勇者パーティを、こっぴどく追放されたけど、改造呪術の《グリッチ=コード》が覚醒したため、生活魔法で最強を目指します!   作:手嶋ゆっきー

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第04話 獲得した経験値を消費してすべきこと

 僕の頭の中に、いつもの声が響く。

 

『経験値を獲得しました』

『経験値を消費して《グリッチ=コード》の実体にかけられている【誓約(ギアス)】術式を破壊します。術式を破壊しない場合は、能力向上(レベルアップ)を実施します。術式を破壊してよろしいですか?』

 

 

 ん?

 【誓約(ギアス)】の術式って。

 これは呪いの一つで、例えば奴隷に対し服従の契約を課すものだ。

 

 謎の少女を見ると、いつものように微笑んで僕を見返す。

 もしかしてあまり喋らないのは、この呪いのせいか?

 

 当然、そんなもの答えは決まっている。

 YESだ。

 どういうことだ? この子は奴隷だったのだろうか?

 この状況に腹が立ってくる。

 

 

『【誓約(ギアス)】術式の破壊…………成功しました』

 

 

 謎の少女は急に涙目になった。

 ぽろぽろと涙を流し始める。

 でも、顔は笑顔になっている。

 僕の胸のつかえが少しだけ降りたような気がした。

 

 

「……! リィト……リィト…………ありがとう……! ありがとう」

 

 

 少女は叫びながら俺に抱きつく。

 でも割とすぐに、ようやく楽に声が出るようになって安心したのか、少女はうとうととし始めた。

 仕方ないのでおぶってあげた。

 

 その様子を見ていたアリナが興味津々という様子で僕に聞いてくる。

 まあ、そりゃ気になるよなぁ。

 

 

「ねえ、ねぇ! その子、もしかしてリィトの子ぉ?」

「いや、年齢を考えろ。そんなわけないよ!」

「そうねぇ。でも面影があるんだけどなぁ。誰なのぉ? 名前はぁ?」

「えっと——。どうやら《グリッチ=コード》と関係あるみたいだけどよく分からなくて……とりあえず謎の少女って呼んでる」

 

 

 変なの、と文句を言いつつ、アリナは少女の頭を撫でた。

 

 

反則呪術(グリッチ=コード)、それにしてもすごかったわぁ……本当にあれが【発火(イグニッション)】の魔法? やばすぎでしょ」

 

 

 アリナが羨望の眼差しを緩めてくれない。

 妙に照れくさいので、やめて欲しいんだが。

 

 

「ああ。僕もびっくりしている」

「すごいのねぇ、リィトって。それでリィトはどうして戻って来たの? 勇者パーティーはどうしたのぅ?」

 

 

 もっともな疑問だ。

 僕は簡単に経緯を話した。

 勇者パーティをクズスキル持ちだと追放されたこと。

 どうやら時々中途半端ながら発動していたこと。

 しかし、このスキルのことをマエリスを除いて誰も信じてくれなかったこと。

 

 

「全然外れスキルじゃないし、リィトを追放するなんてグスタフって人バカじゃないのぉ?」

「おいおい」

「それに、これからも強くなっていきそうなんでしょ? 《グリッチコード》のスキル自体が。やっぱりバカよ。大バカ者よ」

 

 

 相変わらずアリナは思ったことをずけずけと言う。

 でも、確かにスキルの解除など、もっといろいろなことができそうだ。

 色々調べてみないといけない。

 

 

「確かにそうだけど、僕がパーティにいた頃はよく分からなかったし」

「でも、その声は前から聞こえててぇ、みんなのスキルとかを強化らしきことはしていたんでしょう? 最低」

「もう、今はどうでも良いよ。マエリスのことは心配だけど、すぐ聖女として認められそうだったし」

「そっか……グスタフって人の下にいるよりはいいかもねぇ」

 

 

 アリナは口には出さなかったものの、マエリスが勇者パーティに残ったことは不満のようだ。

 

 

「うん」

「リィトは、いつも前向きねぇ。この子にも慕われているようだし。今、戻って来てくれて良かったぁ。街のみんなも歓迎してくれるよぉ!」

 

 

 今戻って来てくれて良かった? 何か問題でも起きているのだろうか?

 

 アリナの言葉通り、街に戻ると僕らのために軽い宴が催された。

 久しぶりに見る孤児院の面々。

 顔見知りの大人たちや、子供たち。

 

 

大狼(ウォーグ・ウルフ)を倒したのを見張り台から見ていたよ! すごかったなあ」

「あの魔法は何だ? 見たことなかったけど」

「王都はどうだった? どんな服が流行ってるの?」

「リィト、この時期に強くなって戻って来てくれて心強い」

 

 

 などなど、その歓迎ぶりに照れてしまう。

 パーティをクビになって、お金もありませんよと言うと、そんなこと気にするなと返され、ますます照れる。

 でも、久しぶりに美味しいものをたらふく食べ、気の知れた人たちと話をし、僕はとても楽しい気分になったのだった。

 

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