……どうしてこうなった。
ファンタジー小説やゲームだと……ある程度、知能のある生物は喋るし会話もする……ファンタジーではよくある光景。
だが、現実にやるとここまで驚かれるとは思ってもみなかった。
「……あの~、霊鳥さま……?」
イフリートの兄ちゃんから聞いた話……
私は
むしろ、私は卵から孵化してそう時間も経ってない雛鳥よ? そんな
「……れ、霊鳥……さま……?」
そもそも、ただのオウムやインコみたいな奴を『霊鳥さま』って崇める普通?
私はやらないわ……(´・ω・)
「……えぐっ……れ、ちょう……しゃまぁ……ひぐっ……」
『……え?』
啜り泣く声に気付いて振り向くと、私をずっと呼んでたらしい小学生くらいの女の子が涙を堪えながら佇んでいた。
私を呼んでくる様に、と大人達に言われた様だが……私が
『ご、ゴメンね! 1人でアレコレ考えると止まらなくなっちゃって……ホントごめんなさいッ!』
何度も健気に鳥に話し掛けても、ガン無視されるという光景……うん、この娘は泣いても良いよね。(反省)
ちなみに、この子が呼び始めて……私がちゃんと気付くまでに軽く15分は掛かっていた……と、周囲の囁きから理解した。(猛省)
ミラノ活火山の麓村にある村……ラントリウム。
火の元素精霊イフリートの聖域とされる「ミラノ神殿」に通ずる唯一の人類生活圏であり、ミラノ活火山の恩恵である温泉が目玉の観光地だ(ミーシャラウド観光案内より)。
「「「「おぉぉぉぉ……!」」」」
(うっわ……なによあの人だかり、サーカスでも始まるの?)
それもその筈……伝説の霊鳥と呼ばれる存在は近年まで
その身体は黄金に輝き、翼端や頭の飾り羽根から放たれる虹色のオーラにより、不死鳥にも似た雰囲気を持つ……世界を構成する4大元素を自在に操り、天候・大地・果ては生命すらも意のままであるとされる。
そして、霊鳥化する前の雛鳥は鮮やかな青い小鳥である……と、様々な伝記に遺されていた。
そう、空想の産物とまで謳われた伝説が目の前に存在している……その事実が、人々を惹き付けて止まないのだ。
……人だかりも出来て当然である。
(まさか……ココにいる人全部私を見るために……? いやいや、どんだけ暇なのよ!? たかが喋れるだけ鳥よ?!)
彼女は全く気付いていないようだが……そもそも喋れる時点で非常識極まりない事を彼女は忘れている、というかゲーム脳の弊害か。
それとも『転生』などという非現実から思考が無意識に逃げているのか……
兎も角、彼女は今……
(……無理、絶対無理! あんな大勢の前で晒し者とかマジ勘弁!)
言うが早いか、足早に人混みを駆け抜け……村の外れまで走り抜ける青い鳥。
小柄だった事が功を奏し、誰にも気に止められず村を囲む柵の近くに辿り着いた……
『……うん、子供達を助けたのは良かったけどこうなるのは勘弁ね!』
そう言い残し、(鳥基準での)急ぎ足にてこの場から去る青い鳥……
その様子を遠目の茂みから、2つの獣眼がじっと見つめていた。
・
・
・
……その後、霊鳥が出現したとの噂は瞬く間に王都にも伝わり、国王は「全力を以て霊鳥を捜索、丁重に保護せよ」と国軍全隊に通達……国家間の争いが少ないこの世界において、史上初の国軍全部隊が投入される事態にまで発展したという。
しかし、当の本
『……はぁ、さすがに延々と歩くのはきっついわ……私、鳥なのに飛べないとかシャレになんない状況よね……何となく、翼の動かし方は分かって来たけど……』
簡潔に言うならば、彼女は巣立ち直前の雛鳥と同じ……自身が飛ぶ姿をイメージできず、踏ん切りが付かない状態である。
自然界の普通の鳥ならばこの辺りで親から飛ぶ為の試練が与えられ、有耶無耶の内に飛び方を習得してしまうのだが……親鳥は居ないのでそんな事など期待すらできない。
よって、自力で飛べる様になるのは少し先……おや?
『ッ!? 気配……腹ペコな獣のイヤーな予感がする……ッ!!』
茂みから頭だけ出した青い鳥の目の前に居たのは……
ヴヴヴヴゥゥゥ……!
ただの野犬でした。
『……は、ハロー……出会い頭に凄い顔デスネー、あ、お腹が空いてらっしゃる? 残念ですけど、私……あなたのお腹を満たす様なモノは持って無い……え? 私?』
バウッガヴッワウンッ!!
『アンタにゃ適当な判断でしょうけどお断りしますッ!!』
疲れの取れきれてない脚に鞭打ってジャンプ、辛うじて噛み付きを回避した後、野犬の背中に飛び乗る事で退避!
野犬はすかさず身体を翻して私を乗せまいと動き回る……タイミングを見計らいながら背中、尻、頭と足場を変えながらジャンプし続ける内に、腕というか……翼を羽ばたかせて安定を取っている自分がいた。
バウッバウッ!!
『あぁもう!! 鳥に地上生活は合わないってこういう事ね?! そんじゃサヨナラッ!!』
無意識のうちに私は翼を動かし、最後のジャンプからフワリと浮いた身体を空中に巻き上げる……野犬の頭上高く飛び上がった青い鳥は、そのまま500mほど空中を進み、街道の分岐点にある看板に降り立った。
『……はぁ~、やっぱり地上は危険だらけね……』
空中移動を始めた時点で、自分が飛んでいる事に多少は驚いたものの……鳥由来の感覚なのか、さほど苦もなく飛行術をマスターした私は、足場として降り立った看板を読む。
『……ふむふむ、あっちが「レガルティア」……んでこっちが港町「ハルトラウム」か……』
異世界だから文字が読めないと思ってたけど、普通に読めた。
こう……何と言ったら良いのか、ミミズがのたくった様な文字なのに……
『大都市と、港町かぁ……ココは断然、港町でしょ?』
大都市ならば確かに人は多いし、上手く立ち回れれば食べ物にも困らないだろう……しかし、さっきの村の様子から、噂話は大都市の方が回りが早い。
もし、大都市に来ていて私が噂の霊鳥だと疑われたらその時点で詰む可能性は高い……いくら飛べる様になったとはいえ、ヒトの生活圏において人海戦術に勝るモノは無いのだから。
……例えこの上なく快適だとしても、プライバシーの無い生活は絶対に嫌だ。
(仮にバレたとして、逃げられる当てがあるのは港町の方ね……)
港町ならば、人が容易に追って来れない「海」という場所がある。
そうでなくとも、鳥は都市より山海に多いのだから……
納得した私は、小まめに休憩を挟みながら港町「ハルトラウム」への道を辿る事にした……
その後、霊鳥さまが居なくなった事に気が付いた村人達は慌てて周囲を捜索した……が、見つかる筈もなく……村長らしき白髭の老人は大いに悔しがり、息子である「
港町「ハルトラウム」に到着したのはアレから丸一日が過ぎた頃だった。
野犬に襲われた教訓を活かし、夜は高い木の太い枝に大きな葉っぱを敷いた寝床を作って休み……道中に遍在していた人工物……柵や看板、石垣などを休憩に利用しながら進む。
『……着いた~~っ!!』
港町特有の、生物臭と潮の香りが混じった匂いが周囲を漂う……穏やかな風が心地よい。
人々の喧騒も思い描いた通りのヤツだし……街の規模も、程よく整備された幾つかの大通りと海に面した港を中心に栄えている。
私が見ている光景はまさしく、魔◯の宅◯便に出てくるあの景色だ……あの街より規模は小さいけど、これくらいが理想よね。
『う~ん、潮風が気持ちいいとか初めてだわ……』
常に一定の風量で海から吹き込む風に乗り、街の上空を飛ぶ……ふと、遠目の海岸に祠があるのに気付いた。
(海の神様……ファンタジー的にはポセイドン? それともウンディーネかな?)
祠は小さめながらも立派な造りになっており、街の人達が如何に大事にしているかが伝わってくる……魔術模様的なヤツも見えるし、この祠は祭壇として機能しているのだろう。
『……私も、旅の祈願くらいはして良いよね?』
手は無いけど、翼を手に見立て……感覚に任せて掌を合わせる。
体勢は少しキツかったが……今後の旅路の安全を祈願し、眼を閉じるのだった。
帝都レガルティア
「ミーシャラウド帝国」の首都……魔法が一般的に普及しているこの世界で唯一、敬遠されていた科学技術を用いて既存の魔法技術に対抗した帝政国家。
既存の魔法技術を積極的に取り入れ、自国の持つ科学的な観点を用いて構築した新たな魔法体系を確立……才能や能力主義一辺倒だったかつての魔法体系を一蹴し、魔法と科学を完全融合した独自の「魔導科学」を世に広めようとしている。
なお、国内の暮らしは劇的に変化しており……立国から僅か5年程で、辺境の村でも現代の冷蔵庫や調理家電に該当する「
擁する国軍は他国よりも兵士の質や戦闘能力が高く、戦闘用魔導具まで個人支給されている。
また、近年は魔導科学の粋を集めた「魔導機兵」の開発を行っている……と噂されている。
……感想待ってま~す。(´・ω・)
皆さんがこの鳥の物語に求めるモノは何ですか?(影響するかも)
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転スラみたいに仲間を増やそう!
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クモ娘みたいな単独で最強化だ!
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成り上がり系の魔王化を目指せ!
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取り(鳥)敢えずカオスにお任せ