いつだってゆるふわ不運少女   作:色龍一刻

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他にも超能力ものを書いていましたが、
設定を少し流用して改めて書きました。
かわいそうはかわいい。
積極的に美少女を血で染めていこうね!


01・不運少女

いつだって、彼女/福波代弥(ふくなみだいや)は不運だと思っていた。

 

朝起きれば目覚ましは動いておらず、

遅刻だとわかっているからこそ慎重に動いても階段で転ぶ、服は裏表を間違える。

すっ転ぶこと数回。

靴紐がこんがらせ足首を痛めながらも、

玄関に置いておいたもしもの菓子パンを抱え、

通学路を警戒しつつ歩けば、

前、いや上空から轟音と共に迫るは、

 

黒煙吹き上げるジェット機。大きな影が街に!

 

メーデーメーデー、あと数分で晴れのち飛行機。

 

急展開過ぎて意味わからん。

 

「いやどうすればいいっちゅうねんなー」

 

 

 

 

 

いつだって、彼女は不運だった。

しかしながら、不幸ではなかった。

いちいちの運勢に嫌な思いはするが、

それっきりである。

ちょっと大人ぶった刹那的思考が、

もう過去のことだしいっか...と楽観的ともいえる、

ゆるゆる頭を作り出した。

 

そのゆるゆる頭は突然のメーデー案件に凍りついたわけである。

 

 

拝啓。お父さん、お母さん、

いつだって不運だと嘆いていた愛娘でありましたが、

遂に生命存続の運すらも使いきってしまったようです。

私ももうすぐそちらに_______

 

 

「いやまて諦めんことはなしだけれど」

 

 

いつだって、ゆるゆるだった彼女であるが、

いつだって、アクシデントの渦中にいるのも彼女であった。フリーズからの復帰は早い。頭の回転もピカイチである。

 

逆に言えばそこらへんが強くなければ死んでいた案件多数。

 

住宅街に突っ込んでくるジェット機。

住民の避難は間に合わない。

自分を逃がすことはまあできる。

ならば彼女にできることは?

 

 

 

 

 

 

時は平成、2005年日本。

突然超能力というものが発見された。

よくあるテンプレの如く超能力者による秘密結社とかテロリストとかによる国家転覆とか社会崩壊とかもなく。

ゆるーく浸透してゆるーく色々社会は変わっていった。

 

超能力が発現したら市役所に報告してくださいねー。

能力が危険かつ発現者が10歳未満の場合、

抑制剤を各病院やドラックストアで処方してもらいましょう。

超能力者は能力を安全に自己管理する術を学ぶための施設、学園に入りましょう。しっかり勉強して卒業すれば、法的に社会や仕事で能力を使用できるようになります。

超能力を使用する場合、

能力の影響度表に従いつつ注意して使用しましょう。

影響度が高い能力は近隣の能力館で使用しましょう。

 

より良き超能力ライフを!

 

めちゃくちゃ要約すれば、こんな感じである。

 

今日日本、めちゃくそゆるーい感じな超能力共存社会となった令和2020年なわけである。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

閑話休題(とにかく)、ジェット機である。

2、3週間に1回ぐらいの大型不運イベントレベルのシロモノ。

これをなんとかしなければ、

不運が不幸に、悲劇となる。

 

 

「ここはまあ逃走一択だよねー」

 

 

少女は全力で逃げ出し初めた。

 

この地区全体の緊急電子掲示板に情報は流しつつ、

近隣の防御系超能力者なり家単位で保有される対超能力用の地下シェルターで籠もるなりの余裕はあるだろうと考えながら。

 

しかし、通知が、

 

 

 


 

19:だいやちゃん

何をしろって言うんですか。

 

20:転転

手頃なものをジェット機に飛ばせ。

 

21:だいやちゃん

まあ、そのぐらいなら。

 

22:万里

頼んだ。

 


 

 

 

「自己防衛ー。自己防衛ー。」

 

 

逃走しながら手頃な石を拾って、

 

弾くための指に【極点強化】。

強化時間は限界の5秒。

強化値2桁。

眼球にも【極点強化】。

1秒。

3桁。

ジェット機の中心を捉え、

仕込み石を思いっきり弾く。

 

ミシリ、ズバン。

 

指がだしちゃいけない音と石がおかしな音を上げてかっ飛ぶ。

 

「ん"ん"ん"ッ〜〜〜〜〜〜」

 

めちゃくそ痛いけど、我慢。これだから嫌なのである。

 

思考速度も強化付与。1秒2桁。

スローモーションで飛んでいく音速の石ころをのほほんと眺めながら、掲示板に、

 

 

 


 

40:だいやちゃん

仕込み終わったよー。

ジェット機に着弾まで0.2

 

41:転転

了解。ジェットテレポスタンバイ。

 

42:万里

ジェット機用の場所は開けてある。

しくるなよ。

 


 

 

 

と打ち込めばジェット機が消失した。

 

数秒間なにもない上空を眺め、異常無しとわかれば反転、学校へと走るのだ。

 

 

 

万里(視界共有能力)が私の視界を転転(置換能力)と共有。私が飛ばした石と転転自身を置換。

その瞬間私が彼女の置換可能量を強点強化。

無理矢理ジェット機を安全な位置に置換させる。

 

なんともスマートじゃないやり方であった。

もっと他にいいやり方あったんじゃないのと思いながら掲示板を見る。

 

 


 

67:万里

ジェット機の置換を確認。

内部の乗客の保護を開始する。

協力感謝する。

後に色々書類が来ると思うからちゃんと書いとけよ。

金が出る。

 

68:転転

おk。乙乙。

 

69:だいやちゃん

ういー。まーた学校遅刻だよ。

ひどい目にあった。

 

68:転転

常習犯がなんか言ってやんの。

 

69:だいやちゃん

なにをー!?やんのかこらー!!

 

70:雪景色

打ち込んでないでさっさと走れ遅刻三連。

もうSHR始まってるぞ。

そろそろ卒業に響くだろこれ。

 

71:だいやちゃん

げ、先生おなしゃけを!

でも一応音声入力だから走りながらでもうてましゅぐぎゃああさっっs【悲鳴・破壊音・ガラスが割れる音・唸声】

 

72:雪景色

おい!大丈夫か!返事しろ福波!

ああもう仕方がないそっち向かうぞ!

 

73:転転

なんかすげえかわいそうになってきた。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「えへ、えへ、えへへへへへ.....」

 

教室のドアが開き、クラスメートのまたか...という視線を浴びつつ登場するのは空虚な笑顔のボロボロ美少女である。

鼻には絆創膏。頬にはガーゼ。

制服はホコリと砂と穴とでボロボロ。

スカートから伸びる綺麗な足には青タンに巨大絆創膏、これまたガーゼ。血で制服のいたるところが染まっている。

絶対領域に赤面できる以前の悲惨さであった。

肩まで伸びる栗毛は煤けボサボサ。

納得のレイプ目である。

 

「えへ、えへへっ、ぐすっ、」

 

笑いに鼻を啜る音が交じる。

 

クラスメートは聞こえないふりをしながら、それとなくフォロー。隣の女子生徒がボサボサの髪に奮闘し、回復系超能力の男子生徒が体力を消費しない程度のリジェネをかける。

 

皆、紳士的なのであった。

 

 

「ああ、うん、その、なんだ、福波。航空事故のこともあるし諸事情での遅刻にしといたから安心しろよ。な? 」

 

 

「.....あ"い」

 

 

 

 

 

 

先生の精一杯の言葉が痛い、朝の一時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつだって、彼女は不運であり、

その不運は不幸ではなかった。

()()()()()()()()()()()

彼女はここで、辛うじて生きている。

 

また、

私の不運で、誰かを不幸にしたのなら、

私は私を許さない。

いつだって、私は■■■■と思ってしまうけど、

それも友達の不幸になるようだ。

だから私は生きている。

笑いながら、生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・topik 

 

・福波代弥《ふくなみだいや》

 

主人公。花の女子高校生。

ゆるふわのほほん。お花畑。不憫。

かわいそうはかわいいを地で行く系美少女。

栗毛ロングに茶眼。身長低め体重軽め。

遅刻の量に不安を抱えている。

 

超能力【極点強化(ブースト)

付与系の強化能力。

強化系の付与能力でもあるが、

学者の論争が始まるのでどちらでもいい。

 

強化倍率は1桁から5桁程度。

これ以上は反動で死ぬかもしれないので未確認。

強化付与としては最大級の倍率なので、

一時期めちゃくちゃ有名になったがデメリットがでかすぎて超能力方面の大半の注目は失われた。

強化時間は最大5秒程度。短すぎる。

5秒経つと強化が終了する。

強化範囲は手のひらサイズ程度。狭すぎる。

全身強化とかできないので、強化した部分と強化してない部分の差でめちゃくちゃ体を痛める。

極端過ぎて使いにくいが、当の本人は不運な私としてはいいんじゃね?と納得している。

付与系の能力でもあるので、戦うときはそこらへんの枝や石を強化して戦う。トレース・オンと昔は言ってた。黒歴史である。

 

『どんなに強くても、脆い体は悲鳴を上げる。

5秒だけだから。痛くても頑張ろう。』

 

 

超能力...?【不運(fortune)

非公式な超能力。主人公の自虐ネタ。

自称、事象系干渉能力。

兎に角不運を発生させる。

読んでいる皆が不運だと思ったことは何でも起きる。

但し、不幸、悲劇を直接的には起こさない。

主人公に不運が起こり、その不運に干渉した別の事象や人によって不幸、悲劇になることは多いが、それは能力?によって発生した不幸、悲劇ではない。

 

『彼女に一等は必ず当たらない。

だけど、誰かの一等は当たりやすくなる。』

 

 

 

 




続くかもしれないから連載にしとく。
安直だけどかわいそうな幼い美少女はいいよね。
達観してるけどいちいち動きが幼いのも良き良き。
そんな感じのゆるふわ書きたい。
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