fortissimo~大切な人と日常を護るために~ 作:Chelia
「高次領域展開・魔術兵装(セカンドアクセス・ゲート・オープン)!!」
俺の言いつけ通り、出し惜しみせず全力の用意をする紗雪。
紗雪が上記を唱えると、前回同様二丁拳銃であるうたまる&アルキメデスのほかに、紗雪の両足に白と黒のレガースも装備された。
「あなた達はスコールとハティって言うのね… よろしく…」
武器に愛情を込める紗雪は新たな仲間に微笑みかける。
スコール&ハティ…
神話時代に脅威とされた二匹の神狼の名を持つ伝説の武器。
二匹の神狼は、天に存在する決して追いつけるはずのない太陽と月に追いつき、喰らい尽くしたとされる。
あらゆる概念空間をも超越し、行き着くことのできる究極の移動能力…「空間を超越し追跡する能力」
これが、紗雪に秘められた本当の力なのである。
うたまる&アルキメデスが紗雪の憧れた師匠に近づくための憧れを具現したとするなら、スコール&ハティは彼女の戦闘能力に適した理想を具現する兵器と言えるだろう。
元来、体術を得意とする紗雪が遠距離戦闘を行うのは武器が銃であるから…
戦略破壊魔術兵器(マホウ)は戦略破壊魔術兵器でしか破壊できないため、今まで紗雪は得意な接近戦をずっと捨てていたということになる
けど…今は!
「はぁぁぁぁぁっ!!」
高速なんて言葉を遥かに上回る神速…
目にも止まらぬ速さで一気に綾音に接近する紗雪。
「待つんだ紗雪!奴の魔法は!!」
「っつ!?」
俺の叫びを聞き取ると、慌てて紗雪が静止を試みるが少々遅く紗雪の左腕から血が吹き出る。
「ぐううっ…」
痛そうに片目を閉じる紗雪。
しかし、そこを追撃されないよう、俺が綾音の気を引くように行動を起こす。
「舞え…俺の魔法たちよ!」
俺はテレキネシスで5本の杖を浮かせると、自身の周りに収束させる。
まあ残念なことに、霧崎同様俺のテレキネシスも自分の魔法や武器しか動かすことはできないんだがな…
「なるほど…そうやって回収可能というわけね…」
「霧の世界(ミスト・ワールド)…」
俺の周りを回る5本の一本一本から魔法陣が現れると、その一本一本から大量の霧が吹き出る。
「霧の世界」…本来なら、大量の霧を散布し相手を錯乱させるための魔法だが今回ばかりは少し使い方が違う。
周囲一帯が霧に包まれ周りが見えなくなると、それと同時にレーザートラップのような大量の赤いラインが姿を表した。
恐らく、レーダーで見た時に動いていなかったのはこれを作っておく布石だったのであろう。
蜘蛛の巣よりも遙かに精密に至る所に赤き罠が張り巡らされている。
「こ、これは…」
「これが奴の戦略破壊魔術兵器…ストリングロードだ。ピアノ線のように細い無数の赤い糸を周囲に張り巡らせることによって、先程紗雪が受けたようなダメージを相手に与える事ができる。しかも、この糸は運動エネルギーを操作することができ、如何なる攻撃も無効化することのできる恐ろしい能力持ちだ。」
「あらあら…ご丁寧に解説どうも… 貴方と戦うのも会うのも初めてのはずなのに、なーんでそんなに詳しいのかしら?」
俺が綾音の魔法を紗雪に解説すると、とても不機嫌そうにする綾音。
初対面の相手に、これほど自分の事を知り尽くされているとなれば不気味に感じるだろうし、自分の得意な戦法を相手に理解されているとすればいつもの騙し討ち戦法は通じない。
俺がストリングロードを苦手とするように、綾音も俺の情報量を確実に苦手と取っているだろうな。
「けど、海斗のお陰で敵の罠が丸見え… これだけの補助があれば!」
すると紗雪は再び突っ込んだ。神速の動きで大量のピアノ線包囲網を一本一本躱し、一気に綾音に接近する。
常人ではまずあり得ない動きだ…。どちらかというと、紗雪はオマケ程度と甘く見ていた綾音にとってだいぶ想定外のこと…
それは、紗雪が戦闘のエキスパートであるということだ。
「う、嘘でしょ!?」
「嘘じゃない…これが現実… はぁっ!スコール!」
「くっ…!!」
「まだまだ!ハティ!!」
零距離でストリングロードを張り直しても間に合わないため、渋々躱す綾音に容赦なく紗雪の連続蹴りが炸裂する。
何とか全て躱しきるも、紗雪の蹴りの破壊力は俺の想定すら越え、ストリングロードを数本引きちぎっていた。
「どうやら止める余裕もなさそうだな… 終わりにしよう。」
俺がルーンを練り上げるのを感じ取ると、すかさず後退し、俺に合わせて一緒にルーンを練る紗雪。
この頃はずっと一人で戦っていたと聞いていたが…紗雪の奴、共闘も全然できるじゃないか。
予想以上に俺と息がピッタリでびっくりするぞ…
綾音の足元に巨大な魔法陣が広がると、それが縦に五つ並ぶ…
さあ、毎度おなじみ俺の神話魔術だ。受けてもらおう!
「五重魔法陣・御神楽!!」
「ふふっ…私の魔法を知っているなら、それが効かないことくらいわかるわよね?無に還った少女(ブリーシンガメン)!」
綾音の得意技、無に還った少女が決まる。
ピアノ線何本も張り巡らせ、俺の御神楽を受け止めるとそのまま運動エネルギーを0に操作することで御神楽を消滅させた。
しかし!
「連続で当てれば!! 福音の魔弾(ヴァイス・シュヴァルツ)!!」
続いて、紗雪の必殺技である福音の魔弾が続く。
俺の話を軽く聞いて、綾音の魔法を予測した紗雪は技が無効になる瞬間に次の一撃を命中させるという選択を取った。
運動エネルギーの操作…簡単に言ってはいるが、これを決めるにはかなり難しい精密な計算が必要となるだろう。
火力の違う魔法を連続で受けて、それに合わせるなんて芸当は並大抵の召喚せし者では不可能に等しい。
「ふふっ…いい連携ね… お姉さんちょっと焦っちゃったわ…」
しかし、綾音は紗雪の攻撃をもあっさり無効にし、悠々とそこに立っていた。
綾音が紗雪を甘く見ていたのと同様に、紗雪もどこか綾音を甘く見ていたのだ。
(どうせできないだろう…)
そんな勝手な予想は、自らの死に繋がる。
召喚せし者に絶対はない…しかも、人間を遙かに超える力を使って戦う以上、このような甘い判断一つで死んでしまう可能性も充分に有り得るのだ。
「まさか…効いてないの!?」
紗雪は驚いている。
補足をすると、俺達は今互いの姿が見えない状態で戦闘を行っている。
俺の霧により、当然俺から見れば紗雪と綾音は見えない…それは二人にも言えること。
互いの視界に写っているのは、綾音が大量に散布した赤いピアノ線のみ。
ではどうやって戦っているのか?
紗雪の武器は全て、相手の音を感知できる。
それは、うたまる達に留まらず、スコール達にも言えること。
音で綾音を感知しての攻撃を行っている。
俺の方は完全に五感を研ぎ澄ませているだけだ…普段自分が使い慣れてる魔法だけに使った状態での戦闘には非常に慣れている。相手の音、動き、気配、熱、魔力…そういった一つ一つのものを感じ取り、相手の位置を把握している。
そして綾音はというと、綾音の魔法の一つである天駆ける光の使者(スキンファクシ)という魔法を使い、俺達の位置を特定している。
俺が人工的に作ったレーダーのように、召喚せし者の位置を把握することのできる魔法だ。
しかし、この能力は自分の魔力の届く範囲にしか効果を及ぼすことができない。
こういった戦闘している程度の距離では充分使えるが、島全体の索敵となれば魔力もタダとはいかない。
だからこそ、俺のシステムを奪い少ない魔力で俺達の位置を把握していたんだろうな。
結論を言えば、俺達三人に視覚喪失なんて大した問題にすらならない。
霧崎は視覚を失っただけであっさり敗北していたが、こちらの戦いはそんなレベルを遥かに越えているというわけだ…
「紗雪ちゃん…だったかしら? 貴女は零二くんの妹のようだけど、その大切な兄である零二くんと、今貴女が共闘しようと必死な天王寺先生…どっちが大事なのかしら?」
「えっ………?」
「自分の一番大切なものというものを、貴女はきちんと決める事ができているのかって話しよ…」
「いきなり何を言うの…?大切なものは全部守って当たり前じゃない…」
「考え方がお子ちゃまなのよ。こんな残酷な儀式の参加者になった貴女は、もう既にその選択は捨てなくちゃならない。けど、先生からオーディン討伐の話を聞いて、全部守れるものと勝手に錯覚しているのよ。自分が無力なのも忘れてね…」
「確かに私達は無力でちっぽけな存在なのかもしれない… けど、だからこそ人は互いに手を取り合い強くなる。そんな言葉で私を惑わせようとしたって無駄よ!」
紗雪の言うことも綾音の言うことも一理ある。
自分はどうしたいのかきちんと決断できなけれな、いつか自分の一番大切なものすら守れずに終わってしまう。
未来世界で究極魔法の発動に失敗した零二がそうだったように…
だからといって、大切なもの以外は切り捨てていいという理由にはならない。
それじゃ、オーディンと考え方が同じになってしまう。
今の綾音の思想は、こんな間違った儀式を引き起こしてしまったオーディンそのものだ。
俺はそんな自分の限界を決めつけた考えでは何も救えないことをこの戦いを通じて綾音に教えてみせる!
「紗雪の言うことがガキっぽく聞こえると言ったな?」
「ええ…その通りよ そんな綺麗事を言っても、所詮は誰も守れやしないわ…」
「何故そう言い切れる?守れないのなら、守れるように努力すればいい。一人がダメならみんなでやればいい。最初から決めつけで選んだ結果から得るものなんて何もないんだよ…」
「……………」
「俺の戦闘能力を知りたがっていたな?なら、自分の目で見て確かめるがいい… 本当に大切なもの一つしか守れないようなちっぽけな力しかこの世界には存在していないのかどうかをな!」
そういうと、俺は自分の体に眠っている膨大な魔力を一気に爆発させた。
凄まじい恐怖感と衝撃波により、視界を遮っていた霧は一瞬で消滅し、綾音も反射的に包囲網を解いてしまった。
(このまま張っておけば全て破壊される…)
運動エネルギーを操作して0にしてしまえば、どんな攻撃も意味をなさないことは頭でわかっているはずなのに、綾音はストリングロードをしまったのだ。
相手に恐怖感を植え付けるほどの圧倒的な魔力…
それを放出しつつ、俺はついにあの言葉を口にするのであった。
「魔術兵装(ゲート・オープン)…」
俺がそう唱えると俺の顔の左半分に赤い入れ墨のような紋様がどんどん広がっていく。
「この魔力…あの入れ墨… これが海斗の戦略破壊魔術兵器なの?」
「…対峙して前に立つだけで体中の全神経が震え上がってる。 この私がこれほどまでに威圧で押されるなんて…」
「これが俺の魔法… 全宇宙を統べる星屑の鍵(スターダストキー)だ。 俺の本当の魔法は流星… 即ち、星魔法の使い手だ。 いままで俺が使っていた魔法など、俺から言わせればお遊戯に等しいんだよ。」
「あれだけ強力な霧魔法が…ただの遊びだったっていうの!?」
紗雪は俺が霧魔法だけで自分を含め、零二や龍一、サクラや紅葉に勝っていることを知っている。
あれだけ苦しめられた強力な魔法をただの遊びと言われてしまっては、驚くなという方が無理な話だ。
「流星のセスタス… それがあなたの正体ね…」
「そういうことだ、ワルキューレ。さあ、決着をつけよう。」
「手なんか…出せない…」
自分の未熟さを知った紗雪は、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
目の前で行われている戦い…それは、自分なんかが入っていいレベルを遙かに上回っている。
その動きに、完全に魅入ることだけが今の紗雪にできることだった。
「出し惜しみする余裕はなさそうね… 私の切り札をくらいなさい!裏切りの女神(ダヴィンス・レイヴ)!!」
裏切りの女神。
これが綾音の切り札だ…ストリングロードに無尽蔵な運動エネルギーを加えることによって、どんなものでも切り裂くことのできる最強の切断系武器となり得る
「確かに、如何なる防御も無視できる優秀な技だが当たらなければ意味はない。貴様の攻撃など、二度と当たらんよ…」
そういって、綾音視界から一瞬で姿を消す。
孤独な幻影(ミスゲイション)?いや、違うな…
「流星(ミーティア)…」
使った魔法は流星。
その名の通り、宇宙を駆ける流れ星と同じ速度で動けるという高速移動の魔法が原型だが、俺が本気で使えばそんなレベルは軽く越える。
何度も何度もこの魔法の強化を図り、今の俺はこの流星の速度を神速と同等の速さまで育て上げた。
おそらく、この全世界で最高の速度で動くことのできるのは紗雪の瞬間魔力換装(ブリューゲル・ブリッツ)だろう。
体内の魔力を爆発的に解放することにより、一時的に神速をも越える…神をも越える速さで動くことができる。
しかし、それは本当に魔力を爆発させた一瞬の間だけ。俺の流星はそんな最高速とも思われる速さで俺の魔力が切れるまでずっと動き続けることができるのだ。
発動している間は魔力を消費し続けるため、こまめにON-OFFは行うが俺の魔力総量でいえば事実上無制限で使えるといっていい。
「速い!?」
「上だよ!さあ、お前のお得意の糸がどこまで持つか見せてもらおう。」
流星の力で綾音の上空を奪うと、空に7つの巨大な魔法陣を作り上げそれを北斗七星の形に並べる。
「7つの星に裁かれよ…天体魔法・七星剣(てんたいまほう・グランシャリオ)!!」
その魔法陣から、7つの隕石を落とす。
その隕石は圧倒的な速度と破壊力でレーザー状になり、まさに流星群という言葉に相応しい外見で綾音を襲う。
「くっ… 無に還った少女!!」
だが、流石は綾音だ。
俺の本気モードの得意技である七星剣すら防ぎ切ってみせる。
それでこそ、倒しがいがあるというものだ。
「拘束の蛇(バインド・スネーク)!」
流星で一瞬で背後を奪い、杖を二本抜いて蛇を植え付けようとするがそれもストリングロードで無効にされる。
「残念ね… その程度では私は倒せないわ…」
「その余裕、いつまで持つかな?先程の七星剣を防いだことにより、貴様の魔力はかなり消耗している。俺に本気を出させたことを後悔するんだな…」
「貴方の首さえ奪えれば私は勝てる…勝機がないわけじゃないわ!裏切りの女神!!」
再び裏切りの女神を使ってくる。
宣言通り、狙いは俺の首一直線…
流星で躱してもいいが、そろそろフィナーレと行こう。
オーディンを倒せる希望があるって信じて欲しい…その意味を込めて、最凶の一撃で迎え撃たせてもらう。
禁忌魔法…召喚せし者達の間でも使ってはならないとされる暗黒の闇魔法だ。
ローゲの魔法使いが使った黒い炎もその一つ。
最も、俺の場合は漆黒の星魔法だがな…
闇の魔力でルーンを練ると、巨大な魔法陣を自分の前に形成しサクラのレーヴァテインのような体制でその魔法を放つ。
「煉獄砕破(アビスブレイク)!!!!」
煉獄砕破。万物を跡形もなく消し去ることのできる漆黒のレーザー…
俺のこの魔法はこの島(月読島)をも一撃で消し飛ばすことのできるくらいの圧倒的火力がある
事実、滅多に使用しないししたらしたで誰も生き残れやしない。
「…っつ!?」
咄嗟の判断で裏切りの女神から無に還った少女に切り替える綾音。
禁忌魔法を防ぎにくるか…だが、無敵を誇るストリングロードにも限界というものがある。
一つ、圧倒的火力を誇る魔法を無効にし続ける
二つ、相性の悪い魔法や概念魔術を無効にし続ける
このどちらかを行えば糸は悲鳴をあげはじめ、やがては消滅してしまう。
今回の場合はその両者…無に還った少女を発動するために張ったストリングロードは俺の煉獄砕破を受けてみるみるうちに焼き切れていく。
「まさか…こんなことって!! いやぁぁぁっ!!」
自慢の魔法を焼かれ、どんどん近づいてくる俺の漆黒のレーザーに綾音は震え上がりついには悲鳴をあげた。
全て焼き切ると綾音は死んでしまうし、ここら辺で助けてやるか…
「…紗雪、助けてやれ。」
「うん… 瞬間魔力換装!!」
紗雪が瞬間魔力換装で一気に移動し綾音を抱きかかえると、再度発動し煉獄砕破の射程から一気に遠ざかる。
対象を失った俺の魔法はかつて龍一の総てを射抜く雷光(トール・ハンマー)が見せた火力とは比べ物にならないくらいの破壊力で悠久の幻影(アイ・スペース)の壁にぶつかった。
「はぁっ…はぁっ…」
総魔力の大半を失い、怯えることしかできない綾音。
無敵の生徒会長というイメージを誇る彼女の今の姿は俺も紗雪も見たことがないし、意外という一言しか思い浮かばない
「あの…会長さん大丈夫?」
「少し落ち着くまで待ってやろう。整理をさせる時間も大切だ…」
綾音を安全な場所に紗雪が座らせる。
しばらくすると、落ち着いたのか向こうから声をかけてきた
「驚いたわ… 世の中、上には上がいるのね…」
「まあな… 俺も生半可な幻想を抱いてさっきのようなことを言っているわけじゃない。何としてもみんなを守りたいんだ…ただそれだけのために俺は幼い頃からずっと強さを求め続けてきた。大切な誰かを救うために…ずっとな…」
「誰かを救う力…ね… 約束よ。私はあなた達に協力するわ… 私から提示させてもらう条件はただ一つ。零二くんを死なせないことよ。」
「当たり前。兄さんは私が守るもの…」
「ふふっ…言うじゃない?二股かけてる貴女なんかに負けるつもりはないわよ?」
「ふ…ふたっ!? って、違うもん!私はそんなんじゃ!!」
「さぁ…どうかしらね…」
零二を守る話から何で恋愛の話に飛んでるんだか…
というか、負けてボロボロの綾音にからかわれるとは紗雪の奴はピュアすぎるだろ
まあ可愛いからいいんだが…
良い感じの空気にもなったし、綾音の件は一件落着だな…
「それで?協力すると言っても、私は何をすればいいのかしら?魔力の大半を貴方に持っていかれたしできることは少ないと思うのだけれど…」
「俺達を狙わなければそれでいい… 今はお前の正体を紅葉達に伝えるつもりはない。休戦協定としておこうか…」
「でしょうね… その方が都合がいいもの…」
「俺の星魔法も同様だ。この力はオーディン戦での仕様を前提とし、その他の戦いでは極力使用を控えている。」
「まとめれば、今回の戦闘自体内密ってことになるわね…」
「そうだな。そして、内密予定だったこのことを知った紗雪にはお仕置きが必要だな」
「え、えええっ!?わ、私はただ海斗の役に立ちたくて!」
「その気持ちは大変嬉しいが、俺はお前にストーカーされたことを許した覚えはない!待てやごらぁぁぁ!!」
「いやーーーーーっ!!」
こうして、悠久の幻影が消えるまで俺と紗雪は鬼ごっこを続けるのであった。
(※瞬間魔力換装(ブリューゲルブリッツ)はなしだろ!速いわ!!)