近界プルルン奮闘記 作:ドドドドド黒龍剣
『さぁ、頑張って生き残れ』
全員が全員、バラけた所に配置されてアナウンスが鳴り戦いは始まる。
「レーダー……出てこないか」
レーダーが出ないかどうかを確かめてみる。
森の中で戦うなんてサバゲーぐらいしか思い浮かばないもので、レーダーさえあれば位置が割れると思ったが無理だった。文字通りトリオン体と剣一本だけの真剣勝負で、普通ならあると思う機能はついていない。
「こんなだだっ広い所で剣一本でバトれって大分無茶なことを……いや、違うか」
弾系の武器を使わずに剣一本だけで戦うならもっと別の場所でも出来るはずだが、そもそもでそう考えること自体が間違いだ。俺の考えは近代兵器を用いての戦闘でありトリガーと言う兵器を用いての戦闘じゃない。
「身体能力がバカみたいに上がってるんだよな」
トリオン体なら2メートル以上ありそうな木の枝に向かってのジャンプを軽々と出来る。
今までの自分ならば先ず絶対に出来ないことだ。改めてトリオン体のすごさを実感し、これから起こす事に不安を抱く。生身の戦闘と違って死ぬことは無いとは思うが、あくまでもマジの殺しあいをする為の訓練で自身の後々に関わってくる。
「話、ちゃんと伝わってんのか?」
トリオン体と生身の動きの差異を感じながら疑問を抱く。
今からやることを教えるために映像を見せてくれたが、それが通じているのか。もしかするとこの森から抜け出ようとして制裁をされている奴等が居るかもしれない。
なにをするにしても情報が必要だと地を歩かずに、NARUTOの様に木の上を跳んで渡り歩いて人を探す。
「Не искам да умра!」
状況を理解しているのかいないのか、鞘から剣を抜いて震えながら歩いている人がいた。
凄くあれな話だが拐われた人間の顔面偏差値が高いと思っていると震えながら歩いている人は別の人と遭遇する。
「Ти си мъртъв!」
「Wats!?」
震えていた人は別の人を見ると迷いなく攻撃しにいく。
相手の方はいきなりの出来事に対応することは出来ず、そのまま刺されてしまいトリオン体から生身の肉体へと戻ってしまう。
『1人脱落。あ、言い忘れてたけど脱落者を攻撃しないでね……したら問答無用で失格だから』
この光景は彼奴等側には筒抜けか。
倒されて生身の肉体へ戻った人間は何処かからか現れた二人組に連行されていく。
「余計な事をしたら、終わりってことか」
逃げ出そうにも逃げ出す事が出来ない。余計な事をしたら今、連れていった奴等に制裁を加えられる
ルールを再認識しながら森を探索していると何名か戦っている奴等とそうでない奴等が居る。全員が同じ武器ならば数こそが1番の武器。複数名で戦うのが得策だと判断したのだろうか?
「……ルールをまだ理解できでいないか」
言葉によるコミュニケーションが通じないものの手話やジェスチャーによる会話は何となくで通じている。
遠くて声が聞こえないが相手の動作からして、此処から逃げ出そうと協力している……。
「逃げたら終わりなら、終われ」
逃げたら失格になるんだ。
手を組んで少しでも希望にすがろうと言う気持ちは分からないわけでもない。けれども、この原作知識が邪魔をする。
生き残る為には利用……いや、悪用しなければならない。
『だから、逃げ出すなって言ってるだろう……次からは拐う地域を決めないとダメかな』
逃げ出そうとした数名のグループは俺達を監視している二人組に簡単に倒される。
剣を振るっては見るものの二人組には効果はない。俺達が使っているトリガーは俺達にしか効かない様に調整をされている。
「HEY!」
「!」
やば、後ろを取られた。
背後から声をかけられて振り向くと、俺に声をかけてきた女の子が下にいた。
「stop!」
俺を見つけて嬉しそうにするが、待て。
今、大声を出すのは得策でないが万が一が恐ろしい。
「Do you understand what the situation is now?There is no point in relying on me」
そもそもで合っているかどうかすら分からない拙すぎる英語で、俺を頼っても無理だと言う。
言葉が通じているならばと俺に期待をしてくれても困る。俺だって生殺与奪の権利を握られている側……既に間引きは終えているらしいが。
「What should i do?」
自分はなにをすればいいのか、か……。
「The battle is about to begin. You are also one of the participants」
「Ah……」
「It doesn't end until I'm alone」
腰に備え付けられた剣を抜く。
最後の一人になるまで勝負は終わらない。時間無制限の正真正銘の一本勝負だ。
「……Then why not cooperate?」
「ほぅ……」
ここで協力を提案をしてきたか。
既に首筋に剣を添えているので何時でも斬れる、この状況での提案か……。
「What can you do?」
数の利点を得ることが出来たとしてなにが出来る?
俺も素人、目の前にいる女も素人……戦っている奴の中に戦闘経験の様なものを積んでいる奴が居たのならば、数の利点が一気に消し飛ぶ可能性がある。
「It works according to your instructions」
俺の好きにしろか……悪くはない。
「……どうやら本気の様だな」
警戒心を剥き出したまま、背を向けてみる。
居合い抜きが出来れば斬れる間を作ったにも関わらず、女は俺に対して攻撃をしてこない。俺と本気で手を組むつもりなのだろう。
「……Move as instructed」
「!」
あってるかどうか分からないが、取りあえずは伝わってるようで首を振る。
手を組んで俺の指示通りに動いてもらう……。
「Climb up the tree and snoop around. Other than that, don't do anything now」
この戦いは誰が何人倒したかを競うポイント制の戦いじゃない。
最後の1人になるまで戦い続けなければならず、全員が戦闘の素人となると下手な事はしないのが得策だ。
森のフィールドを利用するべく、女にも木の枝に乗ってもらおうとするのだが普通の木登りの要領で木を登ろうとしている。
「Don't climb trees normally.Jump on a branch」
「You can't do that」
「NO、I can do it now」
跳ぶことで木の上に登れと言うのを無理だと言うが無理じゃない。
今の俺達は近代兵器をものともしないトリオン体になっている。出来ないじゃなくてやるんだ。
試しに俺が地上から跳んで木の枝に乗ると驚くのだが、俺のやれと言う視線に気付き息をゴクりと飲み込み跳んでみると、俺よりも遥かに高い生身では跳べない高さを跳んだ。
「あまり跳びすぎるな。格好の餌食だ」
弾を撃ってくる奴等は居ないが、多数で来られたら困る。
こっちは戦闘の素人で、いきなりの乱戦なんて器用な真似は出来ない。
「What are you going to do now?」
「様子見だと言っただろう……この場に長く居ても意味は無い。動くぞ」
俺は拐われた奴等の正確な人数は知らない。
二十数名で、最初に攻撃した奴はこの戦いに参加していないとしてさっき森から抜け出ようとした奴や戦って倒された奴の事を考えれば15名ぐらい。
「マジでどうするか……」
1人になるまでは終わらない。今残っている正確な人数も分からない。
フィールドは見渡す限りの森、地の利を生かすには服を迷彩柄にするか地雷みたいな武器が必要でどちらも出来ない。
『今度は二人同時に落ちたよ……まだ10人を切ってないから早くしろよ』
アナウンスが唯一の情報。
向こうもとっとと選別を終えたいのか、無茶苦茶を言いやがる……10人を切ってから動くか……いや、待ち惚けは多分無理だろうな。
「Let's find another person together.」
ある程度は自分から動かなければならない。
引き続き木の枝の上を跳んで移動していこうとするのだが、やはりと言うかトリオン体に馴れていないのか女の方が遅い。訓練もなにもしていないのにNARUTOみたいに木の枝を跳び交う事が出来る方が異常か。
「背中に乗れ」
いちいち相手に歩調を合わせていたら間に合わない。
中腰になり背中を向けると伝わったのか俺の背中に乗ってくれる。
「Sorry for the inconvenience.」
「謝るな、俺は使える駒を使おうとしているだけだ」
緊迫した状況下で初対面の相手を心配できるほどの強さはない。
流石はトリオン体と言うべきか、女の重さは一切気にならずに跳び回ることが出来る……これが遊びだったら、どれだけよかったのだろうか。
「Don't talk」
とにかく跳び回るしかないと跳び回っていると剣を持ちながら歩いている男を見つける。
これ以上は仲間を作っても意味は無いし、そもそもで視線の先にいる男と言葉が通じるかどうかも不明だ。今でさえ英語が通じているかどうか怪しいんだ。
女に声を出すなと言うと、女はコクりと頷き口を閉じる……どうするか?
相手は警戒心を剥き出しにしていて、目の前から堂々と登場すれば斬られる。
横から奇襲を仕掛け様にもそこまで立体的な動きはまだ出来ない。主人公である空閑遊真みたいにするには訓練が必要だ。
相手は1人、此方は2人。
この利点を生かした方がいいが、どうする?
『はい、1人脱落』
「っ!!」
無情にも鳴り響くアナウンスに過敏な反応を見せる。
それだけ警戒心を剥き出しにしている……あの警戒心を逆手に取るか。
「I will fight」
「What are you going to do」
「Make a loud noise」
やることは至ってシンプルだ。
警戒心を剥き出しにしている男からほんの僅かながら距離を取り、背負っている女の子をおろす。
「3、2、1……GO」
「
とにかく大声で叫んでもらう。
あの警戒心を剥き出しにしている男以外にも連れる可能性があるが、それはそれで互いに潰しあいが巻き起こる。声を出しているのは女で、俺は木の上に隠れているのでバレない……いざという時には使い捨て出来る寸法だ。
「WHO! Wie schreeuwt!」
声に反応して走ってきた男性は慌てている。
女の大きな声に敏感になっており、興奮状態を隠せていない。スポーツの世界ならアドレナリンを出しまくっても問題ないが、これは戦争だ。アドレナリンを出してもいいが、それを理由に冷静さを欠いていけない。トリオン体を用いての戦闘なら尚更だ。
「もう一手、くらえ!」
まだ、まだ足りない。
女を見て男は突撃してきて、女は剣を抜こうとするが遅い。このままだと斬られてしまう。
俺が上から奇襲を仕掛けるが最後の悪足掻きが恐ろしいのでもう一手……剣を納める鞘をぶん投げてぶつける。
「!?」
「先ずは1人目」
鞘がこめかみにぶつかり怯む男の隙を逃さない。
狙うのは首だと剣を一振り……感触はなんとも言えない。生身でなくトリオン体を斬っているからだろう。
「Ik heb mijn originele kleren!?」
首を真っ二つすることは出来なかったが斬ることは出来た。
死んだと思っていたのか男は驚いており、俺は一先ずホッとする。
『残り10人を切ったよ……面白い戦いをするな』
「
「Waar ga je me heen brengen?」
「うるさいな。なに言ってるか分からねえんだよ」
連行する二人組がやってきて俺に称賛の言葉を送りつつ、何処かの国の男を連れていく。
俺も負ければああなるのかと、勝たなければ今後の身の上に関わる……ビリならなにされるんだろう。
「Are the people taken safe?」
「知らん」
連れていかれた人達を心配しているが、俺にはそんな余裕すらない。
一先ずはこの戦法が通じる事にホッとし、次を探しだして同じ事を繰り返し、1人、また1人と減らしていく。
『残すところは4人だ。いや、2組と言ったところか』
時折流れるアナウンス。
今までは人数ばかり言っていたが、ここに来て有用な情報を流す。4人で2組……1組は俺達でもう一組、手を組んでいる奴等が居ると言うこと。
「言語が通じる奴がいたのか」
見た感じ全員が別々の国の人だった。
イギリスとアメリカの様に国が違っても使っている言語や文字が同じところもある。言語が通じる奴等が徒党を組んだ……そうなると俺達よりも連携は上だろう。
「残り4名だから負けても、なんて考えはダメか」
「What are you talking about?」
「The remaining two people are forming a team.」
残り2人はチームを組んでいる。
どうやって倒すか?まだ多対一なんて出来ない。さっきから倒した相手も全部、奇襲や不意打ちの様な事を一回挟んでからで純粋な実力で倒していない。真っ向勝負でどれくらいの強さか知らん。
「How are you going to win?」
「そうだな……」
どうやって勝利するか……今から落とし穴なんて掘っている暇は無い。
鞘をぶん投げたりするのも1人が隙を生むだけで、もう1人いるのならばフォローに回ることが出来る。何回かやってみて分かったのは、俺のサポートをしているこの女は戦えない。
必死になって動こうとしているが、如何せん素人であるために限界がある。練習をすれば動けるだけで、元々出来ないとかじゃない……ダメだな。作戦が浮かばない。転生者やっているとはいえ、こんな状況どうしろって言うんだ。
「Am I disturbing you?」
「……」
自分が邪魔者なのか聞いてきた。
俺はその質問について答えることは出来ない……囮に使えば勝てる可能性がある。
だが、囮に使えば確実にこいつは終わる。生き残った順番に待遇を決めるこの勝負で今倒れれば、どういった待遇を受けるかが分からない……。
「If I get in the way, please decoy.」
自分が邪魔者ならば囮に使えと言う。
「Do you know what you are saying?」
使えと言うのならば使う。
行くところまで行ってしまっているので迷いは殆ど断ち切れている。本人がいいと言うならばやってやる。
本当は怖いかもしれないのに首を縦に振る……それならば俺はやらなければならない。
今までは囮に使うために使っていたが、次は違う。使い捨てる作戦で行く。
名も知らぬ少女に具体的な作戦を伝えると表情を変えるが直ぐに納得してくれる。
「
基本的な戦術は変わりはない。
女が持てる限りの声で叫んでもらう。
「Il y avait une femme!!」
すると、出てくる二人組。
何処の国の言葉を話してるかは知らないが無駄にイケメンだな、こん畜生。
「Entourer!!」
アナウンス通り二人組で、1人が横から回り込む。
2人が対となる方向から攻めることで、攻める隙も避ける暇も与えない。シンプルだが、練習が特に必要じゃない連携だ。
「Mourir!」
後ろから袈裟斬りをしてくる。前方からは右切り上げ。
防ぐ方法があるとするならば、シールドを使うぐらいだが肝心のシールドは俺達のトリガーに備わっていない。
前にも後ろにも引くことは出来ないこの状況で出来ることは少ない。
「!!」
生き残ろうとすればの話でだが。
囮になる覚悟はもう出来ている。俺が何回か相手を斬ったことで斬られても死ぬことは無いと理解している。後ろにいる人を無視して前にから右切り上げで攻撃してくる奴の腕を掴み……背中を斬られる。
「狙うのはこの一瞬」
勝ったと思った瞬間ほど、人は油断する。
1人倒せたと思って二人組は笑顔を浮かべる。
残すは1人で、2人でならば倒せると思っている……完全に油断をしている。
ここで問題はこいつらをどうやって倒すか。横薙ぎの一線をくらわせても刃が届くかどうか怪しい……斬ることは出来ない。
剣は斬るだけじゃない。
「まさかマジでやる日が来るとは思わなかった」
深く腰を落とし刀の切っ先を相手に向け、その峰部分に軽く左手を添えた状態で突撃して間合いを詰めて3人纏めて貫く。
「っと、本物は右手じゃなくて左手でやるんだったな……It's over」
『おめでとう、君が最後の生き残りだ』
「……っち」
戦いは終わった。しかし、まだまだ続く。
打ち切り漫画じゃないがこれからが本番だ。あくまでも自分の待遇が決まる為の戦いをしているだけ……最悪だな。
今後の展開
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そろそろ原作にいけ
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もう少しオリジナルをやれ。