「勇者の一行が、《ダスターの塔》で手に入れた秘宝を使い魔王城への道を開いたらしいな。これで敵さんも本気になるだろうな」
「魔王軍が俺達を滅ぼすのが先か、勇者が魔王を倒すのが先かってか」
「魔王倒して終了、にはならんだろうがな」
オレと六号、アリスはそんな話をしながらそれぞれの武器の手入れをしていく。
「いや、魔王倒して世界平和はお約束だろ」
「バカか六号。魔王軍の戦争理由は領土の拡大と《魔の大森林》を開拓する奴隷の確保だろ。“砂の王”とやらに住む場所をどんどん奪われて国の危機に直面してるから、こんな侵略行為に走ってるんだ。頭潰しても連中は止まるどころか玉砕覚悟で攻め込む可能性もあるだろ」
存続の危機なんだから、向こうも勝たなきゃ未来はないんだからな。
「そうだっけ?」
「あのおっぱい女が言ってただろ。お前は本当にアホだな」
本気で忘れていたらしい六号にアリスが辛辣な言葉を投げ飛ばす。
第一、その伝承が胡散臭さの塊だ。魔王は国を治める王なんだから民の生活を守る為に動くのは至極当然の流れだ。実際地球でも似たような理由で戦争した国もあった筈だし、それを客観的ではなく一方的な悪にしている時点でオレにとっては都合が良すぎるものなのだ。
「だからオレはその伝承自体は信じていない。現にあのブラック企業は対話で解決しようとしたら、五十万の罰金というふざけた罰則を設けてたし」
「なるほど。だからヒーロー共は問答無用で襲い掛かってくるのか」
「こっちの話を一切聞かない変態タイツ集団の頭はおかしいと思っていたが……そんな裏事情もあったんだな……」
ちなみにその確認は《ヒーローパスポート》という電子カードで逐一確認している。《ヒーローパスポート》はあくまで正義の味方という証明だけで利点は殆どない。むしろ行動を監視する最悪極まりないカードだ。
そのカードは自滅覚悟でキサラギの本拠地を攻める際にバキバキに砕いて捨てたけど。ちなみに紛失したら五百万の罰金だ。
そんな微妙に脱線した話をしていると、扉をノックする音が聞こえてくる。
「おい、六号。クロスブレードマン。いるか?」
ノックの主はスノウか。にしても不機嫌そうだな。
「いるけどお前の前には出たくない」
「ふざけるな!」
怒鳴り声と共にスノウ入室。まったく、六号の奴は。
「そこは居留守を使う流れだろ」
「いや、それよりも先に面会拒絶の方が浮かんだよ。だから仕方ない」
「どれだけ私に会いたくないんだお前達は!?」
そりゃ、ブラック企業の上司の匂いがするからだ。
そんなことを考えていると、スノウが手入れしていたカラフルセイバーに視線を向けた。
「なあ、クロスブレードマン……そのカラフルセイバーの手入れを私にやらせてくれないか?」
「そんな危ない顔した奴に預けられるか」
危ない息づかいと表情で近づいてくるスノウをオレは一蹴する。
カラフルセイバーは何故か一切刃こぼれしなくなっており、手入れ自体も汚れを落とすくらいしかしていない。
刀身の交換が不要になったのは嬉しいことだが。刀身交換で毎回八万の出費だったからなー。それも給料からの天引きで。
「それで?一体何のようで来たんだよ?ようがないならさっさと帰れ」
「おっとそうだった……将軍がお呼びだ、私と一緒に会議室に来い」
どうやら上からの呼び出しのようだ。
それでスノウと六号と一緒に会議室に行くと、部屋には将軍とハゲのおっさんの二人がいた。
「まずは、よく来てくれた六号殿にクロスブレードマン殿。貴君らのおかげで魔王軍との戦争は徐々に好転しており、その中でも四天王の一人、《地》のガダルカンドに深手を負わせ、戦域から離脱させた事だ。あれ以来、奴は戦場に姿を現していない」
「まあそれほどでもありますが」
「こ、これっ!」
六号があっさりと肯定したことにハゲのおっさんは文句を言うが、オレは別のことが気になった。
あのデーモンが一切姿を現していない?幾ら片腕を喪ったとはいえ、戦線からずっと離脱してるのはおかしいな。
あの捨て台詞からして、オレを殺したくて堪らない筈なのに。
「将軍、我々に何か特別な任務を与えたいのですか?」
「うむ、その通りだ。今後、貴君らの小隊には四天王などの大物の相手を優先的にしてもらいたい」
「喜んでっ!」
将軍のその要請を断るよりも早く、スノウが嬉々として了承しやがった。
「待てスノウ!ただの隊員のお前に決定権はないだろ!」
「第一、決めるのは隊長職の六号だろ!何で横からしゃしゃり出るんだ!?」
「何を言う!?実力が認められたからこそ、最も戦果を挙げられる任務を与えられたんだぞ!!」
コイツ、絶対に金と手柄に目が眩んだな!幹部クラスを最優先で相手しろとか、面倒以外の何物でもないだろ!!
「ええ。スノウ殿のおっしゃる通りです」
将軍の隣にいたハゲのおっさんがスノウの言葉に同意してきた。
「貴殿方は《炎》のハイネと《地》のガダルカンド、《力》のギルに《知》のリスタ……これほどの面々を相手に渡り合った英雄ですぞ」
……ふーん。あんだけ悔しがっていたおっさんがオレ達を評価するとはねえ……絶対裏があるな。
「……なあオッサン。ひょっとしてこれを進言したのって、あんただったりする?」
「おい六号、この方をオッサン言うな!将軍に次ぐ発言力を持つ参謀なのだぞ!?」
六号の敬意のない質問にスノウが非難するも、将軍がそれに構わずに答えた。
「そうだ。この参謀殿が高く買っていてな。魔王軍の幹部に対抗できるのは、勇者殿を除けばそなた達以外にはいない、と……」
このハゲのおっさん……いや、ハゲオヤジ。
さてはオレ達を使い潰すつもりだな?
オレだけでなく六号も警戒の色を強める中、ハゲオヤジは愛想笑いを保ったまま言葉を続けていく。
「実は四天王の一人、《炎》のハイネと魔王軍の名高い斬り込み隊長、《雷》のロータスが率いる軍勢が進軍しているのです。六号殿とクロスブレードマン殿を除けば、他に対抗できる者はおりません。人手が必要であれば、魔物混じりや邪教徒ではなく、もっと格のある正規の騎士を付けよう。もしくは中隊を率いてくれてもいい。……どうだろう、この任務引き受けては貰えないだろうか?」
ハゲオヤジはそう言って深々と頭を下げた。
―――数日後。
「いいか貴様ら!今回の我らの任務はとても名誉なものだ!負けることなど決して許されぬ!ゆえに心してかかれ!!」
「なんでアイツが仕切ってんの?」
「もう放置しとけ。どうせなに言っても聞かないんだし」
テンション高めに大勢の兵の前で取り仕切っているスノウに対し、オレはもう放置することを決め込む。
今回の任務だってスノウが安易に引き受けたせいで断れなくなったし、本当に散々だ。
「アリス、お前はどう思う?」
「この捨て駒扱いなこの任務のことか?」
話を振られたアリスの質問に、話を振った本人である六号は不満たらたらで頷く。
「そうだよ。あのオッサンに押し付けられたこのクソ任務だよ」
「何を言っている!将軍殿や参謀殿から託された特別任務だぞ!!」
「そのハゲオヤジが関与してるんだぞ。どうせ成功したって自分の手柄にするに決まっている」
スノウの反論オレはうんざり気味にそう返す。
あれだけ挑発された相手にあのハゲオヤジがいい感情を抱く筈がない。今回の任務は難癖付ける為の格好のチャンスだったのだろう。
勝てば推薦した自分の手柄、負ければここぞとばかりに責める。典型的な部下の手柄は上司のもの、失敗したら部下の責任の例だ。
「俺、あのオッサンが負けた時に罵って、手柄の横取りを責めたくらいしか恨まれる覚えはないぞ」
「充分だと思うが。それに単純に目障りなんだろうな。厄介払いの為の部署が過程はともかく功績だけはぶっちぎりだからな。そんな部隊が手柄を立てるのが面白くないんだろ」
アリスの的確な指摘にオレはウンウンと頷く。実際、周りの兵士達もオレらから目を反らしてるし。
「第一、俺あのオッサン嫌いなんだよな。前にも言った気がするが、あのオッサンからは自分の保身しか考えない、姑息で卑怯者の匂いがする」
「六号、鏡って知ってるか?ピカピカで自分の姿が映るやつだ」
「隊長、ブーメランって知ってます?」
六号の呟きに対してアリスとロゼがお前も同類だと指摘するが、オレは六号とハゲオヤジが同類だとは思わない。
「鏡もブーメランも的外れだぞ。六号は何だかんだで面倒見がいいのに対し、ハゲオヤジの方は体の良い使い潰しだからな」
後から聞いた話だが、ロゼが酷い扱いでも騎士団に所属し続けるのは戦果と引き換えに自身が眠っていた遺跡の研究結果を教えてもらう為だそうだ。
その約束を果たしているとは言い難い上に、この使い捨ての扱いだ。完全に約束を守る気がないのが見え見えである。その提案を出したのがあのハゲオヤジだとオレは睨んでいるが。
それを聞いて六号とアリスが強引にキサラギに勧誘したそうだが……そっちの方が絶対良い気がする。
キサラギは大規模リストラを避ける為に今回の計画を立てたんだし、ロゼの願いもキサラギなら聞いて動いてくれる筈だ。
「俺の味方は男のお前だけかよ……」
「擁護したのに文句とか、本当にいい根性してるな」
文句言うなら二度と擁護しないぞ。
あ、そうこう話している内に敵さんが近づいてきたな。
「ともかく敵幹部とは適当に戦って撤退だ。こんな任務で怪我してもバカらしいしな」
ちなみにアリスのショットガンは整備中で使えない状態だったので、現在は丸腰である。
「幹部クラスが二人だけど大丈夫か?」
「なるようになるさ」
若干行き当たりばったり感があるが、今さらだしいいか。
にしても後ろが騒がしいな。
「二人でなにやってんだ?」
「なんでもない!なんでもないぞ!!」
「ですっ!!」
後ろを振り返った六号の質問にスノウとロゼは何故か焦ったような表情で何でもないと告げている。……本当に大丈夫か?
取り敢えず敵さんの姿を確認しておくか。
えーと、プテラモドキに狼モドキ、オークにオーガ、トカゲ人間にゴリラ人間……本当に多種多様だな。《炎》のハイネの隣にはグリフォンとスーツのような服を着た全身ムキムキの猫耳のおっさんがいるし。後、漫画やアニメに出てくるゴーレムのようなモノまでいるな。
「……あ、あれはゴーレム。魔法で動く岩石人形まで……!」
スノウの呟きからして、あのゴーレムは魔法で動いているようだな。術者はハイネかあの猫耳おっさんのどちらかか?
「本当に魔法とやらは何でもアリだな」
「あのゴーレムは術者を倒せば消えるか?」
「いや……おそらく術者は近くにいない。あれは仮初めの命を与えられた人形だからな」
マジか。
「あのムキムキの猫耳オッサンが《雷》のロータスか?」
「みたいだな。六号、どうする?」
「どうするも何も、俺らの相手はハイネとあのおっさんだろ?グリフォンとかゴーレムは他の隊が……」
六号がそう言って他の部隊へと顔を向けた瞬間。
「六号殿!ハイオークの集団は我が隊にお任せを!」
「では我が隊はオーガの小隊を!」
「こちらは魔物の集団を相手にします!!」
「足の速い我が隊は狙撃兵を抑えるぞ!!」
他の隊の責任者はそう言って、一直線に周りの敵部隊へと突撃していった。
……か、完全に面倒な相手を全部押し付けやがったな!!
「この国でも俺は危険任務担当かよ!!」
「せめて何名か此方に回せよ!単に楽な相手へと逃げただけだろ!!」
もはや愚痴を言っても仕方ない。こうなった以上はやるしかない!!
「スノウ、グリムを起こせ!」
「強力な呪いで先制攻撃だ!その隙をついて吹き飛ばす!!」
オレと六号はグリムを起こすように指示するも。
「グ、グリムを起こすのは他の者に任せた!!この三年ローンで手に入れた新たな愛剣、《氷結剣アイスベルグ》で《炎》のハイネを討つ!!」
「あ、あたしはグリフォンの相手をしますね!空を飛べるようになりたいですし!!」
スノウはおろか、ロゼまで何か焦ったようにそう告げてハイネとグリフォンへと向かおうとしていた。
「待て」
それをオレが若干ドスを効かせた声を掛け、二人を静止させた。
その声でピタリと動きが止まる二人。それを見てオレは本題へと切り出す。
「……さっきお前達はグリムを隠したよな?」
「「…………」」
オレのその言葉に二人は無言。六号は意味が分からずに首を傾げ、アリスはオレの言いたいことに気づいたのか半目となっている。
「特にスノウ。普段のお前ならグリムを起こそうとするだろ?なのに、何で今回は突撃しようとした?しかも指示を出していないロゼまで」
「「…………」」
だらだらと汗を流していくスノウとロゼ。六号もオレが言わんとしていることに漸く気づき、ブリキのように顔を動かしてグリムの方へと向く。
「まさかとは思うが……起こそうとして逆に―――」
シュバッ!!
オレが言い終わる前に、スノウとロゼは逃げるようにそれぞれの目的の相手へと再突撃していった。
……これが語るに落ちるというやつか?アハハハハハー。
「あいつらぁああぁっ!?本当に何してくれてんじゃぁああああああああ―――ッ!?」
「マジでふざけんなよお前ら!?いつも戦う前から死んだり気絶するグリムも大概だが、自分たちの失敗を放置したまま行くんじゃねぇよ!!」
オレと六号は怒りを露に叫ぶが現実は無情である。そうしている間にもゴーレムと猫耳のおっさんが此方へと近づいて来ているのだ。
「こうなった以上は仕方ない。お前達二人はあれらの相手しろ。自分はグリムを起こせないか色々試してみる」
「なら、俺はあのオッサンで!!如何にも固そうなゴーレムの相手なんかやってられるか!!」
六号はそう言い残して猫耳おっさんへと突撃していった。
「まあ、妥当な判断だな。だからクロスブレードマン、ゴーレムの相手は任せた」
「オレの味方が一人もいない!!」
アリスは百歩譲って仕方ないとしても、六号は悪行ポイントで爆弾送ってもらえよ!!そうすりゃ一撃だぞ!!
こうなったら爆弾を必要経費で要求してみるか!?いや、却下される未来しか浮かばねぇ!!
「チクショウ!チェンジカラー、
『ガイアカラー!橙の色は大地をも粉砕する!!』
オレはカラー
ゴーレムは見た目通りの鈍重な動きでオレへと迫っていき、その巨大な両腕をオレに向かって振り下ろす。
オレはその前にカラフルセイバーの必殺トリガーを素早く三回引いていた。
『ブレイクガイアカリバー!!』
そのままカラフルセイバーを横薙ぎに振るうと、ゴーレムの胴体はカラフルセイバーから発せられた衝撃波によって爆発四散。岩石人形のゴーレムはあっさりと岩の塊へと成り下がった。
よし、これでオレの仕事は終了。後はゆっくりするぞ。
「ちょっ、ヘルプヘループ!!そっち終わったならこっち手伝ってぇええええええ!!」
幾上もの紫色の落雷から逃げまくっている六号を無視し、オレはアリスと頬を引っ張られているグリムの下へと行く。
「おう、終わったか。ゴーレムくらいは簡単に倒せて当然か」
「必殺技を速攻で使ったんだからな。無しでも両断は出来そうだが」
「それよりも早く俺を助けてぇええええっ!!」
にしても六号は逃げてばっかだな。攻撃しなきゃ勝てないぞ。
「向こうに避雷針装置を申請してやるから、そのまま時間を稼げ」
「無理無理!こんなに速い攻撃を最後まで全部避けきれないって!!」
迫り来る雷球を間一髪で避けている六号は泣き言を言っているが大丈夫だろう。だって拳銃で牽制できるくらいには余裕があるから。
「安心しろ。雷は三回食らっても早々に死にはしない」
「むしろ雷は超パワーアップのフラグだ。だから安心して挑め」
「その理屈と理論は絶対におかしい!!」
そうは言ってもなー。本物の雷ならそんな風に避けること自体できないから、エセ雷攻撃なら威力含めて大丈夫そうだし。
「ちょこまか逃げるな!いい加減にくたばりなさいよ!!」
「……なあアリスさんや。あのおっさんから女性のような口調が聞こえた気がするんだが」
「聞こえたな。あのおっさんはオカマの可能性が高いな」
世界や種族は違えど、性の障害はどこにでもあるんだなー。
……女性の下着を天ぷらにして食べる変態と比べたら可愛い方だけど。あれは本当にドン引きしたからなー。決め顔で言ったから余計に。
「おいっ、いつもより転送遅くないか!?そろそろ届いてもいいだろ!?」
六号のその疑問に、アリスは何かに気づいたように手をポンと叩いた。
「おお。自分の体内時計によると今向こう側はお茶の時間だな」
「正確な体内時計だな。当然だけど」
「そりゃ超高性能だからな。そう言うわけだからもうちょい頑張れ」
「チクショー!!」
キサラギの幹部達は今休憩中かー。今度必要経費でコンビニのシュークリームとインスタントコーヒーを申請してみるか。たまには甘い物も食べたいし。
「ああ、もう!本当にしぶといわね!!こうなったら……変身魔法、解除!!」
苛立ちを露に猫耳おっさんがそう叫ぶ。すると、むさ苦しいムキムキマッチョなヒゲ親父から一転、出るとこはしっかりと出ているヴァルキリー衣装の猫耳美少女の見た目に変わった。
「魔法って本当に何でもありなんだな。一瞬で性転換をやってのけるとは」
「あれはホログラムだろ。もしくは入れ替わりマジックだ」
「向こうにだって魔法使いいるじゃん」
「あれは超能力だアホ」
本当に魔法とかそっち系は嫌いなんだなー。まあ、地球じゃ科学的に解明されてるのが多数だし当然の反応かもしれないけど。
「本当は舐められるから嫌だけど、変身魔法は解いたからさっきよりも……一体なにしてるの?」
猫耳おっさん改め猫耳美少女ロータスの疑問を他所に、六号はひたすら写真を撮りまくっている。
「変身猫耳美少女……本当にありがとうございます!!」
「何でお礼言うの!?やっぱり本当の姿だと調子が狂うわ!切り込み隊長なのに背が小さいから周りに生暖かい視線を向けられて舐められるし!!力を示しても周りは畏怖するどころかどういうわけか興奮するし!だから切り込み隊長の見た目にふさわしい、ムキムキマッチョな壮年の男性に変身していたのに!!」
ああ、あの子はあの子で苦労してるんだな。後、魔族にも変態がいるんだな。
「ようやく避雷針装置が届いたな。クロスブレードマン、組み立てるの手伝え。報酬に市販のチョコレートケーキを向こうに必要経費で申請してやるから」
「オーケー」
六号とロータスが話している内にオレはアリスと協力して今しがた届いた避雷針装置を組み立てていく。まあ、重要な箇所はアリス担当なのでオレは骨組みだけだけど。
「それなら成長した自身の姿でいいんじゃないのか?」
「理想の成長した姿なんて虚しいだけよ!!とにかく、本当の姿を見たあんたはここで確実に死んでもらうわ!!」
ロータスは両手に紫の雷を掲げ、如何にも全力で相手する気満々だ。
もう少しで避雷針装置も完成……
「それは一体なんなんだい?」
するタイミングでハイネがオレ達の前に現れやがった。
「アイツにこれを壊されるわけにはいかないな。クロスブレードマン、お前がアイツの相手をしろ」
「そうなるよなクソッタレ!!」
オレは半ばヤケとなってハイネと対峙するのであった。
プロフィール
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ブラック上司
正義の組織の上役。本名不明。
正義の組織の人間とは思えないほどのドクズ。クロスブレードマンを勧誘した張本人であり元凶。
給料の大幅な天引き、無休、罰金、腐ったカロリー○イトの配布等上げればキリがないほど色々とやらかしている。しかも公認。
ヒーローグッズの販売も手掛けており、その利益は自分達に還元している。
クロスブレードマンの評価:諸悪の根源