fortissimo~大切な人と日常を護るために~   作:Chelia

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1年ぶりですが、ちらっと投稿


女の勝負、男の勝負

☆Side 紗雪☆

 

みんなで海へいくと決めた日の翌日、紗雪は美樹、綾音とともに、3人で商店街へと来ていた。

あの日、なんだかんだいって紅葉との喧嘩が止むことは最後までなく、最終的にどっちが素敵な水着で零二を悩殺できるかという話になったそうだ。

 

「ごめんなさい美樹さん… 私が変なこと言ったせいで付き合わせることになっちゃって…」

 

「ううん、いいのいいの。私も、最近胸の当たりがきつくなっちゃっててそろそろ買い換えようと思ってたから…」

 

「ぶーーーっ!?」

 

美樹の突然の爆弾発言に思わず吹く紗雪。

美樹は、星見学園で一、二を争うほどのバインバインだが去年から更に成長したというのだろうか…

 

「ふふっ…流石の私もこの特大雌豚おっぱいには勝てる気がしないわね…」

 

「雨宮さん表現がストレートすぎます… というより意外でした…てっきり、里村紅葉達と買いに行くのかとばかり…」

 

「確かに、紅葉達とは仲はいいけど貴女達と一緒に行ったほうが確実にアドバンテージが上なんだもの…」

 

「…どういうことですか?」

 

「簡単な話よ… 紅葉達に邪魔されずに貴女と話をするにはいい機会だし、貴女の方は元零二君の彼女なんでしょう? 彼を堕とす上でのいい情報をもらえないかと思ってね…」

 

ストレートにニッコリと話す綾音。

会長独特のその笑顔は可愛いを遥かに通り越して怖い。

というか、『落とす』の漢字がおかしいのは気のせいだろうか?

後半はいいとして、前半の意味は最終戦争関連の話だろう。

綾音が召喚せし者であることは現在海斗、そして紗雪しか知らずその存在は零二たちには隠さなければならない。

つまり、海斗なしで話をする場合はこういう機会でも設けなければ中々なかったのだ。

 

「お、驚きました… 会長さんは零二のことが好きなんですね?」

 

「それはもう怖いくらい… 私も、里村紅葉とセットで兄さんに被害がでないかとても心配…」

 

「あら、心外ね。私は零二くんが振り向いてくれるようにありとあらゆる手段を使っているに過ぎないわよ?」

 

「それが異常すぎるんです!この間なんて兄さんがトイレに行ってる間に…」

 

「ふふっ、それ以上言うとお仕置きじゃ済まないわよ?仔猫ちゃん?」

 

「ひゃい!」

 

「何っ!私の知らない所で零二に何があったの!?」

 

綾音が微笑むと猫のようにビクッと震えて黙る紗雪。

流石の紗雪でも雨宮の冷酷な笑みには勝てないようだ。

機嫌のいい時は黒羽さん、機嫌の悪い時は仔猫ちゃんと呼ぶため、判断しやすいのが唯一の救いではある…

などと話しているうちに、目的である水着を販売している店舗に到着。

あえて天の川に行かないのは、メーカー物を買うとわかる男子にはすぐにバレてしまう危険性があるのと、商店街の方が掘り出し物が見つかる可能性が高いからである。

月読島は元々南の島なので、こういった店でも割りと品揃えが良いのも理由の一つだ。

 

「さて、それじゃあ早速選びましょうか… 零二くんはどんな水着が好みなのかしら…」

 

「ちょ、これは元々私と里村紅葉の勝負…!」

 

「でも、最終的に零二くんが悩殺されればいいのだから私が静観しなきゃいけない理由にはならないわよ?」

 

「むぅ… そのおっぱい許すまじ…」

 

「あはは… 多分紗雪ちゃんも気になると思うから言っちゃうけど、零二は結構むっつりしてるから、ビキニみたいに露出の多い水着だと喜ぶと思うよ? 私が初めて着ていった時なんて鼻血だしてたもん…」

 

「零二くんも男の子だものね… でも、それは貴女や私の胸だからできる芸当であって、黒羽さんや紅葉じゃちょーっと難しいんじゃないかしら…」

 

何も言い返せないのかずっと膨れっぱなしの紗雪。

むぅと頬を膨らませながらもしっかりと自分の水着を選んでいるあたり何気に健気だ。

 

「まあまあ… 紗雪ちゃんは妹なんだから無理して零二を悩殺しなくても… って、紅葉ちゃんに負けたくないからか…」

 

「そういえば、貴女の二股は結局どうなったの?」

 

「別に二股じゃないです… 兄さんは、また島で一緒に暮らせるのは嬉しいし、兄として尊敬してるけど恋愛感情があるわけじゃないし、海斗だって男性として好きかって聞かれたらよくわからないもん…」

 

(…あらら。これは、おもわぬライバルがたくさん出現かな?)

 

一緒に水着を買いにきたはずが、仲良くなるどころかバチバチと火花を飛ばし合いながら厳選をする紗雪と綾音。

そんな2人を見ながら、美樹は零二と付き合っていた時のことを思い出していた。

 

零二の初恋の相手が美樹であったのと同様、美樹もまた、初恋の相手は零二だったのである。

幼い頃から一緒だった二人は、付き合う前からの仲も非常によくその事実が明るみにでた時には、同じ幼なじみのグループであるひよりやかなたには『一生バカップル確定のラブラブコンビだね!』などと冷やかされたものだ。

 

しかし、知っての通り零二はつい最近まで都会に出ていたため数年の間は遠距離恋愛が続く。

中々帰ってこない零二に美樹は耐えられず、ついには別れるという話になってしまったのだ。

 

「でも、零二が帰ってきたら帰ってきたで私ってば、ずっと零二のことばっか考えてる…」

 

自分から別れ話を持ちだしたにも関わらず、再度その顔を見てしまっては数年前の恋愛感情が自分の覚悟の邪魔をする。

我ながら最低だと感じつつも、美樹は零二への思いを密かに振り切ることができずにいたのだ。

 

「…さん。美樹さん?」

 

「…えっ!?」

 

「水着、買わないの?」

 

昔の思い出を思い出していたからか、紗雪に呼ばれていることに気づけなかったようだ。

 

会長さん、紗雪ちゃん…悪いけど、私も久しぶりに零二へのアピール頑張っちゃうんだから!

 

二人にはナイショで胸に覚悟を決めつつ、美樹は紗雪への呼びかけに元気よく返事をした。

 

「うん!」

 

☆紗雪 SIDE END☆

 

☆SIDE 紅葉☆

 

「ムッキー!!おのれ黒羽紗雪!必ずアイツをギャフンと言わせてやるんだから!」

 

一方でこちらは紅葉、なぎさ、そしてサクラの3人組。

紗雪達同様水着を選びに来たようだが、あちらとは場所が異なり天の川にきている。

そして紅葉はというと、いつものように紗雪に対して怒りを露わにしていた。

 

「まあまあ紅葉…そんなに怒ってばかりだと将来禿げるよ?」

 

「うっさいわね!そーゆーこと女の子に言うんじゃないわよ!」

 

「女の子って自覚あったんだ…」

 

「うー…なぎさちゃんなぎさちゃん、紅葉ちゃんが怖いんだよ~」

 

サクラが泣きそうな目でなぎさを見ている。

 

「そーいえば、サクラが私達の方に来るなんて珍しいわね? てっきり、同居してるアイツと一緒に行くのかと思ってたけど。」

 

もはや名前ですら呼ぶのをやめたようです紅葉さん。

 

「私も最初は紗雪ちゃんと行こうと思ってたんだけど、なんだか怖くて…」

 

「あぁ… 確かに黒羽さんはこういう話になると同じ女性に厳しくなる面があるから、サクラちゃんにとっては災難だったかもね… 私なんて、芳乃くんと天の川で道に迷ってただけですっごい睨まれたし…」

 

サクラは零二の戦略破壊魔術兵器であり、出現したのはつい最近のこと。

海に行ったことなんてないし、水着を持っていないのは更に当たり前とも言える。

元々、サクラが水着を持っていないので買いに行く…というのが、この水着購入の話の発端なのだが、主に赤いつるぺたと白いにゃんこのせいでそんなこと誰も覚えていないのであった。

更には、その2人を中心にグループまで二分化されてしまったため、サクラからしてみれば迷惑もいいところなのである。

 

って、紅葉さん痛い、痛いです…

 

「紗雪ちゃんがなんであんなに怒ってるのか、私にはよくわからないんだよ~…」

 

「水着っていうのは、海で泳ぐために着る衣装なの。だから、物にもよるけど普通みんなが普段着ている服より露出度が高いものが多いんだ。紅葉や黒羽さんはそれを意識してて、より男子が魅力的だと思う水着を選んで勝負をしようって話をしているんだよ。」

 

「まっ…簡単に言えば、れーじを振り向かせるための、女子なりの努力ってやつよね。」

 

「マスターを振り向かせる…」

 

それ以上のアドバイスはライバルを増やすだけだと感じたのか、紅葉はそれ以上何か言うことはなかった。

それ以降、彼女たち3人は仲良さそうにあーでもない、こーでもないと言いながらそれぞれの水着を選ぶ。

争いの火種さえなければ、こんなに短い付き合いでも仲良くやっていけるのだから不思議なものである。

約3時間近く天の川の複数店舗を回った結果、なんとか全員水着を購入することができた。

 

「えへへ~、マスター喜んでくれるかなあ。」

 

「サクラらしくていいと思うわよ。なぎさを見てみなさいよ、あんな地味な水着買っちゃって… あれじゃ龍一を振り向かせるなんて夢のまた夢ね。」

 

「も、紅葉のが過激すぎるだけだよー!私は普通だって!」

 

「ま、あたしの敵は別行動の3人組だし、別になぎさはいっか。」

 

「だんだん私の扱いひどくなってない!? …というか、本当に芳乃くんのこと好きなんだね… こうして一緒に買い物してて、改めてびっくりしちゃったよ…」

 

「あたしも… 今まで男にきょーみなかったのは自分が一番よくわかってるし。 というわけでサクラ、あんたも邪魔するなら容赦しないからね!」

 

「ほえ? よくわかんないけどわかったんだよ!」

 

きょとんとするサクラ。

こういう何もわかってない子が意外と強敵だったりするので、気を抜けないと改めて明日の海に気合を入れる紅葉であった。

 

☆紅葉 SIDE END☆

 

☆SIDE 龍一☆

 

女性陣が水着を厳選している同刻、生真面目な龍一は島のパトロールを続けていた。

明日はパトロールができない分、今日のうちに可能な限り広範囲で…というのは自分に言い聞かせた表向きの理由。

前回の海斗達との話し合いを経て、ただ闇雲に探しているだけではラグナロク阻止の手がかりも、オーディンの居場所もつかめないことは龍一自信が最もよく理解していた。

なので、方針を変え目的を決めて捜索にあたる。

未来世界から来たという海斗。

会話を聞く限り本当のことなんだろうと判断した龍一は、その未来から来た海斗でさえ警戒をしているある人物に目をつけていた。

これは、零二達がいるとできない行動とも言えるので、海斗に単独捜索を指示されてかえって好都合だった部分でもある。

そんな龍一が目をつけた人物は、黒の帽子とマントを身に纏い、みんながよく知るあの家を出たところだった。

 

「………」

 

可能な限り気配を消し、対象の尾行を開始する龍一。

彼自身、多くの戦場を駆け、また、圧倒的強者…武神とも呼べるような師匠の元で戦闘における様々な格闘術を学んできた。

戦闘経験が多いということは、それだけ様々な敵と戦ってきたということ…

相手がやられて嫌なことだって頭に叩き込まれている。

尾行に関しても、特に誰かに教わったわけではないが、そんな多くの戦闘経験を活かせば、本業だってびっくりの尾行術で跡をつけることなんて大した難易度ではなかった。

 

「天の川?」

 

対象はそのまま天の川へ。

私服でも同じ格好をしているし、ただ単純に買い物に来ただけだろうか…

だとしたら今日は特に収穫はないなと頭の中で考え、一瞬だが目を離したその隙に目の前から対象がいなくなる。

 

「ワシに何か用事かの?」

 

「…!?」

 

気づけば龍一の後ろから対象…相楽苺が声をかけていた。

龍一とて、いくら気を抜いたとはいえほんのコンマ数秒、またその一瞬で背後を取られるほどやわな鍛え方は当然していない。

龍一は一体どんな手品を使ったのかと推測すると同時に、尾行に気づかれてしまったという言い訳を考える。

 

「気づかれるほどわかりやすい尾行はしなかったつもりなんですが…」

 

考えた末、自分が思っていることをあえてそのまま伝えることにした。

 

「生憎、人間の業などとうに極めてしまっての。ワシは召喚せし者(マホウツカイ)ではないが、マホウツカイの気配を感じ取ることはできないわけではない。」

 

「流石です。バレてしまった以上、僕はあなたに正面から質問するしかないので、率直に聞きます。相楽さん、あなたはオーディンが誰なのか、そして居場所がどこなのか知っているのではありませんか?」

 

昨晩零二に同じことを聞かれたばかりなので流石に苦笑を隠せない苺。

 

「やれやれ、零二といいお主といい、どうして勘の良い奴ばかりが召喚せし者になるんじゃ?零二と同じ解答をするが、それはワシが今答えることではない。」

 

「何故ですか!みんなが協力体制になった以上、オーディンの居場所を知ることは何よりも大切なことのはずです!次に悠久の幻影(アイ・スペース)が発動する前に居場所を突き止め、対策を立てることが僕たちにとって一番必要なことだ。」

 

「ふむ… 確かに言いたいことはわかるが、居場所を知ったところでお主らではオーディンには勝てんよ。現に、今尾行に気づかれた上、背後を取られるまで気づかなかったではないか。」

 

「それは…」

 

口ごもる龍一を前に、何かの気配を感じ取ったのか、表情を変える苺。

その後、ニヤリと笑みを浮かべ再びこう続けた。

 

「ワシも鬼になるつもりはない。自分の無力さを身をもって体験するのも良いかもしれぬの。この後、ここに1人の戦士が来る。召喚せし者ではないが、その実力はお主よりも上じゃ。もしそやつに勝てるようなことがあれば、オーディンの居場所はお主に伝えてやろう。」

 

「どういうことですか?僕ら召喚せし者より強い人間なんて…」

 

龍一が最後まで言い終わらないうちに苺はその姿を一瞬で消してしまった。

そして、その予言が当たるかのように、そこには大きな体を持つ男性と、年端もいかず、ぬいぐるみを抱きかかえた少女が現れた。

 

「おっと…逃げられてしまったか。流石はミスストロベリー。つまり、貴殿を倒さねば、まともに話をするつもりもないと言うことだな。」

 

「お、お父さん…推測だけで襲いかかっちゃダメだよ… それに、相手は不死の力を持つ召喚せし者なのに…」

 

(なぜこの2人は召喚せし者のことを知っている?いや、それ以前に相楽さんが言っていた人って…)

 

「おっとすまん、挨拶が遅れたな。儂はイルムフリート=ブルクハルト。こっちが娘のアリシア=カテリーネだ。どうやら、何か心当たりがあるようだが、その心当たりに間違いはない。いっちょ派手にやろうではないか!」

 

「僕たちの存在をなぜ知っているのか…、貴方達は何者なのか…、疑問はつきませんが、どうやら僕にも戦う理由ができたようだ。」

 

「ふむ…では、余計な言葉は不要であろう。ここに立つのはお互い1人の戦士。拳を交えることでわかることもあるものだ。そんなわけでアリシア、手出しは無用!儂のサポートを頼む!」

 

「もう…お父さんったら一度言い出したら聞かないんだから… えいっ!」

 

アリシアと呼ばれた少女が手を天にかざすとその世界が一瞬で変化をもたらす。

先ほどまでいた天の川ではなく、月読島に《存在するはずのない》遊園地が姿を現す。

悠久の幻影に限りなく近い星空のようにも見える空はよく言えば幻想的、悪く言えば不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

「ガッハッハ!どうだアリシアの世界は美しかろう!これで周りを気にすることなく、思う存分拳を振るえるというものだ!」

 

「…正直驚きました。これは尚更勝って、貴方達から情報を引きずり出す必要がありそうだ!」

 

龍一にとって見慣れないもののオンパレード。

しかし、龍一は質問ではなく戦闘という選択肢を取った。

零二のように饒舌で狡猾なタイプであれば会話での引き出しの方が効果的な場合もあるが、相手から情報を引き出したいとき、馬鹿正直に聞くより力でねじ伏せてしまうほうが早い場合が…いや、早い場合のほうが多い。

特異な能力を持っているようだが、相手が召喚せし者でないことは明白。

この世に自分たち以上の存在は《存在しない》のだから、相手は格下。

そう決めつけてこの判断を下した龍一。

一見すれば理にかなっているように見えるその行動は実は最大の失敗であることを彼はすぐに思い知ることになる。

 

「破ァァァァァッ!!」

 

疾風迅雷。

彼の得意とする高速接近からのあらゆる格闘技による近接技で相手を圧倒するインファイト。

それが相手であるイルムフリートにはことごとく通用しない。

 

「ふむ、拳の喧嘩とは言ったが、貴殿は人智を越えた召喚せし者であろう?遠慮せずに戦略破壊魔術兵器(マホウ)を使ってはどうだ?それとも、儂から見せねば出す気にもなれないような臆病者か?」

 

初めて会った時から先ほどまでずっと笑みを絶やさなかったイルムフリートから初めて笑みが消える。

その表情は対峙した瞬間すぐにわかる圧倒的強者の威圧。

彼はそれを笑顔を作ることによってずっと隠していたのだ。

そう、それも誰も疑いもしない本当の笑顔で…

 

「吠えろ!ヴァルトブルク!」

 

イルムフリートが叫ぶと、ついに彼の武器が姿を現す。

下手をすれば自身のその巨大な身長と同サイズ、あるいはそれ以上の…巨大なダガーにも見えるそれを、彼は軽々と2つ担いで見せた。

 

「…盾ですか。」

 

「ほう、儂のこの武器を見て一発で盾だと見抜いた輩はそう多くはない。確かに、召喚せし者というだけあって、少しは見る目がありそうだな。」

 

「魔術兵装(ゲート・オープン)」

 

龍一も相手の本気に応えるように、自身の戦略破壊魔術兵器であるパイルバンカーガントレッドを装備する。

 

「いいマホウではないか!力を示すタイプのマホウは非常に儂好みじゃぞ!」

 

「お褒めに預かり光栄です。最も、護るタイプの方に言われると素直に受け取っていいのか…それとも、それを受け止められるだけの圧倒的な防御力に自信があるのか。」

 

「ふむ…どうやらお主は相当疑り深い性格のようだ。どうだ!手の内を見られたくないのなら、一発で勝負をつけようではないか。儂の一撃とお主の一撃。火力が高い方が勝利。単純明快であろう。」

 

「総てを射抜く雷光(トール・ハンマー)と撃ち合おうというのですか。面白い…いいでしょう。貴方の話に乗ります。」

 

そういうと2人とも圧倒的な魔力(ルーン)を練り始める。

細かな作成などない単純な火力勝負。

自身の火力に自信のある2人だからこそ出た戦闘方法。

収束完了(チャージエンド)。それとともに互いの必殺技を一気に撃ち放つ。

 

「破ァァァァァッ!総てを射抜く雷光(トール・ハンマー)!!」

 

「…ふんっ!!総てを護りし拳城(ハイデルベルク)!!」

 

一瞬の均衡もすぐに打ち破られ、次に聞こえたのは龍一の悲鳴だった。

 

「うわああああああっ…」

 

☆龍一 SIDE END☆


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