fortissimo~大切な人と日常を護るために~ 作:Chelia
さあ、最初に戦うのはどの召喚せし者なのか!?
予想してみてください。
原作とは全く違った展開をお楽しみいただければ幸いです。
★黒羽紗雪 SIDE★
翌朝
今日は土曜日。
昨日は色々なことがあったけど、今日も楽しいことがあるといいな…
というわけでみなさんおはよう!黒羽紗雪です。
今日、私は美樹さんのバイト先に遊びに行くことになってるので兄さん達とご飯を食べた後ショッピングモールにでかけます。
「行ってきます、兄さん!」
「おう、気をつけろよ紗雪」
でも、そんな平和な日常を突然壊すかのように悲劇は突然やってきた…
★黒羽紗雪 SIDE END★
★里村紅葉 SIDE★
あんな黒羽紗雪のために200文字も序盤から枠取るなんて作者はバカね!
その分あたしに回しなさいよ!
てなわけで、バンバンメタから入る紅葉ちゃんです!
そりゃ、私だって普段からこんなこと言うキャラじゃないよ?
でも、そのイライラをぶつけたいくらい今日のあたしは機嫌が悪い。
何故なら、朝っぱらからあたしの大嫌いな奴と会うハメになったからだ。
「アンタもうストーカーね… 警察に訴えるわよ?」
「ははっ、心外だなぁ里村紅葉。 僕はわざわざ君をスカウトに来たというのに。」
あたしは自分の家の前でこのガキンチョと話をしていた。
序盤からメタメタだったけど、私は黒羽紗雪のことが遺伝子レベルで大嫌い…
でも、このガキ有塚陣はそれ以上に嫌いだった。
あいにくお子ちゃまのごっこ遊びには興味ないのよね
「スカウト?」
「そうさ。これから始まる大戦争「最終戦争」(ラグナロク)へのね。」
「悪いけど、ゲームなら家に帰って一人でやってくんない? お生憎私は忙しいの… アンタに構ってやる時間なんて一秒もないんだから」
「ゲーム…か…確かにそれに近い。だけど君も自覚はあるだろう?自分が人とは違う「力」を持っていることは」
「………っ!?」
紅葉は驚く。
確かに、私は人とは違う力を持ってはいるが当然人前で使ったことはないし、ましてやこんなガキンチョに話をするわけもない。
なのに有塚陣は迷いのないその目で的確に言い当ててきたのだ。
「デカイ態度を取れるのも今日で最後だよ。さあ、招待しようじゃないか!最終戦争の始まりのステージへ!!」
陣がパチンと指を鳴らしたその時、世界は激変した。
青い青い青い…それが一面に続く世界。
明らかに普段住んでいる空間とは何かが違うと紅葉は本能で判断する
「こ、ここは…」
「ふふふっ…こここそが始まりの大地(イザヴェル)さ!これから君達召喚せし者(マホウツカイ)には互いの存在をかけて戦争を始めてもらう。」
※最終戦争のルールは魔法戦争と同じであり、第一話に記載されているので省略します。
よくみると、あたし以外にも何人か人がいた。
黒服の男性と女性が一人…そしてなによりムカつくのは黒羽紗雪の姿があったことである。
「最後の一人になるまで戦い続けなければならない殺し合いですって?」
「そうさ里村紅葉。言っておくが、これは冗談でも笑い事でもない。全知全能の最高神オーディンが決めた事だ」
「………仮に、貴方の言ってることが全て本当だとして貴方がそのルールをわざわざ敵となる召喚せし者に教える理由は何?貴方にとってメリットはないし、それこそ奇襲して魔力を集めればいいはず…」
偉そうに最終戦争のルールを語る陣に苛立ちを覚えたのか、紗雪も口を開く。
紅葉にとってはその紗雪も目の敵なのだが…
「ああ、確かにその方が効率はいい。だけど、それじゃつまらないんだ。僕は王なんだよ…王が民を支配するのは力じゃなく言葉だ。」
「つまり何が言いたいの?」
「簡単な話さ、僕はこの戦いを通じて僕が最強だということをオーディンに認めてもらいたいのさ。だから、結果だけじゃなく過程を大事にしたいということだ 一方的に痛ぶるだけの試合なんて、見ていてもつまらないだろう?」
「命懸けの戦いに格好を気にするなんて頭おかしい…」
呆れて質問する気にもならなくなったのか、紗雪は黙り後ろで空気になっている二人と同様に無言で立つことに
「………」
「………」
黒服の2人はピクリとも動かない。
まるで、そこにいないかのような演出をしているように…
さて、最終戦争の補足をしましょう。そもそも最終戦争(ラグナロク)とは何なのか?
答えは16年前の十年戦争…否、魔法戦争のつづきである。
16年前の戦争はローゲの魔法によって不完全な形で幕を閉じることとなった。そこで、今、この時を持って再びその戦争を再現しようというのだ。
有塚陣の言葉によれば、主催者はオーディンと名乗る者。
そして、陣はこの戦争を進行させるためにオーディンに選ばれたゲームマスターだという。
ゲームマスターの権限として、話し合いの場である始まりの大地(イザヴェル)と、バトルフィールドとなる悠久の幻影(アイ・スペース)の発動権限を持っているらしい。
わざわざ悠久の幻影とは別に始まりの大地が存在している理由は、召喚せし者同士が話し合おうとすれば自動的に殺し合いになるのも同じ…なので、いかなる魔法も使用することができないというルールの存在するごく単純な空間だ。
「さてと、黒羽紗雪。僕がわざわざ君達をこの場所に招待し、最終戦争の説明をした本当の理由を教えよう。」
「………?」
「この戦争は、主催者であるオーディンはゲームマスターであり王である僕を含め12人で行われる戦争。しかし、まだ12人全員が召喚せし者として覚醒しているわけじゃないんだ。」
「ここにいる召喚せし者は全部で5人。つまり、ここにいない者は覚醒してないというわけ?」
「全員が全員覚醒していないわけじゃないさ…しかし、覚醒していない者がいるのも事実。僕が君達に提示するのはその未覚醒の召喚せし者を先に狩ってしまわないか?という誘いだよ。」
未覚醒の召喚せし者はまだ戦略破壊魔術兵器(マホウ)を上手く具現化させることができないので、最終戦争のルールである、マホウはマホウでしか破壊できないという概念の対象外となる。
なので、悠久の幻影を陣の能力で強制発動させ生身の体を一方的に狩ってしまえばその召喚せし者を倒すことができる。
しかも、未覚醒状態でも魔力はキチンと奪えるらしい。
「確かに僕は過程を大切にするとは言ったが、そんな未覚醒の雑魚は余興にすら成り得ない。円滑に戦争の本ステージにするため、君達と一時協力関係になりたいというわけだ。」
自信満々に説明する陣だが、ここの四人でその意見に賛同する者は誰もいなかった。
「くだらない。私はそもそも、こんな残酷な戦争には反対… いずれ裏切る貴方に力を貸す理由もどこにもないわ…」
呆れた紗雪は陣にそう言い捨てるとさっさと帰ってしまった。
残りの二人も興味がないと、紗雪に続くように姿を消す。
「ちっ…前の二人は僕と組んだ方がいいって力を貸してくれたけど、今回招待した奴らは馬鹿ばっかだったようだね!」
はぁ…
最後に残った紅葉もため息をついた。
こいつの頭は狂ってるとしか思えない
こんな生死をかけた殺し合いを楽しむなんて…
そして、自分が言いたかったセリフを全部黒羽紗雪に持っていかれたことも不服だった。
この怒りどうしてくれようか…
「アンタってサイッコーの馬鹿ね!」
取りあえずこいつにぶつけることにした。
「何だと!?」
「仮にアンタの言ってることが全て本当のことだとしても、誰もアンタには従おうとしないわ… 大体、これから自分と敵になる相手に対して自分の境遇や手の内をすべて晒すなんて三流もいいとこよ。オーディンからどんな力をもらったか知らないけど、あたしの予感じゃアンタすぐに死ぬわね」
「好き放題言ってくれるな… まあいい、どの道最終戦争はこの時を持って始まった。自分の護りたいものがあるなら戦い続けるしかないのさ!僕と組まなかったことを後悔させてあげるよ、里村紅葉!」
「ふん、望む所よ!悠久の幻影とやらでアンタを見つけたら、真っ先に潰すのはこのあたしなんだから!」
陣に吐き捨てると紅葉も始まりの大地を後にする。
参加拒否は許されない絶対的な殺し合いは突然始まるのであった。
★里村紅葉 SIDE END★
★天王寺海斗 SIDE★
時刻は昼頃。
場所はショッピングモール。
俺は紗雪を探していた…といってもどこにいるのかは知っているが、あえて探しているフリをしていたに過ぎない。
最終戦争に対抗するため、朝から準備を続けていた俺は昼を食べにショッピングモールに買い物に来ていたところバイトの休憩と思われる美樹に声をかけられたのだ。
☆一時間前☆
「海斗!!」
腹をすかせ、食べる店を探していた所に声をかけられる。
「やあ、美樹か… こんにちは。」
「そ、その…ちょっと大袈裟かも知れないんですけど、紗雪ちゃんがいつまで経ってもこないんです…」
「紗雪が?何かあったのかい?」
「実は今日、紗雪ちゃんが私のお店に来てくれる約束だったんですけど… 約束の時間から3時間経ってもまだ来ないんです… ケータイにかけても繋がらなくって…」
寝坊や遅刻なら構わないのだが、紗雪に何かあったのかと心配している美樹であった。
探しに行くにも、バイト中なので出るにでれず、話しにくい間柄なのにも関わらず勇気を持って零二にも電話したが、家は出ていると連絡を受けただけだそうだ。
しかし、俺には居場所の検討がついている。
おそらく居場所は始まりの大地だろう。
ロキから聞いた話で知っていることだが先程まである程度察知できていたこの島の魔力反応が全て消えた。
それはこことは別の空間に飛ばされたことを予想するのが妥当であろう…バラバラの位置に存在する召喚せし者が全員同時に死ぬなんてことはありえないからな。
始まりの大地にはこの時点での俺も零二も入る事はできない。
だが、こんなことを美樹に話すわけにもいかないので、取りあえず一緒に探してあげる事に…
始まりの大地から出れば元いた場所に戻る。
紗雪との集合場所付近をグルグルしてればどうせ会えるしな…
「わかった。念のため俺が探しておくよ 昼飯の時間を遅らせればいいだけのことだしな…」
「はい… あの、私のケータイの番号教えとくので見つかったら教えてもらってもいいですか?」
「ああ、いいよ… それじゃあ、紗雪と待ち合わせだった場所を教えてもらってもいいかな?」
美樹に紗雪の手がかりを聞いたあと、俺は紗雪を探すという名目の散歩にでた。
☆現在☆
美樹との会話から一時間後、俺の予感は的中し、あっさり紗雪は見つかった。
だが、俺は特殊能力者であることを隠してるわけだし一般人として紗雪に接する。
「紗雪!!」
「………え、海斗?」
紗雪の顔には元気がなかった。
陣の前では強がっていたとはいえ、こんな残酷な戦争に参加しなければならないこと…戦わなければ日常を護れないこと、その他様々な感情が渦のように回り、パニック状態になっていた。
「美樹が連絡してくれたんだ、君が時間になってもずっと来ないから探して欲しいって…」
「えっ………ああっ!?」
時計を見たが既に遅し、朝集合の約束は愚か時刻はお昼をとっくにすぎている。
「ど、どどどどどうしよう!!」
紗雪にしては珍しく両手をバタバタさせて焦っている。
…めっちゃ可愛いんだが
「落ち着け、取りあえず俺に任せろ。」
「任せろって…」
約束通り美樹に電話をかける。
適当に理由考えてやればいいだけだしな
美樹はすぐに出てくれた。
「もしもし、海斗?」
「ああ、俺だ。紗雪を見つけたよ…どうしても外せない用事が入ってたらしい 美樹に連絡するのを忘れてたらしく、今すんごい謝ってるから許してやってくれないか?」
「そんなの全然いいよ! 紗雪ちゃんが無事でよかった…」
「俺もだよ。とにかく、紗雪を連れてそっちに向かうよ。俺も昼飯食べそびれたからな」
「あ、ホントに!?それじゃあ私待ってるね!」
「ああ。またな。」
美樹が涙声になっていたし相当心配してたんだろうな…
というか、この二人こんなに仲良いのか…何だかうらやましい
「その…ありがと…」
「気にするな。それより、行くと答えてしまったし美樹の店に行こうぜ?」
「うん…」
照れながらお礼を言ってくる紗雪。
そんな紗雪と共に美樹の店に向かう
…始まりの大地。そこに何人もの召喚せし者を集めた時点で最終戦争は始まったと言っていい
あのルールを聞けばこんなことして遊んでいる場合ではないのだが、俺はあえてこうして紗雪を連れ出すことにした。
最終戦争だろうが何だろうが関係ない。
日常を過ごす権利は誰にだってあるのだから…
さっさとこいつ(最終戦争)を終わらせてみんなが幸せに暮らせる未来、作ってやらないとな。
元気づけるために、あえて自分の正体がバレる原因になろうとも紗雪に話しかける。
「…辛かったろ?」
「えっ…?」
「大事な友達である美樹との約束を忘れるくらい大事な用事だったんだろ?それに、見つけた時からそんなに顔色悪いんじゃ、嫌でも想像できちまう」
「ご、ごめんなさい…」
「謝らなくていいさ… ただ、美樹の前ではいつもの紗雪を見せてやれ。あれだけ心配してたし、これ以上心配かけるのも可哀想だろ?」
「そうだね… 私もしっかりしなくちゃ!」
兄さんやみんなの日常を護るために…
それが紗雪の戦う理由だ。
「これは、次の授業でみんなに聞く予定だったものなんだが紗雪はもし、自分の力ではどうにもできないくらい辛い現実を目の当たりにした時どうする?選択肢はこれだ。」
1.世界を変える
2.自分を変える
3.答えることができない
突然こんなことを聞かれ戸惑う紗雪。
海斗がこの質問をする意味は何?
そもそも、私はこの質問にどう答える?
今の自分の悩み、最終戦争に対して驚くくらい当てはまる質問に紗雪は動揺を隠せなかった。
「ただの心理学のテストだよ。深く考えず、直感で答えてご覧?それが君の本心であり、本当にやるべきことだ」
「私…は…、世界を変えたいと思う…」
「理由は?」
「確かに、世界を変えるなんて私には無理…だけど、辛い現実を受け入れて自分を変えてしまったらそこで終わりな気がするから… だから私は、それが無理だとわかってても日常を護り抜くために戦い続けると思う…」
「無理だとわかってても日常を護り抜くために戦う………か………」
「しまっ………!?」
やられた。直感で答えろと言われ、理由まで自分の直感に従って答えてしまった。
口が滑ったと同時に、変なやつだと思われてないか心配になる
「…?気にする事ないよ? むしろ、面白い答えが聞けてよかったと思ってる。なら、その信念を曲げない事だ。何があったかは知らないけど、自分を変えたくないと思うなら悩んでないで、今の紗雪を貫き通せばいい。俺が言いたかったことはそういうことだよ。」
「あ………」
そこでようやく紗雪は海斗の言いたかったことが理解できる。
この質問の本当の意味は、私の悩みの解決。
まるで私が1の選択肢を答えることを読んだかのような聞き方で私自身に答えを出させようとしたのだ。
始まりの大地を出た時からずっと胸につかえていたものが消えていく…とてもスッキリした気分だった。
「ありがとう… おかげで凄く楽になった…」
「ははっ…そうやって笑っていたほうが可愛いよ紗雪は。役に立てて何よりだ。」
「心理学の免許でも持ってるの?」
「何、そんなたいしたものじゃない。それより、店につくぞ?美樹にお前の笑顔を見せてやれ。」
「うん!そうする!」
この後、無事に昼食にありつけた俺は二人にめちゃめちゃ感謝され強引に昼食代を払わせろと言われてしまった。
全く、そこまでたいした事をしたわけでもあるまいし、大袈裟だな。まあ、二人の笑顔が見れただけよしとしよう。
★天王寺海斗 SIDE END★
★芳乃零二SIDE★
時刻は夕方。
昼間は美樹からわけのわからない電話があったけどまあ気にしない。
昨日届けた書類に抜けがあって、休日にも関わらず学校に行かなければならなかった。
「だるいな…」
そう呟きながら学校へ行き、書類を提出。
昨日は紗雪に作ってもらったし今日の晩御飯は俺か…
早めに帰ろうと足を急がせると、校門に意外な人物がいた。
「里村?」
「あ、れーじ… 休日なのに学校行ってたの?」
「ああ、書類ださなきゃいけなくてな。里村は?」
「あ、あたしは何となく…かな。ちょっと学校を見たい気分だったの…」
「ん?よくわかんねえけど、そろそろ日が暮れちまうぞ?」
「れーじは今から帰るんだよね? アタシも一緒に歩いてもいいかな?」
「いいけど、里村にとっちゃ遠回りなんてレベルじゃないぞ?」
「うん…でもちょっとれーじといたい気分なんだ。」
「そっか…じゃあ一緒に帰ろうぜ、里村。」
里村にしては珍しく、ものすごく低いテンションだ。
おまけに休日なのにも関わらず学校がみたいだなんて、何かあったのか?
答えは紗雪と似たようなもの。これから最終戦争が始まるにあたり、今までの日常に「別れ」を告げに来たのだ。
紅葉の場合は紗雪とは戦う理由が違う。
紅葉は最終戦争において、自分の一番大切な者を護るために、他の全てを斬り捨てると決断したのだ。
みんなを護りたい紗雪。一人を護りたい紅葉。
似ているようで相反する…そんな紅葉は紗雪とは若干違う落ち込みかたをしていたというわけだ。
「……………」
「……………」
特に会話もないまま家までついてしまった。
流石にこのまま返すのもあれか…
「里村。ちょっと時間あるか?」
「えっ?あ、うん…」
「一緒に行きたい場所があるんだよ…」
そう言って、俺が里村を連れ出した場所は大きな桜の木がある場所だった。
「ここは…」
「このでっかい桜の木。…俺はさ、何かある時はいつもここに来てるんだ。苦しい時、うれしい時、小さい頃から何かあるといつもこの木の下に来てた… 綺麗だろ?だから、里村にも教えてやろうかと思って…」
「あはは… それじゃ、れーじと私は似たもの同士なのかもね…」
「えっ?」
「あたしも、4年前くらいからはこの場所にちょくちょく来るんだ。目的は、れーじとはちょっと違うんだけどね… そっか…ここを忘れてたよ。」
でも、紅葉には戦争前にこの場所に来れただけで充分だった。
ずっと昔、里村紅葉の初恋の相手… その相手はいつもこの桜の木の下にいた。
そんな少年を見るために、紅葉はここに通っていたのだ。
だが、その少年はいつの日か姿を消してしまった。
そしてもう一つ…私の戦う理由…妹を失う原因を作ったのもここだ。
この場所は好きであり、嫌いな場所。
「れーじ… 昨日、すぐには答えは要らないって言っちゃったけど、私やっぱり答えが欲しい… ごめんね?急にこんなこと言って…」
時間がないのだ。
本来ならもっとゆっくり恋愛をしたかった。
しかし、最終戦争はもう始まっている…
せめて殺し合いが始まる前に零二の答えが聞きたかった。
「俺は………」
「俺は、俺は里村のことを!!」
その時、零二の言葉を遮り嘲笑うかのようにポチャンと一滴の雫が溢れる音がした。