近界プルルン奮闘記   作:ドドドドド黒龍剣

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主人公が屑の糞野郎かと言われればそうかもしれない。
門誘導装置を作った鬼怒田さんは超有能。




第1話

 突然だが異世界転生というものを知っているだろうか?

 ある日、突然に剣と魔法のファンタジーな世界の住人に生まれ変わる。それも自分の記憶や自我を保った状態でだ。

 その記憶を持ったりチートを用いてオレTueeeeするのだが、それと似たような事がもう一個ある。それは二次元の世界への転生だ。これは所謂二次創作とかでよく見る。

 

 そう、二次元の世界へと転生をしたのだ!

 

 なにを言っているか分からないかもしれないが、本当に二次元の世界への転生をしてしまった。

 生前の記憶とかモロにあり、死因的なのも無くてこれはいったいどういうことかと転生してから数年ほど考えてはいるものの、未だにその答えは見つからない。もしかすると神の様な存在の気紛れかもしれない。

 

 ワールドトリガー

 

 週刊少年ジャンプで連載しジャンプスクエアに移籍したSFバトル物な人気漫画。

 一時期作者が終了しそうになったものの、今はなんとか持ちこたえている感じで面白く能力バトル漫画みたいな理不尽らしさはあまりなく、全員が同じ武器で多種多様な戦いを見せる、今までに無いバトル要素が詰め込まれている……が、しかし

 

「もうすぐ終わりか」

 

 もうすぐ自分の人生が終わりな感じの雰囲気を醸し出している。

 28万人が住む三門市に、ある日突然異世界への(ゲート)が開いた。近界民(ネイバー)と呼ばれる怪物が現れ、現代の兵器が効かない怪物達の侵攻に恐怖し、謎の一団が現れ近界民を撃退する。界境防衛機関(ボーダー)を名乗り、近界民に対する防衛体制を整えた。門からは近界民が出現するにも関わらず、三門市の人々は今日も普通の生活を続けていた。

 

 それが大まかなワールドトリガーのあらすじだ。

 

 この大規模な侵略があった約四年半後にボーダーの訓練生である三雲修が空閑遊真に出会い色々と物語ははじまる。

 しかし、物語と言うのはそれよりもずっと昔からはじまっている。近界民(ネイバー)は大分昔から此方の世界の住人を拐っており、オレは拐われた。

 

 この世界がワールドトリガーなのは知っていたが、誘拐されるとは思ってもいなかった。

 

 これは俺の認識が甘かった。

 原作がはじまるまでSFとは、非日常とはかかわり合いが無いと思っていたのだが俺の認識は甘すぎた。創作物の世界に転生したら周りは敵だらけだと思わなければならない。事実は小説よりも奇妙で地獄と言うのに、それを体現出来ていなかった。

 

「Do you know where this is?」

 

 誕生日祝いで貰った懐中時計に狂いがなければ真っ白な部屋に閉じ込められて早くも一時間。

 俺以外に拐われた二十数名の人達は当初は慌てたり叫んだり泣いていたりしていたが、次第に冷静になっていっており周りの人との交流をはじめる……だが、1つだけ問題がある。

 

「I am Japanese」

 

 拐われた二十数名全員が日本人じゃない。

 近界民の世界から地球へと行き来する門だが、トリオンと言われる特殊な生体エネルギーを作り出すトリオン器官が優れた人間の近くに開く……筈だ。公式設定集とか買ったけど全部が全部覚えているわけじゃないからあまり分からない。

 ただ俺の記憶が正しければトリオン能力に優れた人達の近くに出現する門を一ヶ所に誘導する装置をボーダーが作り、それを用いることで三門市の一部の地域にのみ出すこと成功している……そして今はその装置が作られる前の話。

 

 

 要するに三門市在住じゃない俺も拐われるし、海外に住んでいる人達も拐われるわけだ。

 

 

「I can't speak english so much」

 

 顔付き髪の色、目の色からして拐われた人達……もしかしたら全員外国人かもしれない。いや、絶対に外国人だよこれ。あ、でも俺も外国人から見れば外国人だ。銀魂のサブタイトルでもなんか似たような事があった。

 世界には200いくかいかないぐらいの国々があって此処にいるのは二十数名。その中で日本人だけがやたらといるという都合の良いことは無さそうな雰囲気を醸し出している。

 現にさっきまで泣いていた女の子は年頃が近い俺に声をかけてくるのだが、物凄い流暢な英語で話し掛けてくる。英語は勉強以外で使う機会は無くてこれがある意味実戦だが、教科書もノートもなにもない状況で会話出来るほど達者ではない。

 

「どうやら落ち着いてきたようだね」

 

 心臓をバクバクと鳴らし恐怖に怯えていると、真っ白な部屋の唯一の出口が開く。

 ローブを身に纏った胡散臭い作り笑顔だと分かる笑顔を浮かべている男性が部屋に入ってきた。

 

「帮助来了!这是哪里啊!」

 

 男が入ってくると高校生ぐらいの見た目と発言のイントネーション的に中国人っぽい人が大きな声を出しながら近付く。

 

「うるさいな。なに言ってるか分からないから、ちょっと黙っててくれる?」

 

 しかし言葉が通じない。

 張り付いた笑みを浮かべたまま男性の口元を左手で掴み持ち上げ、空いている右手で何処かから拾ってきた鉄っぽい物を握り潰す。

 これは……最初から言語が通じないのを分かっている。自分は持っている力を見せつけて問答無用で黙らせるつもりか。

 

「Was ist dein Zweck? Selbst wenn Sie entführen und ein Lösegeld verlangen, haben Sie zu Hause nicht viel Geld!!」

 

玄界(ミデン)の人間は拐う場所によって言葉が通じないから困る」

 

 本当になにを言っているんだろう。

 さっき英語で話し掛けてきた子もなにを言っているのか分からずキョトンとしている。

 これ……俺は言葉を理解していますって言った方が良いのだろうか?いや、でも言ったところでなんになるんだ?誰かを救おうにも相手は専用兵器じゃないと倒せない近代兵器をものともしない存在だ。

 

「けれど、拍手なら通じる。まずはおめでとう、君達は僕達の基準を満たすトリオン能力を備えているって言葉が通じていないか」

 

 拍手を送ってくれる男性。

 なんだ?いったいなにがあるというんだ?

 

 近界民が地球(玄界)侵攻の目的は主にトリオン能力が優秀な人間を拐うこと。

 このトリオン能力が優秀な人間を拐ってトリオンを生み出すトリオン器官を抜き取ったり兵士として扱ったりする……。トリオン器官を抜き取ればその時点で死ぬ。わざわざ抜き取るのにこんな回りくどい事は誰もしない。

 

「最近はトリオン能力が低い子が多かったけど、今回は豊作でよかったよ……けど、優れたトリオン能力があるから強いとは限らないよ」

 

 作り笑いを止めて真剣な眼差しに変わる。

 笑っていた顔から表情を変えたので一同は身構えてしまうのだが、直ぐに作り笑いを浮かび上げる。

 

「はい、じゃあ全員一個ずつ配るね」

 

 そういうと男は腕輪の様な物を取り出す。

 あれは恐らくはトリガー。近界民の世界の兵器であり文明を支える道具でありワールドトリガーの世界で重要な鍵を握る道具。一人一個ずつ配っていき、腕につけてねとそれっぽいジェスチャーをする。

 

「トリガーオン、さぁ、皆も言ってみて」

 

「……とりが、ON」

 

 何処の国の人だろう?

 ちょっと下手な発言で男の言われる通りにトリガーを起動(ON)すると体にCTスキャンみたいに光が流れていき、最終的には黒色のジャケットと長ズボンという比較的ラフな格好に切り替わる。

 

「!?!?」

 

「玄界の人間はこの程度で驚くか……さぁ、皆もトリガー、オン!!トリガー、オン!」

 

 この人、言葉が通じないのが分かっているからジェスチャーとか身振りで必死になっているな。

 与えられたトリガーをそれぞれが起動していくと全員が最初に起動した奴と色以外は同じジャケットと長ズボンという格好に切り替わる……。

 

「どうやら起動の仕方は分かってくれた様だ」

 

 一先ずは思いの通りに行ってホッとする。

 しかし、そう思ったのも束の間、腰に装備されている剣と思わしき物を抜いた人が出てきた。

 

「Returner oss dit vi var fra!」

 

 ヤバいな。本当になにを言っているか分からない。

 腰についている剣と思わしき物を抜くとビームサーベルみたいに発光する剣になった。

 これを俺達を拐ったと思わしき人物に何処かの国の人は向けるのだが、俺達を拐った奴は笑みを崩さない。

 

「来いよ、やってみろ」

 

 クイクイと人差し指を動かして挑発をする男性。

 何処かの国の人は迷いなく斬りにかかる……恐ろしいな。外国は拳銃がありな国もあるから普通に迷いなくいきやがる。

 

「はい、おしまい。夢は見れたかな?」

 

「Oh……」

 

 何処かの国の人が振るった剣は男の肩に触れるも切り裂かれる事は無かった。

 この男さえどうにかすれば逃げ出す事が出来ると思っている人達もおり、俺に声を掛けてきた英語圏の女の子もショックを受ける。

 

「君達はトリオン強者だからね。戦闘用のトリガーを渡して万が一が起きると困るからトリオン能力で力の差がハッキリとする弾系のトリガーじゃなくて剣系のトリガーにした。無論普通じゃない仕様にっと、玄界はトリガー自体が無かったんだったな」

 

 笑みを絶やさずにご丁寧に説明をしてくれる。

 使っている言語が日本語なので理解しているのは俺だけ。とはいえ、武器を用いても相手には通じないという事は理解した。

 

「Ná maraigh!」

 

 またまた別の人が大きく叫ぶ。

 さっきの人と違って震えており、怯えた顔をしている。

 

「なにを言ってるか分からないけど、安心しなよ。殺しはしない」

 

 雰囲気から言っていることを読み取る男性。

 言葉が通じるオレはその事を聞いてホッとする。何時殺されるか分からない危機的状況に陥っていたので、一先ずの身の安否が取れるだけでもありがたい。

 

「もう既に間引いているからね」

 

 そう思ったのも束の間、絶望に叩き落とされる。

 

 俺達はこの男に殺されはしない。けれども、この男は間引いていると言う。

 近界民が人を拐う理由は1つ、優れたトリオン能力を持っていてそれを自国で利用するから……トリオン能力は人によって大きく変わる。伸ばそうと思っても伸びにくいもので別に伸びなくてもいいのに伸びている人間もいる。

 

 さっき男は拍手をした。俺達の事をトリオン強者と呼んでいる。そして既に間引いていると言った。

 

 この場にいる俺達以外にも何名か拐われている人間がいた。そいつ等はトリオン能力が低く、トリオン器官を抜かれて殺された……。

 

「っ……」

 

 既に死人が出ていることを実感して気持ちが悪くなる。

 既にトリガーを起動して生身の肉体からトリオン体になっているせいか吐き気の様なものは出てこない……今までに感じたことのない感覚だ。

 

「とはいえ、それ相応の罰は必要だ」

 

 なんとも言えない感覚に苦しまされていると男は小さな光る立方体を出現させ、自分を攻撃してきた人にぶつける。

 あれはトリオンで出来た弾。自分を攻撃してきた人は避けることも出来ず、弾は頭に命中する。

 

「言葉が通じないけど、雰囲気で空気を読んでほしかったよ。残念だけど君は脱落だよ」

 

「!?」

 

 頭を撃ち抜かれた筈なのになにもない状態に戻った事に驚く……けれど、言葉は通じない。

 

「言葉が通じない奴等が多いな……けどまぁ、映像なら通じるだろ」

 

 言葉が通じないことに困る素振りを見せるが、想定内だとリモコンを取り出す男性。

 スイッチを押すと空中にスクリーンが浮かび上がり映像が流れはじめる。

 

 これは……剣を使っての戦闘?

 

 自分達が与えられたトリガーに付属している剣を持った人達が森と思わしき場所で戦っている映像。

 剣のみを使っての戦いで、負けた人は連行されている……おい、これってまさか。

 

「精神を弄ったりする手もあるが、それだと限界が来る。自分の意思と洗脳されて曖昧な精神状態だと段違いだからな……生き残りたいなら戦えよ」

 

 俺達に戦えと言っている。福本作品も真っ青な正真正銘のデスゲームだ。

 

「無論、タダじゃない。飴と鞭を与えないと誰だってやる気は出てこない」

 

「Hvor skal du ta meg!??」

 

 男はパチンと指を鳴らす。

 音に反応したのか、軍服を着たフードで顔が見えない二人組がさっき男を攻撃した人を連れていく。

 

「生き残れば、それ相応の待遇を与える。負ければ、結果によっては精神を弄らせてもらう」

 

 なんでこうなったんだろう。

 自分の甘さを再認識し、今度は恐怖を感じている……。

 

「あの……」

 

「お!君は言葉が通じているのか」

 

 今までずっと口を閉じていた俺は震えながらも口を開く。

 男は言葉は通じないものだと思い込んでいたので、やっと言葉が通じる相手がいて喜びを見せるが此方はそんな感情は無い。

 

「飴と鞭ってなにがあるんですか?」

 

 負けた場合のメリットとデメリットが知りたい。此処で逆らっても、さっきの人みたいになるだけだ。

 

「君達は今、捕まっていて此方が生殺与奪の権利を持っている。ああ、怯えなくてもいいよ。さっき言ったように間引きは済んでるから殺すことはしない。情報を引き出す拷問をしようにもそもそも言葉が君以外、通じてないみたいだから出来ない」

 

「じゃあ、なにが?」

 

「今後の身振りだよ。別に(うち)は経営難じゃないけど物資には限りがある。パン1つでも無駄にするなんて出来ないからね……美味しいご飯を食べたければ、暖かい布団に入りたければ、身体を洗うお湯が欲しければ、勝ち取るんだ。君達には捕虜としての価値は無いけど戦力としての価値はある……かもしれない」

 

「……戦いなんてしたこと無い」

 

「じゃあ、今回がはじめてだ……出来る出来ないじゃない。やれよ」

 

 訓練も覚悟もなにも出来ていない。

 そんな中での問答無用での戦いを強いられる。ヤバい、気持ち悪い……っ。

 

「あの」

 

「今回は剣一本のみ。シールドもなにもない。全員が全員、同じ出力になる何処にでもある極々ありふれた(ブレード)タイプのトリガー、おっと、そもそもで玄界にはトリガーは無かったか」

 

 与えた武器は皆一緒。

 変えるつもりは無いと先手を打つ。けど、そんな事は言われるまでもない……武器は変えれない。

 

「服の色、変えれますか?」

 

「へぇ……」

 

 俺がやっている事は、最低な事だ。自分だけが言葉が通じるからと要求をする。死にたくないのかまだ生きたいのか、それとも今後の身振りは厚待遇がいいのか、よく分からなくなってきた。

 

「森に溶け込みやすい迷彩柄にしようと言うのなら却下だ」

 

「……違います」

 

 森のフィールドで戦うのならば迷彩柄は溶け込みやすい。出来ればそうしたかったが先手を打たれる。

 俺は必死になってなにかないかと頭の中を駆け巡らせていると1つだけ良い案を思い浮かべる。いや、思い出す。

 

「白と黒の縦縞の服にしてください」

 

 それが本当に使えるかどうかは俺には分からない。本に載っていた事だから完璧に信用出来ない。

 

「君、面白い事を言うね……やっぱり無理矢理洗脳とかしなくて良かったよ。いいよ、君の要求を飲もう」

 

 俺の要求は通った。

 トリガーを解除して元の姿に戻り、男に返すと部屋を出ていく……きっと、トリオン体を弄くりに行ったのだろう。

 

「What were you talking about?」

 

 唯一言葉が通じると分かってか、周りの人達は俺に近寄る。俺に最初に声をかけてきた女の子はなんの話をしていたのか声をかけてくる……。

 

「……別に」

 

 俺はなにを話していたのか答えない。具体的になにを言えば良いのか分からない。英語的な意味でも言葉をかける的な意味でも。

 十数分後に男は戻ってきて、俺のトリガーを渡す。俺の要求した通り、白と黒の横縞模様に服は変わっており、周りは少しだけ驚きなにかを言っていたが、俺は聞かなかったことにした。最低な屑人間だ。

 

「さぁ、戦え。玄界(ミデン)の少年少女達。最後の一人になるまで戦い続けるんだ」

 

 二十数名が森に放たれた。




世界中で門が発生していたって冷静に考えれば恐ろしい。

今後の展開

  • そろそろ原作にいけ
  • もう少しオリジナルをやれ。
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