近界プルルン奮闘記 作:ドドドドド黒龍剣
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ラジオ体操を行い意識を叩き起こす
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食事が運ばれてくる
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ルミエが迎えに来る
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トリガーを用いた労働をする
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トリガーを用いた訓練をする
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昼御飯
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トリガーとかの基礎的な知識を教え込む(俺のみ他は訓練の続きをする)
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トリオンを抽出される
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自由時間
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夕食
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シャワー及び自由時間
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消灯
拐われてから1週間が経過した。
1週間もあれば生活のリズムの様な物を掴むことが出来るようになってくる。朝、起きてから寝るまでの流れを何となくで掴んでくる事に成功して、色々と見えてくるものが多い。例えば俺だ。
言語が通じて比較的従順な態度を取っているお陰で上からの評価はそれなりのものらしく、トリガー制作のエンジニアにならないかの誘いもあった。近界民の文字を覚えようとしている段階でプログラミングは無茶がある。
しかし物は試しにと受講してみたものの、言っていることを正しく理解することは出来ない。リーナにも試しにとやらせてもらったが「こんなのは無理!」と中々に流暢になってきた日本語で匙を投げる。
この事に関して困り果てた様子のエンジニア達。
俺達の中から新しい発想を取り入れるつもりだった様だが根本的な仕事が出来ないとなると話にならない。
エンジニア志望の人達も少ないみたいで今あるトリガーの性能の効率を上げたり量産化したりする部門でなく、一品物や新しいトリガーを作る部門に入れたいそうだ。
歳は違えども残念ながら俺もリーナも小学生。
最近の学校は進んでいるらしいが、プログラミングの勉強はまだ早い。仮にやったとしてもより高度で専門的な知識が必要になる。コレばっかりは努力云々は難しい。
リーナは一手一手、戦いの中でも考えることが出来るタイプに見えて一時のテンションに身を任せるタイプでもある。所謂、静と動を両立している珍しいタイプである。地頭がいい筈だが性格的な部分も含めて細々としたのが苦手だ。
要するにプログラミングの知識を得ることは出来ても、それを使いこなせるのは無理っぽい感じだ。俺も似た感じだろう。
「91、92、93、94」
そろそろ拉致された奴等もストレスを溜め込む頃だと上は読んでおり、今日は休みとなった。なのでワンパンマンのサイタマがやっているトレーニングを行う……生身の肉体での運動がこれから減っていく。ただでさえ質素な食事の日々で栄養失調になるんじゃないかと少しだけ疑ってしまう……いざという時に頼れるのは自分の肉体であることを忘れちゃいけない
「95、96、97、98、99、100」
リーナがカウントをしてくれ、なんとか100回腕立て伏せに成功した。間違うことなく1から100までを日本語で言いきった。これは大きな進歩だ。この調子で日本語を覚えてくれたらいい。
「……暇だな」
外に出られないので10Kmのランニングが出来ない。
腕立て伏せ、スクワット、腹筋を100回こなしても時間はまだまだ有り余っている……要するに暇である。
いや、やることはまだまだ沢山ある。この世界の文字を覚えたり、リーナに日本語を教えたりと本当ならば暇じゃないが、ここ最近が激しい日々だった為かいざ時間を与えられると暇というものだ。
「どうやら暇な様だね」
退屈な時を過ごしていると、それを予見してやって来たルミエ。
今日は完全にオフな日だと聞いているのにわざわざここに来たことに思わずリーナも俺も身構える。
「ああ、そう身構えるなよ。今日は休みだって事は知っている。なにか特別な訓練をするとかそういうことはしない」
「じゃあ、なにしに来たんだよ?」
「お前達、暇だよな?」
「肉体労働ならやらねえぞ」
暇をもて余している俺達になにかをさせようって魂胆ならばそうはいかない。
暇であるのは確かだが、だからと言って忙しくなりたいわけじゃない。程好く暇なのがちょうどいい。
「そうじゃない……お前達はこういう時にどうやって退屈を紛らわせてる?」
「また随分と藪から棒に」
「答えろ。これは命令だ」
またなんともまぁ、個人的な命令な事だ。
俺達が休みだからルミエも自動的に休みになって暇なのだろうか?でも、ルミエは普通に外を出歩くことが出来るから……まさか、
「外に出歩いて買い物をしたり、家で凝った料理をしたり、本を読んだり、スポーツをしたり、ゲームをやったり、ドラマを見たり、暇の潰し方は人それぞれだ」
ルミエの仕事中毒はともかく、命令なので答える。
暇の潰し方なんて本当に人それぞれ。俺も俺なりの過ごし方もあるし、リーナもリーナでなにかしているだろう。知らんけど。
ハッキリとこうしたことをするんだとは言わず、人それぞれという極論を答えるとなにかを考えるルミエ。
「スポーツとドラマとはなんだ?ゲームはまだなんとなく理解できるが……」
「スポーツは一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体を使った遊びだ……まさか無いのか?」
「うん。聞いたことないな」
なんだそれと?を浮かべるルミエ。
確か空閑遊真もサッカーを知らなくて驚かれていたシーンが序盤にあったな。割と序盤な部分で、全く気にしていなかったが、この世界は地球とは異なる独自の文明に発展していったんだな。
「休みの俺達になにしに来たかと思えば、そんな事を聞きに来たのか?」
「そんな事、か……お前にはそう思えるか?」
「どう言うことだよ?」
「何回も説明したりしているんだから、察せよ」
「無理だから聞いてるんだよ」
「What are you talking about earlier?」
「I'm listening to how to get rid of boredom」
俺がなんでもかんでもポンポンと出来るほど器用な人間じゃないのは知っている筈だろう。
リーナが日本語ばかりで話しているのでイマイチ分かっておらず、なにを話しているか聞いてきたので退屈を紛らわせる方法を聞いてきていると伝えると呆れていた。そりゃそうだろう。
「何回も言ってるけど、新しい発想とか取り入れたいんだよ。聞く限りだと玄界には色々と面白そうな物が多く溢れている。それをなんとか此方で輸入して上手く生かせる様にしたい」
「例えば?」
「別の国や玄界に行く為には船に乗っていく。その船は狭く降りることもままならない閉鎖的環境だ。優れたトリガー使いだが、遠征艇の閉鎖的環境が苦手で精神に異常をきたす為に乗れない者もいる」
まぁ、そうだろうな。
ハッキリとした描写はないが、ガロプラは遠征艇で一月ぐらい生活をしている。閉鎖的な環境で1ヶ月も過ごせば、訓練を積んでない奴等なら普通におかしくなる。NASAとかJAXAとかに閉鎖環境に一週間以上閉じ込めるとおかしくなるとかデータにあるし。
「閉鎖的な環境が苦手な奴等は狭いところが苦手なのと退屈すぎて精神的にキツいと言う奴等が大半だ。その退屈を紛らわせようにも娯楽となる物と言えばカードゲームか本を読むぐらい……玄界の娯楽ならなにか違うのがあるんだろ?」
貪欲、恐ろしいまでに貪欲だ。
他所の国のいいところを取り込んで進化する為ならばなんでもするというのが、これでもかと伝わってくる。
「そういうのは仕事がある日に聞いてきてくれよ」
「いや、今日だからこそ意味がある……お前達は退屈だろ?暇で暇で、仕方がないだろう?そういう時こそ本当になにが必要なのかが分かってくるものだ」
今の俺達は遠征艇に乗っている人達と似たような心境だ。
玄界の人間ならば、こういう時にどういった物を求めるのか?その求めた物を此方の世界で再現すれば遠征中のストレス等を解消させて作業効率を上げることが出来る……と言った感じか。
「テレビさえあれば閉鎖的な環境でそれなりに楽しくは過ごせる」
「テレ、ビ?……玄界の機械かなにかか?」
「映像を見ることが出来る道具で、ドラマ……演劇を録画した物を見たりとか漫画を映像化した物を見たりとかして時間を潰している」
「演劇を映像化……」
「ドラマも9時間から11時間ぐらいあって時間を潰すにはちょうどいい……けど、ここじゃ無理っぽいな。そういう技術は疎そうだ」
面白い話を聞けた、がしかしと考えるルミエ。
多分だが此方の世界にはアイドルとか芸能人とかの考えは薄い。演劇とかも探せばあるのだろうが、あくまでも演劇であり、日本のドラマみたいな感じではない。演劇は面白いが生で見るものであり、映像で見るものじゃない。ドラマは映像で見るから面白い。
「そういった娯楽は専門職の人間達が何人も協力して作り上げるもので、素人が作るのは難しい……いっそのこと、地球に行って、そのまんまの物を密輸してきた方が何億倍もましだ」
日本の娯楽は面白い。これ、地球の常識だ。
「玄界の人じゃなくて物を密輸か……面白いことを考えるな。いや、それはある意味正解なのかもしれない……あ、そうだ!」
なにかを閃いたと言わんばかりに去っていったルミエ。
今日、本当に休日なんだよなと思うが休みの日なんて俺達には存在しないのかもしれない。
「これ、どうやっているか分かるか?」
戻ってきたルミエは1枚の写真を見せる。
その写真は何処かの国の繁華街の夜景を写しているもので、何処の国かと聞かれれば分からない。写真について聞いてるんじゃないよな。映像を見る技術があるから、写真ぐらい珍しくもなんともない。
「
「まぁ、そうだが……やり方を教えろと?」
「そうなるな」
俺達がトリガー開発関係の仕事が全然出来ないのを知っている筈だろう……トリガーだから無理で、向こうの世界の技術ならば出来るかもしれないと思っているのか?
「……やり方を教えたとして、その場合どうなるんだ?」
「報酬の話か、知っているとも知らないとも言わずに聞いてくるなんて現金な奴だな」
「なんとでも言え」
馬車馬の如くコキ使われるのは覚悟の上でやっているが、それ相応の報酬が無ければやる気が起きない。タダ働きはごめんだ。
「そうだな……仮にこんな風に明かりを灯す道具を作れるというなら、ある程度の金と外を出歩く権利を与えてやる」
「足りないな」
ルミエからすればかなり譲歩した報酬なのかもしれないが足りない。
「トリオンを用いずに明かりを灯す技術を手に入れれば、コレからは明かりを灯す分のトリオンが自由に使える筈だ……技術は一生使えるものだ」
安く買い叩かれたら困る。
街の明かりを灯しているのもトリオンなら年間でかなりの量を消費している。そのトリオンをこれから自由に使える様になればかなりの利益を生み出す筈だ。
「これ以上の報酬を望むなら、先ずは現物を作ってみろ」
「……現物か」
外交関係の仕事をしているだけあってかルミエの方が何枚も上手だ。
今すぐに用意できる代物ではないので、これ以上の報酬だなんだとワガママを言ってたら話そのものが打ち切られる。
「後で材料を用意してくれ……運要素も絡んでくるからな」
頑張れ、今まで小説家になろうで見た知識。
雷が鉄棒に落ちれば強力な磁石になる。磁石があれば、電気を生み出す事が出来る……なんでこんな事をやるんだろうな。小学校で普通に勉強をしていたのになんでこんなサイエンスをしているのだろうか。第二の人生がおかしくなってってる。
「運要素も絡んでくるのか?」
「雷が落ちてくるか来ないかで関わるんだ」
取りあえず、ルミエに必要な材料を要求する。
幸いにも鉱石とかはちゃんとあるみたいで、加工する職人もいるみたいだ……。
「外、出たいな」
最低で外に出れるのとある程度のお金を貰えるのは保証して貰えた。
Dr.stone式発電機を作り上げさえすれば、少しだけ広い部屋から抜け出すことが出来る。そうすればリーナも退屈を潰せる……。
「俺って最低だわ」
「ジョン、どしたノ!?」
リーナを建前や理由に使うことで、俺自身の本音を隠そうとしたり使わないようにしようとしたりしている。
リーナの為なんて適当な建前を用意しとけばなんとかなると思っている自分が居るってハッキリと分かる。
「リーナ、ごめん」
「……ごめンなさいって言わなくクテイイ」
自分に嫌悪している俺にリーナは膝を貸してくれた。所謂、膝枕の体勢で俺の頭を膝に置いてポンポンと頭を撫でる。
「ジョンは助けてくれなかたら、どうなてたか分からない」
拙い日本語で俺にお礼を言ってくるリーナ。
心からのお礼なのだが、そのお礼が俺を苦しめていく。リーナがいれば自分よりも下な奴がいて安心するとか、そういった邪な感情が生まれる……生きるためにはこの感情をどうにかしないといけない。
「だから、ありがとう」
お礼を言ってくれるリーナ。
礼を言うのは俺の方だ。一人だと心細くて、寂しい思いをしていた。特にこんな無駄に大きな部屋に軟禁されてるとだ。
「……生き残らないといけないか」
一先ずは原作開始の時期までは生き残りたい。その為には強くならないといけない。俺が、国が……。
「原作知識をとことん悪用するしかないのか……」
今後の展開
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そろそろ原作にいけ
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もう少しオリジナルをやれ。