新版:とある狩人の指揮官生活   作:ダンちゃん1号

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【狩猟開始】:赤き飛竜、襲来

ユートがアイリス・ヴィシアに保護されてから1ヶ月。何にもない平和な日々が続いていた。

普段は体を鈍らせない様に重戦闘訓練を行っている

そんな中───

 

「暇だなぁ…」

「……貴方、戦場と無縁だものね」

 

暇を弄ぶ男が一人。

ユートである。KAN-SENでも何でもないこの世界では一般人に等しいユートは、文字通りの意味ですることがない。

監視役のダンケルクはリシュリューとジャン・バールの下で何かしらをしており不在。

いつもならダンケルクにお菓子をたかりに来る子供達も委託で不在。

いつもなら組手の相手をしてくれる護教騎士団達もリシュリュー達の元に行っているのでほとんどが不在。

唯一不在じゃないのは護教騎士団所属のアルジェリーだ。

誰かしらが業務を行ったほうが良いという判断をアルジェリーが下したからだった。

もちろん、業務を行っているため簡単な話にしか答えてくれないアルジェリー。

監視役のダンケルクが居ないために天上天下無双刀の素振りができず、ただ、フカフカのソファに体を預けているしかない。

肉を焼いて食べようにも室内に煙が籠るためにできない。

結果――――

 

「アプトノス…スクアギル…ルコディオラ…ラヴィエンテ…テオ・テスカトル…だぁーッ!続かない~!」

 

一人モンスター名しりとりを始めていた。

メゼポルタという地域の付近に生息しているモンスター名をあげても五回ほどしか続かない。

 

「…なにやってんだか」

 

急に虚無感に襲われて、頭を抱えたくなった。

ユートが暇という以外には余りにもなんの変哲もない日常。

 

 

 

しかし、事態は急変する。

 

『ゴァアァァァアアァァッ!』

 

モンスターの咆哮が、海を震わせた。

 

 

 

「――――ッ!?」

 

会議中、唐突にそれは、母港中に響き渡った。

数多の戦いを経験した彼女たちに()()()()()()()()()()を感じさせる咆哮が襲い掛かる。

 

「なんですか…!?これは、一体…!」

 

その瞬間余りの恐ろしさに反射的に耳を塞いでしまった。

 

「なにが―――」

 

ジャン・バールはいち早くその耳を塞いだ状態から復帰。状況の確認を急ぐ。

しかし、状況は思わぬ方へと転がっていく。

 

『ジャン・バール!彼が一人で()()に立ち向かっていったわ!』

 

アルジェリーがユートが一人で飛び出して行ったというのだ。しかも得物(天上天下無双刀)を持って。

 

通信と同時に外に設置してあるカメラを通じた映像が入ってきた。

そこに居たのは。

赤き、空の王者としか形容しがたい威厳を持った生物と、勇猛果敢に立ち向かう狩人の姿だった。

 

 

咆哮を聞いた途端、ユートは走り出していた。

気づけば砂浜で太刀を構え、火竜を迎え撃っていたのだ。

そんな中―――

ユートは自分の存在の大きさにようやく気が付いた。

いま、この場に目の前の火竜に対抗できる者は自分しかいない。

だから、やらなければならない。

 

「うおぉぉおぉぉおおおぉぉぉ!」

 

いつものユートとは比べ物にならない気迫と共に振り下ろされた一撃は火竜の頭部を捉えた。

そのまま刃先を甲殻と甲殻の間にねじ込むように突き、そして振り上げる。

そして振り上げた刃を再び叩きつける。

そして、一度距離を取るために切り払いながら後退した。

 

「ふうっ…」

 

一息入れるとまた、前に踏み出し、斬りつけ、突き、切り上げる。

一撃一撃の全てに全身全霊をかける。

そうすることによって刀身に気を溜めるのだ。

それが"練気"―――太刀使いがまず会得する技である。

しかしどれだけ練気ができたか。それは感覚でしかない。

 

「後一撃…ッ!」

 

だが、太刀の扱いに慣れた者ならばその感覚が絶対の指標なのだ。

突進してくる火竜に巻き込まれないように切り払いながら横にステップ。

一撃を加えると同時に火竜の背後を取る形になった。

 

「今なら…」

 

勢いを殺さぬように大きく前へと踏み出しながら一閃。

その一撃は火竜の足に直撃する。そのまま、練気を解放。手元で小さく左右に払ってから大きく振りかぶって叩きつける。

そして、太刀使いの大技である"気刃大回転切り"を敢行。

 

「でりゃああぁぁああぁぁぁ!」

 

気を解放させた一撃は火竜の足を捉えた。

片足を集中的に攻撃された結果火竜はバランスを崩し転倒。

一方、ユートの天下無双刀の刀身は白く輝いていた。

気刃大回転切りは刃に込めた気を昇華させるのだ。

そして、昇華し、刃の輝きとなった気は武器の威力を上昇させる。最近、ドンドルマに普及してきた技術だ。もともとはロックラックやタンジアの港で使われていた技なのだが。

しかし、火竜もただでやられる訳ではない。

 

『ゴァアァァァアアァァ!』

 

一度声を上げるとブレスを放ち勢いのままにバックジャンプから滞空する。

 

「ぐッ…」

 

火竜のブレス―――火球を諸に喰らってしまいゴム毬のように吹き飛ぶユート。

建物の壁に衝突し、体中が痛み出す。

さらに防具に火が着火。

暑さでじりじりと体力が削られていく。

 

「ッくそ!」

 

なんとか、転がって鎮火に成功させたユート。

そのままポーチに突っ込んである回復薬グレートを一本飲み干した。

 

「…やっぱ鈍ってるなぁ…」

 

ひと月も狩りをしていなければ動きは鈍る。それを当たり前のように受け入れて―――

 

「…さてと、やりますか。」

 

改めてユートは天上天下無双刀を構えた。

 

これより、始まるのは命の奪い合い。

勝つのは果たして――――。

 

 

 




なんかあれなんでリオレウス突っ込んだよ!


ユートは無事に母港を守り切れるかな!?
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