マブラヴ大好き青年が行くIS世界   作:王選騎士団

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時間を空けてしまってすいません!この度9000UAを超えました!本当にありがとうございます
そしてまたで申し訳無いんですがまだクラス代表決定戦まで行きませんでした。すいません


12話

Side 3人称

初日の授業が終わった崇継は何をするでも無く教室でボーッとしていた。一夏は箒にボコられている頃だろうか?乱入するのも良いがそれでは面白く無い。敢えて原作通りにさせてみよう。なんて考えていた。

今日の最後のイベントは、寮の鍵を貰う事だろうか。原作では一夏と同室なのは箒のはずだが自分という原作に存在しない者(イレギュラー)が居る。もしかしたら一夏と同室になるかも知れないし、名もなきモブと同じ部屋かもしれない。

 

1時間ほど教室で待っていると、疲れた顔をした一夏が入ってきた。

 

「ヴァァァ疲れた〜」

 

「お疲れ様。見るからにえげつない事をされたようだが大丈夫かい?」

 

声をかけると、ハッと崇継の方を見た一夏は愚痴をこぼした。

 

「聞いてくださいよぉ。箒が鍛えてくれるって言うからお願いしたんですけど、ひたすら剣道でボコボコにされるんですよ」

 

ここも原作通りに進んでいるようである。

 

「まぁ近接での心得はISに乗ってからも必要だからね。彼女にも何かしらの意図があってしているんだろう。とりあえず頑張ってみなさい」

 

「・・・はい。ところで、何で崇継さんはクラス代表にならないんですか?生身でも強いのに」

 

「さっき先生の前でも言っただろう?高校のクラス代表に27の大人が就任するのはおかしいのさ。それに、勝負にならないからね」

 

「ぶぅ〜」

 

崇継のかなりもっともな意見に、文句も言えず、かと言って何もしないんじゃ話した意味がないと、僅かばかりの反抗を示す一夏。すると、名案を思いついた!とばかりに目をキラキラ光らせ崇継を見る。

 

(今度は何を言ってくるんだ?)

 

「じゃあ崇継さん!俺の訓練に崇継さんも参加してください!」

 

「ゑ?」

 

普通に混乱した。なぜ?そう意思をこめて一夏を見る。

 

「だって崇継さんめっちゃ強いじゃないですか!俺も崇継さんに教えてもらえれば強くなれる気がします!」

 

周りの女子生徒達もここでBLの気配を悟ったのだろう。みな聞き耳を立てている。

 

(一夏はこんな事考えず純粋に頼ってるんだろうなぁ。ハァーけど、今は面倒くさいな)

 

「悪いけど今は遠慮しておこうかな。それに、私が行くとフェアではなくなってしまうからね」

 

「えぇ〜っ!そんなぁ・・・」

 

すると、こちらに向かってくる人が2人。

 

「あっ、こちらに居たんですね。探す手間が省けました」

 

「あ、山田先生」

 

「はい、織斑君と斑鳩さん。」

 

山田先生と織斑先生である。そして山田先生は一夏に鍵を渡した。本日ラストのイベントが近づいている。

 

「何ですか、これ」

 

「寮の鍵です。防犯上の理由からお2人には本日から学園の寮に住んでもらうことになりました。なので、それはお2人の部屋の鍵です。ただ、なにぶん急な事だったのでそれぞれ別々の部屋です」

 

(俺は一夏と違う部屋ってことか。吉と出るか凶と出るか)

 

「えぇ、俺と崇継さん違う部屋なんですか!?それ不味くないですか?」

 

「ふん、私の目が光るうちは不純異性交友なぞさせん。斑鳩、お前もだ」

 

「何故私に矛先が向くのか理解しかねますが、勿論ですよ。流石に自ら手を出したりはしません」

 

幾分織斑先生の目線が軽くなった。

 

「あぁ、斑鳩の荷物はホテルにあった全てのものを持ってきている。安心しろ」

 

誇る様に織斑先生は言った。だが、崇継からすれば甘いと言わざるをえない。

 

「安心しろ、ですか。それ、誰に運ばせたんです?」

 

「学校の職員だが?何か不満か?あぁ、見られたくないものでも入っていたか」

 

巫山戯るように織斑先生は言った。だがつきあいが長い一夏は彼の変化を敏感に感じ取っていた。

 

「えぇ、途轍もなく不満で不安ですよ。もしその職員が女権団体と通じてたらどうなってたと思います?俺の遺伝子情報とかそういった類いの情報全て筒抜けですよ。最近の遺伝子情報解析技術はすごいですからね」

 

教師2人は驚いて、崇継の顔を見る。その顔には怒りと失望が浮かんでいた。織斑先生は先程の発言の反論しようとしていたが、次の崇継の発言でかき消される。

 

「あぁ、IS学園にその手の人間は居ないなんて言い訳は通用しませんよ。そんなもの今どき簡単にパス出来ますからね。それに、ここの先生にも複数名女尊男卑の傾向がある先生も居る。そういう人と手を組むんですよ、女権団体は」

 

これには織斑先生も反論できなかった。思いあたる節があったからだ。思いあたる節があるが故に口をつぐむしかなかった。

 

「まぁでも、この程度の失態なら貴方達ほどの能力があれば取り戻せるでしょうし、これは“もしも”の話ですから。次からは気をつけてください」

 

先生達はハッとして、顔を上げた。織斑先生は自らの失態を痛感したのか沈痛な面持ちで謝罪した。

 

「・・・すまなかった。我々の配慮が足らないばかりに。このような事が無いよう、今後は気をつけよう」

 

「えぇ、そうしてください。それでは、これから寮に向かいますので。失礼します」

 

そう言って崇継は先生の横を通り抜け寮の方へ歩いていった。それを見た一夏も、そろそろ俺も向かうか、と崇継についていった。

 

 

 

 

 

 

寮の自室となる部屋の前に着いた崇継は、少しばかり緊張していた。

 

(いや〜同室の相手は誰だろ〜。ま、入ってみればわかるかな)

 

そして崇継は覚悟を決め、ドアをノックした。

 

コンコン「失礼。この部屋をあてがわれた斑鳩崇継という。誰か中にいるだろうか?」

 

そう言うと、小さい足音が部屋の中からドアに近づいてきて、おずおずといった感じでドアを開け、顔だけ出してきた。眼鏡を付け、目元には誰がどう見ても不健康と言うだろう隈がある、水色の髪の毛の女生徒。つまりは更識簪その人であった。そして、彼女は小さく、耳をすまさなければ聞こえないぐらいの声で

 

どうぞ。入ってください

 

と言って入室を促した。そのまま部屋に入り、彼女に椅子に座るよう勧められたのでそのまま座った。これから同じ部屋で生活するので自己紹介する事にした。

 

「改めて、今日からお世話になる、斑鳩崇継だ。名前ぐらいはもう知っているかな?」

 

と問うと

 

「はい。やっぱり、有名人なので」

 

と今度はちゃんと聞き取りやすいぐらいの大きさで答えてくれた。

 

「そうか、一応名前を聞いても良いかな」

 

「更識簪と言います。好きな名前で呼んでください。出来れば更識以外で」

 

「分かった。では簪と呼ばせて貰おう。私の名前も好きなふうに呼んでもらって構わない。君は・・・名字が嫌な理由があるのかい?」

 

原作を覚えていると言ってももはや9年ほど前の事である。しっかりと地雷を踏み抜いてしまった。が、そこは流石に日本代表候補生。何も知らない人に切れ散らかすほど愚かではなかった。

 

「いえ、少し色々あって」

 

先程より少し声とテンションが下がった。崇継もこれはマズいなと謝罪した。

 

「済まない。余計な詮索はすべきでは無かったね」

 

「いえ、大丈夫です」

 

ここで、崇継は先程から気になっていた事があった。

 

「突然で悪いが、簪。君最近寝てないだろ」

 

「・・・!」

 

誰がどう見ても不健康なそれは、流石に見逃せなかった。

 

「これから同室で暮らすのに、いきなり倒れましたじゃ申し訳ない。原因は・・・それかな」

 

そう言って崇継は机にあったパソコンを指差した。

 

「それが何なのか私、いやもう面倒くさいな。俺には分からない。だが君が寝る時間を削ってまでやろうとするという事は君にとってかなり重要なものなんだろう。俺に話してみてくれないか?人に話すことで楽になる事もあるからさ」

 

簪はいきなり自らの問題に先程知り合ったばかりの見ず知らずの人が何を言う、と憤慨したが彼女は追い詰められていた。だから彼に話すことを選択した。

 

「実は、私の専用機はIS学園(ここ)に来る前に完成する予定でした・・・」

 

そこからぽつぽつと様々な事を話していった。織斑一夏が見つかり彼女の専用機開発が凍結された事。姉を見返す為に自分一人でそれを完成させようとしている事。何より、自分の姉のこと。崇継はそれを真摯に聞いていた。簪に目を合わせ、頷いたりしながら。

 

「・・・なるほど。分かった。話してくれてありがとう。君も大変だっただろう」

 

「いえ、こちらも、その、少し楽になりましたから」

 

だが今の崇継にここで終わらせるという選択肢はない。一歩間違えれば今の状況を作ったのは彼だったかもしれないからだ。何より、技術者としてのプライドがここで引くことを許さなかった。倉持の技術者としてのプライドもへったくれもない行為に怒りすら覚えた。だからこそ彼は簪に協力する事にした。

 

「・・・簪。まずは謝罪を」

 

そう言って崇継はまず頭を下げた。これには当然簪も驚いて椅子から身を乗り出した。

 

「え、あ、あの」

 

「もしかしたら君をその状況に押しやったのは俺だったかもしれない。だから」

 

簪は別に崇継には特に何の感情も抱いていなかった。なので謝られるのも逆に申し訳なかった。

 

「いえ、大丈夫です」

 

「そうか。ではもう1つ。簪の専用機の事だ。もし良ければ俺も手伝おう」

 

この提案に簪は心底驚いた。つい先程まで見ず知らずの人だったのになぜここまで協力してくれるのか。優しくしてくれるのか。

 

「あぁ、一応前職はISとかの機械関連の仕事をしていたからそこは問題ないが」

 

そう言えば前職は技術職でした、って言ってないな。やっぱISは何も知らない人に触らせたくは無いだろ。ちゃんと言っておかないと。

なんて的外れな事を考えた崇継は前職について簪に話したが、それが余計に簪に疑念を抱かせた。

 

「・・・なんで、そこまで」

 

「ん?」

 

「なんで、さっき知り合ったばかりの人の為にそこまでしてくれるんですか?」

 

なにかに縋る様な目で彼女は問うた。よく見れば、膝の上に置いた手が震えていた。彼女を安心させる為にも、崇継はその目をはっきりと見据えて答えた。

 

「1つはさっきも言ったが、もしかしたら自分のせいだったかもしれないから。1つは技術者としての矜持だ。そして最後の1つは簪、君が見ていられなかったからだ。さっきの話を聞く限り君はISを1人で完成させようとしているが、はっきり言って不可能だ」

 

簪もそれはわかっていた。でも、どうしても、それを認めたくは無かった。何かに負けてしまう気がしたから。

 

「そして君には今頼れる人が殆ど居ない。そんな状況では心がすり減っていくだけだ。だからこそ俺が手伝うべきだと思った。流石に目の前に困ってる人が居て、その人を助ける力を持っているなら出来る限り助けるさ」

 

彼女はもう、限界だった。そこに、慈愛に満ち溢れたその目と、自分を助けてくれる存在が出来たことにより、彼女は目から溢れ出るものを抑えられなかった。

 

「う、うわぁぁぁぁ〜〜ん!!」

 

それを崇継は優しく抱きしめた。ゆっくりとあやすように、不安を取り除く為に。

 

「うぇっ、ひっぐ」

 

「辛かったな。頑張った。もういいんだ。俺以外にも、君には助けてくれる人が居る」

 

暫くして簪は泣き止んだ。

 

「・・・すいません」

 

「なに、大丈夫だ。ところで、申し訳ないんだが」

 

そう言って崇継はキーホルダーを見た後、紙に何かを書き始めた。また、メモ用紙を何枚かとペンを渡してきて、

 

「簪、これから生活するにあたり何か言っておきたい事とかはあるか?」

(この部屋は盗聴されてる。これからは紙に書いてくれ。誰が盗聴してるかわからないからとりあえず俺の話に不自然にならない程度に返事してくれ)

 

話しながら紙を簪にみせた。考えるふりをして紙に書く時間を稼いだ。

 

「え?え、えっと、さっきまで『私』って言ってたのに何で急に『俺』なんですか?」

(分かりました。夜ご飯は食堂で良いですか?)

 

「それは、一応そうした方が良いかなと思ったからさ。でも、意外と面倒くさいんだなこれが。ま、これが俺の素だ。我慢してくれ」

(オッケー。帰ってきたら開発の打ち合わせをしよう)

 

「うし、他に何かあるか?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

とりあえず紙で話す事もなくなったので会話を切る。

 

 

 

 

そしてその後、2人は食堂で夕食をとり、部屋に戻った。

 




次回こそは必ずクラス代表決定戦まで行きたいと思います。
簪はこれで多分惚れたと思います。ヒロインで良いですかね。
追記 描写を一部変更しました
追記の追記 更に描写を変更しました。キーホルダーはマブラヴアンリミテッドザデイアフターのウォーケン少佐が持っていた感じのやつです。革の表面にはUK−44 Tactical Armored Battalionと書いてあります

【挿絵表示】

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