転送先が死後の世界→異世界だった件   作:厄介な猫さん

13 / 33
てな訳でどうぞ


本当に逃げるが勝ち……なんだけどな

「じゃ、予定通りポイントを二百ぐらい残して地雷を転送するぞ」

 

目的地に到着したオレ達はさっそく地雷の設置に取り掛かっていた。オレがスコップでザクザクと穴を掘り、その穴に六号とアリスが取り寄せた地雷を次々と埋めていく。

 

「貴重な悪行ポイントをこんな安いのに使うことになるなんてなぁ……本来は強力な武器を支給してもらう為のものなのに」

「じゃあ今から強力な武器を支給して魔王軍にカチコミかけるのか?」

「そうじゃねぇよ!!こっちの金貨で代用できないかと愚痴っただけで、大軍に突撃したいなんて思ってねぇよ!!お前じゃあるまいし!!」

 

ハァッ!?コイツ今、何て言った!?

 

「誰が好き好んで大勢相手に正面から戦うか!!やらなきゃ逃亡扱いで罰金だからだよ!!しかも他のヒーローがヘマして撤退したら、連帯責任にされた上で給料の大幅カットだし!!」

 

建物ぶっ壊したらオレらの給料から補填するしで最悪だよ!!強力な武装持った多数の怪人や進むだけでビルやスーパーを踏み潰す巨大機動兵器を倒すだけで手一杯だってのに!!

 

「ヒーローの負担がでかすぎるだろ……本当にヒーローにならなくて良かったー」

「相変わらずのブラックだな。それと六号、こちらの金貨で悪行ポイントの代用は無理だろうな。この場合はケチっているというより、幹部連中は悪行を積ませたいんだろうよ。最後には立派な幹部候補になることを目論んでな」

「そこだけ聞くと幹部にしたいように聞こえるよな」

 

派遣候補に挙げられているくらいだからな。可能ならそれなりの地位に着けさせたいんじゃないのか?

 

「それならとっとと幹部にしてくれって話だよ。こちとら最古参なんだからな」

「みみっちい悪事しかしない上にヘタレなお前を功績無しに幹部に出来るわけねぇだろ。第一、お前はしぶといだけで大して強くないだろ。だからお前は平社員なんだよ」

 

アリスは本当に容赦ないなぁ。事実なんだろうけど。

 

「うっせー!この任務成功させて絶対に出世してやる!!」

 

六号はそう言ってせっせと地雷を埋めていく。オレも手を休めずに穴をどんどん掘っていく。

―――数時間後。

 

「終わったな。これで連中をうまく足止めできるだろうよ」

 

アリスは地雷が大量に埋められた通り道を眺めてそう呟く。土の色も掘り返す前とほとんど差がないから気付かれない筈だ。念のために掘り返しただけのダミーも幾つかあるし。

そんな中、六号はその場にしゃがんで何かゴソゴソしていた。

 

「六号?」

「一体何をしてるんだ?」

 

オレとアリスは六号に近づくと……六号は紫の宝石を地雷に括り付けているところであった。その傍には同様に括り付けられた赤い宝石もある。

 

「それって確かアイツらの……」

「ああ。取り上げた魔導石だ。売るか壊すかしようかと思ったが、いい機会だ」

「いくら何でも見え見えの罠すぎるだろ」

 

アリスは呆れたように呟くが、オレはそれに対して異を唱えた。

 

「いや、案外簡単に引っ掛かるんじゃないか?向こうは地雷なんていう兵器を概念自体知らないんだし、魔法とやらは距離が開くほど威力が落ちるみたいだし」

「前提の違いというヤツか。向こうは魔法とやらで隠れて攻撃してると勘違いすると。そう考えれば周囲に警戒こそすれ、石自体に罠が仕掛けられている可能性に行き当たらないか」

 

アリスのその返答にオレはコクリと頷く。この星の古代兵器(アーティファクト)とやらは現代兵器に近いけど、使い捨てのようなものはもうないだろうしな。

 

「……そういうことだ。それに、あの二人がかかると想像したら……もうたまらんだろ?」

「相変わらずいい性格してるなぁ」

「その分、めちゃくちゃ怒るだろうけどな」

 

なんせ大事なものが目の前で破壊されるのだ。上げておいてから地面に叩き落とす……相当な屈辱になるだろう。

取り敢えず魔導石を括り付けた地雷は通り道から少し離れた場所に設置して、仕事を終えたオレ達は王都へと帰路につくのであった。

お膳立てはしてやったから、ちゃんと期待に応えてくれよ?不幸にも運命に選ばれてしまった勇者さん?

 

 

―――そう思っていた時期がありました。

 

 

「アリス、クロスブレードマン。どうだった?」

「本当だ」

「しかも魔王軍も進軍中だそうだ」

 

オレ達は路地裏で現在の情報を確認していた。

一仕事終えがオレ達が王都に帰ると、周りの空気は絶望に満ちたもので支配されており、チャックマンでは会話すら出来ないので猫被りモードのアリスとオレでその理由を聞いたところ、勇者が行方不明になってしまったというのだ。

そこでオレとアリスが分かれて情報収集した結果、勇者は魔王軍四天王、《風》のファウストレスの【ランダムテレポート】という魔法によって術者もろとも何処かへと消えてしまったのだそうだ。

 

「空間さえ繋がっていればどこに出るか不明だそうだ。遥か上空か深い水の底、もしくは壁や地面の中……確率的に生存は絶望的だな」

「もしくは全く別の惑星、だな。オレ達という前例もあるし」

 

空間さえ繋がっていればどこにでも出られるのだ。その考えでいけばこの星と地球が空間上は繋がっているとも言える。

 

「……地球にテレポートしてないよな?」

「それこそまさかだろ。触媒で魔法の強弱が決まるんだから、範囲だって限られてるだろうし」

「珍しく六号がまともなことを言ったな。小型の転送装置でさえそれなりにエネルギーを消費するんだ。二人分転送するなら尚更だ」

「珍しくは余計だ!!」

 

六号とアリスはオレの疑問にそう返すが、何故か漠然としたシコリが残る。何か見落としているような……

 

「それよりだ。伝承だかでは勇者が魔王を倒すんだろ?そんな非科学的なもん信じてなかったが」

 

確かにアリスの言う通り、今は勇者の安否より現在進行中のこちらの方が重要だ。

 

「まあ、勇者の紋章や魔王の脅威とかはその胡散臭い伝承通りだよな」

「紋章以外はこじつけ感満載だけどな」

 

戦争理由も昔の地球によくあるものだったし、それがファンタジー要素によってそれっぽく見えてしまっているだけだ。同じ種族同士なら普通の戦争として見られている筈だし。

 

「六号。お前は勇者が出てくるゲームとやらが好きなんだろ?そういう話は本来ならどんな風に進んでいくんだ?」

「大概一度は負けイベントがあるもんだ。んで、修行とかで弱さを克服して強くなってリベンジするのが一連の流れだな」

 

負けイベント?負けイベントって…………あ。

 

「そうなると今回のランダムテレポートが負け―――」

「あの《ダスターの塔》……彼処でその勇者は負けてるよな?」

「……あ」

「クロスブレードマンの言う通りだ。お前の言葉通りなら、本来なら《ダスターの塔》は勇者がリベンジして攻略してたんじゃないか?」

 

もしかして、物量作戦が上手く行かずに攻めあぐねている間に勇者が修行して強くなり、攻略に乗り出すパターンだったのか?

つまり……修行の機会を奪ったオレ達のせい?

いやいや、まさかそんな。

 

「何か手はないのかよ!?」

 

そんな事態に対して方法を模索する六号に、アリスは提案があると言いたげな感じで人差し指を立てる。

 

「通常は使えない、クロスブレードマン排除の案で出た細菌兵器や科学兵器を申請し、魔王軍にブッパする」

「却下だボケェ!!」

「オレ一人殺すのにそんな物騒なもんを使おうとしてたのかよ!?」

 

さすがに驚きだよ!!下手すりゃ大勢が巻き添え食らって死ぬぞ!!

 

「第二は、自分が魔王軍に特攻して内蔵のヤバい動力で自爆して敵を消滅させる」

「そっちも却下じゃ!!」

「てか、お前の戦闘能力は普通の美少女並みだろ!?突っ込みきれる前に破壊されるだろ!?」

 

そもそもお前がいなくなったら六号の暴走はオレが止めるしかなくなるだろ!!

 

「もっと穏便な方法はないのかよ!?」

「ないな」

 

六号は穏便な方法での解決を望んでいるようだが、アリスはないとバッサリと切り捨てる。

そうか、ないのか。じゃあ、仕方ないな。

 

「急いでこの国から夜逃げしよう」

「「……異議なし!」」

 

オレの提案に六号とアリスは親指立てて賛成した。

そんな訳で。

オレ達は逃げる為に大急ぎで支度していた。

 

「おいアリス!お前の大量の荷物はなんなんだ!?」

「自分の荷物は大変価値がある!!お前とクロスブレードマンが背負って運べば問題ない!!」

「お前は運ばないのかよ!?」

 

そもそも木箱に幾つも積めなきゃならん荷物とか何なんだよ!?キサラギから取り寄せた必要な物資か!?

 

「転送装置はどうするんだ!?」

「あれは置いていく!バラす暇もないし、陥落時に壊れるだろうからな!!」

 

確かに組み立てるのに数日かかったからな!重要な部分は全部アリスが組み立てていたし!!

勇者が行方不明で士気は最悪となった王国軍と、逆に最大の障害が消えたことで士気は最高になっている魔王軍。勝負は火を見るより明らかだ。

ここで魔王軍と戦って追い払いでもしたら、絶対にコキ使われる。そんな社畜人生は二度とゴメンだ!

……それにアイツらは悪運強そうだから、なんだかんだで生き残るだろうしな!

とにかく、この前必要経費と認められたキュウリの苗は何とかして持っていかないと……!

と、そのタイミングで玄関から扉をノックする音が聞こえてきた。

 

「うるせぇ!取り込み中だ、誰もいねえよ!!」

 

逆に居ますアピールをした六号の叫び声が響いた直後、問答無用の如く玄関が開かれる。

入ってきたのは……ティリスと数人の近衛騎士だった。

 

「お久しぶりです。今日はあなた方にお話があって参りました」

 

ティリスは笑顔でそう言ってくるが……

 

「お断りします!!」

「どうせ魔王軍と戦えとか、我が国を救ってくださいとか言ってブラック企業のように働かせるつもりなんだろ!?」

「それに愛人になれとかも言うつもりでしょ!?今はそんな余裕は一切ないです!!」

「六号様の前半の言葉はよくわかりませんが……」

 

ティリスは曖昧な表情を浮かべていたが、すぐに真面目な顔となって一緒にいた近衛騎士達を家の外へと移動させる。

そして、持ってきた袋の中身をオレ達の前で取り出した。

 

「これが何か見覚えはありますか?」

 

ティリスが両手で持ってるものは……パラシュート?

 

「パラシュートじゃん」

「おいバカ」

 

答えた六号をアリスが咎めているが何故だ?

オレが首を傾げていると、その答えは質問したティリスがもたらした。

 

「まあ、これはパラシュートというのですか。コレは謎の飛行物体が目撃され、その確認の為にスノウ達を派遣したあの日に発見された正体不明物なのですが」

 

……そう言えばパラシュートを用意していたような話を六号達はしていたような……

つまり、あのパラシュートは六号達が使ったものなのか!?

 

「率直に申し上げます。六号様達は他国のスパイですね」

「違います。オレはブラック企業から逃げて来ただけです」

 

ティリスの質問にオレはすぐさま否定した。

オレはスパイ目的で来たわけじゃないし、どちらかと言うと黙認だから厳密にはスパイじゃないし。

 

「あくまで白を切りますか。では拷問にかけるしか」

「だってスパイ行動してたのはこの二人です。オレはどちらかと言うと黙認の立場です。よってスパイではありません。なのでティリスの推測は間違いです」

「おい!?さらりと俺達を売るなよ!!」

「第一、黙認も同罪だからな?この臨時アルバイトが」

 

そうは言っても事実だからなー。アリスの言う通り臨時バイトの立場だから、荷物全部犠牲に二人を担いで逃げるくらいはするけど。

 

「……どうやらクロスブレードマン様は複雑な立場にいるようですね。まさか酷使されていたと言うのも……」

「それも事実だ。子供の小遣い程度の給料も、休みなしの戦闘もな。ついでに罰金まで払わされていたそうだぞ」

 

アリスのその言葉にティリスは絶句。見事にドン引きしてしまっている。

 

「ど、どれだけ酷い場所なんですか…………そ、それより本題に入らせていただきます」

 

ティリスはそう言うとパラシュートを床に下ろし、出間いを整えると此処に来た目的を話し始めた。

 

「この国はおそらく明日、滅びるでしょう。この国の騎士や兵士達の生き様を最後まで見届けてくれませんか?勇敢に戦った人々がいたと、スパイである六号様の本国に……伝えてほしいのです。そして、魔王軍に対抗できるように他の国々に呼びかけてください」

「すいません。無理です」

 

その瞬間、その場にいた全員がずっこけた。

 

「即答!?あなたの思考回路は一体どうなっているのですか!?」

「いや。そうは言っても六号もオレも、この惑星の人間じゃないし」

「…………へ?」

「おいクロスブレードマン。余計なことを言うな」

「いや、このまま勘違いしたままの方が逆に申し訳ないだろ」

 

特にこの星の国々に呼びかけるとか出来ないし。完全な余所者の言葉なんて聞き流されるのがオチだろ。アリスが作ったコネやツテ自体もこの国限定だし。

取り敢えず、ティリスにはオレ達が全く別の惑星から来た人間であることを伝えておく。

 

「……にわかには信じられませんが……事実、なのでしょうね。それならそれで構いません。あなた方の星の人々に私達の国の最後を伝えてください。不甲斐ない私の最後の願い……どうか聞き入れてもらえませんか?」

 

……てっきり協力してほしいと宣うものかと思ったんだが。これ以上は部外者を巻き込むわけにはいかないってか?

一国の王女に深々と頭を下げさせてるし……う~む……

そして出した結論は―――

 

「……やっぱこのまま逃げようかな?」

「逃げるなら魔王軍が来て混乱してる時だ。そっちの方が可能性が高いからな」

「まあ、例の件を考えればそれが妥当だろうな……」

 

結局、ティリスの願いをある程度聞き入れて残ることを決めたオレ達は城内の廊下でゆっくりしていた。

あの親バカな王様からティリスを連れて逃げるように頼まれたし……ついでの範疇に収まるから引き受けはしたけど。

 

「あ、隊長に副隊長だ!!」

 

久々に聞こえてきたロゼの声に気づいてそちらへと顔を向けると、そこにはロゼだけでなくスノウとグリムもいた。

 

「隊長たちってば、スノウのセクハラに耐えられなくて辞めたって聞いたけど?」

「グリム!アレは六号のデマだ!!」

 

セクハラが酷くて辞めたって……さすがに無理があるだろ、六号。

 

「そこは金の無心じゃないのか?そっちの方が信憑性が高いし」

「ああ、確かに。そっちの方が説得力があるな」

「貴様らぁ!!」

 

スノウは怒りを露に叫ぶが、本当の理由を話さない辺りは色々と葛藤してるんだろうな。それを汲む気は微塵もないけど。

 

「それで、どうして隊長たちが此処にいるんですか?」

「ティリスに頼まれてな。明日まで城に残ることになった」

 

明日になったらティリス連れて逃げるけどな。行き先は決まってないけど。

 

「隊長たちがティリス様の護衛なら安心ですね」

「いいかお前達、ティリス様に失礼をするなよ!」

 

……本当に元気だな。念のために聞いておくか。

 

「お前達はどこを守るんだ?戦場の最前線か?」

「いいや。私はもちろん、ロゼもグリムも近衛騎士団の隊員だ。明日は都市の正門前の最後の守りを任される事になるだろう」

 

一応は危険地帯にはいないんだな。少しだけ安心だな。

 

「……危なくなったらとっとと逃げろよ?明日は死ぬんじゃないぞ」

「バカを言うな!我々は誇り高き近衛騎士団!逃げるくらいなら騎士らしく玉砕を選ぶ!そうだろう!?」

「「えっ」」

 

六号の気遣いに反論するスノウに対し、ロゼとグリムは予想外といった感じで言葉を洩らした。

 

「隊長たちも危ない時はティリス様を連れて脱出してくださいね。後、まだまだ美味しいものを食べ続けたいですし」

「絶対に生き残って素敵なお婿さんを迎えるんだから、こんなところで死んでられないわよ!」

 

いつもの調子とも言えるロゼとグリムの発言。普通はスノウは惨めになるんだが……

 

「ロゼ、グリム。これはフリじゃないぞ。ヤバくなったら迷わず逃げろよ。逃げてもバチは当たらないからな」

 

オレは最後まで残るフラグを建てた二人に対してそう告げる。

こういう場合、口とは真逆の行動をとるのがある意味お約束だからな。現にブラック企業は給料上げると言いながら、逆に下げていったし。

 

「クロスブレードマン!二人に逃亡を唆すな!!本当に逃げたらどうするんだ!?」

「こういうのは逆の行動を取るからな。お前の場合は逃げるフラグだから逆に心配ないし」

 

知り合いが死んだらそれはそれで目覚めは悪いしな。

え?それが嫌なら戦えばいい?ヤダよ。もう騎士団とは関係ないし。大軍と戦うなんて面倒以外の何者でもないし。

 

「……お前がどれだけ強かろうが関係ない。六号共々斬り捨ててやる!!」

 

スノウはそう言うと、腰の剣を抜いてオレと六号に襲い掛かった。

 

「危なっ!?」

「俺、何も言ってねぇだろ!?」

 

こうして騒がしい夜を過ごすのであった。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

夜明けの魔王軍にて。

 

「―――さあお前ら、気合い入れて行くんだよ!」

「《風》のファウストレス様の奮闘によって、最大の障害であった勇者はいなくなった!!もうあの国に勝ち目はない!!」

「《雷》ロータスの言う通りだ!もうあたし達の邪魔するヤツは……」

 

兵士達に檄を飛ばしていたハイネと本来の姿のロータスだったが、自分達にあんな屈辱を与えた六号の顔が過り、揃って顔を顰める。

しかし、すぐに気を取り直して再び檄を飛ばした。

 

「あたし達の邪魔をするヤツはもういない!人間共に、魔王軍の恐ろしさを見せてやれっ!!」

「全軍進め!!人間共を蹂躙しつくしてやりなさい!!」

 

その言葉に王国軍の倍近い戦力まで膨れ上がっていた魔王軍は、雄叫びを上げて進軍を開始していく。

 

「そうだ!!奴らに地獄を見せてやれ!!俺たちの恐ろしさを、弱っちい人間共に骨の髄まで刻みつけてやれ!!」

 

そう叫ぶのは魔王軍四天王の一人、《地》のガダルカンド。

ガダルカンドは一目で分かる程の頑丈な鎧に身を包み、片腕も鎧と同様の金属で構成されていた。

 

「ガダルカンド、随分とやる気だね。ゴーレムも二十体も用意したし」

「当たり前だ!俺の腕を斬り落とし、ゴーレムまでぶっ壊したあの人間を絶対に血祭りに上げるんだからな!この鎧も義手も金棒も、全部特別製だ!!俺を本気にさせた事を後悔させてやるぜ!!」

 

そう口にするガダルカンドは、相当な怒気と殺気を纏っている。クロスブレードマンへの復讐の為にずっと戦線から離れていたのである意味当然と言えば当然であるが。

ガダルカンドは脳筋ではあるが実力自体は相当なものだ。今回は装備でさえ魔王軍の中では最高峰に位置するものなので、大抵の人間なら束になっても勝てないだろう。

そんな魔王軍が、彼等の仕掛けた罠の洗礼を受けたのはすぐの事だった。

そして―――

 

「六号ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

「殺す!!あの変態だけは、絶対に殺してやるぅうううううううううううううううッ!!」

 

二人してまんまと狙い打ちの罠にも引っ掛かったのであった。

 

 

 




プロフィール

============
ハイネ

魔王軍四天王の一人。通り名は“《炎》のハイネ”。
褐色巨乳美人と際どいコスチュームにより、六号にある意味ロックオンされている。
炎の魔法を使う実力者だが、魔導石がないとあっさり雑魚になる。
その為、ロータス共々六号の悪行ポイントのダシにされた。

クロスブレードマンの評価:ああ無能より無能となる幹部。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。