美朝村の霧 〜宮中志先生シリーズ 第一巻〜   作:仲村大輝

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いよいよ物語もラストにさしかかりました。
実は三部作にする関係で、全体的に短めです。

「さあ、宮中先生!
ついにあなたを殺そうと村民全員が動き出しましたよ。」


第5章 十月二十六日(水)山狩り

「ハハハハハ!お前が殺したんだ!」

「何度も言ってるだろ、俺は殺してない!」

 寝言とは思えないほど大きい声を出した。

 そのおかげで目をはっきりと起こしてしまった。布団は汗びっしょりだった。

「外の空気でも吸うか。」

 昨日閉めた鍵を開け、神社の庭に出た。

 もう霧は晴れてとても良い朝だと思った。

 そのとき結構な風が吹き、顔にしている紫の手ぬぐいが門近くまで飛び落下した。

(危ない、わざわざ降りるところだった)

 私は紫の手ぬぐいを取りに行き何気に下の方を見た。

 すると、階段の一番下に岳斗と香和と三郎と鶏がいた。

 いた まではいいのだが、なんと鬼に追われている。

 神社の敷地から出てはいけないどころの話ではない。

 私は無我夢中、二、三回転がりながら階段を駆け下った。

 鬼は包丁のようなものを振り回しながら鶏と格闘している。

 あと、五段ほどあったが構わず鬼に向かってジャンプした。

 その刹那、鶏に包丁が刺さった!

 しかしこれはとても好機だった。

 鬼の眼中には鶏しかなかったらしく包丁から手を離していたのだ。

 御構い無しに私は鬼の面の上からキックしてやった。

 鬼は不意の出来事に尻餅をついた。

 私は鬼に馬乗りになると面と鼻と口を隠す手ぬぐいをとることに一生懸命になったが、鬼も取られまい 逆に殺してやろうと必死に抵抗してくる。

 私は片手で鬼の顔にパンチを繰り返す。

 鬼も鬼で下からボディにパンチしてくる。

(ジャケットを着てれば良かった…)

 私のジャケットは旧式でとても重い、これは綿が古くなったことにより重くなっているので、人のパンチぐらいなら吸収してしまうのだ。

 また、他にも理由があるのだがそれはまたの機会にしよう。

 痛みに耐えながらついに私は手ぬぐいを外し、近くに投げた。

(次は面だ!これさえ外せば言い逃れ出来なくなる。)

 そう思ったとき、鬼が渾身の力を込め身体をひねり私を振り落とした。

 すると鬼は私達を襲わず、包丁や手ぬぐいも回収せず北の方へ逃げて行った。

 少しの間だったが本気の殴り合いでとても疲れた。岳斗と香和と三郎が近づいてきた。

「はぁはぁ…三人とも怪我はないか…?」

「ないけど…鶏が…」

 鶏に包丁が突き刺さった状態で倒れている。

 私は鶏の近くに行き、包丁を抜いてやった。

(唐揚げや焼き鳥が大好きだが少し大赦しなければならないな…)

 振り向いたら三郎が泣きそうな顔でこっちを見ている。

 少し考え、私は鶏に向かいこう言った。

「…鶏、ありがとう。お前は三郎と三郎の友達を守ったんだな、とてもえらいな。なんとか俺が鬼を撃退しといたからな、三人とも元気だ。安心して眠ってくれ。」

 そして手を合わせた。

 次に三郎を見た。

 もう涙が落ちるのをこらえているのがよく分かる。

 私は腰を下ろし、三郎の目線に合わせた。

「三郎、君はとても優しいんだな。先生は動物が人間を助けるなんて、おとぎ話のだけかと思っていたよ。…この鶏はお父さんが育てていたのか?」

「この鶏だけは父ちゃんがくれるって言った…」

「そうか。父ちゃんには先生からも言ってあげるよ。…父ちゃんも鶏が死んだことには怒りはしないだろうし、もしかしたら代わりの鶏をくれるかもしれないぞ。」

「…………」

「それと、どうして鶏に名前をつけなかったのか先生に少し分かるぞ。この鶏は結局締めることを知っていたろ?」

「!………」

「やっぱりな。君ぐらいの歳なら絶対名前をつけると思っていたんだが…君は賢いな。…三郎!負けてはいけないよ。生き物は絶対別れないといけない時が来るんだ。それが今だっただけだ。だけどな、三郎!これからとんでもない人数の動物や人間に会う。だけどそれ全て別れないといけない時が来るんだ。それの一部だと思うしかないんだ。」

「…………」

「それと、一つ教えるよ。」

 私は三郎を抱きしめた。

「男は泣いてはいけないとよく言われてるだろうがな…言われてるだろうが一つだけの理由で泣くのはいいんだ…友達のためを思う時だ。」

「…………」

「だから…もし泣くのを誰かに止められていても…今なら見えないから…と言うより、友達のためを思って泣くのはとても素晴らしいことだから…今はゆっくり…」

 それまで静かだった三郎は二回大声で泣いたがすぐに泣き止んだ。

 やはり彼の中のプライドがあるのだろう。

 岳斗と香和は三郎が泣くのを初めて見たような困った顔をしていた。

 だけど二人は三郎を心配してのことだろうと思っていた。

 私は包丁を拾い、鶏を持って三郎の家まで行くことにした。

 このことを報告する約束を三郎としたし、鬼がまた来るかもしれなかったからだ。

 三郎の家に着き、訳を話すと三郎の父親は三郎に新しい鶏をくれてやることにした。

 そのほか鬼の情報をすぐヒラデエジンに伝えると言ってくれたので私は帰ることにした。

 神社に着くと、浅見さんが帰って来て門の下にいた。

 斬られた腕を包帯でグルグル巻きにしている。

「どこへ行ってたんだ?」

 怒ったような口調だ。

「鬼が三郎を襲っていたので助けて父親のところまで送って行ってたんです。」

「余計なことをするなって言ってるだろ!」

(すごい感情的な言い方だな…ぼろが出るのももうすぐか?)

「そうだ!鬼が着けていた手ぬぐいを取ったんですよ。」

 そう言って鬼の手ぬぐいを見せてやった。紫色の手拭いだった。

「…!………そ、それで鬼はどこへ?!」

「北の方へ逃げました。なにせ力が強い鬼だったので取り逃がしましたが…。」

「………。」

 浅見さんが急に向かって来た。

 なにかされると思っていたが、そのまま私の脇を通り過ぎた。

「どこへ行くのですか?」

「ヒラデエジンのところだ!すぐに鬼を追わせる有志を募らせてくる!」

(早口で焦っているような言い方…あとひと息か…)

 私は浅見さんの背中を見送って神社へ入り、伝記の前に座った。

(さて、この調査もいよいよ佳境だ!どうやら全て繋がりそうな予感がしてきたぞ。)

 黙っていたが、あと一息ですべて訳し終わりそうだった。

 しかもなんとなく美朝村の秘密も見えてきていた。

 午後はヒラデエジンに村の有志が集まって山狩りを決行した。

(このご時世に山狩りとは珍しい。)

 門のところから勇んでヒラデエジンを出発する男たちを見てそう思った。

 道祖神の交差点のところを右にまわり有志二十人が山の方へ向かって行くが、先頭の男は陣笠のようなもの、続く者が旗、竹や木の棒、農機具など持っている。

 そのほか、オレンジの帽子を被った者もいる。これは猟師だ。

(銃まで使うのか…まるで一揆だな。)

 そう思いながら見ていた。

 そのあと何回かに分けて有志がヒラデエジンを出発していくのを見ていた。

 午後の六時ごろ

 浅見さんはいまだ帰ってこない。

 私は現代語訳をだいたい終わらせることが出来たため、門から村を見ていたら昼間山に向かって行った者がヒラデエジンに帰ってきているのを見ていた。

(また明日捜索になるのか。)

 そう思って門をくぐったとき、「先生!」と下から声が聞こえた。

 下から上がってきたのは三郎の父親だった。

「先生!逃げてください。」

「どうしたんですか?」

「ヒラデエジンのところに行っていた圭吾に聞いたんですが、浅見神職が「鬼はあの東京の学者に間違いないんだから、早く取っ捕まえて警察に突き出しましょう。」って提案しているのを聞いたらしいんです。ヒラデエジンは神職以外と面会謝絶状態なのですが圭は盗み聞き、ヒラデエジンを脱出して俺に教えてくれたんですが俺に神職を超える力がないからこうやって頼んでいるんです。」

(浅見め!ついに正体を表したな!)

「よく分かりました。一つ質問していいですか?」

「なんでしょう?」

「ヒラデエジンの畑はどこにありますか?」

「……バス停までの間の道の両脇の中にあると聞いたことがありますが…見たことはありません。」

「分かりました。ありがとうございます。…お父さんは神社の床下に隠れててください。有志はこの神社にやってくるはずです。有志は裏の森に誘導しますから誰もいなくなったら帰ってください。」

「先生は?」

「私はついにこの村に来た意義を見つけました。絶対に死にません!だから大丈夫です。さあ早く!」

 三郎の父親を早く神社に入れ見つけた床下に隠した。

 そして、私はまた御神体の扉の前に立ち、手を合わせてから静かに扉を開けた。

 中には乾燥した紅葉のような葉っぱが入っていた。

(ビンゴ!美朝村の前は美浅村、そして最古は美麻村だったんだ!)

 私は急いでショルダーバッグにその枯葉を入れ、門のところまで戻った。

 ヒラデエジンから松明の行列が出発し道祖神を通り過ぎこちらに向かって来るところが見えている。

(こっちに来たな!)

 また神社に戻り灯りを目一杯つけた。

(気づいてない振りぐらいにはなるだろう…そうしたら三郎の親父が危ないか!?)

 急いで三郎の父親を床下から出し、予定が変わったので森に入り南を通って帰れと言った。

 父親はすぐに森に入っていった。

 そして私は天井に隠れた。

 真っ暗な中、足元から光が漏れている。

 

下がガヤガヤとうるさくなってきた。

 

(どうやらいないってバレたかな?)

私は静かに天井を移動し、飛び降りれば森に入れるところに来た。

 スッと忍者のように静かに降りたつもりだったが裏を見回っていた人に見つかった!

「いたぞ!鬼だ!マタギのように毛皮を着てるぞ!」

(浅見め、うまいこと私を鬼だと洗脳してくれたな。村民は鬼=仮面の男ではなく=毛皮、私のジャケットで判断してるのだろう。)

その叫んだ奴を黙らせたいところだがそれどころではない。

 灯りがない状態で森の中を駆けた。

(「盆地の尾根一帯は私の土地ですから、拓馬は目をつぶっていても動けるんです。」)

 拓馬さんがいなくなった後、幸三郎さんと話した言葉が反復した。

(三歩進んだら木が生えてるからそれを右手で流して左斜め四十五度方向へ五歩進むと段差があるからそれを乗り越えると…)

 こんなこともあろうかと、神社が持っている土地ギリギリまでは私も目をつぶって走れるほど地形を理解しておいたのだった。

 後ろから、滑ったの木にぶつかり倒れた人を看病する声が聞こえた。

 あっという間に神社の敷地内で追っ手を振り切った。

 

(この先に捨てられた畑みたいなところがあったが、伝記によればあれは捨てられてない。…んっ?人か!先回れた?)

 畑まで来たら私は人の気配を感じ近くの木に隠れ様子を見た。

 そこには鬼と浅見さんが向かい会ってなにか話してるようだった。

 鬼は仮面しかつけていなく口と鼻が見えている。

(やはりあの二人は知り合いだったんだ…このままだとどうせ私が捕まる……まてよ?今鬼なのは俺じゃなく、このジャケットを着ている者なんじゃないか?…俺は村民のほとんどに顔を見せてないし…ということは…)

 私は慌ててジャケットを脱いだ。

 顔にまくスカーフがめくれたのでシャツの中に綺麗に入れ直した。

 ジャケットを手に木の陰から覗くと、

浅見さんを鬼が棒のようなものでぶっ叩いた。

(いまだ!)

 浅見さんはその場に倒れた。

 鬼はそれを見ている。

 こちらに気がついていない!

(鬼は鶏からなにも学んでないのかな?)

 私は鬼にジャケットを頭から被せ、鬼の面を無理やり剥ぎ取った。

 代わりに鬼はジャケットをつかんだ。

 パッと飛び退き、私と鬼は対峙した。

「鬼よ、お前の印象をいただいたぞ!」

 そう言い私は頭に鬼の面を付けた。

「貴様か!俺の邪魔ばかりしてたのは!」

 鬼はジャケットを着ないで腰に巻いた。

「邪魔なら俺を殺したらどうだ?」

「言われなくても!」

 鬼は棒を捨て、鎌と鉈を抜いた。

(本当はここで村民に登場してもらわないと「こいつが鬼だ!捕まえろ!」って言えないんだけどな…)

 残念ながら村民は来ない。鬼が走り出した。

(やむを得ない。)

とにかく鬼から逃げるべく走った!

 

(「背の低い植物が多いですから音を使うのです。」)

「分かってます。幸三郎さん!」

 ガサガサガサっと耳で聞きながら走る。

 月光で照らされているから完璧に耳頼りというわけでもない。

 するとだんだんコツが掴めてきた。

(近くに段差がある。木が生えている。…なぜか分かるぞ。)

 結構なスピードで走っていく。

 すると川に出た。

 後ろから鬼が来ているので迷わず川の中に入る。

 バシャバシャと川下に向かう。

 川の真ん中まで木は生えてないので足元が月明かりに反射しキラキラ光っている。

 そのとき、明らかに先の流れが速くなっているところがあることに気がついた。

(「龍の巣に入れば妖怪岩に引きずり込まれる」マズイ!)

 私は止まり後ろを見た。

 鬼がゼェゼェしながら追ってきている。

 月明かりが強いので良く見える。

 本気で私を殺したいという欲なのか、

涙を流し、

鼻をすすり、

よだれを垂らしている。

(進めば斬り殺され、下がれば水死。どっちがいいんだ?志!…)

 鬼が息を整え、一歩前に進み出した瞬間である。

バシャバシャバシャ!

 鬼の足元に 水面に三十センチほどの水柱が五、六本できた。

「いたぞ!毛皮と仮面の鬼だ!」

 鬼は振り向き、私は声の方向を見た。

 鬼の後ろに松明が見える。村人が追いついたのだ。水柱は村民が投げた石らしい。

ガスっ!

 一つが鬼に当たったらしく鬼はその場に倒れこんだ。

「やめろ!」

 誰かが叫んだ声が聞こえた。

「まだ一人残ってるぞ!ボコボコにしてやろう!」

(なに!…)

 思わず数歩下がった。

 しかしこれが命取りだった。

 数歩で私は苔が生えている岩の上に乗ってしまったのだ。

 それだけでなくその岩から先が激流。

 あっという間に私は龍の巣に入ってしまったのだ。

 

 さっきまでの川の流れが嘘のようなスピードで流されている。

 しかも川底が深く足が届かないし、腰あたりに水の流れがあるのか浮き上がれない。

 目を開けて見たら、両脇に石が積み上がっている。

(自然に石がたまってダムみたいになってて、立ってたところに砂利が溜まっているんだけれど、そこから先は堤を切ったような地形になっているからこんなに流れが速いのか…これが竜の巣の正体って訳だが…もう…息が、もたない…)

 そのとき、流されていた方向とは逆、つまり川上に向かって急激にターンした。

「ウガッ!…」

 急な出来事だったため口を開いてしまった。

(あっ…終わった…んっ?空気がある?!)

 大慌てでその空気を吸い込んだ。少し湿った息苦しいような空気だ。

(そうか!シャツの間にスカーフを入れておいたから、シャツの空気が入り込んだりはき出した空気が残ってたんだ。…といっても息を止めつつ動けるのはそう長くないな…。)

 その瞬間、また逆方向、川下に向かって揺さぶられ、流され出した。

 眼を開きどのような状況か確認したら、目の前に大きな岩があり、岩下に布のようなモノが見える。

(そうか!これが「妖怪岩」だ!岩が川の流れを遮っているから水が渦を巻いて岩下に引き込もうとするように見える現象になるんだ。そして、あの布があるあたりは完璧に水流がないんだな。)

 また身体が振られた。

 なんだか岩が近い位置にきている。

(次振られる瞬間に岩を蹴り飛ばして脱出しよう。だんだん岩に引きずられているようだ…)

 足を一度伸ばし岩が狙える位置に来たら一気に屈伸した。

 そのとき足にあの布が絡みついてきた。

(かまってられん!)

 俺は思いっきり岩をキックした。

 その瞬間身体も反対側に振られた。

(頼むぞ!)

 その拍子にスカーフが緩みグーっと顎下まで下がった。

 また、シャツから気泡がジュワジュワと抜け目の前が白く見えなくなった。。

 その気泡が収まった頃、川底がものすごく近くなっていた。

 水の流れも穏やかになり、私は川底に足を下ろし立ち上がった。

 水量、水流共に流される直前ぐらいしかない。

「助かった…」

 思わずつぶやいた。

 この辺りは両側が崖になっているが右岸側がなぜか明るい。

(幸三郎さんと話したことを思い出せば、この辺り崖を登ればバス停のはずだ。)

 その前に、首が重いので触るとスカーフが巻き付いていたので、外し水を絞り、このまま口に巻いたら苦しいので頭に巻こうとしたら、頭に面がちゃんと付いていた。

 肩にはショルダーバッグもあった。

 そして、妖怪岩にあった布は足に絡みついたままだった。

(物をなくさないなんて学者として当たり前だが、あの状況で無くしてないのには褒めてもらいたいな。)

 右岸は一メートルぐらいの凹凸の多い崖なので登れそうなところから登った。

 すると明かりはパトカーや護送車であった。

「そういえば今日に県から応援が来るんだったな。」

「宮中先生?宮中先生じゃないですか!」

 私が上ったのは一刑事が車の誘導と点呼を行っているところだったのですぐ見つけてもらった。

「どうしたんですか?」

「村民に追われて、いままで逃げていたんです。」

「鬼はどうしたんですか?」

「鬼は村民の投げた石にぶつかったらしく倒れてました。…それよりもこれを見てください。」

 ビショビショのショルダーバッグからあの枯れ草と、浅見さんと鬼がいた畑で採った草を見せた。

「大麻です。乾燥大麻は神社の御神体で、敷地内の畑で大麻を育ててました。」

「…この村から大麻栽培申請は来てない。」

「それと、文献の現代語訳が終わりました。要約すると、ヒラデエジンの起こす霧は大麻やケシの成分を配合したもので、その技術はヒラデエジンしかしりません。それを浴びれば村民が元気になり、歯向かえば霧を起こさないという風にして村民を従えていると書いてあるのです。」

「なんと!ケシまで!」

「村民から聞いたのですがヒラデエジンの畑はここからヒラデエジンに向かう道の森の中にあると…」

「分かりました。あとは警察に任せてください。それより早く身体を温めたほうが良い。」

 そう言われ、警察の大型車両に案内されシャワーを浴び、新しい服を貸してくれた。その間にどのような命令が出たのか分からないが、たくさんいた警察官達がいなくなった。

 私には 村民からの護衛のために二人警察官が付いた。

 村民の追っ手が来ても撃退できそうな体格の良い若者だ。

 二人は私にたっぷりと食事を出してくれたが、そんなに食べられないので三人で食べた。

 食べ終わるころ、もう東が明るくなって来ていていままで「黒」だった空間が段々「青」になってきていた。

 

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