午後は運用チームの人達と合流した。既に第1回モンド・グロッソの開催が決まっているらしいので、最近は訓練と運用兵器の研究開発を並行して行なっていると教えてもらった。隊員に囲まれながら話しているとララーシュタイン大尉が人混みをかき分けてやってきた。
「斑鳩曹長、ISを着用しての訓練は後でやるのでこれから生身での訓練になるがどうするかな?」
生身での訓練。武術の心得(クラヴ・マガ)ならあるけどなぁなんて思っていたら後ろから殺気のようなものが飛んでくるのを感じた。
「斑鳩曹長!」
誰かが俺の名前を呼んで危険だと伝えようとしているんだろうが別に何てことはない。右に首を傾け、飛んできた手を掴んで引っ張りつつ自分の体も相手に向けて勢いをつけてお腹に蹴りを入れた。ちょうど相手は腰のところで折り畳まれそのまま地面に倒れた。そうすると隊員達がざわめいた。
なんか騒がしくなったな。あれ?そういえば俺ツェルべルスの隊員に囲まれてるのに何で攻撃されてんだ?そう思って下に目を向けると金髪の女性?少女?が倒れていた。・・・俺、もしかしてやらかした?
「あ、あの〜大尉?」
恐る恐る大尉の方を見ると、大尉はため息をつきながら目元を押さえていた。他の隊員たちは驚き半分、呆れ半分といった感じだ。ただブラウアー少尉だけは100%驚きの感情だった。
「・・・いや、斑鳩曹長、君に非はない。我々が止めるべきだった。流石に初めて会う人に攻撃するとは思わなかった」
他の隊員達も大尉に同意する。
「その口ぶりから察するに大尉や皆さんはもしかして・・・?」
「「「「「ハァ〜〜〜〜〜」」」」
「あっ・・・(察し)」
みんな過去を思い出したのかやつれてしまった。なんか申し訳ねぇ。
「ゴホン。ま、まぁともかくまずは少尉を医療室へ連れて行ってくれ」
隊員達は数人がかりで少尉をゆっくり持ち上げて部屋を出ていき、残ったのは俺とララーシュタイン大尉、ブラウアー少尉、あとは数名の隊員だけとなった。
「どうしましょうか・・・」
「うむ・・・」
2人で悩んでいるとアイヒベルガー少佐とファーレンホルスト中尉、そしてあともう2人が入ってきた。
「あっ少佐!お疲れ様です!」
俺の言葉に全員が振り返って敬礼すると、入ってきた4人も敬礼で返してくれた。ふと、少佐が何かに気づいたのか当たりを見回す。
「・・・他の者達はどうした?」
少佐の質問に冷や汗を流す俺。だって勤務初日にいきなり人を蹴って気絶させましたとか言えるわけなくね!?言えるやつがいたらそいつはかなりやばいと思う。
「曹長?どうしたんですか?」
「は、はひっ」
中尉が急に俺のことを呼んだので焦るあまり噛んでしまった。それはそれとしてこれは終わったな。中尉、なんか確信を持って俺を見てるもん。だがここで天は俺を見放さなかった。大尉が代わりに説明してくれたのである。めちゃくちゃ苦虫を噛み潰したような顔をしてだが。
「中尉。ここは私から。・・・と言っても、いつものことですが。ただし今回は曹長の方が上手だったらしく、一撃でやられていました」
大尉の発言に先程の4人も驚いてるよ。そんなにすごいのか、
「なるほど、事情は分かった。先程に加え、隊員が失礼を働いてしまった。申し訳ない曹長」
「大丈夫です少佐。・・・ところで少佐は何故こちらに?」
「あぁ、曹長には説明していなかったか。ISを実際に起動、運用する場合は必ず責任者、今は少佐だが、がいなければならない。なので少佐には毎日この時間にここに来ていただいている」
「そういう事だ。だが曹長がある程度ここでの業務に慣れたと判断したら、曹長には技術顧問として私の代わりに責任者として参加してもらう。いいな?」
「了解です!」
俺やっぱ責任重いな。だがやってやる。
「では曹長、彼女たちを紹介させていただきます。ヘルガローゼ・ファルケンマイヤー少尉とルナテレジア・ヴィッツレーベン少尉です」
少佐と中尉以外の2人に目を向ける。
「初めまして。これからよろしくお願いします」
「「よろしくお願いします!」」
うん、2人ともいい返事だ。彼女たちは
「あの、曹長。質問よろしいでしょうか?」
「俺が答えられる範囲内で良いなら」
「では、どうやってイルフィ、いえフォイルナー少尉を?」
倒したのですか?と聞きたいのだろう。別に減るもんでもないし答えるけどね。
「あぁ、俺と話す時は公の場でない限りは砕けた話し方で構わない。それで、フォイルナー少尉を倒した・・・気絶させたの方が正しいか?だが、別に大したことはしていない。飛んできたパンチを避けて掴んで引き寄せて蹴りを入れただけだ。・・・でもなぁ、ちょっとやり過ぎちゃったかな〜。ねぇ、どう思う?」
「そうですね・・・まぁ
「そうか〜ありがとなぁ」
素直に感謝の気持ちを伝えた。
「曹長。そろそろ今日の訓練を始めないと時間がなくなってしまうのでここら辺で。では2人とも、行きましょう」
そう言って中尉と少尉2人は着替える為に部屋を出ていった。俺たちは先にピットに向かう。
「曹長」
ピットで準備していると少佐と大尉に呼ばれた。なんだろ?
「曹長、君は過去に武術を習ったことがあるか?」
「正式な道場に行ったことがあるか、という意味でしたらありませんが今の自分を保護してくれている人からは習っていました。それが何か?」
今度は大尉が話す。
「そうか・・・。曹長、君は知らないだろうがフォイルナー少尉はこと格闘において我々の中で1、2を争う実力者なのだ。それを曹長はいとも簡単に倒してしまった。そこで、その実力を見込んで彼女たちを鍛えてはくれないだろうか。頼む」
「大尉の言う通りだ。私からも頼む」
そう言って2人とも頭を下げてきた。え?
「それは別に良いんですが・・・俺がやってたのって所詮は制圧術なので使えるか分かりませんけど、それでも良いんですか?」
「構わない。彼女たちには格上と闘う経験が必要だ」
きっぱりと即答された。
「分かりました。人に教えるのは初めてなのであまり期待しないでくださいよ」
そうやって話している間に着替えに行っていた3人が戻ってきたので早速訓練を始める。最初は武器の出し入れの練習をしていた。手元にあるパソコンに逐一データが送られてくるが、凄いな。0.7秒だって。確か原作で0.5秒で出来れば上出来って言っていたからかなりいい方なんだろう。
次は飛行訓練。こちらも飛行時に姿勢がブレていない、綺麗だ。良いなぁ。俺も空を飛んでみてぇ。
最後に模擬戦。1対1の試合を3回、モンド・グロッソと同じルールで行った。現在の強さは強い順にファーレンホルスト中尉>ファルケンマイヤー少尉=フォイルナー少尉>ヴィッツレーベン少尉って感じらしい。
「ふう、これで今日の業務は終わりですか?大尉」
「あぁ、疲れただろう。私もようやく慣れてきた位だ」
なぜ俺と大尉が疲れているのか?そう、訓練が終わった後、俺を仕事の山が待っていたからだ!
使用したISの整備に始まりアリーナの整備、武装等の使用状況の報告書なども書かなければならなかった。これがもう大変で3時間ぐらいかかった。ISの整備は大学で機械をいじりまくっていたおかげで比較的容易に感じた。
「それでは大尉、失礼します」
「ゆっくり休んで明日に備えてくれ」
こうして俺の濃密な軍での生活が始まる
マブラヴバースようやく開始しますね!プラモデルも再販するんで買おうと思います
前回のあらすじいる?
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いる
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いらない