近界プルルン奮闘記   作:ドドドドド黒龍剣

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登録者1000人超えたら実名にすべきか……


第23話

 

 交通安全のお守りの中に5円玉が入っている。

 神聖な小銭だろうが5円ではなにも買えない、増税したうまい棒すらまともに購入する事が出来ないが役立たない事もない。

 1m50cmぐらいの棒の先端に爪楊枝をくっつけて5円玉を木の上で垂らし、爪楊枝で穴を突く……最早日課になっているこの訓練、時には木刀の先端に爪楊枝をくっつけて5円玉の穴目掛けて突く事をしている。恐らくだが俺の突きの精度は近界(ネイバーフッド)でもトップクラス……そう願いたい。

 

「飽きもせずき続けるわね」

 

「俺はお前と違って才能が無いんだ」

 

「私ってそんなに天才かしら?」

 

「俺が努力して会得した技術を見ただけ聞いただけで会得出来るのは異常だ」

 

 何時も通り管槍を用いて5円玉を突く訓練をしているとリーナは呆れている。

 この訓練を開始して、というか攫われてからもうすでに3年が経過しようとしている。相変わらずリーナに依存し依存されの危ない関係は続いている。シャーリーのおかげで新しい部屋を手に入れる事が出来たので何回かリーナを追い出すか自ら出ていくかをしてみるもリーナが最終的にガチ泣きするのでやめである。

 

「やぁ、相変わらず精が出ているね」

 

「どうも」

 

「なに、なにか用なの?」

 

 訓練を続けていると総隊長であるレクスがやってくる。

 今は訓練に勤しんでいい時間帯で、防衛の仕事は入っていない。わざわざ俺に会いに来るという事はなにかある。リーナは基本的にはこっちの世界の住人が嫌いなので嫌悪感を剥き出しにするがレクスはそんな事はお構いなしだと俺にトリガーを渡してくる。

 

「まさか、注文の品が出来たのか!?」

 

 トリガーの開発の権利を無事に得た俺はトリガー工学なんて知ったことじゃないと色々と無茶を要求した。

 一応は作ってみると言ってくれているので作ってくれているらしいが、まさかもう試作品が完成したのか……イアドリフの技術力も案外馬鹿に出来ないな

 

「いや、それはまだ未完成だ。理論上は可能だけどまだまだ時間がかかる……コレは新しい訓練の為のトリガーだよ」

 

「新しい訓練の為のトリガー?」

 

「ジョン、自分で提案していたのに覚えていないのかい?」

 

「色々と注文しすぎてなにに触れているのか分からない」

 

 トリガー技術ならば出来ると深夜テンションでイアドリフのエンジニア達に色々と注文をした。

 今、思い返せば色々と無茶を言ったが後悔はしていない。トリガーの技術ならば可能なんだ。とりあえずレクスがそのトリガーを起動してくれと頼むのでトリガーを起動すると何時もの格好に加え額に鉢巻きが巻かれていたのだが、鉢巻きに皿の様な物がついている。

 

「なに、それ?」

 

 似合ってないと言わんばかりに目を細めて俺の姿を凝視してくるリーナ。

 なんだったかな……額に皿…………あ、思い出した。

 

(コレ)しか破壊出来ない様にしてあるトリガーか」

 

 トリガーを用いた訓練は基本的にはトリオン体となり、色々とやる。

 原作ではボーダーの死なない何度でも繰り返し戦うことが出来るシステムのおかげで失敗しても何度も繰り返して出来るのだがこっちの世界じゃそうはいかない。実戦を想定しての訓練はトリオン体の構築とかの都合上、1日1回、よくて2回しか出来ない。

 ボーダーの様に死なない訓練をするにはどうすればいいのか?電球を再現するのがやっとなので、ボーダーの技術を再現するのは到底不可能、というか(マザー)トリガーがなければどうする事も出来ない。

 

「ああ、君のアイデアを採用させてもらった……シンプルだけど、実に良い訓練になるよ」

 

 無い知識を使い、有る原作知識を用いてボーダーのトリガー、攻撃手系のトリガーは知らないが弾系のトリガーは流れ弾防止で生身の肉体にぶつかった場合、ちょっとチクッと痛むぐらいの威力になるように施されている。

 緊急脱出機能を容易く再現する事が出来るのならば応用して特定の物だけ破壊出来るトリガーを作る事が出来るんじゃないかと提案した。銀魂の柳生篇と僕のヒーローアカデミアの仮免取得編の内容を思い出しながら意見を出した。

 皿かマーカーかなにかを付けて、そこに攻撃を当てれば終わりでそこ以外は一切ダメージにならない至ってシンプルなランク戦の様な物を行える様に提案した

 

「わざわざ試作品を持ち込んだという事は……」

 

「初回だから、提案者の君にもこの訓練に参加してもらいたいんだ。もしかすると改善点も見つかるかもしれない」

 

「……まぁ、そうだな」

 

 5円玉の穴に爪楊枝を通すだけの訓練をしていても実戦に使えるかどうか怪しい。

 ボーダーの様な原始的だが至ってシンプルな実戦的な訓練が出来るのならばそれに濾したことはない。

 

「待って、またジョンだけなの?」

 

 レクスについていこうとするとリーナが待ったをかけた。

 基本的にはなにかあると俺が呼び出しをくらう事が多く、除け者にされる事がリーナは多い。今回もまた除け者にされるのかと不満そうな顔をするので参ったなとレクスは俺をチラ見する。言いくるめろと言っているのだろう。無理だな。

 

「リーナ、お前もやるか」

 

「勿論よ!レクス達をケチョンケチョンにしてやるわ」

 

「困ったな今回は訓練用のトリガーで戦わないといけなくて訓練用の【ミラージュ】は作っていないんだ」

 

「大丈夫よ【カゲロウ】で充分に戦えるわ」

 

 普段遣いしているトリガーが無いことを伝えて諦めさせようとするがリーナはその程度では諦めない。

 ぶっ放すだけで大体の敵を狩りとれるので【ミラージュ】を好んで使っているがリーナは普通に近距離戦闘を可能としている。このまま連れて行かないと後々ややこしくなったり泣かれたりするので連れて行く事に。

 

「お、やっと来たか」

 

「ドツリ、すまない。ちょっとアクシデントがあってね」

 

 レクスについていくとそこには十名程の人がいた。

 その中で知り合いはドツリだけで、やっと来たかとドツリはレクスに声をかける。ちょっとしたアクシデントとはリーナの事だろうがリーナは一切気にしていない。

 

「僕とジョン、そしてリーナを含めれば13名……割り切る事が出来ない数になっちゃうけどチーム戦でいくよ」

 

「幾つに割るんだ?」

 

 13,当初の予定なら12名だ。

 12を割れる数字は2、3、4、6……この人数からして3だろうか。

 

「3人1組のチームに、ジョンのチームは4人で1人は自動的にリーナに決定だよ」

 

 俺の予想は的中し、3人で俺のところだけは4人になる。

 部隊での動きを想定しての訓練になるのだろうが今回はどうなる……

 

「ジョンのチームにはルルベット、それとガルードだ」

 

「足引っ張るんじゃないわよ」

 

 俺と同じぐらいの年頃の女性と俺よりも3つぐらい上の男がチームか。

 ルルベットは俺を強く睨んできて言ってくれる……俺が足を引っ張る可能性があるのか。

 

「あんたこそ足を引っ張らないでよ」

 

「リーナ、いちいち噛みつくな」

 

「でも」

 

「でもじゃない……すまないな、リーナがこんな態度で」

 

「いや、当然と言えば当然の態度だよ」

 

 ツンケンしているリーナを上から抑えつけるのもどうかと思うがこれしか俺は方法を知らない。

 ガルードは俺達がどういった立ち位置の人間なのか知っているので説教する事などはせずにサラリと流している……大人だな。

 肝心のリーナはルルベットと睨み合っている。何時殴り合いをはじめるか分からない感じだが、二人共なんだかんだで大人なのか直接的な殴り合いには及ばない。

 

「武器の確認といこう。オレは剣と銃とハンマーの3つを状況に応じて使い分けてる」

 

「……私は剣、と言っても籠手から出した剣で近接格闘をしながら斬る感じで普通の剣とは異なるわ」

 

 チーム分けが決まったので早速使える武器の確認を取る。

 ガルードは意外と多彩でルルベットはシルセウスに似た感じの戦闘スタイルだろう……イアドリフには色々といるな。俺とたいして歳が変わらない癖に強そうなのは……ガルードとルルベットから見える闘志は中々のものだ。

 

「今回は槍一本だ」

 

「今回()って事は他の武器も使えるってこと?なんで使わないのよ」

 

「訓練だから今、自分が実際どれくらいなのか試すのに丁度いいんだ」

 

 管槍でトリオン兵を倒すことは出来ているがトリガー使いを綺麗に倒すことはまだ出来ていない。

 忍田さんはノーカン、あの人は俺が地球出身の人間だと思っていて持っている力を思う様に振るえなかった……迷いは人を弱くしてしまう。

 

「私は【カゲロウ】の二刀流よ!」

 

「そう……ガルード以外が近距離の白兵戦特化じゃない……不利ね」

 

「まぁ、それをどうにかするのがこの訓練の意味じゃねえの?」

 

 近距離3人、中距離1人と偏りがあるチーム。

 俺もリーナも使おうと思えば中距離以上の武器は使えるが、今回は近距離系の武器……練習無しで連携を取るのは難しいだろうな。そこをどうにかして作戦を練るのがチーム戦の意味だろう。

 一対一でなく多対多での戦闘は1つの事にだけ集中せずに常に同時並行処理が出来て、足を止めない、直ぐに次のステップに踏み出せなければならない。予想外の一手を想定する上で多対多は結構訓練になると思う

 

「ルルベットとリーナが切り込み役で俺とガルードが補助だ……ガルード、今回は剣じゃなく銃をメインで頼む」

 

「このメンツだと二丁拳銃がベストみたいだが……」

 

 こうなってしまえば素人だがあれやこれや指示をする。

 ガルードは俺の意見に賛成してくれるがルルベットはやや不服そうだ……リーナと一緒の扱いをしているからだろうな。でもリーナは本当に才能があって下手すればルルベットよりも上かもしれない。

 

「足引っ張らないでよね」

 

「そっちこそ」

 

「具体的な指示は俺が出すから一応は聞いてくれ、無理だと判断したらそれよりいい案を出してくれ」

 

 いがみ合うリーナとルルベット。

 こんなタイプはいざ仕事が、戦いが始まったら足を引っ張り合うかそれとも上手く噛み合うかの2極端のどちらかだと思う。

 ガルードが納める役を担うが何時の間にやらリーダーは俺になっている……コレでいいのか些か不安だが、与えられた手札で頑張るしかない。

 

「じゃ、合図が鳴ったら試合開始だ。それまでフィールド内を詮索してくれていいよ」

 

 例によって何時も通りの森のフィールド、ではなく廃墟と思わしきところにレクスに連れてこられる。

 より実戦的な訓練をするならば森や川なんかの自然的なところでなく住居があるところの方が良いだろう……そうなると隠れてからの不意打ちとかもありえるのだが……。

 

「ちょっとズルい気もするが、こういうのも1つの手だな」

 

 俺には人の戦闘力が動物や神仏の類に可視化して見えるサイドエフェクトがある。色々と調べた結果、ある一定の実力者になると今からやるぞとやる気を出している時にしか可視化されない事が分かった。今から行うのは軍事演習、訓練だ……やる気を出そうとしない人は1人もいない。

 故に見えてしまう。殺気を隠そうとしてもその闘志が、心を鎮めていても手に取る様に分かる。

 

「あっちに強そうなのがいるな」

 

 中々に強い闘志を持っている人が居ると廃墟の住宅を指差す。

 ここからでは誰も居ない様に見えるがハッキリと闘志が目に見えている……住居の中、ではなく裏側に居る感じだな

 

「リーナ、ルルベット、行くぞ」

 

「了解」

 

「あんたが仕切るのね……ちゃんとしっかりとやりなさいよ」

 

 指揮能力がここで試される。

 ルルベットとリーナを突撃させつつ逃げられない様に一定の間合いをガルードが取る……俺がいらない感じだが、そこはまだ作戦が未熟だろう。そもそもで転生しているとはいえ12の子供になにをしろと言うんだ。

 

「ホントに居たわね」

 

「っげ、よりによっておたくらかよ!」

 

「ルアビンか!」

 

 俺のサイドエフェクトをルルベットは若干疑っていたのか、住宅の裏に隠れている男を見て驚いていた。

 住宅の裏に隠れている男は見つかったと驚いており、ガルードは知り合いなのか驚いている。

 

「ガルード、情報開示。相手は知り合いなんだろう、使っているトリガーについて説明しろ」

 

「あ、ああ。ルルベット、リーナ、ルアビンは剣と銃を使った近距離戦闘メインのトリガー使いだ。気をつけろ。一定以上一定以下の距離を保て」

 

「全く、無茶を言ってくれるわね」

 

「貴女は出来ないなら出来ないって言えばいいじゃない。ま、私には簡単だけど」

 

「は?出来ないなんて言ってないわよ」

 

 歪み合いながらもルアビンとの距離を縮めて手数で攻める。

 これが実戦ならば既にルアビンは倒されていた可能性が大だが、今回の勝利条件は相手の体の何処かにセットされている皿を破壊しなければならない。ルアビンは胸元に皿をセットしており、そこを狙いたい2人だが隙が中々にうまれない。油断したり攻めすぎたりすると銃弾が飛んでくる可能性があるので大胆かつ慎重に戦わなければならない。

 

「ジョン、俺がサポートに」

 

「いや、駄目だ……来る!」

 

 ガルードがルアビンを倒すのをサポートに回ろうとするが事態は一転。

 ルアビンのチームメイトらしき物が別の住居から飛び出してきて弾を撃ってくるのでシールドを展開して防ぐ

 

「っち、不意打ちが効かねえか」

 

「スターチェ……まずいわね」

 

「ルルベット、一人で悩まずに情報開示してくれ。俺とリーナはコイツが誰だか知らない」

 

「おいおい、そりゃねえだろう。一応は本隊の隊長の補佐をやってんだぞ」

 

 銃を構えながら出てきたツリ目の男を見てルルベットは困った声を出す。

 本隊の隊長の補佐という事はレクスの右腕的な存在……そりゃ強い闘志を持っているわけだ。ルアビンとスターチェ、どちらも銃系のトリガーを持っている。油断すると皿が撃ち抜かれる……考えろ、考える事を諦めるな。止めるな……なにか作戦を浮かべろ……くそ、こんな事になるなら管槍じゃなくて銃を持ってくるんだった……なんか一周回って頭がスッキリしてきたぞ

 

「リーナ、シールドでスターチェを止めろ……弾丸を止めるんじゃない、動きを止めろ」

 

「OK、ドームでいいわね」

 

 ルルベット1人でルアビンの動きを封じれそうなので先にスターチェを潰しにかかる。

 リーナが斬りかかれば普通に銃で皿が撃ち抜かれるだけで終わってしまう。緊急脱出機能の事を考えればリーナが自爆特攻カマして隙を作り出す事が出来るが今回はそういう手が使えない

 

「ぬぅお!?」

 

 スターチェの周りに無数のシールドが出現してドーム状に囲まれる。

 リーナのトリオン能力は13だが、これではあっさりとスターチェの銃弾で破られる……だが、一手封じる事が出来た……一手、妨害をする事が出来たのならば俺の管槍がリーナの貼った分裂シールドごと貫いてスターチェの皿に刃が届く

 

「あの訓練も馬鹿には出来ないな」

 

 毎日飽きもせずに5円玉の穴を貫通していたのは無駄じゃなかった。スターチェの皿を見事に破壊する事が出来た……斎藤道三は偉大だな。

 スターチェを倒したがまだ気は抜けない。ルルベットが足止めしてくれているルアビンの事を集中しなければならない

 

「ふっ!」

 

 籠手から剣を突き出して斬り上げるルルベット。

 ルアビンは持っている剣で受け流すと銃を構えるのだがその前にガルードが動く。ハンマーを取り出し、ルアビンの手元に攻撃してルアビンの銃を弾き、ルルベットはその隙を逃さずに足からも剣を出し、ルアビンの胸元にある皿に蹴りを入れた。

 

「だぁ〜っ、負けだ負けだ!この訓練、やりづらい」

 

 ルアビンとスターチェは負けたが……勝った感じが薄い。

 正確に皿に当てないと勝ちにならないので銃を使って戦っている2人にとっては戦いづらいものだろう。コレが仮にボーダーのランク戦だったら普通に弾を当てる事に成功して緊急脱出させている時があった……この訓練は近距離戦をメインにしてる奴はともかく銃撃系の人は苦手だ。

 スターチェは訓練に文句を言っているので今度は銃撃系の訓練を提案しないといけない……スケットダンスでやってた銃撃戦を行ったらいいのだろうか。

 

「ジョン、余計な事を考えてる場合じゃないわよ。まだレクス達が残ってるわ」

 

 色々と企画を練りたいところではあるが、ルルベットは訓練に意識を割くように言っている。

 そう、まだ訓練は終わっていない。近距離での戦闘が得意なレクス達が残っている……さて、どうやって倒すか。

今後の展開

  • そろそろ原作にいけ
  • もう少しオリジナルをやれ。
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