鳥です……この度、転生しました。   作:睦月透火

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ついに本格スタートした鳥物語……

ひょんな事でイフリート様から加護を貰ってしまった鳥さんは、安住の地を求めて辺境の村を探すのですが……



第1話 森に住まう者たち

 鳥です……ひょんな事から突然の異世界転生を体験し、何故か最上位精霊「イフリート」様を助けて加護を貰っちゃいました。

 あの精霊(ヒト)、普通に気前の良い兄ちゃんだったなぁ……

 

 んで、ウザかった雨も止んだし、イフリート様から『レッサークリフバードは人間と共存もしている』と教えて貰えた。

 安定生活を求めるなら、やっぱり水準は高い方が良いよね?

 

『……と、言う訳で森を散策しているのですが……』

 

 雨宿りをした洞窟から、かれこれ1時間ほど歩いたんだけど……

 

『 !!  』

 

 そうなのだ、まだ飛べないのはしょうがないとは言え……たった1時間で村を発見するなど不可能である事を今更ながらに痛感した。

 

 ……というか、鳥の歩幅()めてたわ。(´・ω・)ショボーン

 

『……はぁ……この調子だと、村を見つける前に夜になりそう……』

 

 太陽はまだ燦々と輝いてはいるが、先程よりも角度はしっかり変わっていた……サバイバル知識の基礎として、太陽の位置と影の動きで方角と時間はだいたい把握している。

 

『地球時間換算で、今は午後3時ぐらい……かな。

 まぁ、ざっとぱっとだから正確じゃないけど……』

 

 転生なので元の世界にある時計やら何やら……科学の叡智、文明の利器などあるわけもなく、だいたいの感覚という曖昧な奴でしか掴めないのはしょうがない。

 

『……? 声……?』

 

 数匹の犬のような鳴き声と共に、人間の大人の声が聞こえてきた……しかも数人ぶん。

 

「……っ……、~い……トーマス! リディ~! ユーリー!」

 

 口々に名前を呼んでいる声……犬の鳴き声と人間の呼び声が同じ方向から聞こえるという事は、どうやら道に迷った子供達を探しに来た……ってパターンかな? 

 

 犬と人間の声は近付いたり離れたりを繰り返しており、どうやらそう遠くない場所をウロウロしている様だった……

 

『……ちゃんと捜索できてんのかな、アレ……? 何か同じ所をグルグルしてるようにしか聞こえないんだけど……』

 

 また生来の世話焼きが噴出し、私は様子を窺う為に声のする方へ歩き出すのだった。

 

──────────

 

side ???

 

 子供達が薪拾いから戻らない……そう聞いたのは今から30分ほど前。

 

 この『ミラノの森』は比較的穏やかな生物が多数生息し、『火の精霊王イフリート様』が庇護下にした土地でもある……森の東に聳える『ミラノ活火山』に神殿があり、時折冒険者達がイフリート様の加護を求めて、俺が生活の拠点とする村『ラントリウム』を経由地として山に挑んでいる。

 だが最近になって魔物が徘徊するようになり、冒険者や森の生き物達もあまり姿を見かけなくなった……稀に「イフリート様が爆炎を放つ音を聞いた」と、村の見張り役から報告される事もあり、森の治安は段々と悪くなってきている様だった……そしてそんな中の行方不明騒ぎである。

 

 村の主要産業はイフリート様の存在や活火山の恩恵で育まれた『観光』と『温泉』だ。

 

 故に、村は基本的に自給自足をベースにしながらも、最寄りの都『グランゼウム』から来る観光客や冒険者を相手にした商売で生計を立てている者がほとんどだ。

 その為、生活に関わる大半は森で摂るか、買うかの2択となっている……薪なんてのは森に沢山あるので誰もが取りに行く、だが最近の事情もあって、早めに村に帰る様に徹底させていたのに……

 

「……まだ30分程とは言え、最悪のケースも想定して動かんとな……!」

 

 焦るな……まだ日の入りには余裕があるし、魔物は基本的に夜行性だ……

 この昼間に出会ったとしても、活動はかなり鈍く、刺激しなければ子供でも逃げ切れる事は村の皆も知っている。

 

 だが、イフリート様の庇護下であるこの森で、魔物の出現頻度が上がるとは……

 

「リディ、トーマス、ユーリ……無事で居てくれよ!」

 

 ワンワン! ワン! ワンワン! 

 

 犬達が子供の残り香を辿って案内をしてくれている……何となくだが、俺は犬達(コイツら)の意志が分かる……3匹とも俺に協力してくれる様だ。

 俺の飼っている3匹の犬達……元は群を形成する犬型モンスター「シェイプドッグ」の変異種なのだが、親が魔物に殺されピンチな所に遭遇……魔物からも見つけられてしまい、何とかしようと試行錯誤していた所をイフリート様が気付いて俺と一緒に助けて頂いたのがきっかけだ。

 ラントリウムの村長の息子である俺としては、幼体とはいえモンスターを飼う事に抵抗があり、村には「調教師(テイマー)」も居ないので、正直言えば当時はイフリート様に引き取って貰いたかった……だが、何を思ったのかイフリート様は『その子達は主が面倒を見よ』と押し付けて去っていったのである。

 

 理不尽だと思ったさ……村の皆に経緯を説明すると『なんと!? イフリート様に任されたとな?!』と大喜びして俺を「御子」として奉り上げるわ、「調教師(テイマー)」の知識や初心者用スキルが書かれた巻物(スクロール)を準備してくるわ、あれよという間に村専属の「調教師(テイマー)」に仕立て上げられ、ついでに犬達(コイツら)からも懐かれた。

 

「……ダメだ、生き物の気配すら無い……本当にこの辺りなのか?」

 

「足跡を辿ってきたんだ……襲われでもしない限り、近くなのは間違いないだろ?」

 

「レオン、犬達の様子はどうだ?」

 

 子供を捜索している村人3人は、犬を連れて捜索に参加している「調教師(テイマー)」……レオンに意見を求めた。

 彼の配下モンスター「シェイプドッグ」は見た目通り犬系の闇属性モンスターだが、野生でも比較的大人しく、ある程度実力のある「調教師(テイマー)」ならすぐに配下にすることもできる……ましてや、幼体から面倒を見ているレオンが親代わりな事もあって、3匹の猟犬達はレオンに対して従順だ。

 

「……どうだ、お前達?

 

 ……そうか、この近辺にはもう居ないらしい。

 匂いは残ってるが、もう少し奥の方に続いてるみたいだ……」

 

 レオンは、体色や模様がほとんど変わらない3匹を見分ける為に、色違いの首輪をそれぞれ付けさせている。

 彼の足元をあまり離れず、常に周囲を警戒しているのが青い首輪を付けた『マーク』……少し離れた位置で地面を嗅ぎ回り、進行方向を誘導している黄色い首輪の『レヴィ』……そして高い身体能力を活かし、他の2匹をフォローしている白い首輪が『エリン』だ。

 

 ワンッ!!

 

 突然、マークが警戒心を露にする……視線の先にはエリンがこっちに走って来て……いや、エリンを追って草むらの中から、緑色の鱗を纏った大きな蜥蜴の様な人間のシルエットが現れた。

 

「り、蜥蜴人(リザードマン)……ッ?!」

 

 そう呼ばれた蜥蜴の鱗を纏う男は、草むらから出てくるとエリンの案内に応じる様に俺達へと接近……ある程度の距離まで歩み寄ると、担いでいた大きな袋を地面に降ろし……中から3つの()()を大事そうに取り出した。

 

「……? ッ?! ユーリ、トーマス……リディ?!」

 

 3人の子供は気絶しているとはいえ、目立った傷もなく……ただ眠っているだけらしい。

 

『コドモ……アシ、ヒネッテル……ミテヤレ』

 

 子供達を運んできた蜥蜴人はその場から少し離れ、レオンに対して一言だけ告げて去っていった。

 突然の事に呆然としていた大人達だったが、蜥蜴人の発した辿々(たどたど)しい言葉に我を取り戻し、レオンは降ろされた子供達に触れて状態を確認する。

 

(ユーリの身体が濡れている……あの蜥蜴人の言った通り、足も痛めているのか……他の2人は服が多少濡れてはいるが、手足が泥だらけな事以外は疲労くらいか……)

 

 何となく、彼らの辿った状況が分かった所でレオンが顔を上げると……視線の先に立っている青い鳥の存在に気が付いた。

 

「クリフバード……か? なるほど、子供達はラッキーだったな……」

 

side out……

 

 お? この人……私を見て「幸せの青い鳥」とでも思ったんですかねぇ……真相は知らないけど、それなら私としても一石二鳥で嬉しいですわ♪ 

 

『それなら私も頑張った甲斐がありましたわ~』

 

 突然聞こえてきた少女(わたし)の声に驚き、大人達は辺りを見回すが……子供達はまだ気が付いていない。

 

『いやぁ~その子達の内1人が川に落ちてた所を偶然見ちゃって……たまたま池で釣りをしてたトカゲ人さんにお願いして助けて貰ったんですよ~。

 

 ほら、私のこの身体じゃ子供とはいえ人間を川から引き揚げるなんてマネできませんしね~? 

 マジで言葉分かる人で助かったわ~、もし逆に襲われたりでもしたらもうどうしようかと思っ……アレ?』

 

 そしてようやく、子供達を診ていた4人の大人が、私の存在と言葉に気付く……だが、すぐにはリアクションが来ない……

 

『……もしもーし、聞こえてますかぁ~?』

 

 犬を連れていた男の視界の中央へと入り込み、私は翼を広げてピョンピョンとアピールをしながら彼に話し掛けた。

 

「れ……」

 

『……れ?』

 

「「「「  !!! 」」」」

 

『……は? (´・ω・`)』

 

 4人の大人達は揃って驚愕し……私は疑問に頭を傾げるのであった。




シェイプドッグ
闇属性の犬型モンスター種族で、狼の様な縦社会の群を作り、集団で狩猟生活する。
性格は総じて温和、目上の存在には忠実だが、敵対心を持つ者には容赦しない。
名の由来は魔力で影を動かし、様々な姿を真似る事が出来る事から付けられた。


蜥蜴人(リザードマン)
ヒト型種族とモンスターの中間に位置する中間種。
二足歩行で長い尻尾を持ち、体力オバケ……知能もそこそこあるが、森での生活知識や戦闘技能が大半を占めている。
大昔から山林や内陸部に居を構えている為、主食は獣肉や川魚……内陸部では滅多に手に入れられない海の幸(特に海の魚)をお土産を持っていくとメッチャ喜ばれる。
他の種族からは特に良くも悪くも思われていないが、最近の魔物騒動で他種族に排他的な感情を持つ者も少なくない。
基本的には調和勢であり、水辺や湿地帯で集団生活し、人間の村とほぼ同じ位のコミュニティを自ら形成する。
発語も可能だが、口の構造上流暢には喋れない……残念です。
あと(出生率が低いため)種族的に子煩悩だったりする。


ミラノ活火山の麓村「ラントリウム」
主要産業は火山帯らしく豊富な湯量と様々な効果がある温泉と、ミラノ活火山の山麓にあるイフリートを奉った神殿へ冒険者達が集まる事で有名。
ラントリウムには昔から迫害を避けて移住した異種族達が多く住み着いており、調和を願う村人達の為に、とイフリート様が村自体に強力な(まじな)いを掛けた。
その為、「村の掟」に違反した者は2度と村に踏み入る事が出来ない「呪い」を受ける。

感想と評価が次なる扉を開く……

皆さんがこの鳥の物語に求めるモノは何ですか?(影響するかも)

  • 転スラみたいに仲間を増やそう!
  • クモ娘みたいな単独で最強化だ!
  • 成り上がり系の魔王化を目指せ!
  • 取り(鳥)敢えずカオスにお任せ
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