鳥です……この度、転生しました。   作:睦月透火

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えー、何か……今更こっち進めてもさ……みんな、あんまり期待してない感じがしてるんだけど……ソコントコドウナノカナァ?

暴力を振るう冒険者の男を止めた少年……
彼は片手では振れない筈の大剣を軽々と操り……体格差があるはずの男の剣を止め、退散させた。

呆気に取られる青髪の少女……あれ? この子、何処かで……?



第4話 運命のガイアメm……じゃない、始まり

 チンピラ風の冒険者の男が残していった剣を拾い上げ「もったいないなぁ……」と溢す少年……助けられた青髪の少女は呆気にとられながらも、助けられた事に対してお礼を言った。

 

「あ、ありがとう……ございました……」

 

「うん、無事で良かった……アイツ根に持ってそうだから、後で冒険者組合(ギルド)に申告した方が良いよ?」

 

 少年はああいった輩が次に取りそうな手段を考え、対抗手段を少女に伝えた……私は一部始終を見ていたのだが、彼の力量はあのチンピラよりも遥かに上だな、と直感する。

 

「え? は、はい……」

 

 え? 些細な事だけどアフターケアもやる……こういうイケメンな上さりげなく優しいってかなりの優良物件じゃん?

 それよりも……何か……彼女、何処かで見覚えが……

 

「あ、そうだ……その……冒険者組合(ギルド)って、何処かな?」

 

《……って、知らんかったんか~い!》ビシィッ!!

(タ◯モクロス風)

 

「「……え……っ?」」

 

 ……あっ……しもた……思わずツッコミを……!

 

「……珍しいね、クリフバードの雛だ。キミのかい?」

 

「……私も、今気付いたばかりで……」

 

《えっと……あの……さっき、この子が剣を向けられた時に思わず……》

 

「……助けに入ろうと? ……って、雛なのに喋れるとかホントに珍しいね」

 

「……あっ、もしかすると……数日前から噂の、森の霊鳥騒ぎって……」

 

《お願い! それは黙ってて……!!》

 

 2人の追求に秒で平伏し、口外しない事を頼み込む。

 普通なら怪訝に思うか理由を問おうとするが、2人は「「……え? あ、うん……」」とまたもやハモった。

 

──────────

 

 その後、冒険者の彼……カナタと名乗った彼をギルド施設に案内する最中……人通りの無い裏路地で、カナタは青髪の少女の正体を怪しんだ。

 

 まさか?! という顔で驚く少女だったが、カナタは前に人間に化けて悪戯する精霊や魔族を懲らしめた経験があると話し……最初からバレていた事に気付いた少女は観念したのか、少し間を置いて話し始めた。

 

『騙してて……ごめんなさい、私……水精霊なんです……』

 

 付けていた髪飾りを外し、何やらチョッとだけ操作……すると、彼女の姿は光と共に変化していき……青白いオーラとヴェールを纏う、ウンディーネさんを少し幼くした感じの精霊が姿を表した。

 

(まさか……探し人が変装して冒険者相手にケンカ吹っ掛けてたなんてねぇ……っていうか解除ギミックが何か○リキュアみたいやん……)

《……はぇ~、その髪飾りで一時的に姿を偽ってたのね……でもなんで?》

 

 変身解除するシーンは何処かで見たニチアサ番組に良く似てる……そんな変な感想を心に抱きながら、私は姿を偽る理由を問い質した。

 

『……姉さまはこの街と海を護る聖霊王……私はその妹なのに何の役目も与えられず、ただ1人何も無く存在するだけだったの……』

 

 その後は矢鱈と過去語りが長かったので、要約……

 

 ただの水属性の精霊だった彼女……あるきっかけが元で水の聖霊王ウンディーネの妹分として祭り上げられ、周囲からはさんざん敬われるが、特に何の役目も与えられず……気が付けば10年近くを無為に過ごしていた。

 世には魔物による災害や、種族同士の下らない争いが蔓延り……闇の聖霊王の予言では、いずれこの世界は滅びる運命にあるとまで言われている……こんな時に自分は何もする事は無いのか? 聖霊王たるウンディーネは加護の資格者や街の仕事が忙しそうで聞くに聞けず……他の信徒や精霊達には、戒厳令でも敷かれているのか、何も教えてくれない……

 

『……そんな時、神殿の宝物庫にあった()()を見つけて……ヒトの姿に変われる力を持ってるって分かってから……』

 

「人間に混じって、街の為に何かしようと動いてた……って事か……う~ん、僕は……君の想いも、分からなくは無いけどさ……」

 

《私も、誰かの為に何かをしたい……って気持ちは分かるけど……》

 

《「さすがにさっきのは、無謀が過ぎてたよね?」》

 

『……うぐッ……!』

 

 この世界の精霊には『己の行動次第で存在価値が決まる』という根源法則(ルール)があり、善なる行いを重ねれば聖霊王……悪なる行いを重ねれば邪霊王として、世界から認識される。

 加えて、下位・中位の精霊たちは己の存在価値を外部に求める種族的な傾向があり、『敬われる』『恐れられる』等の外部からの評価をかなり気にするらしい……なので、基本的に人前に出る精霊は『お節介』や『お手伝い』を求め、自らの価値を高めようと必死なのである。

 

 ……ただし、下位の精霊は善悪の判断や倫理観が分からないので、たまに悪戯や事件の片棒を担がされる事も。

 

「まぁ……良くも悪くも精霊は世話好き、と言われるからね……分かったよ」

 

 少し呆れた風なため息と共に、カナタは話を区切った。

 

 

 それから再びカナタを案内を再開し、ギルド施設へ到着するまでの間……私はずっとカナタの挙動を観察していた。

 彼の所作は見た目どおりの年齢だけど、時々、この世界の人間とは思えない思考や洞察力を発揮しており、魔法についても一般人より理解が早く、またその扱いも上手かった。

 

 私にとって決定的だったのは、私の存在にすぐさま順応した事だ……最初の村では大騒ぎから、村を挙げての騒動にまで発展してたのに。

 

「……で、ここがハルトラウムのギルド本部です」

 

 上空から少しだけ見ていたけど、やはりギルド本部というだけあって石造りの頑強さと清廉さがハッキリと分かる。

 ……素材は大理石かな? 所々マーブル模様みたいな色の変化がある石が使われている。

 

 何か、裁判所みたいな雰囲気の門構えだ……

 

「2人ともありがとう……僕はギルドの登録を済ませてくるから、君もさっきのイザコザの件を報告しておくと良いよ」

 

 カナタの言葉に促され、青髪の少女……リッテもカナタの後を追う。

 彼女の人間としての名前はエルクシュリッテと言い、本人から「リッテって呼んで」と許可を貰っている。

 

 ……ちなみに私はリッテが拾ったクリフバードの雛として、従魔(じゅうま)登録をした。

 

 従魔(じゅうま)とはいわゆるペット扱いの魔法生物やモンスターの事で、登録すれば大都市に敷設された大規模な抗魔術式結界や、検疫の結界をフリーパスで通れるし、迷子になってもギルドで保護され、飼い主へ送還されたり……知能の高さと安全が保証されている従魔なら、簡単な契約を交わしてバイトなんかも出来るのである。

 

 また、ギルドには一部の司法と役所業務を代行できる権限があり、非常時の統制や日常的な問題の多くは、都市部中心街の行政府までわざわざ行かずとも解決出来る様になっている……

 カナタがイザコザの報告を……と言ったのも、それが理由だった。

 

──────────

 

 ギルド登録を済ませたカナタは、リッテと私が報告を終えるのを待っていた。

 

「ちゃんと報告出来た? アイツ根に持ちそうな奴っぽかったからね……」

 

 見た目からして、15歳くらいかな……リッテと同じで多少子供っぽさが残るカナタが、此方を心配してくる。

 でも、転生した私から見れば……彼の言動は完全に「ゲームプレイヤー」のそれ。

 分かりやすく言えば、()()()()()()の存在……違うのは多分、転生した時期かな?

 

 大雑把にこの世界については既に知ってるみたいだし、転生モノストーリー特有の「あ、そういうモノなんだ」反応が随所に見えた……極めつけは、喋る私を単なる「珍しい」反応で片付けた事だ……

 最初の村では鳥が喋る=奇跡=霊鳥さま……とまで騒ぐ程の反応だったし、この街に来るまでの人々の反応もそれなりに驚いていた……

 この世界に喋る鳥は、少なくとも私しか居ない筈なのに………彼はそれを「珍しいね」で終わらせたのである。

 

 ……そして彼の口から、この妄想じみた憶測が現実である事を認めざるを得ない言葉を聞いて、私は開いた口が塞がらなくなった……

 

「実はさ……『精霊の加護』を貰いにウンディーネ様に会いたいんだけど……どうすれば良いかな?」

 

 ……ウソダドンドコドーン




最後のは……やってみたかった区切りですw

筋書きも完全オリジナルなので、色々感想書いてくれると嬉しいなぁ……
詳細はまだ秘密だけど、色々ネタぶっ混みつつ色々と描きたい話だからね?

応援して貰いたいっていうか……モチベーションが……
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