鳥です……この度、転生しました。   作:睦月透火

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前回の続き……オゥンドゥルラギッタンディスカー!
(オンドゥル語ヤバいわ、ハマりそうw)

失礼しました。

カナタは私と同じ転生者……
しかもウンディーネの加護を求める、という事は……


第5話 裏影で蠢くもの

 ……これはもうお約束な展開でしょ……

 

 カナタは冒険者じゃなくて、世界を救うために動いてる勇者……

 しかも、力を付ける為に精霊王の加護を求めてる。

 

 ハイ完全にRPGの王道テンプレきたー。

 

 じゃあなに? コレ私も完全に巻き込まれてるよね? 嘘だと言ってよバーニィ……

 

『……え、えぇぇぇっ?!』

 

 って何でリッテまで驚いてんのよ……現地人なら勇者の情報なり何かしら知ってるでしょ?

 

『あの……あのっ、ホントに……カナタは……勇者なの?』

 

「……そう名乗った覚えはないし、名乗る気も無いんだけどなぁ……」

 

 お、何々? リッテってばもしかして勇者とかに憧れてる? 確かにだいたいイケメンだし、性格も悪くはない……

 たま~に例外はいるけど、基本的に勇者をやってる男はだいたいが優良物件なのは間違いないよね……成る程なるほど……

 

『あ……あの、カナタ……さ……お姉さまに、聖霊の加護を……』

 

「うん……加護が無いと、支障が出る旅になりそうだからね……」

 

《……それって、魔王とか……?》

 

「……? いや違うよ? 5つの古代遺跡それぞれにある【秘宝】を集めて、この世界の神様を復活させるためさ」

 

 それからカナタは、夢に現れた老人から【神の再臨】と呼ばれる儀式を行って欲しい……そうしなければ、この世界はいずれ異界の魔物に侵食され滅びる運命にあると伝えられたのだそう……

 その【神の再臨】という儀式には、詳細不明の古代遺跡を5つ探し出し、【秘宝】と呼ばれる5種類の神具を集め、世界の屋根へと至る必要があると言われたらしい……

 

(なるほどぉ……魔王ルートじゃなくて、世界崩壊の危機って事ね……そしてそれを防ぐには、この世界の神さまの存在が必須……再臨って事は呼び戻す、または新しく誕生させるって感じかな?)

 

 確かにこの世界には異世界の存在っぽい異形の魔物が時々出てきてるし、アイツ等の存在がこの世界を侵食する、というのも頷ける……実際イフリートは問答無用で撃退してたっぽいし。

 

「謎解きって面白いから、冒険者として見聞を深める為にも積極的にやってるんだけど……まさか夢で謎の存在に求められるなんて思わなかったよ」

 

 ……なにこの人、積極的に謎解きしてたって……ゼル伝とか好きなタイプって事? あちこちで謎解き冒険してたんなら、そりゃ頼もしく見えるよね……夢で請われたってのは謎だけど。

 

《う~ん、その古代遺跡って場所……分かってるの?》

 

「それがね、最初は各聖霊の神殿だと思ってたんだけどどうも違うみたいでさ……もしかしたら普通じゃ立ち入れない場所にあるんじゃないかという想定で……ついでにウンディーネ様に訪ねようと思ってたんだ」

 

《……そこから謎解きしなきゃなんだね、何だか大変そう……》

 

 やっぱり知らんかったんかーい。

 

『古代遺跡……【秘宝】……ゴメン、私にはさっぱりだわ……』

 

「良いさ、ウンディーネ様に聞いてみてダメだったら、歴史書や文献でも漁って地道に探すよ」

 

 わーお、そっち方面考慮してる辺りガチの謎ハンターやん……まぁ、ウチもゼル伝は好きだけど、この身体だからバトルは勘弁して欲しいわ。

 

『じゃ、じゃあ取り敢えず……お姉さまの所に行こう!』

 

《海岸にある水の祭壇?》

 

『……え? 違うよ? お姉さまに大事な要件があるなら、ちゃんと大海の神殿の方に行かなくちゃ、行こうカナタ!』

 

 ……は? ウチ、祭壇からコンニチハされたんですが……ってちょっと待って、私のこの疑問はスルーなの?!

 

《ちょ……置いてかないでよ~っ!!》

 

 カナタの手を取り、若干赤くなった顔を誤魔化す様に走り出すリッテ……手を引かれるままカナタも走り出し、驚きに反応が遅れた私は慌ててテーブルから飛び立ち、ギルド施設を飛び出す2人の後を追った。

 

──────────

 

 その頃、当のウンディーネ様は……

 

『ハァァァァ!!』

 

 絶賛戦闘中でした。

 

 水上で水を固めた槍を振り回し、魚の様に飛び回る2体の黒い塊を迎撃……肉食魚の如く牙を剥いて襲い掛かる黒い塊2つを同時に薙ぎ払い、隙を見て3体目が現れ突撃してくるもアッサリと返す刃で突き上げ、消滅させた。

 

『……お見事でございます』

 

 槍を引き戻し、肩へと掛けて一息吐く蒼の聖霊王の元へ、老人の様な姿をした紫の精霊が近付く……彼は側近の様で、手にしていたヴェールをウンディーネに渡し代わりに槍を預かりながら『見事』と賛辞を述べた。

 

『世辞は良い……被害は?』

 

『は……非戦闘員の負傷者が5名、兵士は17名ほど負傷しておりますが、全員無事にございます』

 

『そうか、ご苦労だった……妹の方はまだ見つからないか?』

 

『はぁ……なにぶん、足の早い者ですので……目撃者によれば、街の方へと向かったとの事……恐らく、この騒ぎには気付いておりますまい』

 

『……だと良いがな……』

 

 負傷者こそ出たが、幸いにも死者は無し……突発的な襲撃だった為に兵士以外の負傷者が出たのは仕方がない事である。

 だが、ウンディーネ自身の気掛かりは妹である『エルクシュリッテ』も同様であった……

 

『困ったお方だ……御身よりも大切な者など無いと言うのに』

 

『そう言うな、あの娘は感こそ鈍いが頭は回る……もし、自分の産まれを知ってみろ……それこそ、我が身を犠牲にしかねん……只でさえ、勇者の伝承などを好んでいるからな』

 

『はっ、引き続き皆に徹底させておきまする』

 

『時に、ヴァルス……つい最近、今代の勇者が目覚めたとシヴァから聞いているが……何か情報は無いか?』

 

『おお、そう言えば……街で冒険者同士の争いを目撃した者が居りましてな……その若者は漆黒の大剣を片手で操り、大柄な相手の剣を容易く止め、老婆と少女を危機から救ったとか……』

 

『……ほぅ、腕は立つ様だな……』

 

『その様で……彼の者は街に来たばかりらしく、助けた少女に連れられギルドへと案内を受けたそうです』

 

 腕の立つ若い男……もしその男が今代の勇者ならば、今度こそ世界を救える可能性も出てくる……先代は女性でしかも以前の代から350年以上もの間を空けてから唐突に現れ、幾つかの偉業を成し遂げた事に行方知れずとなったのは記憶に新しい為、先代勇者とも面識のある聖霊王達は、次こそは……と期待に胸を膨らませるのは間違いないだろう。

 

『……今代こそ、我等が精霊達の悲願……闇に巣食うあの異形共を駆逐して貰いたいものだ』

 

 先代勇者の失踪から間を置かずして突如出現し始めた『黒き異形』……それは、イフリートが撃退していたあの『魔物』と同様のモノ……魔物も先代勇者の失踪と同時期に現れ始めており、謎に包まれているのである。

 

『……では、私めは神殿で兵達の治療に往きまする』

 

 ヴァルスと呼ばれた紫の精霊はその言葉を残して姿を消し、ウンディーネだけがこの場に残った。

 

(しかし……この世界の命運を、たった一人に背負わせなければならないとは……この世を造り出したとされる創造神も、酷な事をする)

 

 今を生きる聖霊王の中でも比較的若い世代であるウンディーネにとって、この勇者の系譜は特に歪に見えて仕方なかった……何故に世界の命運がただ1人の若者にのし掛かるのか……と。




言われてみれば、残酷過ぎる勇者の伝承やら系譜やら……
個人が背負うには大きすぎる『世界の命運』とか、なんで背負わせるのかねぇ?

あと、ウンディーネ様の性格ですが
前回のヤツは演技で、コッチの方が『素』です。

前回の態度は伝説としての印象を崩さない為に行っている演技であり
代々の街の長との会合で取り決められた作法に則ったものでもある為
おいそれと変える事は出来ず、苦労していた世代も居たとか……

なお、今代のウンディーネ様……こういう演技は得意な方らしい。

ダンジョン攻略パートは必要?

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