吸血鬼は窯の女神の眷属となりて   作:一般的曇らせ愛好家

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第二話

夢を、見ている。

 

ヘスティア様と一緒に寝てから、気づいたら真っ白な空間に立っていた。

これを一体夢以外に何と呼べばいいのか。

 

さて、ここが夢と気づけたわけだが、これは明晰夢というやつだよな。

夢の中で意識があるのだから。

 

...いや、待てよ、むしろここまでのが全部夢で今俺は死後の世界にいるのでは?

間違いないな、俺は14徹に耐え切れなくなって寝てしまって、夢を見ている最中に死んだんだ。

 

そうだよなー、流石にあんなことが現実に起こるよりよっぽどそっちのがありそうだわ。

 

『夢の中だよ!』

 

!?

誰だお前!?

 

背後からの大声に驚いて振り返ると、そこには、人...?なんだ...?

 

俺は間違いなくコレから呼びかけられた、それは間違いない。

発言も非常に気になるものだった、だが、何より。

 

目の前にあるこれが何かが一切認識できない。

人のような形をしている何か。

それ以上の認識が何もできないのだ。

 

どんな形をしているのか。男か。女か。

声から男だと推測できるが、明確な姿として現れることは無い。

 

非常に不思議な感覚だ。

 

『ちょっと~どうしたの?だんまりしちゃってさ。あ、もしかして僕にびっくりして失神した?』

「まず誰なんだよ...お前」

 

色々不思議なことはあるが、とりあえず相手の事を聞きたかった。

何もわからない相手の事を少しでも理解しなければ、ペースに持っていかれてしまうと感じたからだ。

 

『僕ぅ?いろいろな呼ばれ方はしているけれど...君に名乗るなら、君を転生させた張本人ってとこかい?』

 

えぇ...やっぱり夢じゃなかったんかあれ...

 

「えぇ...なんでそんな人?が俺の前に...?というかここ何処なんです...?」

『ここはね、君の夢の中だよ。』

 

......?????

これが夢...?もうなんも分からんわ...

 

「...まずここが夢だとして、なんで夢で私ははっきり意識を持っていて、貴方も私の夢に干渉出来るんです?」

『...頭が回らないとか考えている割に意外とはっきり思考できてるじゃないか。』

 

思考が読まれて...!?まずい...!

 

『何がまずい?言ってみろ』

 

ふっ、と笑いが漏れてしばらく二人で笑っていた。

 

「これやりたかったんだよね、よく乗ってきてくれたな」

『読んでたからね僕も』

 

どうやら神様もノリには乗っているようだ。

 

『それで本題なんだけどさ』

「あ、そうだ。お前とふざけてたから忘れてたけどなんでこんなところに?」

 

すっかり相手のペースに乗せられて話してしまった。何たることだ。

こいつ....できるな?

 

『君をこの身体にして転生させてあげたわけだけど、特にこれ以上こっちから何かするってことは無いから、転生生活を楽しんでおくれよ』

 

「えぇ...たったその話だけの為にこの世界に呼んだの...?」

 

『...うん。実のところもっと転生させたこととかを突っ込まれるのかと思ってたから神様予想外』

 

「いや、だって、ねぇ?あのブラック企業で過ごしてた日々より辛いことなんて無いし...むしろそこから離れられたことを感謝するでしょうよ」

 

実際あんな生活もう体の方が耐え切れなかったんじゃないのか?

エナドリ飲んで無理やり体動かしてたし。

 

『まぁ、それもそうか...それじゃ、また異世界生活を過ごしていってくれ。僕はしばらく干渉しないから』

 

「おう、それじゃまたな」

 

姿が少しづつ薄くなっていき、それに伴いこの空間の光もどんどん増してきた。

直感的に夢から覚めるのだ、と分かった。

 

 

 

気づくと、ベッドの上だった。

ヘスティア様は横で寝ていて、ベル君もいた。

 

職業病か、随分と早く起きてしまったらしい。

もう職場には行かなくていいんだけど...

 

それから起きて来たベル君にダンジョンの説明を改めてされて、冒険者に登録するためにギルドに行くことにした。

 

 冒険者ギルド、通称『ギルド』と呼ばれる冒険者を支援したりする組織の管理している施設である『万神殿(パンテオン)』そういう説明をヘスティア様から受けた。

 

そして、やっぱり冒険者っていう割にはみんな変な服着てるよなぁ...

どう見てもただのコスプレしてるようにしか見えない人もいるし...

 

今、俺はベル君に冒険者登録をするためにギルドのベル君担当の受付の人に連れて行ってもらっている。

事務の人たちは特に忙しそうにしており、話しかけるのに少し躊躇してしまう。

 

なのでベル君に取次ぎを頼んでおいて。

 

「それで...あなたが『ヘスティア・ファミリア』に新しく所属したネイア・リークさんでよろしいでしょうか?」

 

今、俺はギルド嬢のエイナ・チュールさんとお話をしていた。

いや、お話と言っても単なる注意事項の確認やらなんやらなんだけどさ。

 

「はい。昨日新しく入団しました」

 

やっぱり、この世界の人たちは顔面偏差値が高すぎるのでは...?

改めてこの世界と前の世界の格差を見せつけられた。

俺のキャラメイクスキルが低くなくて助けられた、生半可なスキルでは絶望していたところだ。

 

「はい、分かりました...っと、じゃあこの書類を記入して下さい」

 

書類の内容が全然わからない...こともなく、何故か知らない文字なのに理解でき、書くこともできた。

恐らくあの転生させた奴が手を回したんだろう。

 

「...これでどうですか?書けてます?」

 

「...はい、確認取れました。大丈夫です。」

 

それじゃあ、しばらくはダンジョンの基礎知識をエイナさんから学ぶことになるのか。

ベル君も学んでたようだし、一緒に頑張るとしますか...

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