カフェCafeLatte 作:カフェ可愛い
ガチャ実装祈願とガチャ祈願でもあります。
カフェ可愛い。
そのウマ娘を見たのは少し前のことだ。
トレセン学園があるこの街では、トレーニングのために道を走るウマ娘達がよく見受けられる。
中央トレーナー資格を得るための勉強を終えて無事に試験を通過して間もない頃、トレセン学園からのオファーを受けて手続きのために学園に向かっている最中だったはずだが、その道中何かを必死に追うような、そんな走りをするウマ娘を見た。
漆黒の髪をたなびかせて彼女が駆けてゆくのを目にしたとき、自分の中で「彼女を育てたい」その想いが燃え上がった。
「……ん?」
着ているジャージからトレセン学園の娘なのが分かる。もしも彼女にトレーナーが着いていないのなら自分が……と、そこまで考えた時に一人で走る彼女のその先、確かに誰かが見えた気がした。
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夜明けの空を眺めつつ缶コーヒーに口をつける。
早朝の学園は、新入生を多く迎えて活気のあった校舎や練習場に疎らに見える朝練中のウマ娘の走る音が聞こえる程度で、
くう静かなものだ。
今回トレセン学園から与えられた部室替りの元倉庫を片付けていたら夜が明けてしまったが、こうして徹夜明けに飲むコーヒーは格別で、普段よりも美味しく感じて少し得した気分になる。
「でも、やっぱり1人で片付けるなんて言わなければよかったな……」
思い出すのはついさっきまで自分が片付けをしていた小さな倉庫の混沌とした様子。
誰かの趣味物なのか、無駄にシックなカウンターテーブルやビリヤード台、ダーツがあるなと思えば、立派な将棋や囲碁、一輪車などが埃をかぶって放置されていたのだ。
それら一つ一つをある程度綺麗にし、物置から引っ張り出して必要な物のみ残して運搬する作業をひたすら繰り返していればこん時間になっていた。
「おかげでいい部屋になったし、まあいいか」
カウンターテーブルや棚、椅子やソファー等の家財はそれぞれ木張りで古い印象の部屋にマッチしており、持ち込んだ茶器やコーヒーの香りも相まって、どこぞの喫茶店かのような様相になったのだ。
「我ながら趣味に走りすぎたというか……まあせっかくの部室だし、元々あったもの使ってるから良いか」
壁掛け時計に目を向ければ、仮眠を取るには微妙に遅い時間……かといって何かすることがあるかといえば特にない。
「ふぁぁ、眠い。コーヒー……は、淹れるのはめんどいな、自販機のやつでいいか……湯沸かしだけしておこう」
良い豆も道具もあるが、わざわざ一杯分の湯を沸かしたりするより部室のすぐ近くの自販機の方が楽なので、ポットのスイッチだけ入れると、この微妙な眠気を飛ばすため自動販売機へ向かうべく部室の扉へと足を向けた。
ピッ……ガコンッ
学校特有の無駄に安い自動販売機、その中でも特に安い50円の缶コーヒーを購入する。
「……あ、当たった」
ルーレットが揃ってもう一本。そんなささやかだが嬉しい出来事に今日はいいことがありそうだ、と心の内でガッツポーズを取りつつ、せっかくだからと紅茶も入手。
「紅茶は後で飲むかね……ん?」
紅茶をポケットに詰め、部室へと向かいながら手に持っている缶のプルタブに指をかけた時だった。
先程まで片付けていた部室の入口を見つめる黒髪の美しい一人ウマ娘の姿が目に入る。
「うちの部室に、何か?」
そう訪ねると、チラリとこちらを向いた後その場から離れてゆく。
「えっちょ」
完璧なスルーに思わず追いかけてしまうが、歩いているようにしか見えないのに追いつけない。
しかし、何故か追いかけないといけないような気がして止まるに止まれないのだ。
(なんでこんなに必死に走ってるんだ俺……?)
おかしい、そう思い始めた時、建物横の曲がり角でようやく彼女が走り出すのが見えた。
ただでさえ追いつけなかったのに、走る彼女に追いつけるはずもなく一瞬にしてその姿は見えなくなった。
軽く速度を落として角を曲がろうとすると……
「っ」
「おわっと」
角の先から来ていた人影に気が付かず、お互いに衝突してしまった。
「す、すまん! 大丈夫か!?」
「…………は、はい……あ……」
彼女を見た瞬間、思わぬ偶然に驚いてしまった。角の先から現れたのは前に偶然見かけた、あの黒髪のウマ娘だったのだ。
先程追いかけていた娘も似ていたが別人だろう。
こちらに一人ウマ娘が来なかったか聞こうとしたとこで、彼女の視線が下に向かってることに気がつき足元を見て少し固まってしまった。
視線を向けると、飲み口からコーヒーを吐き出し続ける缶が転がっていたのだ。
状況的にぶつかったせいで彼女の手からこぼれ落ちてしまったのだろう。
「ほ、本当にすまない……あ、紅茶ならさっき余分に手に入ったんだけど……どうだろうか?」
「すみません…………紅茶は、あまり…………」
ちょうど先程当たった分の紅茶を思い出し、代わりになるかなと差し出すが、あまり好きではないらしい……というか、コーヒー党に対して紅茶は戦争が起きるか。
こんなことなら一番高いコーヒーを選べばよかった……。
「そうか……」
「あの、私は……別に……」
「いや、さすがに申し訳が……あ」
「……?」
遠慮しようとする彼女だが、さすがにコーヒー本弁償くらいはしようと考えた瞬間、片付け終わった部室を思い出す。
(眠気覚ましには面倒だったけど、せっかくだし豆挽いて淹れるか)
「もし時間あったら、部室でコーヒー飲んでくか? いい豆ががあるからお詫びに……」
「…………いえ、さすがにそこまでして頂くのも……」
「あー、さすがに一人で消費するには多いから手伝ってもらいたいなという思惑も……」
遠慮しようとする彼女に、続けてテキトーな理由をつけ加える。
お詫びというのもあるが、彼女と少し話したいというのも理由の一つだ。
一人だと多いとつけ加えた理由からか最終的に「…………それじゃあ……お願いします……」と答えが返ってきたため、我が新しい部室の客人一号となったのだった。
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「カウンターのテキトーな席についててくれ」
部室に着きカウンターに入ると、コーヒーを入れる準備をしつつそう言って招き入れる。
「は、はい………………」
部室らしさの全然ない内装に戸惑っていた彼女だが、素直に席に着いたのが背中越しに聞こえてきたギシリという椅子の音でわかる。
「…………………………」
「……………………彼が?」
「…………………………!」
「……なるほど…………」
「ん? なんか言ったか?」
ポソポソとした声が聞こえたので何となく聞いてみると「変わった部室ですね」という言葉が。
思わず苦笑いしながらまるで小さな喫茶店でしょ? と、おどけてみる。
そんなことを言いつつ、電動ミルで挽いた豆をドリップしていく。
室内には豆を膨らませるお湯と、フィルターを通してカップへと滴るコーヒーの静かな音だけが流れていく。
カウンターに座る彼女はこちらの手元をじっと見つめていた。
「よし……コーヒー一杯お待ちどう。砂糖とミルクはどうする?」
「……いい豆らしいので、無しでいただきます……」
そう言ってコーヒーを受け取り、チビりと一口カップに口をつけると頭の上の耳がピンと立ち、しっぽがファサファサと動き出した。
「とても……美味しいです」
出会った時から余り変わらぬ表情が、今はほんのりと笑みを浮かべており、コーヒーが美味しかったのだと分かる。
「そうか、喜んでもらえて何よりだよ」
「それで______________」
そこからは少しずつ飲み進めていく彼女に合わせてこちらもゆっくりとコーヒーを飲みつつ、ゆったりと会話を続けていく。
内容も、とても普通で他愛のない話だが、ゆったりと喋る彼女の声と、室内の雰囲気からとても心地の良い時間が流れていく。
お互いのカップが空になる頃、ゆったりとした雰囲気だった彼女は唐突にキリリと表情を改めて居住まいを正してこちらを見つめてくる。
思わずこちらも背筋を伸ばしてしまうが、彼女の様子からなにか真面目な話が始まるのだと分かる。
(なんだろう、何か悩み相談とかか?)
「あの……一つお願いがあるんです……」
「お願い……?」
お願いと言うと、なんだろうか? 話して見た感じコーヒーとか好きみたいだから豆を分けて欲しいとか?
「私の…………トレーナーになって貰えませんか?」
なるほどトレーナーか…………ん?
「トレーナー?」
皆はもうカフェのソロ曲やカフェネイチャーシャカールの3人が歌ううまぴょいなんかも聴いたかな?聴こう、聴け(豹変)
将棋盤とかはそのうちゴルシが見つけて使ったりする。
カフェ可愛い…
カフェ可愛い…