マブラヴ大好き青年が行くIS世界   作:王選騎士団

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今更ですが作品の矛盾等ありましたら感想でお知らせください。よろしくおねがいします


17話

Side 3人称

一夏のクラス代表就任から数日。相変わらず一夏は箒にボコボコにされ、崇継は簪の手伝いをする日々が続いていた。崇継はこのままの平穏が長く続いて欲しいとは思うが、そうならないことを最もよく知っていた。

その日も簪と朝食を取ってから教室に行くと、クラス代表対抗戦も間近なので、相変わらず一夏に勝てると言う生徒達が群がっていた。この前も書いただろうが、崇継は胡散臭いと思っていた。だけど応援するのが悪いことではない。良く言ってしまえば人脈づくりとなるが、悪く言えば媚を売っている、と崇継は受け取ってしまう。額面通りに受け取れないのが崇継の軍人としての性だ。だが、この日は数日ぶりにクラスに火種が放り込まれる事となる。

 

「大丈夫、勝てるわ!」

 

「あ、ありがとう」

 

「そうそう、専用機持ちっていないらしいし!」

 

スパァン!

「その情報、古いよ」

 

一夏が囲まれていると、崇継の後ろの扉が開き、そこには腕を組んで仁王立ちしている背の低いツインテールの少女がいた。いかにも自身満々といった感じで一夏を見ている。

 

「なんたって、この私がクラス代表になったからね!」

 

そう、この少女、凰鈴音は先程クラスのティナ・ハミルトンに直談判してクラス代表の座を譲ってもらったのだ。そうまでしたのは一夏に恋しているがため。彼にいいとこを見せるため。彼に会いたいがため。

そんな事はつゆ知らず、いや知っていても一笑に付したであろう我らが朴念仁は相変わらず素直で、思ったことをそのまま発言をしてしまう。

 

「な、何してんだ、鈴?似合ってないぞ?そういうの」

 

「わ、悪かったわね、似合ってなくて!それよりも、クラス代表対抗戦、私が勝つから!」

 

「俺だって負けないぜ!なんたってこっちには崇継さんが付いてるからな!」

 

またまたデリカシーのない発言をする一夏。鍛えてやっているのに名前すら出てこなかった箒は不機嫌になり、人を簡単に殺せるのではないかというほどの眼力で崇継を睨んでいた。

当の崇継はまだ一度も特訓に参加していないにもかかわらず巻き込まれたことにもはや心が死んでいた。篠ノ之からは睨まれ、オルコットからはキラキラした目で見られている。鳳と一夏の会話は聞いていたが、どうしようかと悩んでいると、そこに救世主が現れた。世界最強の担任、織斑千冬である。

それに気づかない鳳は崇継を一瞥すると

 

「ふ〜ん。ま、いいわ。せいぜい頑張りなさい。千冬さんに怒られないようにね」

 

「ほう。貴様は私が今貴様に対して怒ろうとしているとは考えていないのか?」

 

「え!?ち、千冬さん!?」

 

一夏や箒からは織斑先生が見えていたので流石に不用意な発言はしなかったが、気づいていなかった鳳はペラペラ饒舌に語ってしまった。もちろん、その程度で織斑先生は怒らないが、脅しはする。鳳に教室に戻るよう言いつけると、鳳はまた来るわ!と言い残して戻っていった。

再び教室の注意は一夏に向くが、ホームルームが始まったので、先程の追求はホームルーム後となった。

 

 

「まったく……面倒なことに巻き込んでくれる」

 

 

 

 

ホームルーム後、予想通り一夏の周りにはクラスメートが群がり、先程の少女について聞いているようだ。本人は答えようとしているが周りが発言させてくれない為収拾がつかなくなっている。

崇継はそれを眺めてあくびをし、ため息をついた。これからどうするかも考えなければならない。するとオルコットが崇継に近づいて、口に手を当て上品に笑いながら崇継の隣に来た。彼女も一夏を見やると勝ち誇ったように崇継に話しかけた。

 

「結局、どうなさるんですの?一夏さんがあそこまで高らかに宣言なされたというのに、その信頼を無碍になさるわけにはいかないでしょう?」

 

彼女は問うように言ってはいるが。その実、崇継が出すであろう答えは既に彼女の中にあり、確信を持っている様子であった。どうするのかという質問では無くただの意思確認のようなものであると、彼女の目は雄弁に語っていた。

崇継はそれを理解している。教室の喧騒が止む様子は無いが、正反対に彼の思考は静かに、出すべき答えを出している、()()()()()

 

「……はぁ。全く、このままのらりくらりと回避したかったのだがね」

 

すると、崇継に関しては鋭い一夏がその発言を捉え、バッと崇継の方向を見た。他の女子も、一夏の様子が一瞬で変化したのを理解し、最近ついに言われなくても分かるようになってきた、一夏がこうなる原因と思しき人物を見やる。例外は、4()()だけ。崇継本人、彼と話しながら一夏を見ていたオルコット、正直一夏の事はそんなに気にしていない布仏。そして、不機嫌の絶頂にいる篠ノ之箒であった。

 

「……と、言いたいところだが」

 

?という記号が崇継以外の全員に浮かんだ。オルコットは望んでいた、というか想定していた答えと全く違う答えに動揺が隠せていない。

 

「正直関わるメリットが無い。それに、私は感覚派だ。誰かに教えた経験もない。ので、篠ノ之箒と、このオルコットにこのまま教えてもらってくれ」

 

一夏は膝から崩れ落ちた。他の生徒達もあ然としている。今が好機と悟ったか、篠ノ之箒は一夏にたたみかけた。

 

「だから言っただろう!今日も私が鍛えてやる!」

 

「そんなぁ〜、崇継さぁ〜ん」

 

「いい加減アイツに頼るのはやめろ!男が助けを求めるなどだらしない!」

 

「だってさ。悪いね一夏君。この前も最低限戦えていたと思うし、このまま頑張りな」

 

そんなところで先生が入ってきたので授業が始まり、この話は一旦打ち切られた。

 

 

 

昼、食堂にて崇継は昼食を取っていた。いつもは簪と一緒だが今日は珍しく一人だ。というのも、この前簪から話があった視線についてこう彼女に話したからだ。

どの生徒も一律に自由になる時間に、2人が別々のところに行く。その際に簪が視線を感じたら簪だけを観察?していることになるだろうし、もしかしたら簪に直接話しかけて来るかもしれない。逆に、崇継が目当てなのであれば、崇継の方に矛先が向くだろう。そう言ったのだ。

そういう訳で今は一人で食べている。いつも一緒にいるはずの者がいないからなのか周りの女子はヒソヒソ話し合っている。が、先日のクラス代表決定戦での出来事により、少し近寄りがたいようだ。そんな中、食堂の出入り口が騒がしくなった。理由は言わずもがな、一夏である。

 

「待ってたわよ、一夏!」

 

またもや仁王立ちして腕を組んで待っていた凰。一夏は箒と一緒に来ており、少しげんなりしていた。その為、返事も少しおざなりになってしまった。

 

「はいはい、ここじゃ邪魔になるからさっさと行こうぜ」

 

「わ、分かってるわよ!」

 

そう言って食券を買う3人を、崇継は観察していた。もちろんたいしたことが無いのはわかっていたが、学生とはいえ軍属扱いの代表候補生。どれほどの身体捌きかと観察したが、なんのことは無い。少し鍛えただけ、というのは彼女たちに失礼であろうがただの高校生だった。

すると、その視線に目ざとく気づいた一夏。崇継と目を合わせ、顔色が良くなった。それを察した一夏の幼なじみ(取り巻き)達は不機嫌に、学生達は腐の雰囲気を感じ取り色めき立った。料理を受け取った一夏は崇継の机に直行し、料理を机に於いて座った。崇継の席はたまたま空いていた4人がけの、四角形の一辺に1人の椅子がある、という席だったのだが、一夏は崇継の正面に座った。この時点で崇継は逃げられないことを悟ったが、更に右に篠ノ之、左に凰と完全に逃げられなくなった。すると、凰は崇継を見て一言。

 

「……モヤシね」

 

空気が凍った。周りの生徒達も、一夏も。篠ノ之は少し感心し、崇継は視線を凰に向けはしたが何もしなかった。

周りの空気は理解したがそんな事で彼女が止まるはずも無かった。次々と言葉を発していく。

 

「如何にも縦にしか伸びなかった、って感じ。顔はそこそこだけど冴えてる訳じゃないし、その貼り付いた笑み、なんか胡散臭いわ。それに、アンタのISって全身装甲(フルスキン)なんでしょ?やましい事でもあるわけ?」

 

一夏を含めた生徒達は、崇継を煽るような発言もそうだが、崇継が何もしない事に最も恐怖を抱いていた。これから何が起こるのかと。そもそも、何もしないのは何も出来ないほど怒っているからではないのかと、そう思っていた。例外的に、篠ノ之だけはもっと言ってやれと、お茶を飲んでいた。

 

が、当の本人はと言えば。

 

(ほぉ、出会ってこれほどの短時間と先日の情報でそこまで至るとはね。直感だろうが、侮れないな。素晴らしい。流石は代表候補生、といったところか。)

 

と素直に感心していた。己の本質を上っ面とはいえ見抜くとは。

笑みは社交で必要だが、実際は相手に動揺したことや驚いたことを見抜かれることを避けるため。また、相手のペースを崩すためのブラフ。全身装甲(フルスキン)なのも、もちろんやましい事があるから。メインは顔を見られないためだが、と頭につくが。

そんな事を考えていれば、一夏がついに動いた。

 

「お、おい鈴!流石に今のは良くないぞ。崇継さんに謝れよ」

 

「な、なんでよ。私は思ったことを言っただけよ。それに、これに反応しないって事はそれこそ本当のことなんじゃないの〜?」

 

「ッ、りn」

 

「なるほどね」

 

「「!」」

 

一夏と凰がヒートアップしたところで、ついに崇継が口を開いた。他の学生達も何を言うつもりなのかと、ビクビクしている。が、本人の口から出たのは予想だにしない事だった。

 

「確かに。全くその通りだよ、凰鈴音。君が最初だ、そこまで気づいたのは。その洞察力は尊敬に値する」

 

「そ、ありがと。で?アンタが一夏に近づいたのは、アンタもデータ取りかしら?」

 

凰は視線をキツくして崇継に質問した。その目は暗に言っていた。一夏の敵になるなら容赦しないと。崇継はあえて答えた。

 

「くれるのかい?なら喜んで貰うよ。でも、君は要らないのか?」

 

「…ッ」

 

歯を食いしばる凰を尻目に、崇継は一夏の方を向いた。これから話す内容は、今話すのが最も良いタイミングだと理解したから。

 

「一夏君。これからこの学校には君のデータを取ろうとしてくる輩が、彼女を含めて、大勢来る。これは、確実だ」

 

「え…?でも、鈴は」

 

「恐らく彼女がここに来たのは君のその、さっき言っていた言葉を借りればセカンド幼なじみ、だったかな。彼女が君の知り合いだからさ。何も知らない人同士が1から関係を築くより、ある程度の関係がある人を送り込んだ方がやりやすいということだ」

 

ここで再度崇継は凰に視線を向け、それにつられて一夏も鈴を見た。

 

「彼女がこうやって何も言葉を発しないのも、一応はそれが事実だからさ。でもね一夏くん。ここで大事なのは、それが()()であるということ」

 

「一応…?」

 

「あぁ。彼女がここに来る為の条件はさっき言った通り君のデータを取ることだったろうが、彼女は彼女の意志でここに来た。これから来るであろう者たちも、ここには大半の人が自らの意志で来たのだろう。だからこそ、その意志は尊重してやってほしい」

 

「分かりました……鈴」

 

「…なに」

 

先程の話で一夏に嫌われたと思ったのだろうか、凰は先程までの元気が嘘のように落ち込んでいた。一夏はそんなことは気にしないとばかりに笑顔で鈴に向いた。

 

「そんなに落ち込むなよ。俺はそんな事で怒ったりしねぇって。それに、鈴は俺に会いに来てくれたんだろ?嬉しいぜ」

 

「…本当?」

 

「あぁ、だから元気だせって」

 

「うん!」

 

「それじゃ、私は教室に戻るよ。ちなみに、あと5分で次の授業が始まる。急ぎなさい」

 

えぇ〜ッ!という声を背に、崇継は食堂を出ていった。

 




崇継のキャラがブレブレだぁ…。本当は余裕綽々のヨン様みたいなのにしたかったのにぃぃ!
ちなみに今の崇継は原作の大体の流れしか覚えていません。キャラは主要キャラたけ覚えています。

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