近界プルルン奮闘記   作:ドドドドド黒龍剣

29 / 70
第29話

 

「いましたね」

 

 とりあえず1人の奴を狩るのに集中したいので葵と共にレーダーに1人でポツンと映っている人の元に向かった。

 向こうはこのトリオン体にレーダー機能が搭載されている事に気付いていないのか右を見ては左を見て、時には背後を見て警戒心を剥き出しにしていた……警戒心を剥き出しにしているが外国の人が纏っている闘志は花札の猪と特別変わったところはない。

 

「俺はあいつの後ろに回るから葵はあいつと勝負して時間を稼いでくれ」

 

「一度に2人で挑んだ方がよろしいのでは?」

 

「それもありだが数の暴力ゲーになったら相手より数が少ない時に対応する事が出来ない、実際に何処まで戦えるのか知る必要がある」

 

 外国人1人に対して2人同時に挑むのはありよりのありだが、それではいけない。

 葵は戦う覚悟を決めたようだが実際のところ本当に戦えるのか、人を斬る事が出来るのかが怪しい……せめて葵の闘志を見ることが出来れば判断する事が出来るんだけど、何故か葵だけは闘志を見せていない。

 

「分かりました……後ろに回り込んで奇襲を仕掛ける作戦ですよね?」

 

「ああ……時間が無い、やるぞ」

 

 葵はやや不服そうにしているものの、指示通りに動いてくれる。

 堂々と警戒心を剥き出しにしている外国人の前に姿を現したので廃墟を伝って裏に回り込む。

 

「不要出現,勝負」

 

「ええ、正々堂々受けて立ちましょう」

 

 葵が姿を現した途端に外国人は緊張の糸が僅かに途切れる。

 何時何処から来るか分からない襲撃が今やってきたとなればある意味ホッとする。【カゲロウ】を手に葵に向かって斬りかかるので葵は【カゲロウ】で受ける……葵の表情から焦りは感じていない。俺が裏で仕掛けてくるのを信じているからだろう。

 

「(こちらジョン……この訓練は新入りが何処まで動けるかを試すテストの様な物だ。俺は何処までやっていい?)」

 

 このままポッと出ていって終わらせる事は可能だが、その前にと上に確認を取る。

 この選別の戦いは葵達新しく攫われていった人達の今後の身振り等を決める戦いでもある。既に現状の中で好待遇でトリガーを使って戦う事に馴れている俺は好き勝手にしていいのかの確認を取っておく

 

「(好きにして構わない……だが分かっているだろうな?万が一新人に負けた場合はどうなるのかを)」

 

 言質は取れたが相変わらず恐ろしい。生かさず殺さず、江戸時代の農民の様な絞り方をしている。

 とはいえレグリットからの許可も降りたのでカゲロウを出現させて廃墟から飛び降りる。

 

「嗯,兩個人!?」

 

「そういうことだ」

 

 2人居ることが想定外だった外国人は驚いている。

 驚くなんて無駄な一手を踏んだものだから葵はその隙を逃さず【カゲロウ】で斬りに行くと剣を弾く事に成功するのですかさず外国人の両腕を切り落とす。【カゲロウ】はよく出来た剣だが剣であることには変わりは無い。腕さえ封じればどうにでもなる。

 

「葵……やれ」

 

「え」

 

「え、じゃない。コイツにとどめを刺すんだ」

 

 既に腕を切り落として虫の息に近い状態だ。だが、まだ生きている事に変わりはない。

 トドメを指すのは簡単だ……簡単だからこそ葵にやらせてみる。葵は自分がやらなきゃいけないのかと戸惑いを見せている。

 

「別に難しい事じゃない。既に見たけど腕を切り落としても血が一滴も零れ落ちない。俺達は生身の肉体とはまた違う別の肉体に換装している状態だ……死ぬことはない」

 

 本物の肉体でない事を証明している……だから斬るしかない。葵はゴクリと息を飲み込むと【カゲロウ】を握っていた手がカタカタと震える。

 生身の肉体でない事は頭で理解している。だがそれでも人を斬るのには勇気がいる。リーナはその辺りが躊躇い無かったのは海外育ちで銃火器が日常の中に備わっているからだろう……ただ葵はリーナとは違う

 

「早くしろ、俺とお前の2人になるまで戦わないといけないんだ。こんなところで躓いている場合じゃない」

 

「わ、分かってます!」

 

 そうは言うが手が震えている……やっぱりこの訓練は無茶があったか。

 暴力とか銃火器に程遠い日本人にいきなり武器を渡して殺し合いをさせれば誰だって震える……俺がおかしいだけだ。

 

「……えいっ!」

 

 覚悟を決めた葵は外国人の首を斬り落とした……やれば出来るじゃないか、と言いたいところだがコイツ斬る時に目を瞑っていた。

 攻撃する際に目を瞑っていたら攻撃の精度は当然の様にガタ落ちする。今回は両腕を斬り落とした外国人の首を跳ねるだけで済んだが一対一だと確実に負ける……

 

「斬った……人を斬った……」

 

 トリオン体とはいえ人を斬った事には変わりはない。その感触が忘れることが出来ないのか葵は手を震わせる。

 戦わなければならないのは葵も理解している。ただ人を斬れるかどうかはまた別の話で……この感じだと人を撃つことも出木なさそうな気がする。

 

「大丈夫か?」

 

「っ……大丈夫、です」

 

 明らかに大丈夫じゃない葵の返事。表情からもキツそうなのが分かるが、それでも多少の無理や無茶はしなければいけない。

 レーダーを展開し、1人になっていて尚且チームを組んでいない奴を探し当てると急いでそこに向かう。

 

「今度は逆でいくぞ」

 

 俺が囮を演じて、葵が裏から奇襲を仕掛ける。

 外国人が視界に捉えたので堂々と前から仕掛けにいく。

 

「Du kom」

 

「何処の国の言葉かは分からないが、言ってやろう……もう終わりだ、俺が来た」

 

 オールマイトっぽい事を言うと外国人は表情を変える。

 トリオン体がどういう感じに翻訳してくれているのかやや気になるものの【カゲロウ】を向けてくるので直ぐに戦闘態勢に入る。こちらも【カゲロウ】を取り出す……見た目がビームサーベルっぽい【カゲロウ】を持つのは何時ぶりだろうか。基本的には日本刀の形状の【カゲロウ】をブン回しているから違和感を感じる。

 

「Besegra, dö」

 

 負けろと言いながら【カゲロウ】を振ってくる。

 動きからして完全に素人なのが丸分かりでこちらは受けに回りつつレーダーを展開する。葵は上手く背後に回り込む事はできている。このまま順調にいけば奇襲を仕掛ける事が出来る……ただし幾つかは問題はあるが。

 

「っち……やっぱこうなるか」

 

 生かさず殺さず、勝つことが出来る相手だが勝ちに行かずにいると葵が一向に出てこない。

 脳内に直接語りかけるタイプの通話を取ることが出来ないのでなにをしているんだの一言も言えない。何故かは分からないが葵の闘志が見えないので何処に居るのか、正確な位置も分からない……仕方ないか。

 

「なにをやってるんだ!!もう充分なぐらいに隙は出来ているんだ、とっとと斬りにこいよ!」

 

 レーダーを使えば何処に誰が隠れているのかが分かる。

 葵が隠れているのをバレるデメリットはあるがこのままだと俺一人で勝ってしまうのでそれでは手を組んでいる意味は無い。

 俺の言葉を聞いてどんな感じに翻訳されているのかは不明だがコレで何処かに誰かが隠れているのは分かってしまう。俺にだけ意識を割くことは出来ず、直ぐに自分のレーダーを展開して何処に誰が隠れているのかを見つつ俺の攻撃を受け切る。

 手を抜いているとはいえ一度にここまでやれるとは……闘志は鹿が見える……そこそこやれるのか。

 

「捕まえた」

 

 葵が一向に出てくる気配は無いので、勝負を決めに行く。

 剣で剣の重心を抑える事で相手の動きを封じると剣の切っ先を返して相手の体を浮かし、相手の姿勢を崩す。受けからの崩しに入り浮いた体を斬り裂いた。斬り裂かれた外国人は光の矢になって緊急脱出していった。

 

「おい、どういうつもりだ?」

 

 1人で倒す事に成功したので【カゲロウ】を鞘に納め、葵が隠れている方向を睨む。

 葵は申し訳無さそうな顔をして出てくる……こういうやり方は指導者としては二流だがやるしかないだろう。

 

「すみま、せん……」

 

「奇襲を仕掛けるチャンスは何度もあった筈だ。すみませんじゃなくてどうして出てこなかった?」

 

 奇襲を仕掛けるチャンスをあえて何度も何度も作った。

 勝負を決める事が出来たが葵の事を考慮して作ったチャンスを葵は生かす事が出来ない。奇襲をミスしてしまったのならばまだ目を瞑る事が出来るが姿の1つも現す事がなかった。

 

「それは……すみません」

 

「すみませんじゃねえだろ……俺達はなにをしているのか言ってみろ」

 

「……殺し合いをしています」

 

「正確には殺し合いの訓練をしているんだ……死ぬことは無いがこの訓練で今後の身の振り方が決まると言っていた。ビリや下位になれば今後の生活に大きな支障をきたす可能性が高いんだ」

 

 明日を生き抜く為に見知らぬ誰かを踏台にしなければならない。

 

「こんなの、こんなの間違ってい──っ!?」

 

 間違っていると言おうとする葵に対してビンタを叩き込んだ。

 これこそ間違った事だろうがこれしか俺には能は無い。葵はビンタされた頬に手を翳す。

 

「甘えるんじゃねえ!俺もお前も戦わなきゃ生き残れない。間違ってるとか正しいとかもうそういう次元の話じゃねえんだよ!」

 

 命令された事を遂行しないといけない。上からの理不尽だったり危険だったりめんどくさかったりする仕事を熟さないといけない。

 葵は今にでも泣きそうな顔をしている……分かっている。俺が間違った事をしているのを、俺の方が正しくないのを。暴力に訴えかけて人を説得する事は3流以下の人間がやることだ。

 

「っ……っ……なんで、なんでそんな酷いことが言えるの!」

 

「泣いたってなにも変わらない……強くなるしか道は無い、ここは弱肉強食を体現した世界なんだ」

 

 涙をポロポロと葵は流していく。これがリーナだったら優しい言葉を掛けたかもしれないが厳しくいく。

 同じ日本人だからか、同じ境遇だからだろうか、それは俺にも分からない。ただ厳しくしておかないといけない……先輩だからだろうか。

 

「俺は1人でもやりきる……そうじゃないと、優秀だとアピールしておかないと今後の生活に関わってくる」

 

「っ、待って!」

 

 これ以上は付き合いきれないと突き放そうとすると葵は腕を掴んできた。

 

「放せよ」

 

 これ以上は付き合ってられない、斬らなければいけない状況で斬れないのはいけない事だ。

 辛いかもしれない、苦しいかもしれない、気持ち悪くなるかもしれない……でもそれでもやらないといけないんだ。

 

「俺は1人でやる……お前はそこで野垂れ死んでろ」

 

「もう一度、もう一度チャンスをください!次こそは上手くやってみせます」

 

「口ではなんとでも言えるだろう」

 

 そういうことを言う奴に限って上手く出来ないものだ。パターンは決まっているものだ。

 葵は口だけじゃない事を証明しようとするのかレーダーを起動し、何処で誰が動いているのかを確認する。

 

「すぐ近くに2人組と思わしき人がいます。向こうが二人がかりで挑んで来たのならば、幾らなんでも」

 

「それで?」

 

「私も一緒に戦います。数の上では互角になります」

 

「話にならないな……コンビを組んでる連中は斬る事が出来ているがお前はそれが出来るのか?」

 

 出会って間もないので向こうもコンビを組んだとしても上手い具合に連携が出来ないだろう。

 連携無しで2人で襲ってくる相手ぐらい余裕で倒すことが出来る。人を斬る事が出来ない葵が居ても居なくてもどうにでもなる。

 

「……斬ります」

 

「……次は無いと思えよ」

 

「っ、はい!」

 

 その言葉が嘘かどうか見抜くことは出来ないが、チャンスは与えるべき……優しさと甘さを履き違えてる気もする。

 非情になろうと思ってもどうしても余計な事を考えてしまう。心を殺す技術を覚えておかないと何時か足元を掬われる。

 

「俺が囮になるから、お前が奇襲を仕掛けろよ」

 

 3度目となる戦いはコンビでの戦いだ。俺は囮になる。その気になれば倒すことが出来るがそれだと意味が無い。

 レーダーを展開してターゲットを確認する。2人一緒に居るのに争っている素振りが見えない。コンビを組んで戦っているのだろう……この試合でコンビを組んで戦うのは中々に難しい事だが成功すれば数の利を得ることが出来る。

 

「俺、参上……とやってる場合じゃないな」

 

「È apparso!」

 

「Chỉ có một. Đừng để mất cảnh giác」

 

 俺の姿を見て即座に戦闘態勢に入る。

 入るまでの極僅かな時間があれば【カゲロウ】で一閃する事が出来たが、それはせずに襲い掛かってくる2人の剣を受け止め避ける。

 今のところは俺が不利、形勢を逆転する事は可能だが……葵にくれてやったチャンスを活かして貰わないと困る。

 

「どうしたそれまでか!!」

 

 シールドが使えないのが地味に痛いが攻撃を捌く、いなす、躱す。

 2人の視線や思考は俺に集中している……やるならば今しかない。ここで出てこなければ今度こそ見捨てる。

 

「そこだ!!」

 

 念話での通話はする事は出来ないので声を出す。

 日本語なので外国語に翻訳するとおかしくなったり同音異義語になったりする為に外国人の2人は一瞬だけピタリと止まる。その隙があればいいと重心を前に倒して移動する縮地でイタリア語っぽい言葉を喋っていた外人を斬り裂くと同時に葵が背後から現れる。

 

「隙あり!」

 

 葵は【カゲロウ】を振り、ベトナム人と思わしき人を斬り裂いた

 背後からの奇襲を受けたのでベトナム人の男性は対応する事は出来ずに斬り裂かれる……

 

「はぁはぁ……やった……やったわよ!!」

 

「ああ、そうだな」

 

 葵は言われた通り奇襲を仕掛ける事に成功した……まだ完全に勝利していないので油断をする事は出来ない

 レーダーを起動させて展開すると他にも戦っているところがある……葵の状態がイマイチ分からない。闘志を見れば一発で分かるのだが……コイツ、もしかして……いや、今は関係無い事か

 

「次に、次に行きましょう。早くこんなくだらない事を終わらせないと」

 

 テンションが一周回ってハイになっている。こういう時はどうすべきか、一時のテンションに身を任せるべきか。

 余計な事を考えさせずに済むのだから戦ってもらうのはいいことだが……下手に挑んで葵がやられたらそれこそ問題だ。葵を活かして生かした上で作戦を練らないといけない。俺が無駄に活躍しては意味は無いのだから……レグリットめ、面倒な仕事を押し付けやがって。

 

「一旦落ち着けよ」

 

「落ち着いていますわ……早く次に、次に行かないと」

 

「…………」

 

 一周回ってハイになっている……これ頭が冷静になったらどうなるのか……あ~……嫌われ役もやれということか。

 

「人を斬る事はそんなに楽しい事か?」

 

「え……っ!!」

 

 一周回って頭がハイになっている葵に毒を投げつける。頭がハイになっている葵は冷静になったのか体がビクリと動く。

 自分はついさっき人を斬ってしまった事を葵は段々と自覚していき口元を押さえる……人を斬ったという実感が今になって湧いてくる。とはいえトリオン体は体液を吐かないからゲロを吐くことはない。生身の肉体なら今頃涙とゲロ塗れになっていただろうな。

 

「なんでそんな酷いことを……」

 

「酷いから言っているんだ。後になって頭が冷静になると自分の手が血に塗れている感覚に襲われる。今、ゲロを吐いていた方がいい」

 

 泣いて叫んで苦しんでそれでも立ち上がらせる。

 葵はプルプルと手を震わせて涙を流している。人を斬ったという感覚が、実感が今になって湧いて出てきた……コレがトラウマになるかいい経験になるのかは俺には分からないし、責任は取れない。

 

「貴方は最低の屑よ」

 

「……ああ、だろうな」

 

 ゲロを吐かせてでも無理矢理に前に進ませる俺は善人とは程遠い……何時の間にかそんな人間になったんだ。

 葵は乱れた呼吸を整えていく。涙を流すのをやめる……少しずつ、少しずつ頭を元の状態に戻していく。

 

「残りは……っち」

 

「どうかしましたか?」

 

「3人組のチームがいやがる」

 

「さ、3人ですか」

 

 レーダーで3人に固まっている連中を見つける。

 前回と違って徒党を組む連中が増えている……あの時に見た闘志は基本的には雑魚ばかり、徒党を組んだとしても負けることはない

 

「どうしますか?1人になっている人と交渉して、こちらも3人で」

 

「いや……もう1人になっている奴はいない」

 

 徒党を組んで数の暴力で1人になっている奴等を狩る。至ってシンプルだが普通に強い作戦である事には変わりはない

 残っているのは3人の組と2人の組と残りは5人……恐らくはトリオン体にレーダーが備え付けられている事には気付いているだろう。

 

「あ、近付いてきました!!」

 

 レーダーを葵が覗き込むと2人組のチームがこちらに向かって来ている。

 2人組……相手に出来なくもない。

 

「どうする?」

 

「ど、どうしましょう……」

 

 あえてここで葵に問い掛ける。俺ならばという意見は一切出さない。

 今までは数の利を活かした奇襲作戦で上手くやれているが相手が2人でレーダーを見てここにやってきている。葵は自分ならば勝てるという自信は無いのでどうすべきかを悩んでいる。

 

「他の人達と手を組む、のは出来なさそうですし」

 

「別に手を組む必要なんて何処にもないだろう……そこに敵が居ると思考を掻き乱せばいいだけだ」

 

「……どういう意味ですか?」

 

「混戦に持ち込むんだよ」

 

 1つのチームを相手にするのでなく複数のチームを相手にする。一度に自分の味方以上の数の敵を相手にするのだから素人には難しい事だろう。

 

「味方を増やすのでなく敵を増やすのですね」

 

「そういうことだ……時間が無い、さっさと行くぞ」

 

 狙うのは3人居るチームだ。

 葵はまだトリオン体に馴れていないので俺がお姫様抱っこをして3人組がいるところに向かった。

 

「Come out without hiding!」

 

「英語か」

 

 予想通りかレーダーを使って俺達がやって来た事に気付いたのか声をあげる。

 英語圏内の人だがリーナと訛り方が違うので英語圏内の国だがアメリカじゃない可能性が高い……別に仲良くするわけではないのでどうだっていいことか。

 

「葵、最初は勝つことを考えるな。生き残る事を考えろ」

 

「でもっ、相手の方が数が多いですわ!」

 

「耐えるだけなら問題無い筈だ!自分の腕を信じろ」

 

 数の利は向こうにあるが耐え抜くならばいける筈だ。

 外人は剣を突いてくるので弾く…………レーダーに映っている二人組は割と近くにいるのだがここまで近付いてこない。俺達が混戦を狙っているのを見抜かれてしまったか?それとも混戦は危険で漁夫の利を得る気か……はぁ、仕方ない。

 

「こういう事をやると後で怒られるが、やるしかないか」

 

 本気を出す。

【カゲロウ】を鞘に納めて斬りかかろうとすると英語圏内の外人は【カゲロウ】で受け止めるが鞘付きの【カゲロウ】を受け止めたのでそこから【カゲロウ】を鞘から引き抜いて鞘で【カゲロウ】を抑え、出来た隙を逃さず心臓目掛けて突きを入れる。

 トリオン体にヒビが入ったのが見えたので直ぐに【カゲロウ】を引っこ抜くと背後から突きに来る外人の剣を避けつつ体を捻り回転しながら攻撃を入れる。

 

「ラストワン」

 

 二人を一瞬の内に斬り倒すと最後に葵が相手をしている敵に斬りかかる。

 突然の俺の本気に対応する事が出来ないのか葵にだけ情報処理能力を割いているので隙は大きい。一瞬の内に3人を撃退する。

 

「作戦のアテが外れた……真面目に取りに行くぞ」

 

「真面目にって、今まで手を抜いていたのですか!?」

 

「さて……」

 

 葵は今まで手加減をしていた事に驚く。

 しかしそんな事はどうだっていい。レーダーを展開し、何処の方向に居るのか確認をすると潜んでいる方向を見つめる

 

「そこか」

 

 残りは後二人だからやりやすい。

 葵を置いてレーダーを頼りに相手のところにまで向かうと鞘に納刀していた【カゲロウ】を居合いで抜いて2人を切り裂いた

 

「(これで終わりだ)」

 

 レーダーを展開するともう誰も残っていない。レグリットに訓練が終わった事を伝える。

 

「(これは玄界の人間が何処まで動けるのか確認する試験の様なものだ。もう少し限度を知れ)」

 

「(そうは言うがどいつもこいつも似たような実力だ。チームを組んで動くのだから俺の時よりはマシだが)」

 

 最後の最後で独断で動いた事をレグリットは苦言する。

 そんな事を言われても【カゲロウ】一本でここまで来たのだからむしろ良くやったと言ってほしいものだ。

 

「(まだ終わってはいない、気を抜くな)」

 

「……了解」




感想お待ちしています

今後の展開

  • そろそろ原作にいけ
  • もう少しオリジナルをやれ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。