fortissimo~大切な人と日常を護るために~ 作:Chelia
★天王寺海斗 SIDE★
「芳乃零二が島に到着したか…」
零二がなぎさや紅葉とショッピングモールで遊んでいるのと同時刻、別の場所で一人の男がボソッと呟いた。
彼こそこの物語の主人公になる人物であり、名前を天王寺海斗(テンノウジカイト)という。
「最終戦争(ラグナロク)が始まる… お前との約束を果たさなきゃな… ロキ。」
てなわけで、いきなり登場しても仕方がないので、少し俺自身の話をしよう。
世界は一つであって一つではない。
この世界と同時進行で時を進め、また違う結末に辿り着く並行世界や、過去や未来…
あるいは、こことは全く別のファンタジーな世界など無数の世界が存在している。
その数は、神にしかわからないであろう。
単刀直入に結論から言えば、俺はこの話の題名の通り未来からやってきた未来人ということになる。
このfortissimoという物語では芳乃零二の活躍により、この島は崩壊せずに済むという未来がある…
だが、そこに至るまでに失うものがあまりに大きすぎた。
零二はロキへと名前を変え、全てをハッピーエンドにするといい未来世界で活動を続けている。
俺はそんなロキの仲間だった。
☆未来世界☆
「俺を過去に飛ばす…だと?」
ほんの数日前、未来世界で俺とロキは会話をしていた。
世界を全て元に戻し、ハッピーエンドを作ると言ったはいいものの様々なものが圧倒的に足りない。
そもそも、この世界のロキは弱すぎた。
「ああ、恐らくどんな手を使ってもこれ以上俺もお前も強くはなれないし完全に打つ手なしの状態にある。なら、その過去を変えて俺達自身が強くなり、誰も死なない素敵な日常を過ごせるよう作り直していくしかないじゃないか…」
「過去を変えれば、当然今も未来も変わってしまう。今より現状が悪くなってしまう可能性だってあるんだぞ?」
「でも…それでもこのままじゃ俺達はおしまいだ。何もできずにこんな何もない世界で暮らすくらいなら、俺は少しでも可能性があるならそれにかける。そのくらい、明日が欲しい…」
「明日を手に入れるために過去に飛ぶか… 飛んだ矛盾野郎だなお前は。」
「俺達が最終戦争をしている時に、お前は月読島に来れなかった。なら、戦争が始まる前にお前が島にくれば戦いを止められるかもしれないだろ?」
「そんな単純なものかね… それに、俺一人に期待されても困る。お前は俺と同じ世界には来れないんだろう?」
「ああ… 俺は並行世界へ飛んで紗雪と里村を助けなきゃならない… 悪いけど…」
「最も厄介な部分は俺に押し付けるってわけか… まあ、この過去にお前が戻っても意味はないしな」
「それだけ期待してんだよ… 決断できなかった残念な俺、零二をよろしく頼むよ。それに、お前ほどの実力があれば期待したくなるもんだろ?「セスタス」。」
「わかった。だが、俺は俺のやり方でやらせてもらう。だから、並行世界の紗雪と紅葉は絶対に殺すなよ。じゃなきゃこっちの世界で助けても意味はないからな「ロキ」。」
最初で最後の賭けだった。
未来人である俺達が、それぞれの過去に飛び一つ一つ過去を変えていく。
そこに何らかの矛盾が一つでも生じれば、歴史にヒビが現れ、そこから世界の崩壊が始まる。
互いを信用し、かつ完全に互いを考えを把握していなければ、絶対に成功することのない…常人には不可能な芸当だ。
でも…それでも、やらなきゃならない…
平和な日常…「誰もが願いし平和」(フォルテシモ)を求めて。
☆未来世界回想 END☆
「今日一日しか猶予がないとはな… 明日から最終戦争が始まってしまう… それまでに、打てる手は打っておくか。」
未来人である海斗にとって、これから起こる出来事は情報ではわかっている。
しかし、最終戦争が行われる時、まだこの島には来ていなかった。
そう…俺は戦争終了後にロキの仲間になったからな…
一応、戦争で起こった戦闘などの詳細を一連の流れではロキから聞いているが、実際にこの目で見たわけではない。
情報を持っていても、事実初めて起こる出来事と何らかわりはないのだ。
「第一、ロキが並行世界で歴史を変えてる以上、その影響はこの世界にも生じる。 事実、役に立つ情報は他の召喚せし者(マホウツカイ)の戦闘データと、人間関係くらいだからな。」
まずは、召喚せし者が多く利用する学校。
ここから接点を持たせておくか…
何をするにも、対象の人間と共通点を持たせておくというのは何もないより格段に有利となる。
そうだな…年齢はさほど変わらないし、学生として過ごしてもいいが、ここは趣向を変えて教員になってみよう。
何かと役に立つし、どの学年の教室にも入れる権限を持ってるから動きやすくもなる。
我ながら頭は冴えてるな…
「すみません、この月読島で教育実習生としてじばらく勉強をさせていただく事になっている天王寺海斗というものなのですが…」
こういった潜入工作はお手の物。
本名を使ってはいるが、経歴の偽造なんてやろうと思えばいくらでもできるからな…
厄介になったら、魔法で記憶を消してしまえばいいし…
「身分の固定は済んだ… 次は最終戦争に対する対抗策を練らせてもらうか…」
16年前の魔法戦争と同様、これからこの島で起こる最終戦争も悠久の幻影(アイ・スペース)を使用した戦いとなる。
ようは、主催者オーディンの認めた12人の召喚せし者しか戦闘に参加できない。
さらに、この世界の零二が13人目として…イレギュラーな存在として割り込むことがわかっている以上、これ以上強引に割り込むには無理があるだろう。
となれば…
「こっちも偽造かよ… 嘘ばっかの人生だな…」
ため息を付きつつも作業を開始する。
俺の持つ能力の一つ。自身の存在、気配、姿などをシャットアウトできる魔法の孤独な幻影(ミスゲイション)。
これさえあれば、オーディンにも気づかれずに戦線に参加することができる
そして、13人の召喚せし者のうち、危険人物の目星をつけ対抗策を考えておかなければならない。
「俺が一番警戒してるのはお前だよ。「鈴白なぎさ」…お前がどう動くかで、敵対するか味方に引き入れるか考えさせてもらう。」
海斗が最も警戒したのは、以外にもなぎさであった。
★天王寺海斗 SIDE END★
これから主人公として活躍していく海斗のプロフィールを先に公開します。
使用する技なども掲載するため、ネタバレとなりますのでとっておきたい方は基本ステータスのみで閲覧をやめるのを推奨します。
天王寺海斗(テンノウジカイト)
身長:178
体重:60
容姿:青髪で白、または黒の服装を好んで着用する。
また、戦闘時には左目側に赤い入れ墨のような紋様が現れる。
(フェアリーテイルのジェラール・フェルナンデス参照。)
性格:割りとフリーダムな性格で、その場のノリはいい方。
恋愛に対しても敏感な方で、鈍感な人物(主に龍一)を見かけるとからかいたくなるタイプ
普段はトゲトゲすることもあるが、本来の性格は非常に仲間おもいで、冷酷に見えても最終的には仲間のことを考えるなど不器用ながらも自身のやり方を貫いている。
★★★★以降ネタバレ★★★★
詳細:最終戦争終了後に月読島にやってきた少年。幾多の戦場を駆け上がり、人類、召喚せし者にとっても最高峰レベルの実力の持ち主である。
大切な人を失った経験を持つため、そんな思いを他の人にはして欲しくないと思っている。
そんな矢先、月読島で最終戦争が行われていることを知り、止めるために島に向かうがオーディンのジャミングにあい戦争終了まで島に入ることはできなかった。
上陸後は、究極魔法に失敗し絶望した零二とであう。
サクラを失い、不完全な究極魔法の力で蘇った他の召喚せし者達も次々に病死していく。
最終的には零二と海斗…二人しか残ることはなかったが、それでも新たな結末(ハッピーエンド)を求め、自らをセスタスと名乗り、零二をロキと呼ぶ事で二人で新たな活動にでる。
紗雪とは恋人関係を築いていたが、不完全な究極魔法により、呆気なく病死してしまった。
戦略破壊魔術兵器(マホウ):
基礎魔法の応用を完璧にしているため、全属性の基礎魔法をバランスよく扱うことができる。
また、隠密活動をこなす為、主に隠密活動時と本気で戦う時で、使用する魔法を二種類に分けている。
総魔力量はロキより上で、オーディンより下。
ミストガン
…隠密活動を行う際に使用する名前。
霧を使った魔法を得意とし、姿を消したり、幻覚を見せるなど使用方法は様々。背中に装備してある5本の杖を使って戦う。
・夢幻奈落(ムゲンナラク)
強力な睡眠魔法。白い霧のようなガスを散布し、自身が選択した対象者のみを眠らせる。
・五十魔法陣・御神楽(ゴジュウマホウジン・ミカグラ)
ミストガン最強の魔法。巨大な魔法陣五つを同時に縦に並べ展開し、下から上に突き上げるように強力なレーザー攻撃を放つ。火力はサクラの神話魔術である穢れなき桜光の聖剣(レーヴァテイン)と同等クラスで、魔法陣の中に入ってしまうと脱出は不可能。
魔法陣を五つ同時展開するのに時間がかかるのと、消費魔力が激しいのが弱点。
セスタス
…海斗が全力を出して戦う時に使用する名前。
本来、海斗は霧ではなく星魔法の使い手であり霧魔法は個人的趣味にあう使い方が多くでき、かつ隠密活動に向いている為使用しているだけだという。
流星の力を使って戦う為、このような名を名乗っている。
・流星(ミーティア)
流星(流れ星)と同じ速さで移動できる魔法だが、自身の努力により光の速さよりも早く移動することができる。
そのため、紅葉の七つの大罪(グリモワール)のレーザー攻撃や龍一の疾風迅雷(タービュランス)を難なくかわせる他、紗雪の瞬間魔力換装(ブリューゲル・ブリッツ)にも引けを取らない。
・七星剣(グランシャリオ)
セスタスの得意技。空(あるいは天井)に北斗七星の形に七つの魔法陣を同時展開し、その全てから隕石のような巨大な弾丸を相手に振り下ろす。
通常戦闘を行いつつ魔法陣の設置を行うことができるので、御神楽といい七星剣といい、ほぼ弱点はないと言っていい。
・煉獄砕破(アビスブレイク)
星々の影を利用したレーザーを放つ。
神話魔術の中でも使用を危険とされる禁忌魔法であり、属性は闇。
光を喰らいつくす魔法の為、サクラやなぎさ(聖剣状態)に対して相性がいい。
また、火力も神話魔術を遥かに上回り、オーディンの天地創造の神槍(グングニル)の未強化と同等。
また、自身能力の高さにより魔力集約から僅か3秒で撃つことができるため、並大抵の召喚せし者では相手にすらならない。
ここで紹介するのはほんの一部であり、作中では他の持ち技もガンガン使っていきます。
オーディンが最強過ぎて、これくらいしてもぶっちゃけ勝機がない…
主人公はこんな感じで行きますので、これからもよろしくお願い致します。