ウマ娘 紅の軌跡If もし物語開始前から三人が迫っていたら 作:小鳥遊 小佳夏
「「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
そのままゴールを駆け抜ける。そしてゴール線の上に設置したカメラを見て、どっちが先にゴールしたかを確認する。
「やった勝ったぁ!」
「また勝てなかった・・・」
そして勝った私は喜び、負けたサイレンススズカは落ち込む。
今日はスズカと私の二人でのトレーニングの日。基本毎日トレーニングをする私で、そういう時は大体ルドルフやトウカイテイオーと四人でやるのだが、今日は都合が悪くスズカとの二人でトレーニングをすることになった。
「ほんと、どうやってもあなたには勝てないのよね」
「何回かは君がハナ差で勝ったこともあるじゃないの」
そういうとスズカは不満そうな顔をする。
「あなたに私の背中を見せないと、私の勝ちじゃないの。それにレースでは勝てたことないのだし」
「それなら一生スズカが勝つことはないんじゃないの?」
ニヤリとする私。
「絶対、いつかはあなたに私の背中を見せて、私が味わっている屈辱を味合わせてやるんです」
私の挑発に闘志を燃やすスズカ。とはいえ、今日はもう暗くなってくるころ。そろそろ上がったほうがいいだろう。
「とりあえず今日はこのくらいにしよう。機材の片づけ、手伝って」
「わかったわ」
スピードとスタミナを鍛える機材をスズカと半分ずつ持ち、部室へ。部室の倉庫に機材を片付けた後、そのままシャワーを浴びて体を流す。
「あ~~、シャワーのお湯が身に染みるぅ」
「そうですね、気持ちいいですねぇ」
「・・・。ってなんでここにいるの?」
と、なぜか私にひっついてシャワーを浴びるスズカに突っ込みを入れる。いやいや、そんな顔に?マークを浮かべないで!?
「ふふ、いいじゃないですか♪私とあなたの仲なんですし、それに何回も一緒に浴びているでしょう?」
「いやだって色々あたってね!?」
スズカの体はまあ一言で言えば貧相だ。だがそのおかげで、抱き着くと体中がぴっちりと密着する。こう、スズカが密着していると思うと、なんかこっちまで恥ずかしくなってくる。確かに何回もこうされたことはあるが、どうしても慣れるものではない。そうしてどぎまぎしていると、スズカが私の脇腹をつーっとなでてきた。
「ひょわっ!?」
「あらあら、かわいい声ですね」
そういう不意打ちはほんと辞めてほしい。
それからスズカは私のお腹、腕、足と触ってくる。が、これに関しては驚かせようと思ってやっているのではないし、ある意味日課となっていることなので別に声は上げない。いやむず痒いけど。
「相変わらず、鍛えられた筋肉ですよね。これを上回れないと勝てないんですよね」
私の筋肉を触って、自分と比べて戦意を高める。目に見える私との差を感じたいらしい。本人談だが。
「ありがとうございます、今日も差を実感できました」
ちゃんと堪能し終わった後お礼を言うあたり、スズカはほんといい娘って感じがする。いやこんな裸のスキンシップ?を要求してくる娘がいい娘なのかは知らんけども。
「それは何より。で、まだ居るの?」
「いえ、よければ私のも触ってみませんか? あなたなら、私のどこを触っても構いませんよ? それこそ、全身くまなく」
「やめなさい」
なんか誘惑する目線をこちらに向けるスズカから意識をそらし、汗を流しつつ体を洗っていく。
スズカは「残念です」と一言だけ言い、自分の体を洗う。今日こそスズカしかいないからこれで収まっているが、他の二人がいると収拾付けるのが大変になりかけるのがほんと面倒なところである。
とにもかくにもシャワーを終えてさっぱりした私は、夕飯を食べるべく寮の食堂へとスズカを引き連れて歩いて行った。