近界プルルン奮闘記   作:ドドドドド黒龍剣

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言っとくが色々と端折るからね!
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第54話

 

「っ、(ゲート)!?」

 

「油断するな、そこら中に門を開く機能を搭載したラッドが居る。何時でも何処からでも奴等はやってくる」

 

 来たか。

 

 出てきた色付きのラービットを単独で撃退し、狙いがC級隊員だと教えた。

 C級隊員には緊急脱出機能が搭載されていない。C級隊員のトリガーは訓練用で出力が抑えられている。アフトクラトル側の目的を知っているのでそれっぽい事を言ってみせる。そして心の中でガッツポーズを取る。

 

「っち、よりによってあの爺さんか」

 

 俺はワールドトリガーの原作を覚えている。

 何故かは知らないがハッキリと覚えている。この世界がワールドトリガーの世界観だと分かったのもなぜかで謎だがその辺りは気にしないでおく。門が開いた先にはヴィザとヒュースが三門市に降り立った。

 

『知っているのか?』

 

「前にボコボコにされた……多分黒トリガーの遊真でも倒すのは難しい相手だ」

 

 相変わらずというべきかヴィザからはタケミカヅチが見える。

 ヒュースの方は……雷を纏った……アリストテレスか……分かっていたことだがどちらも強い相手だな。

 

 だがいい、これでいい。仮にランバネイン辺りが降り立ったら倒すのが難しい。

 リーナを呼んでデッカーとメイルバーで強襲突撃形態になってもらって真正面から撃ち倒さなければならなかった。エネドラは……まぁ、弱点を見抜くことはサイドエフェクトのおかげで容易いから問題は無い。俺にとって大事なのは原作通りに事が運ぶ事だ。

 

「誰が相手にする?いや、多分誰が行っても負けるだろうが」

 

「あの爺さんそんなにヤバいの?」

 

(ブラック)トリガーの使い手で能力自体は至ってシンプルだ。切れ味抜群で軽くて頑丈な複数の刃を反応出来ない速度で移動させて攻撃する。足元を攻撃しても刃を扇状に並べて防いでくる……この業界のジジイは生身の肉体全盛期とかいうチートだ」

 

「黒トリガー…………」

 

「おや、私の事をご存知なのですね?」

 

 徐々に徐々に近付いてくるヴィザとヒュース。

 俺と小南の会話が聞こえていた様なのでヴィザは少しだけ意外そうにするが気にしないでおく。

 

「俺の仕事は三雲修と雨取千佳を守る事だ。俺は倒されれば遠征艇に戻ってしまう……誰か時間を稼いでくれ」

 

 悪いが無駄なライフは使いたくないんだ。

 

「……俺が時間を稼ぐ」

 

「レイジさん?」

 

「1つは黒トリガーでもう1つは未知のトリガーだ。なにが出てくるか分からない以上は俺が動く」

 

「だったら俺もやります……」

 

「京介、ある程度時間を稼ぐ事が出来たらお前は修達を追いかけろ。ジョンはこの辺りの土地勘は0で何処に向かえばいいのかが分からない」

 

「ちょ、ちょっと私を忘れてない!?」

 

「逆だろう。お前に足止めの囮を、倒される役目をさせるのは勿体無い……お前はそうだな、市街地を狙おうとするトリオン兵の撃退に集中するんだ。向こうの狙いは優秀なトリオン能力者でC級がその条件を満たしているが、市街地を狙わないという手段がないんじゃない。敵地において戦地以外を狙うのはよくある手だ。だから一番強いお前が確実に倒す」

 

 自分の事を忘れていると言う小南だが、小南が落とされれば殆どの隊員が落とされるも同然だ。

 小南の仕事は1に俺達と一緒に本部に向かう、2に道中俺達を無視して市街地を襲ってくるであろうトリオン兵の撃墜だ。

 

「あんた、よく分かってるじゃないの」

 

 一番強いと言われて嬉しそうにする小南。

 実際イアドリフでも中々に見ないレベルの実力を持っている。レクスよりちょっと下……俺のサイドエフェクトは具体的に見えるけど数値化されるわけじゃないから判断が難しいな。

 

「今、オペレーターと繋がってるか?」

 

「いや、繋がっていない……どうした?」

 

「レーダーと視界を阻害する事が出来る煙玉を持っている。煙幕の中を見通す事が出来るならば1発ぐらいはおみまいできるだろ?」

 

「……すまないがオペレーターの支援は受けられない。玉狛のオペレーターが全速力で玉狛支部に向かっているが間に合わない」

 

「だったら撹乱に使う……行くか」

 

「木虎ちゃん、修、千佳、ジョン、後C級達こっちよ!」

 

「逃がすか!!」

 

 小南の先導でボーダーの本部に向かう事に。

 ヒュースが黒色の欠片を出現させるとこちらに向かって飛ばしてくるので先ずはと煙玉を投げると辺り一帯が煙に包まれる。飛んできた黒色の磁力を宿した欠片をシールドで防いで追撃だとトリオン爆弾を投げる……が、トリオン反応があるので倒すことは出来ていないだろう。

 

 問題は無い。

 木崎レイジからゴリラの闘志が見えている。ゴリラなだけあってその腕は確実だろう。足止めに成功する……だが油断は出来ない。

 ヒュースのトリガー能力を応用すればリニアモーターカーの様に移動する事が出来る。そこかしこにトリオン兵が居るのでヒュース達が連絡をすれば俺達の位置を割り出す事は容易い。一応はと突撃銃(アサルトライフル)を出して走りながら空中偵察型のトリオン兵を撃墜していく。

 

「葵からのフォローは無し……飛雷神斬りは出来ない。羅生門(サハスラブジャ)は長時間の戦闘に向かず射程は300m程で顔を晒さないといけないので使えない」

 

 まだだ、まだ動くわけにはいかない。

 

「風間さんが倒された!?」

 

 ここではないところで順調に事は運んでいる。

 おそらくだがエネドラが風間隊と交戦して風間さんを倒すことに成功した…………もう一手、もう一手欲しい。

 

 まだ作戦を決行するわけにはいかない。未来が確定するまでは動いてはいけない。こっちも1手間違えれば詰んでしまう。

 迅がその事を予知している可能性も考慮しておかなければならない。もしかしたら片桐隊と緑川を除く草壁隊がスタンバってるかもしれない。万が一を想定して色々と思考していると上空に黒い影が映る。

 

『使えそうな駒を連れてきたぞ』

 

「テメエ、離しやがれ!!」

 

「弓場ちゃん!?」

 

 黒い影の正体はメイルバーだった。

 メイルバーの足にガッチリと掴まれていたのは弓場隊の弓場で、小南はどうしてここにいると驚いた様な声を上げる。

 

「小南か。この近界民を倒すのを」

 

「コイツは俺達のトリオン兵だ……手荒な真似をして悪かった。緊急事態で強い駒が欲しかったんだ」

 

 メイルバーから降ろされた弓場はメイルバーを強く睨んで拳銃を取り出す。

 小南にメイルバーを倒すのを協力させようとするので俺達のトリオン兵である事を伝えると弓場は俺を強く睨んでくる。

 

「ケビンマスク?……人型か?」

 

「人型だけど今襲ってきてる国とは違うっぽいわ。忍田さんが協力しろって言ってるから協力して」

 

「本部長が?」

 

「……とりあえず詳しい事情は後で話すから今は一時的でいい。私情を挟まないでC級達の避難を手伝ってくれ」

 

『ジョン、コイツが居れば後は問題無いだろう?オレは小娘を救う為に作られたわけじゃない……帰らせてもらう』

 

「あ、こら!…………あいつ、マジでなんなんだ」

 

 自分勝手な性格にインプットしてない、葵を守りリーナをサポートする為に作ったトリオン兵なのに口や性格が悪い。

 スパルカにカッコいい性格で頼んだと言ったのになんであんな感じの性格になってしまったんだ。

 

「あっちの方って…………弓場ちゃん、ごめんだけど皆の先導を頼んだわ。本部に連れてって」

 

「おい、小南!…………っちぃ、どうなってやがんだ」

 

「弓場さん、色々と状況は飲み込みにくいですので簡略します。C級隊員が狙われていますので本部に行くのを手伝ってください」

 

 恐らくだが烏丸の家があるところ辺りにトリオン兵が居たのだろう。

 C級優先で一般市民の被害を無視してを出来る範囲が越えたので小南はトリオン兵を倒しに行く為に離脱、木虎が後を引き継いで大まかな事情を説明した。

 

「分かった……おい、近界民ァ(ネイバー)分かってると思うが変な真似をしたら頭に撃ち込むぞ」

 

 状況を一先ずは飲み込んだ後に俺を警戒している素振りを見せておく。

 ブラフに近いものだろうが、警戒していると思考を奪う為……だがまぁ、問題は無いだろう。

 

「っちぃ、数が多いな」

 

 ボーダーの本部に向かっているということは防衛線の内側に入ろうとしている事だ。

 トリオン兵は多くなることは必然で弓場は険しい顔をする。弓場の戦闘スタイルは近距離特化の銃手、22mの射程範囲内の中で素早く威力が高い弾丸を撃ち込むという割とシンプルで……撃てる弾数も絞っている。

 1発で確実に倒すことが出来るが、長期戦には向いていない。どれだけ出てくるのか分からないというのは一種の恐怖である。弓場のトリオンも何時かは底が尽く。俺はこの一ヶ月間有吾さんの顔になったり麟児の顔になったりで少しだけトリオンを使ったが、殆ど使っておらず幻夢(ガメオベラ)のライフを77個まで増やすことに成功している。

 

「すまない、待たせた!」

 

「大丈夫だ、倒すだけならば馴れている」

 

 ゆっくりとだがボーダーの本部に向かう事に成功している。

 だが手札が少ないと思っていると烏丸が現れる。レイジさんが1人になっても問題は無いぐらいには時間を稼ぐ事に成功したという事だが……ヒュースのトリガーはリニアモーターカーみたいな事が出来たからコレだけの距離は詰められる可能性が高い。

 

 トリオン兵はそこかしこに居る。

 ヒュースのマーキングそのものに成功していないから追い掛ける事は出来ないだろうなというのは楽観的な考えだろう。

 

『大変だ、レイジが倒された』

 

「レイジさんが!?」

 

「慌てるな、向こうの方が何枚も上手なんだ……あのジジイからはタケミカヅチが見えるから仕方がない。むしろここまでよく時間を稼げた方だ」

 

 ちびレプリカからレイジさんが倒された報告を受けると修は驚く。

 相手の方が何枚も上手なのと原作知識があるのでレイジさんが倒されるのは想定内だ……だからまだだ。まだその時じゃない。

 

「それよりも早くC級を本部に……ボーダー本部はまだ遠いな」

 

「いいえ、大丈夫よ……ボーダーのトリガーを通せば開く本部に通じる扉があるわ」

 

 ここまで来ればもう大丈夫だと木虎は廃墟っぽいドアの入口に手を翳す……が、なにも起こらなかった。

 何度も何度も手を翳してはみるものの扉がうんともすんとも言わない。

 

「どうなってるの!?」

 

「あ〜……本部が1回だけ爆撃にあったから回路がバグったり道が閉鎖したりしたんじゃないのか?」

 

 原因は知っているがあくまでも知らない素振り、それっぽい理由をつけてみる。

 木虎は大慌てで本部に連絡を取ろうとするのだが、本部に通信が入らない。

 

「万が一本部が襲撃された時の避難経路は?」

 

「……………無いわ…………」

 

 普通ならばプランB的なのを作っておけよと言いたいが二十歳前の子供に色々と無茶を言ってはいけない。

 だが聞こえるレベルの舌打ちだけはしておく。なにせコレは二度目の侵攻、まだ色々と手探りでやっている組織であるボーダーにプランB、プランCを求めてはいけない。用意しておけとは言っておきたいが。

 

「本部に続く道のドアがイカれてやがるなら直接出向くしかねえ!本部に行くぞぉ!!」

 

 慌てているメンツの中でも弓場は動じる事なく先陣を切ってくれる。この手のタイプは部隊に1人は居てくれた方が色々とお得な存在だと改めて認識をする。

 

 ボーダー本部に通じる道が無いので直接ボーダー本部に向かわないといけない。

 戦線の真っ只中だが頼れる仲間が、弓場と木虎が生き残っている。コレは非常にデカくて出てくるラービット以外のトリオン兵を瞬殺してくれる。ラービットは俺担当だ、トリオン兵なので簡単に切り裂く事が出来る。

 

「……っ!」

 

「チカ子、どうしたの?」

 

「く、来る!」

 

 一歩ずつだがボーダーの本部に向かう事が出来ている中で千佳はピクリと反応する。

 千佳には近界民を探知するサイドエフェクトがある。危険を報せてくれる虫の知らせ的なのから発展したサイドエフェクトかなにかだろう。そんな千佳のサイドエフェクトが反応したという事は……やっぱりか。

 

「流石は最新鋭の強化トリガー、一手で追跡出来ましたか」

 

「恐縮です」

 

「っ、人型近界民ァ(ネイバー)

 

 レイジが倒されたのでこちらに向かってきたヴィザとヒュース。

 弓場は何時でも倒せる準備だけはしているのだがヒュースやヴィザのジジイに至近距離に近付くのは愚策だ。

 

「レプリカ、流石にアレの相手は厳しい。時間を4,5分稼ぐのが限界だ……おそらくは角付は磁力的なのを宿した黒い欠片を操っている。リニアモーターカーに近い原理でこっちに近付いたんだと思う」

 

 割と冗談抜きであの2人を同時に相手をするのは厳しい。

 この通常トリガーでコンティニュー機能を使わずに戦えば4,5分……いや、葵のサポートを受けられないから2,3分が限界だろう。葵のサポートを受ける事が出来たのならば5分は確実に時間を稼ぐことが出来るんだが、流石に無理がある。

 

『問題無い』

 

 レプリカに稼げる時間を言ったら問題は無いと返事が帰ってきた。

 何事かとレーダーを展開してみればそこには一筋の流星が降り注いできて……すぐ近くの住居にぶつかった。

 

「あいたたた……遊真、急いでるとはいえコレはやりすぎじゃないか?」

 

「っ、迅さん!?」

 

 流星の正体は迅だった。

 修は迅が現れた事を驚き迅はこちらを見てくる。

 

「木虎、京介、弓場ちゃんサンキュー!……ケビンマスクもな」

 

「ケビンマスクじゃない、ジョン・万次郎だ……俺の仕事は1回だけ雨取千佳と三雲修を守る事、感謝される筋合いは無い」

 

「そっか……お前の事は色々と気にはなるけど、それよりもはじめましてだなアフトクラトルの皆さん!オレは実力派エリートの迅」

 

「自分でエリートは無い」

 

 知ってることだけどもその紹介方法はカッコ悪い。

 

 俺が余計な事を言ってしまっているのでなんとも言えない微妙な空気が流れる……が、コレでいい。コレでいいんだ。

 

「悪いんだけど今からあんた達の相手はオレがする」

 

「違うだろ」

 

「おっと、そうだった」

 

弾印(バウンド)六重(セクスタ)!」

 

「オレ達がだ」

 

「空閑!!」

 

 迅に続き遊真も飛来する。

 

強印(ブースト)二重(ダブル)

 

 黒トリガーの能力を全面的に使ってはヴィザのジジイが持っている杖に向かって渾身の飛び蹴りをくらわせて……色々と仕込んだ。

 

「ふぅ…………一先ずは峠を越えたか………遊真、あの爺さんは厳しいが任せたぞ」

 

「ジョンさんは?」

 

「俺は見ての通りだ……幻夢(ガメオベラ)の能力はコピーしてあるか?」

 

「うん……こっちじゃトリオン全然使わないから何回かは使えると思う」

 

「そうか……迅、遊真、アフトクラトルの連中を頼むぞ!流石に相手にしたくはない!!」

 

「了解了解、実力派エリートに任せてくれ」

 

 迅がそう言うとコレでもかと言うぐらいに地面からエスクードが生える。

 コレでいい……原作通りだ。万が一を想定して遊真に幻夢のコンティニュー機能を搭載させている……ここから迅はヒュースの足止めをする。遊真は1度しか使えないトリオン体マトリョーシカを使う。万が一を想定していて幻夢のコンティニュー機能を搭載させている。何回かは使えると言っていたから自爆特攻で1手詰ませる戦法を取った後に即座にコンティニューすればヴィザを倒すことが出来るはずだ。

 

 この瞬間だ……俺がずっと狙っていたのはこの瞬間だ。

 雨取千佳を守る為に来たというのは嘘ではない。実際麟児に色々と教えてもらう条件に1度だけ千佳と修を守ってくれと約束をした。だが、真の狙いがある。唯一の懸念である草壁隊と片桐隊はその場には居ないと調べがついている。

 

 迅悠一が街や三雲修を守る為にヒュースとヴィザのジジイを分断する。

 そして集中する……迅はヒュースの足止めを、遊真はヴィザのジジイの撃退を、ボーダー本部が侵入したエネドラから逃げる為に避難をしている…………だからスマホを見る時間なんて1秒も無い筈だ。

 

「(葵、作戦を決行しろ)」

 

「(分かりました)」

 

 詰み()の一手に近付いた。




さぁ、ジョンはなにを企んでるんでしょうね。感想お待ちしております

今後の展開

  • そろそろ原作にいけ
  • もう少しオリジナルをやれ。
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