「揃ったな。それでは全員乗車しろ!」
少佐の号令がかかり、隊員達がバスに乗車していく・・・といっても今がどんな状況かわからない方も居ると思うので説明しよう!
現在ツェルべルスは日本にいる。理由はもちろんモンド・グロッソに出場する為。ツェルべルスがイギリスで最初にISの研究を開始し、最も知識と経験値があると判断されたので代表メンバーはツェルべルス全員となっている。モンド・グロッソには様々な部門があるが、
全員が乗り終わった後、すぐにバスは動き始めた。俺は窓側の席で、隣にはララーシュタイン大尉が座っている。皆緊張しているのか少し会話がぎこちなかったりソワソワしたりしている中、俺は結果を知っているためかそんなに緊張していない。現在10時。隊の備品のタブレット端末でニュースを見るが、ほとんどの記事は大会についての記事だった。一応読んでみたがやはり優勝候補筆頭は織斑千冬、次点でヨーロッパ諸国が並んでいるといった内容だった。そうしているうちに会場に着いた。日本によくこんな施設作れたなってぐらい大きな施設だ。感心しながら見ていると運営の人がやってきて、部屋へ案内された。大会期間中はこの部屋で整備や作戦会議を行うように、だそうだ。
「全員荷物を置いて整列。直ぐに開会式だ」
少佐の指示に従って荷物を置いて、全員が並ぶ。国ごとに並んで出て行くらしい。まるで甲子園の開会式みたいだ。主催者と日本の現総理大臣の挨拶、開会の宣言がなされて大会の幕が開けた。
初日は午後から試合となっていて、いきなり格闘部門が行われる。今大会の参加国はアラスカ条約に加盟している18ヶ国だけなので各部門2日ずつに分けて行う事になっているそうだ。昼食は各自で取った。
そして、午後。試合開始直前まで俺はISの動作確認、点検を行っていた。いかにISに搭乗者の保護機能があってもISそのものに異常があったら意味がないから。格闘部門に出場するイルフィは既にISスーツに着替えて、隣で最後の調整を行なっている。
「・・・ふぅ。私ができるのはここまでだな」
「何言ってんの、十分でしょ。・・・やっぱりアンタ、私って言う方が似合うわね。少佐に感謝しなくちゃ」
イルフィ(こう呼ぶように本人に言われた)は試合と関係ない事を言っているが、こういう時は本人が緊張しているのでいちいち注意はしない。そうしているうちに他のメンバーも入ってきて、イルフィに一声かけて行く。
「少尉、大丈夫。この1年間の訓練を思い出して。あれに比べれば何てことは無いわ」
「頑張れ」
「頑張って」
「頑張ってくれ」
中尉、少尉2人、大尉も声をかけて出て行く。残っているのは整備班のメンバーだけ。
「イルフィ、頑張れよ」
「モチロン。すぐに戻ってくるわ、勝ってね」
そして彼女の試合は始まった。が、これといって苦戦することもなく勝利した。
1日目、最終試合。
予想というか原作知識通りブレードオンリー。適度な緊張を保ちつつリラックスしているという試合に臨む時の最善の状況だ。対する選手も武器を構えてはいるが会場の雰囲気に呑まれている。そもそも勝ち筋が無いようなものだがこれで決定的だな。試合開始のカウントが始まる。その時、隣に座っている少佐が口を開いた。
Side 3人称
「曹長。今回の試合、そして大会。誰が勝つ」
「「「「「「5!」」」」」」
「そうですね。私見で良ければ」
「「「「「「4!」」」」」」
「その私見が聞きたい」
「「「「「「3!」」」」」」
「彼女、織斑千冬が優勝するかと」
「「「「「「2、」」」」」」
「やはり曹長もそう思うか・・・出来れば、
「「「「「「1!」」」」」」
「やはり、こればかりはどうしようも無い、覆しようのない事実でしょう。そして・・・・」
「「「「試合ッ開始ィ〜ッ!」」」」
試合開始の合図と共にブザーが鳴り響く。その瞬間、
「
少佐やそれを聞いていた隊員達が崇継の発言を疑問に思い口に出そうとするが、崇継がそう言い終わると同時に試合終了のブザーが鳴った。先程出て行った
崇継は会場の外への通路を歩いていた。
(うん、現在の時点で織斑千冬に勝てる人はいない。一応ここまでは原作通りだ。にしたって機体の性能も違いすぎる)
「ちょ・・、ねぇ」
(流石・・・と言いたいところだが技術者としてはあれ以上のモノを作りたい。
「ちょっと!」
「うん?」
崇継はようやく自らに声をかける存在に気がついた。下を見ながら考え事をしていたため、少し目線を上げるだけで相手を確認することができた。が、その相手が相手であった。
(ベ、ベルナデット・ル・ティグレ・ド・ラ・リヴィエール大尉・・・いや少尉?そんな事今はどうでもいい!ツェルべルスの人が居たからもしかしてと思ったが本当にいるとは・・・ありがとう神様!)
何を隠そうこの転生者、マブラヴシリーズの1番の推しがベルナデットなのである。だが、推しに会えた喜びにより逆に1周したのか冷静でいられた。
「申し訳ありません、考え事をしていて気がつきませんでした。私に何か御用ですか?」
「えぇ。あなた、イギリスのメンバーよね?」
「はい、そうですが」
「あなたの事が気になってね。あなた、さっき試合結果が出る前に出て行ったわね。あれはなんでかしら?」
もちろん原作知識によって結果を知っていたからなのだが、そんなことは言えない。足りない頭をフル回転させていい感じの理由を探す。
「・・・あの加速技術が見れたから、ですかね」
「そう。でも、もしかしたらあの後に別の何かがあったかも知れないわ。そのことは考えた?」
「・・・一応は考えました。ですが、その別の何かを使う状況は主に2つ。それを使わざるをえないほど切羽詰まっている時か、それを見せつけたい時です。しかし、織斑千冬にはあの加速技術がある。まず間違いなく前者のような状況にはならないでしょう。そして後者ですが、彼女は力を見せつけるような人間ではないと思いました」
「ふ〜ん。・・・合格ね。アンタ、面白いわ」
「お眼鏡にかなったようで光栄です。ところで、今更ながら名前を教えていただけますか?私は斑鳩崇継です」
一応知ってはいるが本人から聞きたいので聞いてみた。すると、彼女は躊躇なく教えてくれた。
「ベルナデット・ル・ティグレ・ド・ラ・リヴィエールよ」
「よろしくお願いします、リヴィエールさん」
「えぇ、よろしく。でも、勝ちは譲らないわ。勝つのは
「はは。
「楽しくなってきたわ。それじゃ、今度は敵として会いましょ」
「えぇ。楽しみにしてます。それでは」
そう言って2人は別れた。崇継は自分を追いかけてきた隊員達と合流して、宿舎へ戻った。ちなみに彼は帰りのバスの車内で微笑をたたえている姿が目撃されているが、この時彼は
(推しにライバル認定されちゃった〜嬉し〜な〜)
なんて考えていたそうな。
今回も読んでくださりありがとうございました。下に(あれば)アンケートも是非お願いします
前回のあらすじいる?
-
いる
-
いらない