ウマ娘 紅の軌跡If もし物語開始前から三人が迫っていたら 作:小鳥遊 小佳夏
「今日はどこにいこっか? カラオケ? ゲーセン? どこでもいいよ♪」
そう言って私の手を引くのはトウカイテイオー。今日はトレーニングもお休みのオフの日。ほかの二人は用事があるようで、テイオーと二人で外に遊びに来ていた。
「どこでもいいのよね。テイオーはどこか行きたいとこないの?」
「じゃあね、ボクはまずはちみつ飲みに行きたい!」
というわけで、まずはテイオー御用達のはちみつドリンクカーFunny Honeyへ。
「はちみつ固め濃いめダブルのマシマシで!!」
「はい、1,500円ね」
いつも思うのだが、濃いめはまだわかる。濃厚ってことなんだろう。でも固めとかダブルとかマシマシというのはどんな意味があるのかしら? しかもそれで1,500円でしょ? どこぞのメンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシでも1,000円超えないはずだし、ほんと不思議な飲み物ね、はちみつドリンク。
商品を受け取ってちゅーと嬉しそうに飲むテイオー。笑顔が可愛いわね。
「あ、クレナイにもあげる」
そう言って私にドリンクのストローを向けてくる。
「あら、ありがとう」
ドリンクを飲むと、とっても濃厚なはちみ・・・のうこ・・・げほっ。
「げほっごほっ」
あまりの濃さに咽た。え、ナニコレ。こんな濃さのはちみつが存在するというの・・・。世界は広い・・・。
「あ、大丈夫? クレナイ」
テイオーが私の背中をさすってくれる。
「ええ、大丈夫よ、ありがとう」
呼吸を整え一息。私がドリンクを返すと、テイオーが私の口元に目をやった。
「あ、口元にはちみーついてるよ、動かないでね」
そう言って、私の手をつかんでくいっとひっぱり、頭を下げさせたとこでテイオーがぺろり。
「な、ななな!?」
「えへへ~♪ おいしいなぁ♪」
え、あの、ここ公園なんだけども!? それにただでさえイケメンなテイオーにそんなことされるとドキッとして心臓に悪いからほんとやめてほしい。というかテイオー、なぜあんたはストローの飲み口をそんな執拗に舐め回す??
「はぁ・・・はぁ・・・・」
とりあえず呼吸を落ち着かせると、テイオーがちょうどはちみつドリンクを飲み終えた。
「さ、次のとこ行こ♪」
ごみを捨ててきたテイオーが私の腕にしがみつくようにして、歩き出す。私はそれに引っ張られるようにして続くのだった。
ところで、さっきのストローをテイオーがカバンにしまっていたような気がするのだけど・・・気のせいよね、きっと。
その後映画を見たり、ウィンドウショッピングをしたり、カラオケで持ち歌対決をしたりして夕方になったころ、テイオーが最後に行きたい場所があるというのでついていっていた。
「ここここ、ここに入りたいんだよね♪」
そこはホテル。入口に看板があって休憩とかいろいろ書いてあるとこ。誰がどう見てもそういうとこである。
「あんたは何を考えているの! ふざけてないで帰るわよ」
テイオーの頭をはたき、帰ろうとするとテイオーが全力で拒否してくる。
「やだやだやだやだ~、クレナイと一晩過ごす~」
「わがまま言わない!!」
私はひょいっとテイオーの腰に手を回し、肩に担ぐとそのまま学園への道を歩き出した。しばらくやだやだと繰り返していたテイオーだが、少しするとおとなしくなり、そのまま学園まで私の方に揺られていた。
ちなみにこの話をスズカとルドルフにして説教してもらおうと思ったのだが、二人とも羨ましい!! と言っていたので、まともなのは私だけかと一人乗りのボートに水と食べ物を載せて海に出たくなった。