是非ひかりごけも見てみてください。
あと、岸奈と新田の超能力もトリックを参考にしました。
(トリックの上田と山田は母の泉より前に実は出会っているという小説があります。)
それと、もうおわかりかと思いますが岸奈は竜騎士07、新田は新田次郎です。その二人の小説も面白いので見てください。
特に新田次郎さんは『八甲田山』『聖職の碑』『剱岳』など山をモデルとした作品を多く残しています。小説が大変なら単行本の『聖職の碑』の最後には取材日記がついています。それは長野でどのように取材をしたか、実際にどのような道を通ったのかなど事細かく取材されていますのでそれを読んでも楽しいと思います。
舞台
子供達が遊んでいた広場
登場人物
宮中志
村長
宝田楓
その他村民
村民が慌ただしく儀式の準備をする。
舞台上には宮中、村長、数名の村民のみ
宮中:村長、これからなにが始まるのですか?
村長:新しい魔法使いが決まったので、その任命の儀式です。
宮中:しかし、本当に宝田でいいのですか?
村長:…しかしながら、里見くんは発狂してあんな状態だし、ほかにもうなるべき人物はいない。
宮中:どうも引っかかるんですよ…あの宝田という人物…なぜ、師匠の白鷺姫を焚きつけたんでしょう?
村長:それは師弟関係上なものか、彼女の宗教上の問題じゃないか?
宮中:確かにそうに言ってはいましたが…
宮中 頭を傾げて、舞台の上を思案して回る。
村長:宮中さん。着替えてきますね。
宮中:あっ!はい。
村長 下手に引っ込む。
宮中:俺が引っかかっていることは、…里見さんが本当にやったのか怪しいところ…(なぜ?)…本人は否定してるし、証拠がない…(ではなぜ、犯人になってる?)現段階で…宝田がそうだと言っているし、なにせ周りもなんとなく納得している(…ではなぜ俺が納得していない?)…証拠がない…(証拠…)そうだ!証拠だ!…里見さんが犯人になる証拠がないんだ!
()の部分は、台詞と後ろの幕にプロジェクションマッピングで文字が浮かび上がる。
宮中 下手に駆け出し、脇舞台の端まで走りきる。
舞台には、着々と祭壇が組まれ、祭壇の一番下には集落で取れたお供えと、死亡した魔法使いたちの名前が記されている。
祭壇が中央にあり、下手に、村長を筆頭に三名の重役が控え、離れたところに村民が集まる。
(通路にも村民が入り、劇場自体に役者が埋まる。)
村長:遅いな…宮中くんと、糸井医師はどうした?
村長 キョロキョロ探しながら…
太鼓がドン!と一発鳴る。
その合図で一同頭を下げる。
その後太鼓はドンドンドンとなり続け、上手より、宝田が出てくる。
巫女のような格好をしているが、右腕を隠している。
その後ろから、村長と御供物、むしろで運ばれる宮川、新田、岸奈、白鷺姫、(木札に名前が書いてある)最後に繋がれた里見結衣が来る。その後ろに槍や薙刀などの武器が続く。
御供物は祭壇の下に並ばされ、武器持ちと宝田のみ上手に並ぶ。
村長:それでは、今より、月光城主交代の儀を執り行います。一同、礼。
一同 礼
村長:はじめに、この度の月光城主交代に際した、城主決定の儀において殉職した魔法使いに哀悼の誠を表します。一同、礼。
一同 礼
(宝田のみしない。)
村長:続きまして、月光城天守閣、最上階の梁にある月光城主名、名札作成並び、先代供養に移ります。先代とは、月光城に伝わる怪物で、城主はそれを押さえつける能力を持っていたと伝わります。通例では、互いに死力を尽くして戦った魔法使いに敬意を表し、その者の衣服に自らの血を含ませ、木札に名前を刻み込むことになっていますが、一番健闘したと思うものを、新城主代、お選びください。
宝田 黙って、自らの袖をちぎる。
村民:自らが一番健闘したということか。
(観客席に降りている村民達がささやくように)
村民:恐ろしいことをする…
武器持ち 一人が指先に歯を近づける
宮中:その儀式、待った!
宮中 脇舞台から登場。右手に昨日切り落とされた腕を持っている。
宮中:皆さん、お待ちください。間違った者を神聖な月光城主にしてしまいそうです!
村長:宮中さん!…どういうことですか?!
糸井 脇舞台から遅れて登場する。
(白鷺姫の刀を持っている。)
宮中 糸井医師を指差す。
宮中:あの糸井医師が持っている刀、白鷺姫のものらしいです。岸奈さんの血が確認されました。それと、宝田さんの血液も確認されました。つまり、白鷺姫は魔法にかかっていたのではなく、自らの意思で行動していた可能性があり、宝田は真の魔法使いと言えない可能性があります!
宝田:なにを言ってんの!
(怒鳴る)
宮中:もう一つ、白鷺姫の刀から白鷺姫以外の指紋が出ました。それをあの村長の家にあるノートの名前にとってある指紋と合わせたところ、宝田と一致しました。
宝田:誰がそんなことを…そんな技術なんてこんな山の中で出来るわけないでしょ!
宮中:えぇ。普通でしたらそうなります。ただ、なんでだと思います?宝田さん。…里見さんもそうだと思いますが、そのお二人なら理解できるのではないですか?
宝田 なにか言いたそうだが、黙る。
里見:デザートの人間…
宮中:糸井さん…もとい、宗教団体威羅夢解明代表魔法使い、ドクターデス。
糸井:ふっ…宝田楓くん。この青年の勝ちだ。君が白鷺姫に仕掛けたトリック、全て解いたよ。なにせ、彼は里見結衣から情報を聞き出し、その右腕と刀を見つけ、血液検査と指紋認証を頼まれたたんだ…組織の人間とバレた状態でね。
宝田:なぜ?
糸井:宮中くんの教授というのは、土着宗教のパイオニアらしくて、威羅夢の情報を少なからず知っている…威羅夢の存在を世に示すことが出来るような人間なら、いくら私が宗教団体威羅夢の幹部のうち、過激派とはいえ、私の名前まで出されて報道騒ぎになったら、威羅夢にいられなくなってしまう。だったら、君に犠牲になってもらう方が威羅夢が生き残ると思っただけだよ。
宝田:…この裏切り者が!
(里見の方を見ながら)
糸井:裏切り者は君だろ。白鷺姫をうまく丸め込んで、手品師、物理学者どもを殺させて、自分は白鷺姫が錯乱したというようなことを村民に説き伏せて、ちゃっかり里見結衣を蹴落とし、今、そこに立っているではないか。まぁ、詳しくは、威羅夢魔法廷でじっくり聞くがな…里見結衣。その反逆者を捉えなさい。魔法の使用を許可します。宝田さん。全ての腕を出し、後ろに腕を回し、デザートの代表魔女、ホットケーキのところに帰りなさい。
宝田 泣きそうになりながらも、腕を後ろに回す。斬られた右腕も、隠していた五本の腕も同様に突き出す。
里見 糸井からビンを投げられ、受け取ると、宝田に嗅がせる。
宝田 ぐったりと倒れこむ。
里見が村民を指揮し、上手に退場。
村民も続く。観客席に降りている村民も退場していく。
村長:…糸井さん、…本当の糸井さんは?
糸井 顔を拭いてメイクを取る。
糸井:ご安心ください村長。糸井さんはこの事件を知らずに勤務しているはずです。それにしても、宮中くん。君の教授がまさかあの人だったとは思わなかったよ。
宮中:私も魔法使いがいる宗教があるとは思っていなかったのですが、宗教的な行動を気にしたものですから。
糸井:宝田という人物…少々変わっているというのが我々の間でも有名でな、なにかやるんじゃないかと思っていたが、本当に白鷺姫を殺してしまうとは思わなかった。
宮中:い、ドクターデス。あなたは魔法使いなのですか?
糸井:私か?私は魔法使いというより、医者だ。言いようによれば人を治す魔法が使えるとでも言いますかな?
宮中:では、里見さんが城主になるんですか?
村長:いえ、我々は里に降ります。
宮中 糸井:えっ!?
村長:この集落も運営が厳しくなってきましてね…最後に、城主決めをやって集落を終わりにしようと思っていたのです。ですから、城主になっても速攻で廃城です。
宮中:ですが、村民は「村を守ってくれる」などと言っていたのですか?
村長:…公式には月光集落は解体ですが、もしかしたらその魔法使いを尊敬する人は続くでしょうね。
宮中:あの、先代と言う怪物は大丈夫ですか?
村長:聞いていたんですか!けれど、そのようなことはありません。なにせ空想の動物か、一説によると、硫黄にやられないように作り出した伝説か、この周辺で採掘されていた鋼鉄掘りの職人を見誤った、病気の人物を恐れたなど様々な説があります。たかがそれ程度なことです。
宮中:そうですか…
村民:村長!
村長:どうした?
村民:先代城主の札を外しに行ったら、城の中に巨大な機械が…
宮中:あっ。それは多分岸奈さんと新田さんのタネでしょう。
糸井:電磁波を利用した巨大なドームを作り出していたということか?
宮中:企業では、村一個の中心に巨大なwifiの施設を作り、全て在宅が可能というようにしている企業があると聞いたことがありますから、それをやったのでしょう。
村長:では身体が浮いたのは?
宮中:あれは、身体にピアノ線を張っておいて、遠いところの高いところに重しでもあって、それを電波で受診し、落としたんでしょう。そうすれば、身体が浮きます。見つかってないだけで、簡単に見つかると思いますよ。
村長:なるほど…気がつけば、すっかり日が昇りましたな。
(上を見上げながら)
宮中:そうですね…今日は今日で忙しくなりそうですね。
(遅れて上を見上げる。)
村長:…はい。
幕引き