勇者パーティを、こっぴどく追放されたけど、改造呪術の《グリッチ=コード》が覚醒したため、生活魔法で最強を目指します!   作:手嶋ゆっきー

30 / 39
第30話 【軽修理】の魔法で服を改造してみよう

 

 

 僕らは一路、アルハーデン王国に向かうことになった。

 ここで、カトレーヌさんとは別れることになる。

 

 カトレーヌさんは、ブラード王都に戻りパーティを組み直し、もともと僕が受ける予定だった依頼を請け負うようだ。

 

 

 ————

 

 

 僕らは馬車に揺られ、アルハーデンの王都に到着した。

 僕は王宮内に滞在して良いということで、甘えることにした。

 

 かなり広い二人部屋を用意された。

 チコと一緒だ。

 

 

「リィト、ふかふか!」

「うん、すごいベッドだね」

「お風呂もある! リィト、一緒にはいろ?」

 

 

 バスルームまであって至れり尽くせりで。

 僕らはその豪華さに驚いたのだった。

 

 

「リィト、マエリスは?」

「マエリスは神殿の方に住むらしい」

 

 

 神殿と行っても王城のすぐ近くにあり、歩いてすぐのところだ。

 

 

「一緒に住まないのぉ?」

「いや、さすがに未婚の男女が、しかも聖女と一緒に男が住むってマズイらしくって」

 

 

 チコはしょんぼりとした。

 

 

「そうなの? 一緒に住めば良いのに」

「もう、孤児院のように一緒ってワケには行かないからなあ」

 

 

 小さな頃は、少し狭いところで、マエリスや孤児たちと一緒に雑魚寝をしていた。

 目を覚ますと、いつのまにかマエリスは隣にいて。

 

 互いの温もりが気持ちよくて、なかなか起きられない朝を迎える。

 僕はずっと、そんな生活が続くと思っていた。

 

 

「ねえ、リィト……一緒に寝てもいい?」

「そろそろ一人で寝ても——ううん、いいよ」

「わーい!」

 

 

 聖女という存在は、この国ではとてつもなく貴重なのだという。

 

 マエリス、遠い存在になったな。

 などと思いながらチコと一緒にその晩は眠った。

 

 

 しかし、翌日。

 ドアをドンドンとノックする者がいた。

 

 寝ぼけ眼で出ると……。

 

 

「リィト、チコ! 王都に遊びに行こ!」

 

 

 以前と全く変わらないマエリスがやってきて、僕たちは久しぶりの休暇をアルハーデンの王都で堪能することになったのだった。

 

 

 ————

 

 

 三人で美味しいものを食べたり、小物を買ったり。

 一通り楽しんで、僕の部屋に三人で戻った。

 

 早速、お店で買った服を並べてみる。

 新品だというのに、どこかにひっかけたのか糸がほつれている服があった。

 

 こういうときのための生活魔法、【軽修理】だ。

 さっと使い、直してしまうと僕はあることをひらめく。

 

 

「ねえ、マエリス、チコ。冒険に着ていく服を選んでみて」

「え? うーん、私はやっぱり聖女着になるかしら。可愛いのも良いけど」

「わたしは——これ!」

 

 

 チコは花柄のワンピースを選んだ。

 マエリスが選んであげたもので、着たらとても可愛らしく似合うだろう。

 

 

「【軽修理(メンディング)】!」『グリッチ』

『【軽修理】の魔法はレベル2のグリッチも行えるよ』

 

 マエリスとチコの服それぞれに魔法を施す。

 さっそく【識別】してみよう。

 

『

 

 名前:聖女着

 防御力:中

 

↓

 

 名前:神聖・聖女着

 防御力: 高

 効果:

  聖属性魔法 効果増強

  呪い耐性 高

』

 

 おお。なかなかの効果アップだ。

 しかも、聖女着の見た目も、豪華になっているような。

 

 次はチコの服だ。

 

『

 

 名前:花柄のワンピース

 防御力:低

 

↓

 

 名前:花柄のキャミワンピース

 防御力:中

 呪い耐性: 呪い無効

』

 

 デザインが変わって布の面積が減っているけど、他の服と合わせて着ても良いと思う。

 

 

「ねえ、リィト、これどう?」

「いいと思うよ」

「じゃあ、これは?」

「ちょっとスカート短くない?」

「えーかわいいのに」

 

 

 マエリスは、ファッションショーみたいに色々着ては、僕に見せに来た。

 チコは、着る様子もなく、ニコニコとしてワンピースを抱き締めている。

 

 

「チコは着ないのか?」

「うふふ……もったいなくて着れないよ……ふふ」

 

 

 とても嬉しそうで、笑ってしまうのを押さえられないようだ。

 でも、どうせなら——。

 

 

「着てくれたら、僕もマエリスも喜ぶよ?」

「じゃあ……じゃあ、明日、着るー!」

 

 

 ずっとぎゅっと抱き締めているので、しわになると言おうとしたけどやめた。

 しわになったら、【軽修理(メンディング)】の魔法で直してあげれば良いのだ。

 

 

 その日。

 チコは、キャミワンピースを抱き締めたまま、にこにことして眠ったのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。