1話
「ふんふんふ〜ん。家帰ったらシュヴァルツェスマーケンやろ〜っと」
仕事帰りの青年と言っていい年齢の青年は帰路についていた。今日は金曜日なので明日は休み。徹夜でシュヴァルツェスマーケンをやろうとしているのだ。
「はぁ〜、家まで遠いなぁ……もうちょっと駅から近い所にしとけばよかったかぁ」
交差点で青年は1人呟く。すると目の前に少女がおり、暴走したトラックに轢かれそうになっていた。
「危ない!」
青年は全力で走り、ドンッと少女を押した。
「マジかよ…」
そう言い残し青年の視界は暗転する。
<起きてくださ〜い、起きて〜>
………誰だ?ここは何処だ?
起き上がると目の前には眼鏡をかけた気の弱そうな女性が立っていた。青年は周りを見わたす。真っ白の空間が無限に広がっており、青年は混乱する。
<すいませ〜ん、聞こえてますか?>
ああ、すいません。聞こえていますが、ここは一体どこですか?
<ここは死後の世界です>
へぇ〜死後の世界かぁ・・・
<随分と落ち着いていらっしゃるんですね>
まぁトラックにあのスピードでぶつかられたら普通死ぬでしょ
<そうですね。あの世界であなたは死にました。ですが最後に他人の命を救ったのは素晴らしいことです。と言うわけであなたには他の世界に転生する権利を得ました。もちろん特典もありますよ!>
転生か。ちなみにどこの世界か教えてもらっても?
<インフィニット・ストラトスの世界です>
あぁ〜詳しく読んだことはないけどあれか、女尊男卑がうんたらとかパワードスーツとか天災兎が出てくるやつか。昔友達に借りて読んだなぁ。・・・なるほど。ちなみに転生特典はいくつまでとか、こちらの世界の物は作れないとかあります?
<特に制限はないですが著しく世界に合わないものは不可能です。因みにあなたが転生する世界はあなたがあまり知らない原作によく似た別の世界ですので何をしても大丈夫ですし、あなたの記憶も保持されます。>
分かりました。じゃあ
・マブラヴの00ユニットのあらゆるデータベースにバレずに干渉できる能力
・あちらの世界で必要なISの知識
・健康な肉体
が欲しいです。
<了解です。それではあちらの世界に送りますね〜。ちなみに転生後にどこに出るかは運次第です。>
は!?どういうことだそれ!?
<大丈夫です、早速死ぬなんてことはありませんから。>
オィぃぃぃぃぃぃぃ!!!まじかよおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
<それでは2度目の人生、楽しんでくださいね〜>
「うぅ〜ん・・・。ここはどこだ?」
青年は目を覚ます。そして彼はまず服装を確認した。黒のシャツに青色のパーカー、灰色(黒寄り)のデニムと、ラフな格好だった。次に周りを見渡す。噴水や庭園があり、ヨーロッパの公園や貴族の豪邸のようである。既に陽は沈みかかっていた。
(ここは日本じゃないのか?とすると・・・・何処だ?)
「あのぉ・・・」
「ん?」
振り返るとそこにはとても優しい雰囲気のお爺さんとお婆さんが立っていた。
「大丈夫ですか?こんな時間にこんな所にいて。迷ってしまったのですか?」
お婆さんは問いかける。
「いえ、そうではないんですが・・・。実は、何故自分がここにいるか分からないんです。ここにどうやって来たのか、自分の名前は何て言うのかも。」
青年は今の自分の状況を確認し、そう答えた。前世うんぬんの記憶を除き、この世界では自分は何も知らないのだ。下手に喋ってしまうと良くないことが起こってしまう。彼はそう思ったのだ。
「記憶喪失かい?」
お爺さんの問いかけには頷いて肯定した。するとお爺さんは
「ならうちに来なさい。なぁに、1人増えたって変わらんさ。」
と言った。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
(助かった。このまま外にいたら何が起こるか分からないからな)
青年とお爺さん、お婆さんがそこから5分ほど歩くと、豪邸と言っていいほどの大きさの家が現れた。
「はぁ〜こんな大きい家に住んでるなんて凄いですね」
青年がつぶやくとお爺さんは笑顔になり、
「ははは、まぁ、かなりの歴史がある家だからな」
話しているうちに玄関にたどり着いた。
「そういえばまだ名前をいって無かったね。私の名前はパウル・ラダビノッド。こっちはソフィア。改めて我が家へようこそ、歓迎しよう」
パウルと名のったお爺さんは気品を感じさせる立ち振る舞いで青年を迎え入れる。青年は少し気圧されながらも礼を失することのないように相手の目を見据えて答える。
「未だ自分の名前もわからないですが、これからよろしくお願い申し上げます」
「うむ、まずは家を案内しようか。ついてきたまえ」
そうして案内された家はやはり豪邸と言っていいものだった。60畳ほどのリビングにはじまり、来賓が泊まるための部屋に運動部屋や多目的ホールなどがあった。青年は2階の来賓用の部屋をあてがわれた。
「今日からここが君の部屋だ。何か欲しい物があったら言ってくれ。ある程度なら用意できるだろう」
部屋からリビングに戻る途中、パウルの言葉に部屋の内装を思い出す。ベッド、ソファー、テーブル、など必要なものは揃っていた。青年は考える。
(家具は十分にある。なら服とパソコンが欲しいな。今が原作のどのあたりか調べたいし、普通に生活に必要だ)
そう考えた青年は階段を下る途中に返答する
「なら、服とパソコンが欲しいんですが、大丈夫ですか?」
「うむ、わかった。では明日買いにいこう。パソコンはノートタイプでいいかね?」
パウルは即答した。さらに気をまわして青年に問いかけた。
「はい、それでお願いします」
すると、青年が答えると、グゥゥゥゥゥゥゥという音がした。
(・・・やっちまった。今のところ何から何までやってもらってるのにまさかここでこんな事になるとは・・・)
「はっはっは!そういえばもういい時間だな。よし、夕食にしよう。ソフィア、頼めるかい?」
「ふふふ、分かりました。ではあなたは座っていてね」
夕食後、リビングのでっかいソファでくつろいでいたところ、パウルが資料を持ってやってきた。パウルは少し難しい顔をしていたが、意を決したのか青年の正面に座って資料を差し出した。青年は資料を見る前にパウルに聞いた。
「?これは、何ですか?」
「先程届いたものでね。知り合いの伝手を借りて君のことを調べてもらっていたんだ。一応監視カメラがあったから、そこの写真を提供した」
何やら知らぬ間に事が進んでいたようだが、監視カメラがあるなんて聞いてない。しかし今はそれよりも優先する事がある。
「俺のこと、ですか」
「あぁ。先に見させてもらったが、君も見ておいた方がいい。あ、あとこれが今の君の写真だ」
「分かりました」
そう言って青年は机においてある資料と渡された写真を手に取った。
そこに写っていたのは正しく斑鳩崇継本人だった。
(ゑ?これ、俺?斑鳩閣下じゃないか。そんなことある!?で、こっちの個人情報はと)
資料の方には、これまでの青年と思しき人物、斑鳩崇継の生い立ちについては『日本で生まれ、生まれて直ぐにイギリスに引越し。あまり友達はおらず、両親も既に他界。15歳の時に行方不明になる。』と書かれていた。
「……これ、多分俺ですね」
「そうか。何も、思い出せないか?」
「ええ。でも、大丈夫ですよ。俺は俺ですから」
(そもそも俺この世界に生まれた?のは数時間前ってぐらいだからな。それに、恐らくだけど神様ってやつの仕業だろうな)
「分かった。これで君の名前が分かったわけだが、どう呼べば良いかな」
「それでしたら、まぁ崇継でもなんでも、好きにしていただいて構いませんよ」
「ははっ、そうか。では好きに呼ばせてもらうとしよう。これからよろしくの」
「よろしくお願いします、パウルさん」
2人ともニカッと笑い、今夜は床につくことになった。
読んでいただきありがとうございました。パウル・ラダビノッドはマブラヴから、妻のソフィアさんは自分で考えました。ラダビノッド司令って既婚者だったか分からないです(笑)主人公を斑鳩公にしたのはIS原作開始時点でデイアフターの時の年齢にしたかったからと主人公をイケメンにしたかったからです。
また、原作スタートまではもう少しかかると思います。
次回は出来れば1周間以内に出そうと思っていますのでお待ちください。
追記 主人公の名前のシーン追加しました。書いたつもりで消えていました。指摘してくださった方々、本当にありがとうございます
前回のあらすじいる?
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いる
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いらない