沸いたネタで、クモ娘ちゃんやら転スラみたいなヤツを書きたくなったので無謀にも執筆開始w
よくある人外系異世界転生モノを私が書いた場合はこうなります。
パロディやオマージュも満載します、多分やりたい放題やるわ!(確信)
私は転生者だ、それは間違いない……
何せ常日頃から前世(現代)の知識が頭の中を駆け巡っているから。
私の前世は高校生……しかも「国家の明日を担う優秀な人材を育成する全寮制学園」である『神童学園』で、
……実態はゲームで色々鍛えてる、ただのゲーマーなのにね。
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で、それが何で急に転生者だ云々の話をするかって?
いや、現在進行形で私、転生したんだなぁ~って実感があるからですよ……
長くなるけど、語らないと私自身がやってられないので断行します!
「……今年もかなりの数を確保できましたね、旦那様」
「うむ、今年の霊鳥祭りも例年通り賑やかになるぞ!」
浮上していく意識の中で最初に感じたのは人の話し声、そして真っ暗な周囲、更に時折揺れ動く物に乗せられている気配……もしかして、もしかしなくても「人外系転生」ですかっ!?
大抵こういう異世界転生モノのお約束で、人外系になった場合は最初からclimaxだゼェ!!(某・赤鬼風)みたいな絶望的展開しかないですよねぇ?!
多分このクッソ狭いのってタマゴか何かの中? 早く出ないとヤバい事にしかならない感じがする! 早く脱出……いや、
やっとの思いで暗くて狭い場所から脱出……やっぱりタマゴだった。
そして私の姿はというと……
(……マジ、ですか……誰か……誰か、間違いだと言ってよぉ~~~!!)
そう、霊鳥祭りという単語で察するべきだった……今の私の姿は「鳥」なのである。
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はい、それはもう必死こいて載せられていた荷馬車からも脱出しましたよ……
幸い鳥の癖にスタミナ凄くてジャンプ力があったので、木箱やらカゴやらベ◯リンの壁みたいにデカかった馬車の荷台カゴも飛び越えられましたよ……フゥ~。
(……で、脱出したは良いけど……)
これからどうするかが問題なのです。
人外系転生した主人公が取る道は2つ……成り上がりで強くなり、その過程で人に姿を変える魔法なんかを覚え……最終的には「魔王」と呼ばれる存在とかになってしまう。
そしてそういう場合はお約束の様に「勇者」が現れ、否応無く戦うハメになるのだ……
嫌ですよ!? そんな絶望不可避人(鳥)生なんて!!
なので私も、某・ス◯イム転生みたく「人間と共存」する事を目標にしよう。
でないと絶対「魔王」扱いで討伐されちゃう!
(……しかし、その前に……)
ポッ……ポッ……ポツン……サァァァァァ……
(レッツ、雨宿りッ!!)
鳥類は総じて体温調整が苦手である……一部例外もいるが、基本的には自然界で雨の中でも活動する鳥は少ない。
私の種族も例に漏れず、濡れるのはさすがに苦手なようで……フワフワな羽毛が多少雨粒を弾いてはくれるものの……段々と身体が重たくなっていくのが分かった。
(何処か、雨宿りが出来る場所があれば良いんだけど……ん?)
茂みを掻き分けて行く中、少し開けた場所に小さな人影が倒れている事に気が付いた。
今の私がツバメ位の大きさなので、ほぼ変わらない体格という事は……たぶん精霊とか、妖精系の種族だ。
人外系転生なので、こういう種族も普通に居るのは想像できたが、近付いて見て見ると少々厄介な事情が見えてきた。
倒れているのは多分「精霊」とか呼ばれるタイプの種族……しかも火属性。
この雨の中……倒れているという事は、何らかの理由で力尽きた、または死にかけているという事で……平穏無事に過ごしたい私としては、助けるかどうか……非常に迷う。
(……でも、この
私は前世から、感情移入しやすい傾向である……
転生前に見た「魔王さま改心モノ」アニメで、全種族の恒久和平を目標に頑張る魔王さまに感動し、それを勘違いしたままの人類と再び戦争が勃発……勇者にトドメを刺された直後にその誤解が解けた事で、勇者が激しく後悔するシーンでギャン泣きしたし。
(……助けよう、でないと私のメンタルが後々ヤバい!)
幸い、精霊種族といっても身体に炎を纏っている訳ではないので何とか彼(?)を背負った後……これ以上この精霊が濡れないように羽で雨を凌ぎながら近くの洞窟へと辿り着き、その中で彼(?)の体温が逃げないよう背中に乗せたまま私も一息入れようと休むことにした。
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(……オレは……死んだのか? いや、この感触は生き物の背中だ……助けられたのか?)
体力はまだ回復していないものの、オレの熱量を奪う雨や寒さはほとんど感じない……身体を覆うフワフワな綿毛、いやこれは羽毛か……多分鳥類のモノだ。
精霊や妖精系の種族は寿命という概念が無く、死という概念もない。
だが、属性による優劣によって内包するエネルギーが失われる事で「消滅」する。
彼は火の
精霊種族の中では最強クラスの攻撃力を持ち、単体でも他種族を圧倒する程の力を持っている……だが、最近世界の均衡がおかしくなり、平和だったこの「ミラノの森」でも「魔物」なる連中が闊歩するようになった。
魔物とは、闇の最高位精霊「シェイド」が擁する悪魔達や、通常のモンスター……闇の属性を持つ異人種である魔族とも違い、「次元の狭間」と呼ばれる「何か」から這い出てくる異常な存在……
身体は総じて異形、不定形も多く、言語理解や発語もない……
倒すには武器または魔法によるダメージを与える事だが、再生能力でも持っているかの如き尋常ではないスタミナとパワーを秘めており、全身の7割を焼いても苦しみながら数時間は蠢き続けるほど。
また、生物を取り込む事で回復するため、基本的には取り込まれても問題ない
イフリートは、自身の庇護下の者達が多く住まうこの「ミラノの森」で魔物と遭遇し、森の者達を守るためにも果敢に立ち向かう……が、不意打ちで無視できないダメージを受け、付近に流れていた川の水を戦闘中に浴びせられてしまった為に、大幅に力を削がれて戦闘不能にされてしまったのだ。
幸いな事に精霊種族は存在の違いからか取り込めないらしく、魔物は動けなくなったイフリートに満足して去っていった……そしてあまり時間が経たぬ内に雨が降り始め、消滅寸前の所を助けられたのである。
『ふむ、コイツは……レッサークリフバードか……
臆病だが頭は良い、人間とも共存していると聞く……オレを助けたのは偶然か?』
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背中に乗せていた彼(?)が身
良かった……あのままでもそうだけど、折角ここまで助けようと行動を起こしてその甲斐なく死にましたとか寝覚め悪いもんね。
彼(?)は私の存在を確認して、種族名を口にしてくれた……
ふむふむ『レッサークリフバード』かぁ……
察するに弱小さが目立つけど、知能はある奴ってトコロかな? 個人的にも「賢い」という印象が気に入ってしまった。
『……オレを助けたのは偶然か?』
おや、助かった事に興味を持った様ですね。
ならちゃんとお話しましょうか……
『ん? おぉ、起きたのか! ……あのまま消えるだけだったオレを、お前が助けてくれた様だな、感謝する』
普通に年頃の兄ちゃんみたいな喋り方で感謝を伝えてきた彼(?)……どうやら間違いなく男の子(?)っぽい。
(いえいえ、あのまま見過ごすのは何か性に合わなくて……私の勝手な都合です)
鳥だから喋れないので、普通ならピーチクパーチクにしか聞こえないのだが……彼には間違いなく伝わった様で、意図した返答と
『いや、それでも助かったのは事実だ……その礼と言っては何だが、お前に精霊の加護を与えようと思うのだ……なぁに、我が加護があれば寒さや暑さに強くなれる! 元々寒さに弱いお前達にはうってつけであろう?』
(はぁ……「加護」ですか)
ほとんどのゲームでは、あまり重要視されない項目である事も多い「加護」ではあるが、現実的に鑑みて、対価として貰う事ができるのはありがたくもあった。
(……有用なものであれば何でもありがたいです、お願いします!)
『うむ! では早速……我が威にて、この者に祝福あれ……我が名は「イフリート」なり』
イフリートの言葉に反応し、炎のマナが私の周囲に漂い始める……それも無数に、それぞれ色味の違う赤い光を煌めかせ、私の周囲をぐるりと囲み、その数は更に増えていく……
『……ん? おぉ、そうかそうか……お前達もそう思うか……ふむ、成る程……一理あるな』
イフリートさんはさっきから誰と話してるんでしょうかね?
え? 何処からか彼の意思……言葉が伝わってくる……コレは……え?! 私の周囲に漂うマナの影響? うっわ……感じ方が変わって……ちょ、イフリートさん声デカっ!! もう少し抑えて~っ!!
『はっはっはっ!! どうやらお前も炎のマナに好かれた様だな、オレと同じくマナ自体を認識出来る様になったか』
『え、マナを認識? ちょ、何なんですかコレ!?』
『うむ、それによって自分の意思をあらゆる種族に伝える事が出来る……マナを認識出来る存在のみが使える「念話」という奴だ……種族や言語を越えて使える故、便利だぞ?』
いつの間にか頭の中で言語化したかった事が自分の耳にも聞こえ、私は更に驚愕と興奮に包まれる……彼が言うには、言語の認識や種族の壁をも越え、正しく意思を相手に伝えられるので非常に便利らしい。
確かに……通訳不要、曲解されない、言葉が分からない相手でも分かってくれる……任意の思考を直接言語に落とし込んでくれるというこの「念話」は凄まじく有用だ。
『はっはっは! 最初は誰しもが驚くモノだ、まぁ、すぐに慣れる!』
『……そんなもんですか……』
すっかり元気になったのか、笑いながら『ほれ、もう使いこなしているぞ?』と指摘してくるイフリートさん……あ、こういう感じで良いのか……と、私は無意識の内に使い方を覚えたのであった。
一頻りバカ笑いしたイフリートさん……活力が戻ったのか、私の背中から浮くように離れ、急に畏まった様に口調を変えて話し出した。
『我を救った小さき者よ、此度の助力……誠に感謝する。
我は焔の魔人、火の精霊「イフリート」……我が加護、この先の生に豊かさをもたらさん事を願う』
イフリートと言えば、ゲームでお馴染み火属性最高位の精霊……
このやり取りは形式上なようで、彼の表情は終始新たな友人を見つけた人の様な顔だった。
『……身に余る光栄です』
そういう雰囲気だし、私もその気になって返答を返す……
言い終えた瞬間、足元に魔方陣が浮かび上がり熱量を持たない炎が吹き上がって私の右足に絡み付き……指輪位の小さなアクセサリーへと変わった。
『我からの餞別だ……その
……時にお前の身を守る証ともなろう』
最後にそう言い残して、イフリートは爆炎に包まれ去っていった。
彼独自の転移魔法かな? 派手な爆音するから隠密性は皆無だろうけど……
すっかり雨も上がり、洞窟から太陽の光が眩しい外へと戻る。
とりあえず誰とでも会話が成立する便利スキルと焔の加護を貰えたし、少しはこの先に光明が見えたかな……?
『……さて、善は急げだ! 争わない様に生きるなら、大国とか関係ない辺境の村よね……いっちょ探してみますか♪』
身体は(当然ながら)まだ
前途多難ではあるけど、何だか悪い予感はしない……斯くして、転生で
後書きは主に補足説明や解説をやりますね。
レッサークリフバード
この世界におけるごく一般的な鳥類に属する生物、珍しい「無属性」の鳥。
ツバメ位の大きさで、成長すると種族名まで変わるという「出世鳥」でもある。
高い知能と全身の青い羽毛が特徴で、俗に言う「幸せの青い鳥」と呼んでも差し支えない。
その知能は主にエサや寝床の確保、仲間や他の種族と協力して外敵を追い払う為に使われ、飼い慣らされた個体は人語を理解するほど学習能力も高く、喋れるならば大抵の人間を言い負かす事も出来ると噂されている。
イフリート
ゲーマーにはお馴染みの火属性最高位の精霊。
この世界の根幹を成す4大元素の1つ「
厳格な雰囲気と絶対の覇者たる姿をしているが、その中身は普通に気前の良い兄ちゃん……ムダに声がデカいのが珠に傷。
生命の進化と成長を促し、その加護を得られた者に多大な恩恵をもたらす事で有名……ただし、イフリートは本来「焔の祭壇」と呼ばれる聖地で過ごしており、数々の冒険者や強者が加護を求めて祭壇のある「ミラノ活火山」へと挑むが、彼の眷属や庇護下にあるモンスター達が立ちはだかる為、彼の加護持ちは凄まじく貴重……かつ「加護の効果の一部は配下や仲間にも波及するため」重宝される。
☆ アビリティ「焔の加護」
火の最高位精霊イフリートの加護、火属性魔法や熱量に対する耐性と適応力を獲得する。
また、生物の進化や成長を促進させる波及効果を持つ。
(要は獲得経験値上昇)
なお、幼体の身で受けた場合、その後の能力にも何らかの変化と恩恵がある。
☆ スキル「念話」
マナを通じて任意の思考を相手に理解させるスキル。
受け側に対して最適化されたものが送られる為、相手を問わない超便利スキル。
魔法にも大きな副次効果をもたらすので、魔術師であれば誰もが欲しがる。
一応、相応の努力によって習得も可能だが、その
主人公の能力や設定はもちろん次話……
いつもの様に内容に応じて追記するヤツです。
感想、応援があれば……次回への扉が開く!
皆さんがこの鳥の物語に求めるモノは何ですか?(影響するかも)
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転スラみたいに仲間を増やそう!
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クモ娘みたいな単独で最強化だ!
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成り上がり系の魔王化を目指せ!
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取り(鳥)敢えずカオスにお任せ