翌日、トレセン学園に所属するウマ娘たちは全員、
体育館へと集められていた。
新しいトレーナーが急遽、今日からトレセン学園で働くことになる……、とは聞いていたが、まさか体育館へ集められるとは思っていなかったのか、彼女たちは困惑していた。
「ねぇ、マックイーン。ボクたち何で体育館に集められたんだっけ?」
「聞いていませんでしたの? 今日から新しいトレーナーが来るらしいですわよ」
「そうだっけ? ていうか、そんな事の為だけにボクたち集められたの?」
「そんな事って、テイオーあなたねぇ……。まぁ、理事長直々の紹介らしいですから、他のトレーナーよりも優秀だとは思いますが」
「ふーん、優秀ねぇ……。そうだといいけど」
何も聞かされていない生徒が殆どらしく、ざわつきはしばらく収まりそうになかった。
「……ねぇ、ルドルフ。あなた何か聞いてる?」
「……いや、私も今日突然理事長から伝えられてな。
そういうマルゼンスキーこそ、何か耳にしていないか?」
「私も初耳よ」
「そうか……」
しばらくざわつきが収まらない体育館だったが、理事長が登壇してからは、さっきまでのざわつきが嘘だったかのように、静まり返っていた。
「静粛ッ! みんなには朝から集まってもらって申し訳ない! 本日、新しいトレーナーが就任するから君たちに紹介したいと思う! それじゃあ、入ってくれ!」
理事長の言葉を合図に、一人の
「どうもー。今日からここで働くことになった、ユキです。みんな、これからよろしくね」
推定身長、140cm
明らかに子供にしか見えない体躯に、まるで物語の魔法使いのような法衣。
そんなおかしな姿をしたトレーナーを前にすれば、驚くのも無理はないが……。
「……ねぇ、マックイーン。い、今の見えた?」
「いえ、私にも何がなんだか……」
彼女たちが驚いた本当の理由は、ユキが入ってくる瞬間を見ることができなかったからだ。
いや、正確に言うのであれば、ユキの速度が速すぎて、視界に収めることができなかったのだ。
どこかに隠れていたのかとも思ったが、隠れる場所などどこにもなく、理事長が扉の方を見ていたことから、そこから入ってきたのは明確だった。
「説明ッ! みんな疑問に思っていることだろう。彼女はこの度、私が直々にスカウトしたトレーナーだ! 人間でありながら、ウマ娘よりも速く走ることができ、まだ幼いながらも、トレーナーとしての実力も他のトレーナーと遜色ないほどである!
故にッ! 私が直々にスカウトしたのだ!」
「そうですねー。私はトレーナーとして、この理事長にスカウトされましたが、
他にも困ったことがあったら手伝ってあげますので、遠慮しないでくださいね。
あー、あと、この格好については気にしないでね。
この服は別に私の趣味とかじゃなくて、速度が上がるから着てるだけなので」
今、このトレーナーはなんと言った?
着ているだけで速度が上がる服?
というか、ウマ娘よりも速く走れる人間だって……?
こんな幼いのにトレーナとしても優秀?
などなど、驚きと戸惑いは伝染していき、再び体育館はざわつきに支配された。
「えっ、その服着てると速度が上がるのか?
……あっ、ごほん!
というわけで! 彼女は今日からここで働くことになった! ということを、みんなにも把握しておいてもらいたい!
それじゃあ、みんな。朝から集まってもらって悪かった! 以上で、解散ッ! とする。各自教室に戻るように!」
○○○○○
その日、私は驚きを隠せなかった。そもそも、新しいトレーナーが就任するからといって、わざわざ私達を集める意味がわかりませんわ。
「ねぇ、マックイーン。ボクたち何で体育館に集められたんだっけ?」
隣りに座っているテイオーに、そう言われましたが、そんなの、私のほうが聞きたいですわ!
「聞いていませんでしたの? 今日から新しいトレーナーが来るらしいですわよ」
「そうだっけ? ていうか、そんな事の為だけにボクたち集められたの?」
「そんな事って、テイオーあなたねぇ……。まぁ、理事長直々の紹介らしいですから、他のトレーナーよりも優秀だとは思いますが」
「ふーん、優秀ねぇ……。そうだといいけど」
まぁ、理事長が直々に紹介するということは、それに値するだけの実力を持ったトレーナーなのでしょう。
にしても、そんな優秀なトレーナーがいらっしゃるのであれば、おばあ様の方から、何か情報があると思ってましたが……。
「静粛ッ! みんなには朝から集まってもらって申し訳ない! 本日、新しいトレーナーが就任するから君たちに紹介したいと思う! それじゃあ、入ってくれ!」
さて、どのような方なのでしょうか。
「どうもー。今日からここで働くことになった、ユキです。
みんな、これからよろしくね」
……私はあの瞬間の出来事を、忘れることはないと思いますわ。
どのような見た目のトレーナーなのかと、扉に注意を向けていたというのに、まさか、壇上から声が聞こえてくるとは思ってませんでしたから……。
「……ねぇ、マックイーン。い、今の見えた?」
……やはり、見えていなかったのは、私だけではなかったようですね。
一瞬、私が見落としたのかと思ってましたが、隣りにいるテイオーにも見えていなかったようですね。
「いえ、私にも何がなんだか……」
それにしても、10歳……、
いえ、12歳ぐらいでしょうか?
あ、明らかに幼い子供のようにしか見えないこの子が、トレーナーですって……?
「説明ッ! みんな疑問に思っていることだろう。彼女はこの度、私が直々にスカウトしたトレーナーだ! 人間でありながら、ウマ娘よりも速く走ることができ、まだ幼いながらも、トレーナーとしての実力も他のトレーナーと遜色ないほどである!
故にッ! 私が直々にスカウトしたのだ!」
ちょ、ちょっと待ってくださいまし!?
ウマ娘よりも速く走れる人間?
子供でありながら、他のトレーナーと遜色ないほどの指導力?
き、聞き間違いでしょうか?
「そうですねー。私はトレーナーとして、この理事長にスカウトされましたが、
他にも困ったことがあったら手伝ってあげますので、遠慮しないでくださいね。
あー、あと、この格好については気にしないでね。
この服は別に私の趣味とかじゃなくて、速度が上がるから着てるだけなので」
わ、私、疲れているのでしょうか。
今、ありえない言葉が聞こえたような……。
着ているだけで足が速くなる服?
そ、そんな服があるわけありませんわ!
「えっ、その服着てると速度が上がるのか?
……あっ、ごほん!
というわけで! 彼女は今日からここで働くことになった!
ということを、みんなにも把握しておいてもらいたい!
それじゃあ、みんな。朝から集まってもらって悪かった!
以上で、解散ッ! とする。各自教室に戻るように!」
……とりあえず、教室に戻ることにしましょうか。
1話あたりの文字数はどのぐらいが丁度いいですか?
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1000~2000
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2000~3000
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3000~4000
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4000~5000
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それ以上