転送先が死後の世界→異世界だった件   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ


撮影会と祝勝会

「また会えたな、クロスブレードマン!」

「オレは会いたくなかったけどな」

 

瞳を爛々と輝かせているハイネにオレは心底嫌そうに言葉を返す。

 

「そうつれないことを言うなよ!こないだは邪魔が入ったが、今日は最後まで楽しもうぜ!!なあ、クロスブレードマン!!」

 

そんなオレとは対照的にハイネはハイテンションで戦闘開始を宣言し、手に浮かべた炎を球として投げ飛ばした。

 

「チェンジカラー、II(ツー)!」

『アイスカラー!青き色は氷結へと導く!!』

 

バトルジャンキーは本当に嫌だと思いつつ、オレはカラーII(ツー)を発動させる。

プロテクターは青く染まり、その隙間から冷気が吹き出していく。

そして、刀身が青く染まり霜を作り出したカラフルセイバーを縦横無尽に振るい、迫って来ていた炎を掻き消すように斬り裂いた。

真っ二つにしたら後ろの避雷針装置に被害が及びかねないから。それでグダグダ文句言われるのも嫌だし。

 

「やっぱりお前は最高だよ!あたしの炎を完全に防ぐなんて!さっきの女騎士は正直期待ハズレだったから、余計に楽しく思えちまうよ!!」

 

防がれたにも関わらず、ハイネは本当に嬉しそうにしている。

やっぱり典型的なバトルジャンキーだ。あの軍服コスプレ女も何でか嬉しそうにしてたし。

 

「ガダルカンドに深手を負わせ、《ダスターの塔》の秘宝を手に入れ、ゴーレムでさえも一撃で仕留めた!!ガダルカンドの奴はますます不機嫌になるだろうが、あたしの目に狂いはなかったよ!第二の勇者!!」

 

お前も勇者言うな!!ボコボコにしてひん剥いて六号に放り投げるぞ!!

と、その時。

 

「うわぁあああああああん!!買ったばかりの氷結剣が溶かされたぁあああああッ!!」

 

見事に根本から刀身を溶かされて無惨となった剣を引っ提げて、スノウが泣き叫びながら帰ってきた。

 

「クロスブレードマン!お前の剣にはアイスベルグと似たような力もあっただろ!?アレでアイスベルグの仇を取ってくれぇええええええ!!」

 

本当にポンコツだなお前は!

後、カラフルセイバーは一回必殺技使ったから後三分は大技使えないぞ!!殺人キックは使えるけど!!

 

「って、危な!?」

 

横から紫の雷が飛んで来たのでオレは慌てて避ける。

見れば相変わらず六号はロータスの攻撃から逃げまくっていた。

 

「へえ……六号も中々やるね。本気を出したロータスはあたし達に匹敵するのに、ああも凌ぎ続けられるなんてね」

 

いや、逃げ足が一流なだけでしょ。

 

「本当にしぶとい!!いい加減に諦めなさいよ!!」

「嫌に決まってるだろ!?アリス、まだ組上がらないのか!?」

「後一分だ。だからもうちょい頑張れ」

 

避雷針装置の完成まであと一分か。あっちは大丈夫そうだな。

 

「へえ……どうやらそのおかしな道具がお前達の切り札という事かい?」

 

ゲッ、気付かれた!!

 

「ブラストストライク!」

『アイスブラストストライク!!』

 

先手必勝とばかりに殺人キックの承認コードを発動し、跳躍して一回転した後にハイネに向かって踵落としを叩き込もうとする。

 

「甘いよ!!」

 

対してハイネは炎を何発も撃ち出してオレを撃ち落とそうとするが、炎は冷気によって相殺されてオレに届きはしない。

 

「チッ!」

 

迎撃は不可能と知ったハイネはすぐに後ろへと飛んで下がる。

そのまま踵落としは先ほどまでハイネがいた地面を叩き、そこを中心に幾つもの氷柱が突き抜けるように飛び出てきた。

……なんで氷柱が出るの?良くて地面がちょっと凍るだけの筈なのに。

 

「本当にやるねクロスブレードマン……だけど、あたしの炎の前には……」

 

ハイネはそう言って手を掲げるも、何も起きない。それどころか先ほどまでハイネの周りを漂っていた炎まで消えてしまっている。

 

「あれ…………!?」

 

ハイネは一瞬何故という表情となるも、すぐに何かに気づいて慌てたように周囲を見渡し始めた。

 

「ま、魔導石!あたしの魔導石はどこに行ったんだい!?」

 

地面に膝をつけて必死に何かを探しているハイネ。炎が出なかったこととこの慌て様……もしかして。

 

「その魔導石とやらがないと炎が出せないのか?」

 

オレがそう聞いた瞬間、ハイネがギクリと反応した。図星か。

 

「なら大丈夫だろ。《炎》を関する幹部なんだから腕っぷしも強いはずだろ?」

 

オレはカラフルセイバーを正面に構えてジリジリと摺り足でハイネに近づいていく。対するハイネはジリジリとオレから距離を取っていく。

……あれ?ひょっとして炎以外は雑魚?

 

「まさかの炎が使えないと無能に成り下がるキャラかよ……」

「ぐはっ!?」

 

オレの無能発言を受け、ハイネは四つん這いとなって崩れ落ちる。

あの軍服コスプレ女は炎だけでなく徒手空拳でオレと戦っていたのに。こっちは炎が出せないと本当に駄目なのかよ。

 

「いいぞクロスブレードマン!そのままハイネを追い詰めるんだ!!我が愛剣の仇をここで取ってくれ!!」

 

スノウは本当にぶれないな。後、薄々思っていたがスノウは絶対に悪人寄りだな。

ついでにブラック上司の匂いがしたのは少し間違いだったな。こいつは欲出して自滅するタイプだ。

 

「それはハイネ様の魔導石……!それを今すぐ返せ―――って、ええ!?何で私の雷がそっちに行くの!?」

「残念だったな。お前の雷攻撃はもう通用しないぞ。何せ発電能力者の電撃でさえ誘導するからな。科学の力が一番優秀だ」

 

あっちは避雷針装置が組上がってロータスの無力化に成功したみたいだな。後、ハイネの魔導石とやらはそっちに行ってたんだな。たぶん、氷柱で引っ掛かってそっちに飛んでいったんだろうな。

 

「だったら、巨大な雷撃で全員焼け焦がすだけよ!!そのおかしなものだって限度があるでしょ!?極太雷で感電させてからハイネ様の魔導石は取り戻させていただくわ!!」

 

ロータスはそう叫ぶと頭上に滅茶苦茶デカイ雷の球を作り出していく。

 

「隊長!あの雷には耐性がありませんから防げません!!」

「さすがにあの量の雷はこの装置じゃ全部吸収できないな」

 

いつの間にか戻ってきていたロゼは焦りの声を上げ、アリスは冷静に分析している。

というか。

 

「これ、オレはもちろん、お前まで巻き込まれないか?」

 

オレがハイネにそう聞いた瞬間、ハイネが慌てたようにロータスに話しかけた。

 

「ま、待つんだロータス!今ここでそれを放てばあたしまで攻撃を受けちまう!」

「そ、そうだ!この魔導石とやらはあっちに投げるから!!それで勘弁してください!!」

「大丈夫ですハイネ様!一等級の魔導石が壊れないように加減はしますから!!」

「お願いだから話を聞いてぇええええええ!!」

 

まったく話を聞いていないロータスはそのまま攻撃を放とうとした、その瞬間。

 

「偉大なるゼナリス様、あの猫耳女に災いを!金縛りに遭うがいい!!」

 

これもいつの間にか復活していたグリムが不気味な人形片手にそう叫んだ瞬間、ロータスの動きがまるで石に塗り固められたかのように止まった。

 

「ッ!?う、嘘!?身体が全然動かない!!」

 

驚きの表情を浮かべるロータスを他所に、難を逃れた六号達はすぐに行動を開始した。

 

「ロゼ、アイツの身体を調べあげて魔導石を取り上げてくるんだ!そして、その魔導石を俺へと持ってこい!!」

「え?それはさすがに……」

「後で美味しいものを好きなだけ食わせてやる!」

「分かりました隊長!」

 

先程までの弱腰な態度から一転、強気な態度になった六号のその指示に、懐柔されたロゼは素直に頷いて動けないロータスへと駆け足で向かっていく。

 

「珍しいな六号。普段のお前なら自分から行きそうなんだが」

「あんなドデカイ雷の球がなければな」

 

つまり怖いからロゼに行かせたと。

 

「隊長、ありました!!」

「ああ!私の魔導石!!」

 

あっさりとロータスの魔導石とやらを見つけて回収したロゼが六号達の下へと戻り、魔導石を取られたことでロータスの頭上の雷の球はそのまま霞みのように消えていく。

取り敢えず魔導石の方が気になるので、一旦ハイネを放置してオレは六号達の下へと向かった。

 

「赤い方の魔導石は凄まじい魔力を感じるわ。紫の方も負けず劣らずね。恐らく、長い時を重ねて作り上げた触媒でしょうね」

「で、その触媒がないと魔法が使えないんだな?」

「ええ。他のものでも代用できるけど……本来の力は発揮できなくなるでしょうね」

 

それを聞いた瞬間、六号とアリスは揃ってゲスい笑みを浮かべた表情となり、合流していたハイネとロータスへと顔を向ける。

 

「……ひっ!」

「そ、その顔は何……?い、今なら魔導石を返せば全員魔王軍にしてあげるわ!!そうでしょ、ハイネ様!!」

「!あ、ああ!!給料は今の三倍は出すし、サキュバスやヴァンパイア、リリムやセイレーン達にお前達の世話をさせるし約束も反故にしない!!何なら四天王直属の部下にしてやってもいい!!どうだ!?破格の待遇だろ!?」

「それ、トップの魔王にぶったぎられるオチで終わるだろ」

 

オレがそう言った瞬間、二人してギクゥ!!と言わんばかりの表情となる。

これが二人の命運が決まった瞬間であった。

 

 

 

 

 

カシャ、カシャ、カシャ、カシャ、カシャ。

 

「ちっがーう!もっと上目遣いで胸同士が届くか届かないかの絶妙な位置でキープ!!おっ、涙目のその表情はポイントが高いぞ!!」

 

ピロリロリ~ン♪ピロリロリ~ン♪

『悪行ポイントが加算されます。悪行ポイントが加算されます』

 

辺りの戦闘の音が止み、カメラのシャッター音とポイント加算の通達だけが辺りへと響いていく。

魔族も王国の兵士もその音の発生源に目が釘つけとなっていた。

 

「……死にたい……」

「……屈辱……」

 

ハイネと胸部の鎧を外されたロータスの二人は六号に指示されるまま、大勢の前で扇情的なポーズを取らされ写真を撮られ続けられていた。

ちなみに今の構図はハイネが攻めでロータスが受けだ。

 

「次は互いに胸を押し付けるように抱き合ってみよう!そして俺から見て後ろの方にある手でピースサイン!!足は片足だけ絡めさせて!違うそうじゃない!!もっと互いの弾力を強調するように!!おっ、その震える目付きはプラスポイントだ!!一部のマニアにはグッとくるぞ!!」

 

おー、おー。百合の花が見えそうな光景だな。

 

「次は足開いて腰落として!バカ、手はどけろ!両手は顔の横でピースサインがセオリーだ!!」

「うっ……ううっ……」

「なんで……なんでこんな事に…………!」

 

二人して本気で泣き出し始めたな。同情はしないけど。

第二の勇者と抜かしたハイネはもっとひどい目に遭えばいい。ロータスは知らんけど。

 

「き、気の毒に……」

「六号、しっかりポイントを稼いでおけよ。機会は有効に活用すべきだからな」

 

ロゼは同情心を露にそう呟くが、アリスは増えていく六号の悪行ポイントに上機嫌だ。

 

「いいぞ六号、もっとだ!もっとハイネとロータスを追い詰めろ!強敵が堕ちていく様を見るのは本当に堪らぬ!フハハハハハハ!!我が愛剣の恨みを思い知るがいい!!」

 

スノウ、お前は剣を溶かされた以外は何もしてないだろ。ついでにその件にロータスは関係ないだろ。

 

「よし、そろそろ次のステップに行ってみようか。その為には……服や残りの鎧が邪魔だなあ」

 

「「ひいっ!!」」

 

六号のその言葉にハイネとロータスは互いに抱きついて怯える。あ、また写真撮った。

 

「た、隊長、これ以上は敵とはいえ、あまりにも気の毒ですよ……そろそろ石を返してあげたらどうです?」

 

二人に同情したのか、この状況の片棒を担いだロゼがおずおずといった様子でそう言ってくるが……

 

「六号、返すって言ったのか?オレはそんな言葉を聞いた覚えはないんだが」

「どうだったかなー?アリスさんや、俺はあいつらに何て言ったけ?」

「確かお前はこう言ったんだ。『よーし、それじゃあまずは胸を両手で寄せて上目遣いをしてみよう!あっ、ロータスちゃんはその胸の鎧を外してからね!』ってな。お前は一言も返すだなんて言ってないぞ。あいつらが勝手に勘違いしたんだ」

「ひ、酷すぎる……!」

 

そんな正道ガン無視のやり取りに、ハイネとロータスは揃って立ち上がった。

 

「卑怯、卑怯よ!!」

「ここまでやらせておいてそれはないだろ!六号、お前は絶対に殺すッ!!」

 

ハイネとロータスはそう叫ぶが。

 

「それが出来ないからこんな事になったんだろ」

「「ぐはっ!?」」

 

オレのその一言に二人して撃沈した。魔法ばかりに頼りきったツケが今来ているだけだから、甘んじて受けるべきなのに。

 

「しょうがねえな。そこまで返してほしいのか?」

「か、返してくれるの!?」

「頼む、それは大切な―――」

 

魔導石が返ってくる可能性にハイネとロータスは表情が綻ぶも、六号がズボンのチャックを開けたことに一気に強張った。

 

「……え?」

「な、何を……してるんだい……?」

 

そんな二人の前で六号は二つの魔導石を()()に入れてチャックを閉じ、その場で仰け反るようにブリッジした。

 

「ほーら、取ってごらーん?」

 

ピロリロリ~ン♪

『悪行ポイントが加算されます』

 

魔導石を取るにはアソコを触らないといけないのか。男でも嫌だぞ、それは。

 

「ロータス!あんたがあたし達の魔導石を回収するんだ!」

「無理ですよ!ここはハイネ様が一肌脱いで!」

 

二人は魔導石の回収を互いに押し付け合うも、当然却下し合う展開となる。

―――そして。

 

「六号、覚えてろよぉおおおおおお!!」

「次会ったら、ぜぇ~ったいに黒焦げにしてやるんだからあっ!!!」

 

魔導石の回収を諦めたハイネはグリフォンに乗って、同じく諦めたロータスは土煙を起こすほどの駆け足でその場から逃げ出した。当然他の魔族達もハイネとロータスに続いて撤退。

 

「「「「「「「勝ったぞーーーッ!!」」」」」」」

 

そんな雄叫びと共に今回もこちらの勝利で終わるのであった。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

見事?にハイネ達を退けたオレ達は街の酒場で祝勝会を開いていた。

 

「大戦果だったな六号!我らの隊の一人勝ちではないか!」

 

今回大した活躍をしていないスノウは何故か上機嫌で、酒が入った木製のコップ片手にそう告げる。

ちなみにオレは未成年なので水です。自前の氷入れて冷えたやつだけど。

 

「最近は魔王軍に善戦できてる気がするわね!隊長達が来る前は戦闘がある度に死んでいたもの!偉大なるゼナリス様に感謝します!」

「おいひよぉ……おいひよぉ……!」

 

グリムは自身が信仰する神に手を組んで感謝の祈り捧げ、ロゼは涙を溢しながら肉をガツガツ食べ続けている。

 

「たいひょうたちが来てからは、おいひい物をお腹いっぱい食べられてひあわせれふ!」

「そうだろう!今日は俺の奢りだからもっと褒めてくれてもいいんだぞ!!」

 

ロゼの感謝に六号は氷入りの酒を片手にもっと感謝しろと言ってくる。

 

「ングング……プハーッ!少し薄くなっちまうのが残念だが、やっぱり酒は冷えたやつが一番だぜ!!」

「そう思うならオレに感謝しろ」

 

オレが持ってきた氷を入れ、多少は冷えた酒を飲んだ六号は本当に上機嫌である。

 

「当然だな。最年少で騎士に叙勲された優秀な私がいるのだ」

「今日のお前は剣を溶かされただけだろ」

 

スノウの呟きにオレは堪らずそうツッコミを入れてしまう。報告自体は隊の戦果として報告してるからまだマシだけど。

 

「うるさい!とにかく私はこのまま近衛隊の隊長に返り咲いてやる!!」

 

スノウはそう叫ぶと酒を一気に煽る。早飲みはすぐに酔うぞー。

 

「最年少って……お前いくつなんだよ?」

「十七歳だ。騎士叙勲は十二のころだな」

「「ぶふうっ!?」」

 

その事実にオレと六号は揃って吹き出した。

 

「十七って……オレと一歳違いじゃねぇか!?」

「お前どんだけ老け顔なんだよ!!」

 

六号のその言葉に、今度はスノウが吹き出した。

 

「六号貴様!老け顔とはどういう了見だ!」

「うっせーよ年下が!」

「てっきり二十歳半ばの年上と思ってたわ!!」

 

てか、未成年じゃん!!なのに普通に酒飲むとかこの世界の飲酒の制限は緩いのか!?

 

「ところでアリスさんは?」

「酒の臭いが充満する場所には行きたくないと言って断ってたぞ。後、武器の整備を今日中に終わらせておきたいとも」

 

ロゼの質問にオレは半分嘘を混ぜてそう返す。

アリスはロボットだから食事は不要だし、オレ達が行く時も『自分はショットガンの整備を済ませておく』と言っていたし。ついでに持って帰った避雷針装置も。

 

「そうか……そういえば、アリスは城の書庫のすべての書物を一日で読み終えたという、冗談みたいな話を聞いたぞ」

「あたしは商店街で商人さんと交渉しているところを見かけましたよ」

「私は治癒術師のところに何か持ち込んでるのを見かけたわね!」

 

……マジか。アリスのやつ、本来の任務に向けて色々と動いているんだな。ロゼとグリムの話は活動資金稼ぎだろうな。

 

「……六号にクロスブレードマン。最近は武器防具の質が上がり、色々な新薬が発売されたと聞いてるが……もしやアリスが……」

「「知らない」」

 

スノウの質問にオレと六号はハモって返した。

実際オレは知らないし、そういうのはアリスの得意分野だろうから関わる気もないし。

そんなオレと六号にスノウは言葉を失いつつも、何か諦めたように溜め息を吐いた。

 

「……貴様らの素性など今さらどうでもいい。今やお前達は我が隊に欠かせない存在だからな」

 

だからー、お前はただの隊員で指揮権はないんだぞー。

 

「だが勘違いするな!私は―――」

「あ、すいませーん。このスポポッチの串焼追加で」

「後、酒も二本追加でー」

「お前らぁッ!!」

 

スノウをガン無視して追加注文するオレ達にスノウは吠えるも当然無視。そんな話よりも美味しい飯が一番だからな。

 

「……まったく。お前達はもう少し隊長と副隊長という立場の自覚を持ってだな」

「あ、スノウさんが隊長と副隊長を認めました!」

「ち、違う!私は上に立つ者としての責任をだな……っ」

「これがツンデレってやつだぞロゼ。口ではこう言っているが、もう俺のことが好きなんだぞ」

「へー!突っかかるのは好きの裏返しですか!」

「守銭奴に好かれてもオレは全然嬉しくないけどな」

「ふざけるな!今すぐにでも叩き斬るぞ!!」

 

スノウはそう叫んで勢いのままに腰の剣を抜くも、それは溶かされた氷結剣。メリケンサック程度にしかならない。

そんな剣を見て再び悄気るスノウに対し、すっかり酔っている六号は上機嫌で宣言する。

 

「今日は俺のお大尽だ!!全部奢ってやるから樽持ってこーい!!」

 

こうして酒場はドンチャン騒ぎとなり、深夜になるまで騒ぎまくるのであった。

 

 

 




プロフィール

============
ロータス

魔王軍の切り込み隊長。通り名は“《雷》のロータス”。
本来はロリ巨乳という言葉が当てはまる程の金髪碧目の猫耳美少女だが、その容姿ゆえか周りが鼻息荒げて興奮するので舐められないように筋肉ムキムキの髭が立派なジジイに変身している。
使える魔法は変身魔法と雷魔法。その実力は四天王に匹敵するが、普段は変身魔法と併用して戦っているので雷の威力は幾ばくか落ちている。
変身魔法は隠密、工作向けだが当の本人がそういうのが下手過ぎるので有効活用できていない。

クロスブレードマンの評価:猫耳雷娘。
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