Re:ゼロから始めるダンジョン生活   作:Hi-Speed

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2話連続投稿です。



第二話

暗闇の中をスバルは漂っていた。

 

“何か”に声をかけられている気がする。

 

その何かは分からないが、暗闇に光が差し、やがて……

 

 

***

 

 

「ママ、あの人変な服着てるよー」

 

「しっ!静かに!」

 

気づいたらスバルは道の真ん中に立っていた。

 

あれ、この親子さっきも……?

俺はさっきまで塔の下のダンジョンらしきところにいたはず……

 

「うっ、腕、は痛くない……ってか傷は?血は?」

 

スバルの腕は特に異常はなかった。

 

「さっきのは何だったんだ?てか、何で俺はここにいるんだっけ……?」

 

何が起こったのか、その手がかりを見つけられるかもしれないからとりあえずもう一度同じ道を辿ってみようかとスバルは考え、また塔を目指して歩き出す。

 

すると、また先ほども見たように屋台にはロリ巨乳の店員がいて、食堂のような店の前で白髪の少年が鈍色の髪の店員から愛妻弁当をもらっているのを見かけた。

 

「あの少年の格好からしてあのダンジョンっぽいところに行くっぽいよな。どうせなら一緒に行かせてもらおうか」

 

少年と店員が別れたのを見計らい、スバルはその少年に声をかける。

 

「あの……?」

 

「はい、何でしょう?」

 

「今からあの塔の下に潜るのか?」

 

「え?あ、はい。ダンジョンに潜ろうかと」

 

やはりあそこは“ダンジョン”って呼ばれてるのか。

 

「俺も行こうと思ってたんだけど、一緒にどう?」

 

「えっと……その格好で、ですか?」

 

やっぱまずかったよなぁ。

ダンジョンだもんなあ。

 

「武器とか防具とか買いたいんだけど、金がなくてね。それで金稼ぎのためにダンジョンに行きたいんだが……」

 

少しの間、少年は思考を巡らした後にこう答えた

 

「では、僕のサポーターをしてくれませんか?」

 

「サポーター?」

 

「はい、僕がモンスターを倒すので、魔石やドロップアイテムを拾ってください」

 

「そんなことで良いのか?」

 

「はい!むしろ、魔石やドロップアイテムは戦闘では邪魔になってしまうので、とても助かるんです」

 

「なるほど、じゃあそれで行かせてくれ、ええと……?」

 

「ベル、ベル・クラネルです。」

 

「そうか、俺の名前はナツキ・スバルだ。よろしくな、ベル」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします、ナツキさん!」

 

「スバルで良いぞ?」

 

「あ、うん、わかったよ、スバル」

 

そして、2人はダンジョンに向かって歩き始める。

 

ここで、スバルはどうせならこの世界のことをベルに聞いておこうと考える。

 

「なあ、ちなみにここってどこなんだ?」

 

「え?ここ?ここは迷宮都市、オラリオだよ?」

 

「オラリオ、か」

 

うん、聞いたことない名前だ、とスバルは思う。

 

「まさかスバル、そんなことも知らずにダンジョンに潜ろうとしていたの?」

 

「あはは……」

 

「ちなみにスバルはどこの【ファミリア】所属なの?」

 

「ファ、【ファミリア】?」

 

「うそ、それも知らないの?」

 

「ああ。というより、この世界の常識を全く知らない」

 

「じゃあ……」

 

スバルはベルによってオラリオの説明、神々の話などこの世界の“常識”を教わった。

 

オラリオは、迷宮(ダンジョン)という穴を覆う蓋の役割を担う街ということ。

 

そして、その迷宮の入り口は天高く聳え立つバベルという塔の真下にあるということ。

 

下界に降りてきた神はファミリアを構成し、その眷属達は主神によって恩恵(ファルナ)を与えられるということ。

 

「なるほど」

 

「にしても、スバルはどこから来たの?あんまり見かけない格好だけど」

 

「東の端の国からかな」

 

「じゃあ極東の出身かな?たしかに黒い髪の人間で、目は、あれだけど」

 

目つきが悪くて悪かったな、とスバルは心の中で思う。

 

「でも、格好が違うような。あっ、ここがダンジョンの入り口だよ」

 

2人はダンジョンの入り口、バベルの麓にたどり着いていた。

こうして、2人でパーティを組んで、ナツキ・スバルは2度目のダンジョン探索を始めた。

 

特に問題もなく下の階層へと進む2人。

 

しかし、ベルの表情はあまり晴れない。

 

「やけに静かだ……」

 

「いつもはもっとうるさいのか?」

 

「うん。というより、不気味なくらいにモンスターがいない」

 

「そうか……」

 

このままだとあまり金は稼げなさそうだ。

 

スバルは目の前の階段を降ろうとした。

しかしそこで、ベルから声をかけられる。

 

「あっ、スバル、待って」

 

「ん?どした?ここら辺はモンスターがいないから、もっと下に行ったほうが良くないか?」

 

「それはそうなんだけど、ここから下には“ウォーシャドウ”っていう、見た目は影みたいなモンスターが出てくるんだ。戦闘力は上層でも随一なんだ。僕の力じゃまだ討伐できないから行っちゃダメだよってエイナさん、ギルドの職員の人に言われてるんだ。」

 

「そうなのか」

 

「本当はここの階層も来ちゃいけないんだけどね」とベルは付け加える中、スバルは思考を巡らす。

 

あの“影”の正体はそれか……?

にしてもさっきのあれは夢だったのか……?

だとすると俺に与えられた能力は予知夢なのか……?

 

すると、スバルは足元に何かが落ちているのを見つける。

 

「あっ、ベル!これって所謂ドロップアイテムか?」

 

「うん!そうだね!」

 

そんな感じでモンスターに出会わない代わりに、沢山のドロップアイテムを手に入れた。

 

その時だった

 

『ッオオーーー』

 

「えっ?」

 

スバルはその声に驚き、身体が固まってしまった。

 

「な、何だ?」

 

「スバル、逃げて!」

 

「え?あ、ああっ!!」

 

しかし、スバルは出足が一歩遅れた。

首を声がした方へ向けると、スバルの目の前に黒い何かが迫っていた。

そして、スバルは気づいたら“飛ばされて”いた。

 

「クハッ……!」

 

ダンジョンの壁に身体全身が打ち付けられ、口から血が溢れる。

身体を襲う痛みでスバルは立ち上がることが出来なかった。視界が赤くぼやけながら、スバルは自分を投げ飛ばした元凶を探す。そこにいたのは、いわゆる“ミノタウロス”だった。ミノタウロスは明らかに自分を標的に定めている。その向こうでベルが悲壮な顔つきでこっちを見ている。

 

「ベ……ル、に、げ……」

 

「ッオオーーー」

 

怪物のあげる叫び声とともに、身体に激痛が走る。ナツキ・スバルはダンジョンで2度目の“死”を経験した。

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