『マックスダイ巣穴』にて行えるコンテンツ。レンタルポケモンを使用してダイマックス状態のポケモンと4連戦する。レンタルポケモンを使用する関係上、手持ちのポケモンの強さに左右されず、尚且つレベルの高い希少なポケモンなどもゲットできる。ただし基本的にレンタルポケモンは『弱い』ので4人で協力して戦わなければ4連戦中に合計で4回『ひんし』になると強制終了してしまう。特に4戦目には『伝説のポケモン』なども登場するので人気のコンテンツだった(マルチできる人には)。ソロだと無理ゲー過ぎて泣けてくるが、マルチでも割とどのレンタルポケモンが出るか運次第なところがある。『全体技』連打してくるような相手に『ワイドガード』とか無かった場合、マルチでもあっさり強制終了させれる。おのれ糞ランド『じしん』連打は許されない。
そしてこの世界の場合において、『伝説のポケモン』とはつまり……?
「絶対に寄り道じゃ済まなくなるなるから止めといたほうが良いよ!」
というユウリの言に従って『マックスダイ巣穴』をスルーして『フリーズ村』へ。
「王様もここで会ったんだよね」
「王様?」
「バドレックスっていうガラルの伝説のポケモンだよ!」
図鑑のほうにデータを送られてきたので目を通す。
>>『バドレックス』
>>キングポケモン
>>『くさ』『エスパー』タイプ
>>『いやしと めぐみの ちからを もつ じあいに みちた ポケモン。 はるか むかし ガラルに くんりんしていた』
>>『おおむかしの ガラルを すべていた でんせつの おう。 こころを いやし くさきを めぶかせる ちからがある』
外見的には……二足歩行のウサギに緑色の球体を乗せたような感じだ。
ぱっと見だとそう強そうには見えないが、それでも『伝説のポケモン』らしい。
『超越種』かどうかまでは分からないが、それでも相当にスゴイポケモンなのは事実らしい。
余り区別されていないが別に『伝説のポケモン』が全て『超越種』というわけではない。
というか寧ろ『超越種』という区分自体が一般的には知られた呼び名ではない。所有者のユウリ自身すら知らなかったように。
私自身、父さんに聞いただけなのだが、他にこの呼び方を知っている人はどれくらいいるのだろう。
「まあ取り合えず今はこの村に用事も無いし、さらに奥に行きましょうか」
「はーい」
そんなわけで特に用事も無かった村をさくっと抜けてさらに奥へと進む。
そうして村を出て少し歩くと雪原を抜けて草原へと変わる。
「この辺りから雪が積もってないのね」
「基本的にあの山の周辺しか降らないからねー」
と言いつつ視線を山のほうへ向ける。
真っ白に雪化粧された山は見るからに寒そうで、思わず体を震わせてしまう。
とは言えこうして雪原を抜けると少しずつだが気温も上がってきているらしい、防寒着を着ていると僅かに汗ばんできた。
前のチャックを少し下げて熱を逃がしながら歩くと、前方に石造りの建物が見えた。
「あれは……黒鉄の遺跡?」
アプリでマップを確認しながらピンチアウトしてマップを拡大する。
名前が表記されている、ということはある程度知られた場所らしい。
「あーあそこね。『レジスチル』っていうポケモンがいたよ」
「え?」
とても良く聞いた覚えのある名前に、思わず固まる。
「レジ?」
「うん? そうだよ、レジスチルっていうなんか顔のところが点々になってるポケモン」
「もしかして他にも居なかった? アイスとかロックとか」
「ソラちゃん良く分かったね! あとレジエレキっていうのとレジドラゴっていうのもいたよ」
「そっちは知らないけど、え……待って、てことは、いや無いとは思うんだけど」
そのラインナップを見るとどうしても嫌な予感が拭えない。
「レジギガス、とか居ないわよね」
「居たよ?」
「…………」
絶句である。
いや、いてもおかしくないのだ。
『超越種』とは別に固有の存在ではない。ただそこまで『至れた』存在が二匹も三匹もいるはずがないくらいに異常なだけで、可能性だけを言うならば同じ種の二匹目が存在する可能性はあるのだ。余りにも可能性が低いだけにほぼ皆無と言っても過言ではないけれど。
ただレジギガスに関しては確かに『あり得る』。
いや、私だって父さんに聞いただけだが……この手の話は本当に父さんが強い。
専門外の話のはずなのに、考古学者の人とも普通に神話の話ができるくらいに多くの知識を持っている。
その知識に寄ればレジギガスとは作られた存在だ。ならば二体目が居る、というのも決して無い話ではないのだが。
「よく無事だったわね」
「まあムゲンダイナとかザシアン、それに王様もいたからねー」
「だから、何だけど……まあ良いわ」
レジギガスというポケモンの性質を考えるとだからこそ、という気もするのだが、まあ今こうして話せるのだから無事だったのだろう。
「ユウリが捕まえたの?」
「私じゃなくてお姉ちゃん……『ノーマルタイプジム』のジムリーダーだよ」
「うーん、それは怖いわね」
「だよねー。去年からメジャーリーグでキバナさんとバッチバチにやってたけど、今年のファイナルトーナメントが早くも怖いよ~」
呟きながらユウリが体を震わせたのは間違いなく寒さのせいだけではないだろう。
ただそれを『超越種』を推定複数体所持しているユウリが言うのか、とは思うが。
そんなことを考えながら草原を進んでいくと進行方向が崖を挟んで登りと降りの三叉路になっていた。
「どっちに行く?」
「うーん、下まで降りてからまた上まで登るのも大変だし、先に上から行っちゃお?」
「そうね」
登るほうの道を進んでいく。
この先は『巨人の寝床』と呼ばれる場所らしい。
ユウリ曰く、レジギガスが出現したのもこの『巨人の寝床』らしい……まあもういないが。
「しかし……結構深いわね、ここ」
「ワイルドエリアで言うところの『中間域』と『深域』の間くらいだからねー」
「それ、入って大丈夫なの?」
「ワイルドエリアと違ってこっちは特に規制は無いよ」
命の保証も無いけど……とぼそりと付け加えたユウリの一言に恐ろしいことを言う、と半眼になる。
まあ実際、野生環境下での事故というのは良くある話なのでこうやって自分の足で踏み入っている時点でそれは自己責任の範疇ではある。
『ピッピにんぎょう』があれば大丈夫、とか楽観的に考えている連中も多い、実際のところ野生のポケモンが真正面から正々堂々と勝負をしかけてくるはずなどない。
「ギャァォォォ!」
―――そう、例えばこんな風に。
「っと!」
「にゃぁ?!」
上のほうから聞こえた咆哮と僅かに耳に届いた風を切る音に、咄嗟にユウリを掴んで身を屈める。
僅かな差で真上を何かが通り過ぎるような気配に、視線を向ければ。
「は?!」
「あ、珍しいのがいるね」
全体的にグレーの色。後頭部に突き出た二本の角と大きな口。両の手があるべき位置には大きな翼があり、翼の先と足元には鋭い鉤爪が伸びている。
そうしてばっさばっさと大きく翼をはためかせながら空中に佇み長い尻尾を揺らしながらこちらを睨みつけていたのは。
「ぷ……プテラ?!」
太古の昔に絶滅したはずの『かせき』ポケモンがそこにいた。
* * *
「プテラゲット!」
「おめでとー」
まあ突然襲い掛かられたのには驚いたがそれだけだ。
中々レベルの高い相手ではあるが、それでもダーくん一体いればどうにでもなる程度でしかない。
さっくり倒してゲットする。これでこちらに来てから七体目の仲間だ。
リシウムから『ひこう』ジムの施設を借りる約束ができているのでもう少し数が欲しいところだ。
去年ホウエンのほうでリーグに挑戦して分かったが、6体固定のパーティというのは非常に辛い。
どうやってもポケモンバトルというのは相性が出る部分がある。面子を固定してしまうと相性が悪い相手にはとことん不利になってしまうのだ。
幸い私の場合は『ひこう』タイプの弱点を消せるという大きな強みがあるので『ひこう』統一でも十分な力が発揮できる。
後は個々の能力や特性などに合わせて『幅』を作っていくことが課題だろう。
「それにしてもやっぱり出てくるポケモンのレベルが高いわね」
確かにダーくん一体いればどうにでもなる程度でしか無いのだが、それでも体感レベル60以上といったところ。ガーくんやキューちゃんではまだ敵わない相手ではある。
「基本的にこの辺りはもう人の手の届かない場所だからねー」
ユウリ曰く、そもそもこのカンムリ雪原自体が半ばガラルから隔離されており、滅多に人が来るような場所ではないらしい。
『フリーズ村』も基本村の中で完結しており、外部との交流もほとんど無いらしく、村より奥となるこちら側ともなると人の行き来などほぼ皆無に等しいのだとか。
「人の手が入っていない野生の領域の奥深くほど強いポケモンもたくさんいるしねー」
しかしそうなるとフリーザーを探すのが思っていたより難易度が高いかもしれない。
手持ちでここの領域のポケモンと戦えそうなのはダーくんとフーちゃんだけだろう。
ただ余り連戦を重ねてダーくんとフーちゃんに負担をかけすぎるのも不味いし、何よりさらに深奥へと行けばさらなる強敵がいることも予想される。
「……あれ?」
そう考えて、ふと気づく。
奥へ奥へと行くごとに敵は強さを増す。
となればダーくんやフーちゃんですら連戦で疲労を重ねればやられる可能性もある、ということだ。
だとすれば。
フリーザーとはそんな場所を悠々と飛べるほどに強いのか?
恐らく否だ。
ダーくんとフーちゃんの二匹は相性の差はあれど強さという意味ではそれほど差異が無い。
となればフリーザーも同じくらい、と考えるのが自然だろう。
だとすせば、野生のポケモンがそんな危険な環境にあえて身を置くだろうか?
「思ったより近いのかもしれないわね」
この雪原を飛び回っているというフリーザーの行動範囲は、けれど『巨人の寝床』からそう遠くは無いのかもしれない。
そんな風に考えて改めてマップを見直して。
「いや、やっぱ広いわよこれ」
北は雪山、西は村、東に盆地と洞窟、そして南はひたすらに広大な草原。
現在地からフリーズ村くらいまでを半径として指先でぐるりと円を描いてみるが、やはり相当に広い。
これを自分の足で歩いて探す、というのは難易度が高すぎるだろう。
「ユウリ、何か手がかりとか無い?」
「うーん、さすがにこれ以上は……」
思考に行き詰ってユウリに無茶振りしてみるが、ユウリもさすがにこれ以上ぽんぽんと情報は出てこないらしい。どうしたものか、と考える。
しばらく悩んでいると、ユウリがそう言えば、と前置きして。
「逆に考えてみよう。サンダーとファイヤーはどうやって見つけたの?」
ユウリに言われて考えてみる。
ダーくんはワイルドエリアを爆走していたのを見つけたのだ。
といってもあれはダーくんが凄まじく目立つ走り方をしていたから気づけたのであって、他のトレーナーたちに追われることも無く普通に歩かれていたら恐らく気づかなかっただろう。
「……目立つ? 目立たせる……?」
今何か出てきたような気がする。
ただそれが何なのか分からず紋々とするので思考を切り替えて次はフーちゃんの時のことを思いだす。
フーちゃんもヨロイ島のどこか、という曖昧過ぎる情報に悩んでそれで……。
「あっ……あああああ!」
―――探したのは住処ないし餌場だ。
つまり。
「ユウリ、聞きたいことがあるんだけど」
今思い付いたソレが実行可能かを考え。
自分よりもこの雪原を知っているだろう少女にいくつか質問する。
そうして。
「フリーザー、これで炙りだしてあげるわ」
一つ宣言し、口元が弧を描いた。
* * *
『巨人の寝床』を南へ、下り道を進んでいき『いにしえの墓地』をさらに南へ。
そうして川を一つ挟んだ向こう岸が『ボールレイクの湖畔』だ。
「恐ろしい川ね」
「あっぶなかったねー」
川の上をポケモンたちに運んでもらおうと飛んでいたら、川から突然ギャラドスが飛び出してきたのだ。
不意打ち気味に川から飛び出して襲い掛かってくるギャラドスに突然どこからともなく飛来した水流がぶつかってギャラドスを一瞬怯ませなければ一撃食らっていたかもしれないところだった。
「さっきのどこからともなく水が飛んできたけど、何だったのかしらね」
「ねー、不思議だよねー」
笑みを浮かべて私の言葉に同意するユウリを半眼で見つめる。
そんな私の視線に笑顔で返すユウリに、中々
「大きいわね」
「うん。すっごく大きい」
『ボールレイクの湖畔』の中央に見えるのが『ダイ木の丘』だ。
湖の真ん中の陸地に生えたとてつも無いサイズの大樹が『ダイ木』ということになるのだろう。
ピンク色の花がとても綺麗なのだが、サイズ比がおかしいせいか、スケールが違い過ぎて何かもう現実味が感じられない。
「それで、最初にフリーザーとはここで出会ったのよね?」
「あとサンダーとファイヤーもそうだよ」
「やっぱりここがフリーザーの餌場ってことで良さそうね」
生物である以上何か食べて生きているのは確かで、ファイヤーと同じく『きのみ』を主食としているならどこかに『餌場』があるはずだ、と予想した。
そこでユウリが最初にフリーザーたちと出会った場所に生えている木とそこに多くの『きのみ』がなっていることを思い出し、その言に従ってここまでやってきたのだが。
「フリーザーだけじゃなくてそれ以外もうようよね」
これだけ大きな木に大量の『きのみ』がなっているのだ、それを餌にするポケモンも多く来るし、そのポケモンを追って来るポケモンもいて周辺はポケモンだらけだ。
しかもどいつもこいつも総じてレベルが高い。
一対一ならダーくんたちでも余裕だが、これが全員襲って来るとなるとさすがに危険だ。
「仕方ないわね……」
余り取りたい手では無かったが。
「ユウリ、手伝ってくれる?」
「オッケーだよ!」
親友の手を借りるとしよう。
なんでプテラが野生にいるんだ???
という疑問。
プテラは化石から復元された時に暴れてトレーナーにすら怪我を負わせることもあるらしいので、多分逃げ出したやつが野生化して繁殖したんだよきっと。という結論になった。