レッドきゅんをhshsしたい   作:ミ゙ヅヅヅ

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失踪してたぜ!(華やぐ超絶スマイル)

修正作業で書く気力なかったので、(かね)てより用意していたレッドきゅん視点を挾みます。つまりは手抜き。


9話

 

 やらかしてしまった。

 考えうる限り、ほぼ最大級にやらかしてしまったのだ。私自身、お酒に強いと自負していた。実際、酔ったとしても低俗な独り言が増える程度であった。そのノリで外を出歩くとか、ネットで衝動買いをするとかはありえない。

 

 派手に酔っ払うことはないのだ。今回だって、地図を見るだけの思考能力は残っており、何処で迷い易いか等判断できる程度には頭が回っていた。

 

 

 ……低俗な独り言が増えるのは問題だって?いやまあ、いつも下ネタが多いし、平常運転みたいなものだよ。アレだよ、下ネタって(うら)若き乙女の嗜みみたいなトコあるし。冇問題よ!

 

 話が逸れた。ともかく、私は気づかなかったのだ。お酒を呑んだときに、対人へのストッパーが壊れるだなんて。一人でしか飲んでいなかった弊害がここで出たのだ。

 

 あの後も、私たちは明日のことに就いて話し合った。私も思考能力が落ちた訳ではないので、普通に……話せている分寧ろ円滑に話し合いが出来た。

 下ネタは……まあ、伝わっていないことを祈っている。大丈夫、大半は心の中で抑えたはずだし。

 

 

 

 問題なのはその後だ。

 

 

 

 

 私は布団にある膨らみを見つめる。スゥー、と規則よく呼吸音が聞こえてくるようだ。

 

 

 

 

 これはマズい状況に陥っている。

 蒲団の端をそっと摑み、持ち上げてみる。するとそこには、幼気な少年がベッドの上で丸まっている姿があった。目は軽く閉じられ、口はモゾモゾと少しだけ動いている。……脳が現実だと認めたがらない。

 

 

「……」

 

 

 今後、野営で一緒に寝ることもあるのだし、同衾しようぜ……みたいなことを言った記憶がある。この最低ポイントとしては、磯野野球しようぜー、ぐらいのテンションで言ってた所だ。

 この言葉に、レッド君は戸惑いつつも、私の押しに圧倒されて今に至る。思い返せば、思い返すほどクヅな行動をしている。一応言っておくと、誓って手は出していない。

 

 精々抱きついたぐらいだ。

 

 

「……」

 

 

 いや、アウト判定はまだ早いと思う。下心があったとは言え、よくある話だろう。寧ろ微笑ましい光景だったと私は思うね。下心があったとは言えね(ヤケクソ)。

 

 そんな言い訳じみたことを考えていると、ベッドから大きな物音が聞こえた。

 

 

「ん、くぅ……あれ?おは、よう?」

 

 

 レッド君が目を覚ましたのだ。手で目を少しだけ(こす)り、寝起きの曖昧な声でそう呟いてきた。私はそれに何も応えられずにいた。

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

 

 ぼくが彼女と出会ったのは、トキワシティの看板の前だった。彼女は長い銀髪を(なび)かせ、遠くを見つめるような表情で其処に立っていた。直ぐに、同世代の女の子であると判断出来た。

 背丈に合わない大きなリュック、腰にはモンスターボールを六つ付けていることから、ぼくは彼女を旅のトレーナーだと判断した。

 

 

 初めて見る同世代のトレーナーに好奇心が湧き、ぼくは彼女に話し掛けた。しかし、彼女は微動だにせずただ突っ立ったままでいた。まるで、ぼくの存在に気づいていないかのように反応されなかった。

 もう一度、呼び掛けてみる。今度は先程よりも大きな声で。

 

 

「─!?」

 

 

 すると彼女は、アとエを混ぜたような奇妙な声をあげて、驚いたように此方へと振り向いた。その顔つきは幼く、同世代、もしくは歳下かも知れないと感じられた。

 

 

「キミは旅人かな?入口の看板をずっと見ているみたいだけど」

 

 

 

 ぼくの問い掛けに、彼女はポカンとするだけで中々返答をしてくれなかった。仕方ないので、ぼくは自己紹介をすることにした。

 

 

「……萩原栞」

 

 

 そして、ぼくが名乗ってから暫くしてから、彼女は自分の名前を名乗った。

 

 ハギハラ

 

 

 名字を含めたフルネームでの呼び名だ。ぼくはその答えに少しだけ驚いた。取りあえずこの地方においては、名字文化は廃れつつあるのだ。一部、博士や名家、あとは古風な所では使われているのだが、それ以外の所では余り使われない。

 一応、調べればぼくの家にだって名字は存在するのだろうが。

 

 銀色の髪をしているので、もしかしたら別の地域からやってきたのかも知れない。その割に名前は和風であるが。余り、突っ込まない方が良いのかな。

 

 

「まあ良いか。ぼくとポケモン勝負をしようよ」

 

 

 ぼくは話を変えるために、ポケモンバトルを申し込んだ。別におかしな流れではない。初めて会ったトレーナー同士はバトルをするのは、マナーであるからだ。

 

 しかし、そのことにさえも彼女は戸惑っている素振りを見せた。やっぱり彼女はどこか遠い国生まれなのだろうか。国が違えば常識も変わると言うし、そう言うことなのだろう。取りあえず、もう一度頼んでみる。

 

 

「……分かった」

 

 

 すると彼女は大きく項突いてみせた。

 

 

 

………

……

 

 

 

「ミュウ。もう一度"はたく"」

 

「みゅう」

 

 

 その攻撃にフシギダネは敢えなく倒されてしまった。ベテラントレーナーの攻撃ではない。同世代の女の子の攻撃によって、負けてしまった。

 

 圧倒的な戦いぶりであった。手も足も出せず負けてしまったのだ。

 

 ぼくの友達の、グリーンよりも格段に強いだろう。彼はオーキド博士の孫で、同世代では負けなしのトレーナーなのだが、彼よりも数段強いことは確かだろう。

 

 そして、極めつけはミュウというポケモンだ。ポケモン図鑑に載っていないポケモンなのだ。他の地域のポケモンかと疑ったが、こんなポケモンは見たことがない。

 

 

 図鑑ナンバー151番、ミュウ。記録されたばかりで情報が全くない。詳しく問い(ただ)してみるも、新種のポケモンとしか答えなかった。

 

 

 見たところ、噓を言っている訳ではなさそうだ。博士に図鑑の完成を頼まれていたけど、こんなポケモンがいるとは。ぼくは少し決心をする。

 

 

「ねえ、キミはこれからどうするの」

 

「……決まってない」

 

 

 彼女のこの答えはある程度予想していた。何処か他に行くあてがあるのなら、町の看板の前で立ち尽くしていないだろう。ぼくは言う。

 

「それだったら、一緒に行かないかい」

 

「?」

 

 こんなに強い同世代のトレーナーがいるだなんて、思っていなかった。井の中の(かわず)の気分であった。ミュウというポケモンも気になるし、出来るならば彼女に勝ってみたい。そんなことを思い、彼女に同行を申し入れたのだけど……。

 

 

 

 

 

「おはよう」

 

「おはよう、ございます……」

 

 

 私は冷や汗を垂らしてそう答えた。

 はっきり言って、地獄の始まりだと思う。どう反応していいか全く以て分からない。アレだよ、レッド君からしたら歳上の女性に同衾するよう強乞(せが)まれ、一緒に寝ることになり、あまつさえには抱きつかれたんだよ。

 

 絶対にいい感情を持っていない。

 

 

 私、知ってるよ。同人誌と現実は違うものなんだって。同人誌なら、この後エロエロな展開になるのだろうけど、現実は通報オチになると思う。

 

 

「ねえ、シオリ?」

 

「……な、なに?」

 

「いや、何でもないよ。食堂に行こうか」

 

 

 え、なに、この生暖かい目は。優しげで慈愛に満ちたような顔は。これ私、赦されたん??え、何で?

 

 

「……怒って、ないの?」

 

「大丈夫だよ。分かってるから」

 

 

 何を分かっているのか、分からない。え、抱きしめたこと怒ってないん?マジで?これはどういう判定なの。頭を悩ませていると、レッド君は私に近づいてきて頭を撫ではじめた。どうどうと、宥めるように私の頭をなdええ?

 

「──ッ!?」

 

「大丈夫だよ、寂しいんだよね」

 

 

 ば、バブみ?レッドきゅんから、バブみを感じるんだけど。しかし、何でこうなってんの??あれか。私が同衾を迫ったり、抱きしめたりしたの、寂しさが原因だと思われたの。え、噓だろ。二十歳だよ、私。干支九つくらい違うんだよ。

 

 戸惑いの感情が、私の中を支配した。

 

 





おめでとう。栞は同世代のトレーナー()から、甘えたがりの後輩に進化した。
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