マブラヴ大好き青年が行くIS世界   作:王選騎士団

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今回でクラス代表決定戦は終わりになります。


15話

試合が終わり、崇継は控え室に戻った。すると、丁度一夏のISが運び込まれたらしく倉持のスタッフが部屋から出ていった。それを見送る事もなく崇継は部屋に入った。

 

「ようやく届きましたか。全く納期すら守れんゴミ共め」

 

「だが彼らがここまでしたのは分からんでもない。ただでさえ男性操縦者用の機体と言う事に加えて束が作った物だからな。解析しようとしたんだろう」

 

「・・・なるほど」

 

確かにそれは魅力的だ。もし篠ノ之束が本当に手を加えていたのであれば、まず確実にそこら辺の技術を軽々凌駕しているだろう。倉持でなくとも目が眩むのは当然だった。

 

「では、そろそろ戻って良いですか?人を待たせてるので」

 

だがその前に簪と約束していたので、さっさと戻りたい崇継は織斑先生に言外に戻らせないなんて言わねえよな?と含ませて言った。織斑先生は特に気にする様子もなく良いぞ、と言ったので一夏に頑張れよ、と言って先生に一礼してから観客席に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

Side 簪

「つぐつぐ凄かったねぇかんちゃん」

 

「うん」

 

観客席では私と本音が話していた。もちろん話題は先程の試合だ。はっきり言って崇継さんの機動制御技術は世界でも上から数えた方が早いと思う。でも、あれ程の機動制御技術を持ちながら何故クラス代表に立候補しなかったんだろう?

 

「それは私が大人だからさ」

 

ザワザワ・・・

 

崇継さんが戻ってきたらしく周りの生徒達はざわついていた。一方私は疑問が口に出てしまったのだろうか、と焦り立ったままの崇継さんを見るが、そんな私を見た崇継さんは苦笑しながら答えてくれた。

 

「今もそうだが、顔に出ていたよ。そんなに焦る必要は無いけどね。何でクラス代表にならなかったのかっていう問いの答えは私が大人だからさ。そんなにおかしいかい?」

 

気づけば周りの生徒達も聞き耳を立てている。そんな中で私は首を縦に振り、分からないので詳しく、と説明を求めた。今の説明で完璧にわかる人いる?私はわからなかった。崇継さんは頷き座りながら説明し始めた。

 

「ここは皆知っての通りIS学園。一応日本の公立高校なんだよね。で、私は特例として此処に通ってはいるが27歳のいい歳した大人なのさ。それが高校のクラス代表ってのは外聞が悪すぎる。高校生から成長の機会を、経験を奪うのかってね。だから辞退した。ま、ISのデータを一方的に取られるのは癪だったのもあるけどね」

 

なるほどと感心する一方で、ではもう片方の男性操縦者のデータは良いのか?と聞くと

 

「あぁ、そこは別にたいして気にしていなかったな。正直彼に関してはもう少し時間が経ってからの方が良いデータが取れるとは思ったけどね。流石に彼のISが軍用機レベルのスペックだとしても、織斑先生が学園内で軍用機レベルの機体の運用許可を出す訳が無い。それに彼は今初めてISに乗るんだから、なるべく分かりやすく強い敵と戦ってみてほしいのさ」

 

ふーん、崇継さんはあっちの肩を持つんだ。つまんない。

 

「はは、そこを突かれるとどうしようもないね。ま、それはそれ。君の開発も手伝うさ」

 

このタイミングで放送がかかった。

 

『長らくおまたせしました。織斑君のISの初期設定が完了したため、これより試合を始めます』

 

ようやく始まる。私のIS開発を凍結してまで作ったその力、如何ほどか。出来れば無様に負けてほしいが。

 

「・・・」

 

隣を見れば崇継さんは口に手を当て何か考え込んでいる。どうしたんですか、と聞いてみれば

 

「君も知っているだろうがISの最適化処理(フィッティング)には少なくとも15分はかかる。私は試合時間40分に加え設定の為に1()0()()稼げと言われた。そして放送では()()()()()()()()()と言った」

 

「結局、どういうこと〜?」

 

今度は本音が崇継さんに質問した。崇継さんは本音の方を見て仕方ないなと言わんばかりだったが。

 

「つまり。彼は一次移行(ファーストシフト)すらしていない状態で試合に臨もうとしている。恐らくだけどね」

 

絶句した。私の開発を凍結しておきながらこの時間に至って未だ一次移行(ファーストシフト)すらしていない?ふざけているのか。

本音は呑気にいっちーすごいね〜なんて言ってるけど、すごいとかそういうレベルじゃないから!

 

「ま、どうなるかはこれからわかる。ほら、来たよ」

 

アリーナに目を向ければ両者機体が空に留まり何か喋っている。恐らく個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)を使っているのだろう。と思えば今度は崇継さんはブツブツ小さな声で何か言ってる。今度はなんだろう。

 

「『ハンデはよろしいのですね?』『あぁ!崇継さんだって無しで戦ったんだろ。俺だって男だ!やってやるぜ!』ってさ。あ〜あ。自惚れないよう言っとけば良かったかな」

 

これはひどい。もう帰ろうかな。て言うか何で聞こえるの?

 

「・・・まぁボコられるのも経験だ、とは思うが。もし彼のISに特殊兵装の類のものが積んであったら何が起こるか分からない。来月らへんには専用機同士のトーナメントがあるんだろう?情報はあって損はない。一応見ていこうじゃないか。」

 

・・・・・・。

 

「・・・・・・」

 

・・・・・・。

 

「・・・・・・」

 

・・・分かりました!見ます!

 

「ありがとう」

 

結局押し切られてしまった。仕方ない。あれだけじっくり見られたら拒否出来ないと思う。・・・見るからには、ちゃんとデータを取らなければ。だから、ちゃんと試合らしい試合をしてよ。

 

『試合、開始!』

 

 

 

 

 

 

試合は一方的だった。オルコットさんがレーザーライフルやビットで織斑を撃ち、織斑はそれを避けるだけ。試合が始まる前から結果は見えていたとは言え、それでも少しがっかりした。だと言うのに、先程から崇継さんはずっと座ったまま前傾姿勢で見逃さないよう静かにしている。何か考えているのか、手を口に当てている。視線をアリーナに戻してからはぁ、とため息をつくと、崇継さんは小さな声で呟いた。

 

「・・・やっぱりか」

 

その言葉に反応したのは本音だ。

 

「どうしたの〜?」

 

「いや、何でもない。それよりしっかり見ておきな。()()()()()

 

何の事ですか?と言おうとした瞬間、アリーナがざわついた。何事かと思えば、織斑のISの形がさっきと違う。まさか!

 

「そう。私の予想はあっていたという事さ。これから本領発揮・・・と言いたいところだけど、どうなるかな」

 

まさか本当に一次移行(ファースト・シフト)すらしていない状態で専用機持ちと戦っていたのか。でも、崇継さんの言葉尻には不安があった。どうしたんですか?

 

「・・・一夏君のISの装備、恐らく手持ちのブレードだけだ」

 

え!?

 

「いくら一夏君とはいえブレード1本だけで戦うなんて無茶はしないだろう。でも、彼は今実際に無茶している。と言う事は」

 

装備があのブレード1本だけ?

 

「ああ。そして彼の身近には同じ武器構成で世界一を獲った人がいる。この事から予想できる一夏君のISの特性は・・・」

 

織斑先生と同じ、ってことですね。

崇継さんはアリーナに目を向けたままうなずいた。

 

「だがはっきり言ってあれは織斑先生だから。彼女がISの操縦者としてのレベルと能力に対する理解が尋常じゃなかったから使いこなせたんだ。今の彼には恐らく無理だ」

 

でも、今はその織斑がオルコットさんを追い込んでいる。

あ!オルコットさんがやられる!

 

「いや。この試合、一夏君の負けだ」

 

え?と思う前に、試合終了のブザーが鳴った。

??????

 

「はは、じゃあ帰り道が混む前に先に寮に戻っているよ。考え事があるなら、なるべく早めに解決しておいた方が良いからね。分からなかったら聞いてくれ」

 

それじゃ、と言って崇継さんは先に戻ってしまった。他の観客もあ然として、何が起こったのか理解出来ないでいる。例外はそもそも考えていたいないだろう本音と崇継さんだけだ。そして本音に聞いても分からないだろう。崇継さんは先に帰ってしまった。

 

・・・何が起こったの?

 

 

 

 




セシリアについては、アンケートの結果崇継のヒロインになります。これについては次回書こうと思います。

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