UA多いな、と思ってたらランキングに載ってた。そんな時にお酒の話ってどうかと思う。
あとコイツ等、いつまでトキワシティに居るんだろ……。(困惑)
お酒が飲みたい。
そう思ったのは、トキワの森からテレポートで町に戻ってきてすぐのことだった。
浴びる程に酒を飲みたい。飲んでいて気分が悪くなる程、口に入れたい。
私がお酒に出会ったのは、二十歳になってすぐのことだった。
私は昔から、この見た目の所為で子供扱いをされることが多かった。どれだけ、頑張って大人の振る舞いをしても、背伸びをした子供として捉えられてしまう。
その反動からか、私は大人への
煙草は身体に悪いと思い吸わないと誓っていたが、せめてお酒ぐらいはと成人前から思い続けていたのだ。何年も、何年も前から。
そして、遂にやってきた二十歳の誕生日。その日は買わなかったが、次の日コンビニに行ってお酒を一缶買ってきた。初心者向けと言われる麒○の氷○果汁だ。
コンビニでは、物凄く年齢確認を行われたが、無事に買うことが出来た。わーい。
私は家に帰ると早速、一口、口の中に含んでみることにした。身体だけでなく、肝臓まで幼かったらどうしようかと、恐る恐る飲んでみたのだ。
すると、どうしたものだろうか。案外いけたのである。それは一缶飲み終えても変わらない。酔いが余り回らない。それどころか、まだまだ余裕があった。もしかすると、と思い酒屋に行き限界を調べてみた。
結果としては、ある程度の域までは酔うものの、そこで止まるぐらい。泥酔というものが全然起こらなかった。私は
もしかしたら、北欧生まれの母親からの遺伝かも知れない。ほら、言うじゃん。ロシア・北欧の人はお酒に強いと。
そんなこんなで私は、
「そう言えばここ三週間、お酒呑んでなかったな」
詰まるところ、限界を迎えたのだ。
今日に至るまでの三週間、大学の課題やらバイトやらでお酒を飲む暇がなかった。忙しいんじゃボケ!!と、やけ酒を呑むのも煩わしい程忙しかった。
その反動か、喉を焼くぐらいキツい、ロシア人並に度数が高いのを呑みたい、と思ったのだ。
私はレッド君とは別れた後、酒屋に行って酒を買ってきた。世界が違えばメーカーも違う。私がそこで見た銘柄は、何やら初めて見るお酒が多かった。それを見るだけで、何だかデタラメに興奮した。
ゲームで通せん坊をしていた、あの酔っぱらいも、ここでお酒を買っていたのだろう。
にやける顔を抑えきれず、私は適当に吟味をして良さげなものを選んだ。
銘柄はぢわれ。達筆なカントー文字で、そう書かれている。これを選んだ理由は、甁の柄が格好良かったからだ。こう言うのは結局、ノリが大切なのだろう。
酒屋のおじさんには、お酒はお嬢ちゃんにはまだ早いと止められたが、トレーナーカードを見せてみたら信じて貰えた。とても訝しげであったけれども、何とか通った。
元の世界では偽造ではないかと疑われたこともあったので、すんなりと行って良かったものだ。これって、偽造防止の機能とかあったりするのかな。
ともかくして、私はレッド君と合流し、例の如くポケモンセンターに直行した。中は、朝の件でオカルトマニアが数名増えただけで、特に変わりはなかった。
あっ、私オカルトマニアとかのデザイン好きー。何かシンパシー感じるから、嫌えない。私があの格好しても、ただのロリータになるだけだからしないけど。
ゴスロリ、普通に似合ってしまうの辛い。メンヘラっぽく見えないんだよ。
そんなこんなで、私はポケモンセンターの食堂で晩ごはんを食べ、パッとお風呂に入り、すぐさま自室へと戻った。全ての準備が整った。
さあ、宴の始まりだ。
私はお酒の栓を抜いた。おつまみも既に用意している。この酒、少し高かったから結構ドキドキしてる。しかも、あの世界には存在していないお酒だからか、非常に楽しみである。
私は、事前に買っておいたコップを取り出しお酒を注いだ。勢いよく注がれるお酒は、溢れそうになる直前で止められる。溢さないよう慎重にコップを持ち上げると、私は啜るようにそれを飲んだ。酩酊感はまだ感じられなかった。
「……よし、酒盛りと行こうか」
適度な量になったコップに一口、グビリとお酒を
ソムリエじゃないから、膨らみがあるとか、芳醇だとか、細かいことは分からないけど、取り敢えず旨い。
御託を並べられるほど、私はお酒に就いて知らないし、そんなものは必要ないとも思っている。ただ、旨いもんに旨いと言えばそれで良いんだと思う。決して、味覚音痴の言い訳とかではない。
そんなことを思いながら、左手でおつまみを摑む。うむ、旨い。
柿○ーとかがあれば良かったのだけど、この世界にはなかった。酒のおつまみとしては最強だと思うのだけど、この世界には存在してなかった。
……柿○ーは、わさび味が最強だと思ってるんだけど、どうだろう。勿論、異論は認めない。わさびうまー。
ともかくして、その場凌ぎとしてヤドンの尻尾を買ってきた。取りあえずそれに、わさびを塗って食べている。これが、良い肴となっている。本当に申し訳ないだけど、ヤドンの尻尾、マジで旨いんよな。ポケモン愛好家に殴られそう。
いや、てかこの世界。ポケモンを食べてるのに、どうしてポケモン愛好家とか成立するんだろうか。菜食主義者なのかな。植物系のポケモンも居そうだけど。永遠の謎である。
「しかし、
思わず、声が出る。
少し酔うと、脳にフィルターが外れる感覚がする。分からない?何だか、このぐらいの感覚が一番気持ちよく酔ってられてる気がする。酩酊ってきた……?ふへへ。
あっ、そうだ。個人的に自分笑い上戸だと思うから、テンションの高さに注意して。普段から心の中で、テンション高いから余り違いないけど。
「やば、顔笑っとんやけど。死ぬ!」
何とはなしに鏡見てみると、いつもの無表情から愉しそうな顔になっていた。これがお酒の力。……私、表情筋動かせたんだ。
しかし、無計画に酒甁開けてるけどどうしよう。流石に、こんだけ呑み切ったら腹がたぷんたぷんになる……と言うか、急性アルコール中毒で死にそう。
でも、酒瓶放っておくと腐りそうやし。
「これ、四次元バッグに入りよらんかな?」
私は名案だと思い、酔った感覚のまま酒甁をバッグに突っ込んでみた。すると不思議なことに酒甁は溢れず、すんなりとバッグに入った。
え、すげえ。これもしかして良くある空間魔法みたいに時間固定されてる?
何これ強い。これがトレーナーの標準装備とかマジかよ。これ、バグとかじゃないんだぜ。
「運搬業とか出来そうやん!」
生モノとか、安心して持ち運べそう。
いや、でもポケモン転送装置とかいうチートがあったな。運搬であれに勝てるものとかない気がする。あれ、空港とか車とか必要になくなるレベルの発明だよね。ポケモンを転送できるのなら人も転送できそうだし。
もしかして、ポケモン世界に車や電車が少ないのはそれが理由か。ポケセンに必ず一つはあるという普及具合だし、ノーベル賞並みやん。
「ソネザキさんマジパねえわ。伊達にポケモンと合体してた訳じゃない」
いや、下ネタじゃないよ。物理的にポケモンと合体してただけで……。あれ、意味が変わっていなくない?いや、まさかー。へへ。
そんな風に、一人で酒盛りをしていると部屋のドアをトントンと叩く音が聞こえた。
「え、騒ぎすぎた?ココ防音なんやけど」
思い返せば、昨日の空白ポケモンの声漏れてたらしいし、案外聞こえてるのかも。下ネタ結構言ってたけどどうしよう。私は咄嗟にお酒を直して扉の鍵を開けた。
「はいはい。今、開けまーす」
扉を開く。すると、そこにはレッド君が居た。
「森のマップ、手に入れてきたのだけ……ど?」
彼の表情は段々困惑したものへとなっていく。私の表情に驚いているのだろうか。いつもの無表情じゃなくて、普通に笑った表情になってるし。
うん、私と驚いているよ。対人でも、しっかり表情筋働いているのか。
私はレッド君に近づくと手を取って、部屋へと招き入れた。
「取り敢えずレッドきゅん、サンキュー。地図、めっちゃ助かんわ」
「へ?は、え?」
私の言葉に、レッドきゅんはあからさまに動搖する。
「え、えと。どうしたの……?いつもと様子が」
「うんにゃ。どうもせんけど……?取りあえず、マップ見して」
レッド君の手からマップを取る。何故だか放心状態だったので、簡単に取れた。私はマップを一瞥する。
「うわ、めっちゃ複雑やん」
私はトキワの森の複雑さにそう叫ぶ。
これ、多分ゲームではなかった道とかもある。ゲーム時代、こんな複雑ちゃうかったはずやし。
私がそんなことを思っていると、レッド君はようやく冷静さを取り戻したのか、深呼吸をすると話し始める。
「本当にどうしたの?口数の多さとか」
「……?何ともせんけど?」
酔っていた私はここで気づいた。
そう言えば、さっきから普通にコミュニケーション取れてる気がするな、と。
え、これは凄い。いつも一人で宅飲みばっかしてたから気づかなんだよ。コミュニケーション取れるなら、これから酒飲んで冒険しようかな。途中で死にそうだけど。
「あっ、そだ。ヤドンの尻尾あんやけどレッドきゅんも食べん?まだ更んやつ残ってんよ」
「きゅ、きゅん?」
「ほら、包装パックまだ開けとらんから、自由に取っとって」
レッド君はありえないものを見るように私を眺めた。ここに来て、きゅん呼びに気づいた模様。気づかれても改めないけど。
レッドきゅんの目つきが心做しか強くなった気がする。……何か興奮する。これって視姦プレイ?
「まあ良いや。それより、どうゆうルートで行くん?」
「……。ルートだよね」
レッド君は何かを言いたげな表情をしながらも、私の言葉に答える。纏めると、
トキワの森に入ってすぐ右折する。そのまま真っ直ぐ進むと行き止まりになるからその直前で左折。そして、道なりを行けば行き止まりになるから左折を2回ほどする。それで、真っ直ぐ行って右折をして真っ直ぐ行く。そこから……と本当に大迷宮のようだった。
もう、木とか切り倒した方が良いと思う。その方が、世の為人の為だと思う。だるいし、すり抜けバグでもしようかしら。いやでも、マス目的に埋まりそうだよね。どうしたものか。
「あっ、そうだ!ピジョットを持っているお姉さん居たよね。彼女に運んで貰うとか」
「……流石に三人乗りは無理だろうね」
そう都合良くいかない。しかし、レッドきゅんも道の複雑さに不安があるらしく、即却下もしなかった。
だって、余りにも……ねえ。
何で、一直線の道を作らないのか。これが不思議で堪らなかった。
わたし、みせいねん。おさけのめない
追記。
誤字報告感謝します。関西弁の新しい、という意味のサラという言葉は