「はぁ〜、ようやく学校終わった〜」
毎日毎日面倒いんだよな。ま、行く以外の選択肢なんか無いんだけど。
駅から電車に乗り、降りて乗り換えの列車を待つ間にスマホをポケットから出してあるサイトに投稿されている作品を読む。
“転生したらスライムだった件”俺はこの作品が好きで、勉強の合間にも愛読している。
なんだかんだで一番好きなキャラだったディーノが裏切った時はショックだったが、その後の展開もまた好きだ。
俺はWeb版と書籍版を両方読んでいて、書籍版は全て発売日に購入している。
流石に漫画版や別の作者様方が書いている外伝作品は持っていないが、某動画共有サービスに投稿されている動画を見て内容をチェックしている。
そこで一旦転スラを閉じてあるスマホゲームアプリを起動し、ログインを済ませる。
“Fate/Grand Order”通称“FGO”このゲームで俺が一番好きなキャラはバルバトス。
理由は、まぁ、聞けばわかるだろうけど、「*1もっと寄越せ!バルバトス!(意味深)」だ。
クエストを一つ終わらせると同時に電車が来たので乗り込み、続きをする。
すると、突然体が浮遊感を感じ、巨大な揺れに襲われた。
揺れから何とか逃げようと端に逃げる。幸いにも俺の体は混雑していた車内のドアよりで、しかもそのドアが緊急時は手動で開けられるタイプだったので、俺は迷わずレバーに手を掛けた。
と同時に列車が横転し、俺はレバーから手を離してしまい、窓を突き破って車外に放り出され、頭を強打した。
俺は朦朧とする意識の中、こう思った。
(ダッセェ。しかし、こんな事になるんなら乗り換えなきゃ良かったな。)
脳内を駆け巡る走馬灯、しかしその内容は転スラに関する事ばかり、それもディーノの。
そんな時だった。俺の頭の中に、電子音声の様な声が響いて来たのは。
《確認しました。転生体を個体名:ディーノに設定・・・成功しました。現在では“真なる魔王”及び魔王種への転生は不可能の為、代行案として魔王の素質を付与・・・成功しました。》
俺は最初、その言葉の意味を理解出来なかった。
(は?転生体がディーノ?何言ってんだ?しかも魔王の素質ってなんだよ?)
だが、(どうせなら痛みがなくならねぇかな〜)と思うと同時に再び響いた声を聞き、声の正体に辿り着いた。
《確認しました。『痛覚無効』を獲得・・・成功しました。》(‥‥‥これ、やっぱり転スラの“世界の言葉”か?いよいよやべぇかもな、俺ついに幻覚まで聞こえる様になっちまったよ‥‥‥)
だが、最初こそただの幻覚だと思っていた俺だが、その後に聞こえた言葉を聞いて違和感を覚える。
《確認しました。ユニークスキル『
(可笑しいぞ?狂言者と書いてマドワスモノならともかく、幻惑者なんて聞いた事もない。普通こういうのって、知ってる言葉が聞こえるもんじゃないの?)
違和感を覚えたが、それまでだった。少しだけ働いた頭だが、もう限界だったのだ。
俺は最後にこう思い意識が暗転した。
(ありがとう父さん、母さん、そしてバルバトス。俺に夢を与えてくれて。)
だからこそ俺には聞こえなかった。この後に“世界の言葉”がこんな事を言っていた事を。
《対象の意思を確認しました。情報より検索・・・発見しました。スマホゲームアプリ“Fate/Grand Order”に登場する“管制塔バルバトス”を司る九柱の魔神の一柱。得た情報を基に
目覚めたら、竜が目の前に居た。
俺は頭に書き込まれた情報からその竜の正体を知った。
“星王竜ヴェルダナーヴァ”俺達七柱の
そして、俺の名はディーノ。ヴェルダナーヴァより究極の力、
(ってちょっと待って、俺マジでディーノに転生したの?つか、書籍版かよ。書籍版まだ17巻だから途中からどうなるかわかんねぇんだけど‥‥‥)
Web版ではミリムがクレイマンに酷い仕打ちを受けていた事に気付けなかった俺――というか本来のディーノがその悔しさから『
しかし、それはつまり、Web版とは割と乖離しているこの世界の終末を知らないという事。
保有スキルが使える事を瞬時に理解したので、とりあえず『思考加速』を用いてそんな思考を張り巡らせ、思わず(知覚速度が足りねぇ)と思うと、俺の頭の中に死の間際に聞こえた声と似た声が聞こえて来た。
《問。『思考加速』の加速倍率を百万倍に引き上げますか? YES/NO》
は?と思った。この感じはリムルの『
《解。
(‥‥‥‥‥‥)
言葉が出ないってこういう事を言うんだろうな。
殆ど思考が定まらないままに、YESと念じながら俺はそう思った。
なぁ、
知覚速度が引き上げられたのを感覚的に理解してから、俺は『
《解。
『思考加速』……知覚速度を百万倍に引き上げる。
『解析鑑定』……対象を解析・鑑定し、答えを導き出す。
『並列演算』……意思と切り離した演算を行う。
『詠唱破棄』……魔法を行使する際に必要な詠唱を破棄して魔法を発動する。
『森羅万象』……この世界の全ての事象を網羅する。ただし、一度理解した事象のみという制限あり。
『酔眼』……対象を設定し、対象のスキルを封じる。
『玉眼』……自身に無敵効果と絶対貫通を付与する。ただし、
『岐路の時来たれり』……対象の攻撃を遅らせ、回避する。『未来攻撃予測』の類似能力。
『焼却式』……
など九つです。》
なるほど、
『酔眼』のスキル封印で
と、軽く思う裏で俺はこう考えていた。
(反応は
恐らく、そのどれだけ足掻こうと真似れない部分を魔神柱バルバトスの情報で補ったんだろうが、バルバトスを含む七十二の魔神柱は元々魔術王に仕えた使い魔、詰まり悪魔だからな、それぞれが元々自我を備えていた。って、同じく贋作である俺の言えた事でもないか‥‥‥けど、まぁ。)
《了》
さてと、我が主の話を聞くとしようか。
リムルに絡ませるか
-
絡ませる
-
絡ませない