「うーん。ファル子、かなぁ?」




タイシンもファル子も可愛いよね。ところでゴルシ、最近配給が滞ってるんだけど?
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