転送先が死後の世界→異世界だった件   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ


オレの武器がおかしい件

あれから一月ほど経過し、予定通り移送空間が安定した転送機で増援組が来た。

魔王軍も停戦期間が終わり、再び王国への襲撃を再開したが以前程積極的に攻めてこない。

アリス曰く、オレがいるから安易に攻めて来ないからだそうだ。下手に大量に投入して全員返り討ちに合ったら魔王軍は崩壊まったなしだと。

まあ、四天王の一人は行方不明、一人は戦死、一人は弱体化という有り様で兵士も多く死んだのだ。魔物もあの戦いで多くが死亡したから慎重になるのは当然と言えるだろうな。

おかげでこっちは楽できるからいいけど。

 

「今日こそお前に引導を渡してやるにゃん。クロスブレードマン」

「組織内抗争は禁止されてるんじゃないのか?ロリコン怪人トラ男」

 

こちらの世界の剣を持ってやる気満々のグラサンかけた虎型人間の幹部怪人“トラ男”にオレは面倒臭さを隠さずにそう返す。

 

「これは模擬戦だから問題ないにゃん。それと俺はロリコンじゃないにゃん。小さい子なら誰でもいいだけにゃん」

「男女問わずかよ。いや、そうでなきゃ逃げてる子供に飛びかかりはしないか」

 

ちなみにこのトラ男。オレがヒーローする羽目になった一因でもある。こいつが逃げていた子供達に向かって飛びかかったから撃退する羽目になったし。アッパーからエルボー、タワー○リッジからの筋肉○ライバーで顔面を地面に埋まるほど叩きつけて沈めたら、それがクソブラック上司の目に留まってしまったんだからな。

 

「あの時は俺様も若かったにゃん。今は子供達がデレるのを待つ紳士にゃんよ。実力含めてあの時とは違うにゃん」

「その実力は毎回ぶっ飛ばされてた記憶しかないんだけど?」

「言うなにゃん。得意の密林の中でさえ敗けた時は、本気で頭を抱えたんにゃから」

 

確かカメレオン男も含めた小隊ごとぶっ飛ばしたんだよなー。やらなきゃ三十万の罰金だったから。

 

「さあ、分かったら武器を構えるにゃん」

「いや、武器打ち合わせたらそっちの剣折れるだろ。タダってわけじゃないんだからな」

「……事実だから反論出来ないにゃん」

 

そんな訳で、オレは素手でトラ男と模擬戦。結果は。

 

「うぎゃああああああああっ!!」

 

上空へ蹴っ飛ばしてからのマッスル○パークでKOだった。

 

「お前らは一体何をしているんだ?」

 

マッスル○パークでKOされて口から白い何かが出ているトラ男の姿を、いつの間にか来ていた実質のグレイス支部の支部長であるアリスは呆れた眼差しを向けている。背中にショットガンではない何か背負ってるが。

 

「アリスか。これは模擬戦の結果だが……何か用があってきたのか?」

「そうか。それと用件はこれからの任務についてだ」

 

これからの任務か。本来の任務は惑星侵略だから当然か。

 

「お前たちに分かりやすく言えば侵略地の拡大だ。この惑星での基盤を安定させて侵略の足掛かりにするんだよ」

「要は自分たちの土地を手に入れろってことか」

 

オレのその言葉にアリスは頷く。

現在の拠点は一軒家を利用した仮拠点だし、本格的な拠点を作るにも土地が必要ってことか。

 

「ちなみに候補地はあるのか?」

「まだだな。一応、傭兵契約を結んでいる王国以外の土地と考えているけどな」

「妥当だな。下手に王国とトラブル作って関係壊すのは得策じゃないし」

 

実際、六号含めたキサラギの追加人員の悪事はみみっちいレベルなら黙認してくれてるからな。

みみっちい悪事だから大してポイントは稼げないが、牢獄行きにならないだけマシだろう。

 

「それと増援はこれ以上望めないのか?」

 

今回の増援はトラ男含めて九人。内一人は下着を天ぷらにして食う変態だ。それと裸族であることも知った。後、その下着は実の妹のものであることも。

本人は反抗期と言ってるが、絶対に反抗期ではない。むしろ嫌われる要素しかないだろ。普通にドン引きする所業だし。

……話を戻すか。

今はキサラギ製の現代兵器で対抗できているが、それがずっと通用するとは思えない。例の壊れた戦車の存在もある以上、もう少し追加人員が欲しいところだ。

……楽したいし。

 

「ああ。向こうはヒーロー達が大規模な反抗作戦を行っているみたいでな。それでそっちに多くの戦力を注いでいるんだよ。アスタロト様は全部お前一人に任せようと考えていたそうだが、それは自分が阻止しておいた」

「ありがとうございます。アリス支部長」

 

見事な仕事をしてくれたアリス支部長にオレは敬礼して感謝の意を伝える。

そんなことになったら、即刻バックレてたからな!

 

「こうでもしないとお前は仕事放棄して逃げるだろ」

 

バレテーラ。隠す気ないけど。

 

「ていうか、よくそんな大規模な反抗をヒーロー達は出来てるな。そんな体力が残ってるとは思えないんだが」

 

いつ身体を壊してもおかしくない環境だし。

 

「報告書には給料十倍とか叫んでいた等とあったから、お前が居なくなった後で待遇が良くなったんじゃないのか?」

「その分罰金が増えてる気がするんだが」

 

あの組織が待遇を良くするだけとか、そんなホワイトな真似をするとは思えない。絶対帳尻合わせてるだろ。

 

「自分もそう思うぞ。コンビニ弁当が食べれて元気百倍とかもほざいていたそうだが、間違いなく消費期限切れだろうな。その前例もあるし」

「コンビニ弁当か……たぶん当時のオレでも泣いて喜んだだろうな」

 

だってカロリー○イトオンリーだったからな。肉や野菜、魚が食べれるようになったなら、絶対喜んで食べただろうな。消費期限切れとも知らずに。

 

「本当にヒーロー共はチョロいんだな。それと……これを渡しにも来た」

 

アリスはそう言うと、背中に背負っていた物をその場で落とす。

鈍い音と共に袋から取れたそれは……ヘンテコな剣だった。

 

「なんだこれ?キサラギが新しく開発した兵器か?」

 

オレの質問にアリスは頭を振って否定する。

 

「これはヒーロー共から奪った武器だ。何でも偽クロスブレードマンが持ってたヤツで、リリス様が調べ終わったのをべリアル様の指示でお前にと送ったんだよ」

「偽クロスブレードマンってなんなんだよ」

「そこまで知らん」

 

偽クロスブレードマンのことは気になるが、取り敢えずヘンテコ剣を持ち上げて軽く振ってみる。

重さはカラフルセイバーと然程変わらないな。刀身が水色のクリアパーツになってるけど、斬れるのか?

 

「一緒に送られた説明書によると、柄のトリガーを押すと刀身の周りに高密度なエネルギーが展開されるそうだ。早い話がビーム○ーベルモドキだ」

「めっちゃ燃費悪そうだな」

 

絶対エネルギーカートリッジが必要なやつだろ。しかし、装填口がどこにもないな。柄尻がエネルギーカートリッジに似ているが。

 

「動力炉を内蔵してるからその辺りは大丈夫だそうだ。無茶な使い方をすると動力炉が暴走して辺り一面が吹き飛ぶそうだが」

「とんでもない爆弾だな!!」

 

てかアリス!!心なしかドヤ顔してないか!?爆発するのがそんなにいいのか!?

 

「リリス様の調べでは、トリガーの長押しによるエネルギー精製が二十四時間以内に二回以上行うと確実だそうだ。だからクロスブレードマン。一回試せ」

「試すわけないだろ!!」

 

そもそも何でこんなもんオレに送ったんだよ!?パワーアップに見せかけた嫌がらせか!?

刀身にパラメーターがあるから、残量確認できるから一回使用してみよう。

……フムフム。一回トリガー押すとエネルギーの消費は五パーセントと。トリガー押してから刀身が光って、それは三秒程度で消えたから……

 

「ほぼお荷物じゃねぇか!!」

 

オレはそう叫んでその剣を地面に叩きつける。

あまりにもこの武器は燃費が悪すぎる!半分消費しても三十秒しかもたないとか、武器としてダメだろ!しかも刀身がクリアパーツだから、どう考えても壊れる未来しか浮かばねぇし!!

 

「お、トラ男さん。ここにいたのか」

 

そんなオレの心境なんぞお構い無しといった軽い感じで、看板支部長である六号はどこかで見た剣をぶら下げて此方に近づいてくる。マッスル○パーク受けてダウンしていたトラ男もいつの間にか復活してるし。

 

「六号。俺に何かようかにゃん?」

「ちょっと模擬戦しようと思いまして。愛する部下の形見である何とかザッパーで」

 

六号はそう言ってスノウの剣―――フレイムザッパー二世を構える。それ、絶対に無断で借りてきただろ。

 

「受けて立つにゃん。この剣でにゃ」

 

トラ男はそう言うと、オレが地面に叩きつけた剣を拾って構える。

それでやるんかい。まあ、それならスノウの武器には万が一は起こらなさそうだけど。

 

「なんすかその剣は?そんなガラスのような刀身で大丈夫なんすか?」

「問題ないにゃん。これはクロスブレードマン宛の武器みたいだからにゃ」

「なんだよそれ!俺にも装備をタダで支給してくれよ!」

 

六号がオレを睨み付けて文句言ってるけど、完全に危険物を押し付けられただけだからな。

 

「どうせなら俺にくれ……」

「そんなアリス並の爆弾剣、欲しければ―――」

「いらないです!そもそも打ち合って大丈夫なんすか!?」

「それは大丈夫だろ。動力炉は鍔部分にあると書かれていたからな。刀身にはエネルギーを貯蔵する役目はないから、エネルギーが溢れて爆発という展開もないしな」

 

そこを攻撃しなきゃ、エネルギーを連続で作らない限りは爆発しないと。

 

「それなら大丈夫か……ちなみにトラ男さん。何で語尾に“にゃん”と付けているんですか?結構ウザいんですけど」

「そうした方がモテると聞いたからだにゃん」

 

確かにモテそうだな。あくまで見た目が巨大猫とも言えるトラ男限定でだが。

 

「マジっすか!?俺も真似していいっすか?」

「好きにするにゃん」

「トラ男以外じゃ引かれると思うが?」

 

オレのツッコミに答えることなく、六号とトラ男は手に持っている武器を構える。

 

「それじゃあ六号!お前がどれほど強くなったか、試してやるにゃん!」

「望むところっすよ、トラ男にゃん!」

 

そうして六号とトラ男は互いの武器を振り抜き、打ち合わせる。

 

「「「「…………」」」」

 

結果は―――折れた。フレイムザッパー二世が。それも見事なまでの真っ二つに。

 

「何でこっちが折れるんだよ!?普通はそっちの刃が欠けるとかだろ!?」

「知るかにゃん!そもそも、これは折れてると言うより斬れてるにゃん!切れ味がおかしすぎるにゃん!!」

 

トラ男の言う通り、真っ二つにされたフレイムザッパー二世の断面は力で折れたと言うより驚異的な切れ味で綺麗に斬られたという方が正しい。

 

「なあ、アリス。あれの刀身の材料は何なんだ?」

「説明書によると材質は強化ガラスだそうだ。だからこの結果には自分も驚いている」

 

マジか。鉄が強化ガラスに負けるなんて早々ある筈がない。まさか、転送で強度がおかしくなったのか!?

 

 

 

「一応、女神干渉がバレないようにあの武器も同じ調整をしたんだけど……そのまま繋げたらエラー起こして大爆発間違いなしだったし。その原因が女神干渉のせいだからそれはそれで後味悪いし……」

「……大先輩。しれっとルール破ってませんか?行動自体は間違ってないですけど」

「うるさいわよ、パッド女神」

「その呼び方は止めてください!!」

 

 

 

そんなやり取りがされているとは露知らず。

六号とトラ男は折れたフレイムザッパー二世に慌てていた。

 

「マジでどうしよ!?アリス!高性能なお前なら何とかならないか!?」

「助けてくれよアリスにゃん」

 

六号とトラ男の助けを求める声に、アリスはやれやれといった感じのリアクションを取る。

 

「しょうがねえな。高性能なアリスにゃんがバカなお前達に知恵を授けてやる。米粒か金属用のボンドで折れやすいようにくっ付けて返しとけ。そして戦闘で折れたらこう言うんだ。『ナマクラを買わされたんだろう。俺達が商人を叱ってやる』とな」

「「それだ」」

 

それだじゃないだろ二人とも。そこは剣の弁償だろ。取り敢えずこのヘンテコ剣は回収するけど。

 

「六号どこだぁあああああああああ!今日という今日は許さんぞ!!」

 

噂をすればなんとやら。スノウの怒声が響いてきた。

六号とトラ男は折れたフレイムザッパー二世を咄嗟に背中に隠すが、トラ男の方は力強く握ったから刀身が瞑れてさらに折れてしまったし。

グシャッ。という音で六号とトラ男が冷や汗を流す中、少しして息を切らしたスノウ本人が現れた。

 

「六号!私の愛剣をどこにやった!?六年ローンで買った我が愛剣フレイムザッパー二世を!!」

「あの魔剣なら旅に出たぞ。何か唐突に自我に目覚めてな。真の主を探すとか言ってたぞ」

「ふざけるな!魔剣が勝手に歩くか!仮にそうだとしても、私が真の主と認めている筈だ!」

 

六号、その言い訳は本当にキツいぞ。いくらファンタジー世界でもそれはないだろ。

 

「……おい待て。背中に何を隠している……?」

「……実は旅に出た魔剣がさっき戻ってきてな」

 

観念したのか、六号はそう言って背中に隠していた折れたフレイムザッパー二世を前に出すと、スノウは折れたフレイムザッパーの柄を握りながらその場に崩れ落ちた。

……デジャヴです。本当にデジャヴ。しかもめっちゃ嘆いてるし。

 

「……六号。クロスブレードマン。これはちょっと見てられねぇにゃん」

「……オレに言われても困るぞ」

 

オレ、この件に関しては完全に関係ないし。

 

「トラ男さんも責任あるじゃないすか。握り潰したせいで修理もできないんすから」

「……しょうがないにゃあ」

 

トラ男はそう呟くと、自身の悪行ポイントを消費して何かを取り寄せる。取り寄せたのは……刀だ。

 

「フレイムザッパー二世……フレイムザッパー二世が……」

 

ポロポロ涙を溢すスノウの前で、トラ男は取り寄せた刀を鞘から少し抜いてその刀身を見せつけた。

 

「……なんという業物!ト、トラ男殿。その美しい剣は!?」

 

あー、そうか。この星には刀という概念がないのか。

この星の剣は地球の西洋剣よりだし、私見だが斬り裂くを追及した刀と叩き斬るを追及した剣の違いは分からないんだろうな。

 

「愛剣の代わりにこいつをやるにゃん」

「……トラ男様ァアアア!!」

 

刀をお詫びの品として渡されたスノウはあっさり復活。めちゃくちゃ上機嫌でトラ男に抱きついた。

 

「へ……へへへ……もしや他にも業物を……もしくは副隊長のような凄い剣をお持ちで……?」

 

うわ。めっちゃ媚売ってる。あわよくばもっと業物を貰う魂胆だな。

 

「実は最初から只者ではないと思っていたのです」

「てめぇ、初めて会った時は魔物扱いして斬りかかってきたにゃろ!それと、気持ち悪いからトラ男様って呼ぶのやめろにゃん!」

「良かったじゃないっすか。早速モテモテですよ」

「俺は小さい子以外は範囲外にゃん」

 

本当にぶれないなー、トラ男。オレを倒して、引退後の美少女改造手術を確約させると叫んでいたから当然だけど。

 

「む?副隊長、今持っているその剣は何だ?刀身が透けているが……」

「下手したら大爆発を起こす危険物だ」

 

今後は二刀流で戦うことが多くなりそうだな。二刀流は奪い取ったRバッソーで全くの未経験ではないが。

そうしていると、場内の鐘が激しく打ち鳴らされる。

 

「敵襲か!出撃するぞ!早速この剣の切れ味を試してやる」

 

スノウは刀を掲げてそのまま走り去っていく。

仕事だからオレも行くか。けど、その前に。

 

「この剣の名称はなんだ?」

「《クリアライズエネルギーブレード》だそうだ。ちなみに説明書はこれな」

 

武器の使い方くらいは確認しとかないとな。後、ブレードなのに両方に刃があるんだな。二つに分かれているから当然だけど。

 

―――前線区域にて。

 

「オラオラ!秘密結社キサラギ社員戦闘員六号様だ!冥土の土産に俺の名前を覚えておけ!」

 

キサラギ製のアサルトライフルを撃ちまくりながら六号は魔族達に対してそう叫ぶ。

にしてもこのクリアライズエネルギーブレードの素の切れ味が本当におかしい。鎧に普通に傷つけてるし。武器同士の打ち合いにも全然負けてないし。

 

「隊長!そのセリフやめませんか!?あたし達の方が悪人っぽいんですが!」

「バカ野郎!正義は勝つんだから、勝っちまえば正義の味方だ!」

「その通りだな。所詮、正義は勝った方になるからな」

「なんで副隊長は同意してるんですか!?」

 

ロゼは信じられないといった感じで叫んでいるが、正義や悪の境界線はあやふやだからなー。戦争なんて特に。

にしても今日は敵の数が多いな。よし、クリアライズエネルギーブレードの必殺技で一気に削るか。

オレは新武器のトリガーを目を通した説明書通りに連続で五回引く。

 

『クリアライズ―――スラッシュ!!』

 

満タンだった刀身のメーターは一気に半分となり、刀身に白いエネルギーがまとわりつく。

それを向こうに見えるオーク連中に向かって振るうと、ビームの斬撃となって飛んでいった。

オーク連中はそのビームの斬撃受けて胴体ぱっくり。あっさりと骸に成り下がる。

 

「凄い剣だな副隊長!今度私に手入れさせてくれ!」

「メンテはアリスに任せてるから却下」

 

刀で魔王軍をズバズバ斬っていたスノウの頼みをオレは速攻で却下する。

カラフルセイバーもだが、クリアライズエネルギーブレードも純粋な剣じゃないし、特に後者は下手したら大爆発だ。

ちなみにスノウは近衛騎士団の隊長に返り咲いたそうだが、何故か六号の隊に配属されている。

本人はお目付け役と言っていたが、体の良い厄介払いじゃないのか?

取り敢えず、鍔にあるスイッチを押してモードを変えるか。

 

『ショット、モード!』

 

射撃モードとなったクリアライズエネルギーブレードの先端を狼男に向けてトリガーを引くと、そこからレーザーが撃ち出される。

撃ち出されたレーザーは狼男だけでなく後ろにいたオーク達も貫いた。

貫通力高いな。レーザーだから当然だろうけど。

消費量は……十パーセントだから連射はできないな。てか、完全におまけだろ、これ。

せっかくだから、合体させた時の性能も確かめるか。

オレはカラフルセイバーの装填口を開くと、そこにクリアライズエネルギーブレードの柄尻を差し込む。

 

『ドッキングコンプリート。ダブルセイバーモード』

 

その音声が流れると、カラフルセイバーの刀身に白い光のラインが走っていく。

説明書に書かれていた通り、合体させるとカラフルセイバーのリミッターが解除されるようで、威力は合体も合わさって相当高くなるそうだ。後、見た目カッコいいな。

まずはトリガー一回分の威力を試すか。

 

『ストライククリアフィニッシュ!!』

 

カラフルセイバーの刀身に白いエネルギーが放出される。

オレはそれを突撃していたトカゲ男に向かって振り下ろすと……斬撃が飛んで爆発した。

 

「「「「…………」」」」

「zzz……」

「ふむ。射程は短いがその分威力が高いな。剣の振りのスピードによって威力と速度が変わるのも興味深い」

 

斬撃の爆発で爆散した魔王軍の肉片が四方八方へと飛んでいくその光景にオレはもちろん、六号達は絶句。グリムは居眠りでアリスは平常運転だ。

その間に魔王軍は撤退してるけど……複雑な気分だ。

そもそもなんで斬撃が爆発するの?特撮にはよくあるけど、実際には起きないはずだろ?

ついでにエネルギー残量が十パーセントになったし、チャージもしておくか。

 

『エネルギー、フルチャージ!』

 

おお、一気に満タンになったな。けど、二十四時間過ぎてからじゃないと爆発するし、結局燃費はめっちゃ悪い。

 

「何か、ロマンだけを詰め込んだような武器だな」

「どうせ、玩具として売ることも考えてるんだろうな」

 

本当に正義のブラック組織は世界を守る気あんの?単に儲けたいだけなのでは?

そんな疑問を抱きながらも、問題なく魔王軍を追い払ったトラ男達と共に王都へ帰還するのであった。

 

「第二の勇者ー!早く魔王を倒せよー!」

「チャックマーン!チャックからクッセー匂いがするぞー!」

「誰が第二の勇者じゃああああああっ!?」

「チャックマン言うクソガキはお前かぁああああああっ!?」

「「ひぃいいいいいいいっ!?」」

 

帰還して早々、オレと六号はクソガキ共を追いかけるのであった。

 

 

 




プロフィール

============
トラ男

小さい子が見境なく好きな虎怪人のキサラギ中堅幹部。
思わず子供たちに飛びかかり、当時避難誘導のバイトだったクロスブレードマンにKOされた怪人。
その後もヒーローとなったクロスブレードマンに何度も挑んだが、全敗している。しぶとく生き残っているから割と強い。
最終目標は美少女になること。

クロスブレードマンの評価:ロリコン怪人。
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