「おいクロスブレードマン。特上寿司を申請してやるから今すぐ街中で暴れてこい」
「却下に決まってるだろ」
土地を一部拝借して地球の作物を植えている畑の手入れをしていたオレは、開口一番のアリスの要請を速攻で断った。
「そもそも何でオレを暴れさせようとしてるんだよ?いや、理由は何となく分かるが」
「アンデッド祭りとか言う、不愉快極まりない祭りをぶち壊したいからに決まってんだろうが」
ああ、やっぱり超常現象絡みの祭りが理由か。
スノウとロゼから軽く聞いたが、毎年この頃になると死者の魂が戻ってくるので人形にぶち込んで迎えるとのこと。
で、不死と災いの神ゼナリスの大司教であるグリムがその祭りを取り仕切っているそうだ。
「祭りくらいは大目に見たらどうだ?むしろ妨害したら大反感を買うぞ」
「自分たちは悪の組織だ。周りから反感買うのもお約束だ」
こんな所でお約束を果たそうとするなよ。
「第一、オレはティリスに許可貰って店を一つやるつもりなんだ。だから妨害なんて真似はしたくない」
「おいこらクロスブレードマン。キサラギの仕事を放棄するな」
「やる店は飲食店で、材料は今育てている作物と、調査目的で狩ったモケモケとスポポッチの肉だから準備含めて支障はねぇよ」
キュウリにピーマン、トマトにオクラに枝豆、パプリカや茄子に唐辛子……かなりの数の野菜が育ってるからな。
サツマイモやジャガイモ、大根やキャベツ等は育て始めたばかりだから収穫はまだまだ先だが。
モケモケとスポポッチの肉はデストロイヤーと巨大ロボットのすぐ傍に設置した業務用の冷凍庫に冷凍保存してるから大丈夫だし。
ちなみにその冷凍庫は必要経費で申請したら通った。デストロイヤー達の傍なのは動力源の関係で。
「それに今度の新しい仕事はアジトの本格的な建設なんだろ?資材や重機とかは六号の悪行ポイント使わないと送って貰えないんだから、大幅にマイナスになってる今じゃすぐに着手できないだろ」
悪事もみみっちいことしか出来ないし、他の戦闘員は基本前線で魔王軍と睨み合ってるし。
制裁部隊が此方に来る可能性が浮上している今、少なくともすぐにアジト建設は無理だろ。
ちなみに例のヒーロー襲撃は見事に乗り切ったそうだ。主にべリアルのおかげで。
ついでに《黒》のリリスは『理想の上司ランキング』一位獲得の為に勝手に大量の社員雇用をしており、それがバレて減給と借金の制裁を受ける羽目となった。
しかも雇用条件が週休七日で手取り五十万。仕事はリリスに投票するだけというめっちゃ怪しいものだった。そんなん真に受けるとか、そいつら高確率で引きこもりニートだろ。偏見だけど。
そんな彼らにはキサラギの商品券送って雇用を取り消したそうだが。
……話を戻すか。
「むしろ祭りに便乗して何か店でもやってポイント稼いだ方がいいんじゃないのか?」
景品が絶対に倒れない射的とか、当たり籤が一切ない籤引きとか。祭りの悪どい商法なら悪行ポイントを稼げるだろ。
「なら開催できないように戦闘員を総動員して潰してやる。そうすりゃポイントが大量に手に入るだろ」
「だから止めとけ。やったら絶対足下見られる交渉迫られるぞ」
ティリスは部下に美人局させようとする腹黒だからな。祭りを台無しにした対価にキサラギの技術を絶対に要求してくるぞ。
普通ならその辺りも考慮する筈だが、オカルト関係だと直線的な行動を取ろうとするよな。この高性能ロボットは。
「ちなみに店の営業にはトリガーハッピーとバカキメラに手伝わせる予定だ」
ちなみにスノウやロゼ、グリムは考えるまでもなく論外。絶対、余計なトラブル起こすから。
フレアは弓を持たせなければ大丈夫だし、ラッセルは捕虜だから拒否権はないし。トラ男の許可も取ってるから問題ない。
……そういえばフレアはここ数日、仮アジトをスノウと共に出入りしてるが一体何の用で赴いているんだ?バイト持ちかけたら速攻で引き受けたし。
「副隊長ー!」
そんな疑問を浮かべていると、ロゼの声が聞こえてきた。なので声が聞こえた方へと顔を向けると、ロゼだけでなく六号にトラ男、メイド服姿のラッセルまで此方に近づいて来ていた。
ラッセルがメイド服なのはトラ男の趣味だ。他の戦闘員はナースや旧スク水、チャイナ服を着せようとしていたがトラ男によって失敗に終わっている。
一応解放を早める条件だそうだが……期限そのものが不明だからな。下手したらずっとの可能性もある。
ま、あの交渉を即座に蹴った上に、他に選択肢がなかったからどっちにしろ変わらないんだが。
「一体何のようだ?トラ男とラッセルが畑に来るのはまだ分かるが」
時間的にはそろそろ水やりの時間だからな。いやー、ラッセルのおかげで水の心配がなくなったから安心して畑に水をやれるから万々歳だ。
「それじゃ、今日も水やりよろしく。やり過ぎには注意してくれよ」
取り敢えずオレはアルミ製のジョウロをラッセルに手渡すと、ラッセルはコクリと頷いて受け取りジョウロに水を入れながら畑に水をやっていく。
トラ男は図体がデカイから遠目での監視だ。畑を潰されたら堪らんからな。
「……ラッセルさん、普通に水をやってますね」
「ラッセルにゃんはクロスブレードマンの指示は本当に素直に従うにゃんよ。それも憎まれ口を叩かずににゃ」
確か六号達の前ではバカにしたり態度だけは強気で仕事しているんだったな。畑仕事ではそんな態度を微塵にも出してないけど。
「ラッセルさん。何で副隊長の時だけは素直に従うんです?」
「……逆立ちしてても一切勝てる気がしないからだよ。あの時、キメラの本能に従って素直に逃げていれば良かったと本当に後悔してるよ……クロスブレードマン様は人間なのに、トラ男以上に理不尽極まりない強さを持っているからね……しかも、トリスでボクを天井へと蹴り上げた男と同一人物だったし……」
……様付けは本当に止めてくれない?めっちゃ背中がむず痒いんだけど。むしろ鳥肌立つんだけど。
「何で様付けなんです?副隊長本人は嫌がってるみたいですが……」
「クロスブレードマン様に関しては素直に本能に従うことにしたからだよ。変に意地を張ったら、ロクな目に合わないからね……過去に戻れるなら、誇張と判断していたボクを殴りに行きたいよ……」
そう答えるラッセルの目はまるで死んだ魚のように濁っている。確かに素直にキメラの本能とやらに従って逃げていればこうはならなかっただろう。
せっかくロータスが進言していたのに誇張と判断して無視したんだから、ある意味自業自得だ。
「てっきり二対一だったからと言い訳すると思ったんだが」
「バカにするなよ六号。クロスブレードマン様なら一対一でも同じ結末だったくらいは分かるよ。あの“砂の王”を一人で撃退したのなら尚更ね。それどころか魔王様やバイパー様でも……」
おおう。めっちゃ喧嘩腰で六号に文句言ってるな。水やりはちゃんとしてるけど。
「おい。そのバイパーってのは誰だ?魔王軍の幹部クラスか?」
「君たちに教える気は―――」
「バイパーって誰なんだ?」
「魔王様の娘です。クロスブレードマン様」
変わり身早いなおい。アリスが聞いても答えようとしなかったのに、オレが聞いた瞬間にあっさりとゲロるとは。
「お前、マジでプライド捨ててやがるな」
「クロスブレードマン様相手にプライドを優先しても意味ないからね。今ならロータスの気持ちがよく分かるよ」
「今さらプライド捨てても意味ないだろ」
「……それは言わないでくれよ」
アリスのその指摘にラッセルは顔を背けて呟く。
「魔王の娘か……肩書きだけ聞けば凶悪そうなんだが……」
「バイパー様はそんな方じゃないよ!凄く優しくて、周りが心配するくらい素直なお方なんだから!!」
マジか。まあ、今のコイツが嘘を付く可能性は微塵もなさそうだし信じてもいいだろ。
「てかロゼは何のようで来たんだ?」
「あ!そうでした!グリムが隊長と副隊長を呼んでいたので呼びに来たんでした!」
グリムからの呼び出しか……行きたくないなー。
「ちなみに要件は?」
「ぬいぐるみを買ってきてほしいと言ってました!」
「金は渡すからそっちで勝手に購入して渡しといてくれ」
「副隊長は行かないんですか!?」
いや、だって絶対面倒ごとに巻き込まれるだろ。オレは畑の手入れで忙しいんだ!
「一応、人形ならもうあるぞ。キサラギのマスコット、八つ裂きミート君に、打倒クロスブレードマン目的で昔作ったマスコット版のクロスブレードマン君が」
「何作ってんだよ悪の組織」
六号が持っていた布袋から取り出した二つの人形にオレは即座にツッコミを入れる。
正義の組織もソフトビニールのクロスブレードマン人形や、アクションフィギアのクロスブレードマン人形を売ってたみたいだけどさ。悪の組織がそんな人形作るなよ。
デフォルメされて愛嬌あるけどさ。
「後、ミート君は背中のボタンを押すと喋るぞ」
六号はそう言うと、トサカヘアの人形の背中にあるボタンを押す。
『コンニチハ、ボクミート!リア充ハヤツザキダ!』
「めっちゃ悪意のあるセリフだな」
しかもめっちゃガクガクしてるし。
「ちなみにクロスブレードマン人形もだ」
『オレハクロスブレードマン!《業火》ノべリアルノライバルダ!』
……絶対この人形、べリアルの指示で作ったな。セリフからしてそうとしか考えられないし。
「ついでに言えば、色違いもあるぞ」
だからー、悪の組織がヒーローのマスコット人形をそんなに作るなよ。
しかもダブルカラーやトライアルカラーになっている人形まであるし。
「ちなみに音声は誰が担当してるんだ?」
「合成音声に決まってるだろ。後、人形の音声はこっちの言語に合わせて既に調整してある」
「こっちでも売る気満々だな」
どこかドヤ顔しているアリスの言葉に、オレは呆れてしまう。
合成音声に関しては昔、初音○クとかいうバーチャルボーカロイド?ってのがあったし今更だろう。
結局、ロゼの懇願に折れて渋々グリムのところへと向かうのだが……
「ここのところみんな忙しそうだな」
「ついでに活気も満ちてるよな」
「もうすぐアンデッド祭りが始まりますからね。活気に満ちているのは当然ですよ」
町は飾り付けや資材の運搬、人一人分の大きさがあるぬいぐるみの設置で大急がしだ。
「ああ、そんなこと言ってたな……そういやロゼ。ラッセルのバカに自分の素性を聞いてないのか?自分が何者か調べてたくせに」
六号がそう聞くと、ロゼは目を逸らしながら不安げな表情で口を開いた。
「その……急に同族が現れてちょっと怖くなったっていうか……ラッセルさん、すごく人間を憎んでいるから……」
……ふーん。
「あたしも自分の素性を知ったら、今までと同じ生活ができるのかなって……」
「考え過ぎだろ。どうせあのバカの人間嫌いは大した理由じゃない可能性の方が高いだろ。でなきゃ、お前を懐柔しに動く筈だし。そもそも、アイツは致命的なレベルでバカなんだ。真面目に考察する方が時間の無駄だぞ」
オレがそうバッサリ言い切ると、ロゼは口をあんぐりと開けて固まっている。
「……副隊長って実は隊長と同類じゃないかって疑問に思う時がありますよ」
「お前も本当にたまに毒吐くよな」
そういえばコイツの爺さんは人間嫌いの気があったし、その辺りが影響してるのか?
まあ、どうでもいいか。
「どうせ美味いもん食ったらそんな不安も彼方に飛ぶんだから気にするな。モケ串奢ってやるからとっとと気分切り替えろ」
「副隊長ってあたしの事、食べ物で簡単に誤魔化せると思ってませんか?いただきますけど」
ロゼはそう言って屋台で売られているモケ串を十本注文した。少しは遠慮しろよ、おい。
「俺もお前の奢りで買っていいか?最近モケモケにハマってるから」
「……お前は本当に遠慮がないな」
毎回調子に乗って周りに奢ってるのにな。
「隊長?モケモケは友達だって以前言ってませんでしたか?」
「?なんで俺がザリガニなんかと友情築かなきゃならないんだ」
……六号のやつ、ガチで忘れてやがるな。
「ちなみにお前、モケモケに食われようとしてたぞ?」
「は?俺がザリガニなんかに食われるわけないだろ」
「完全に忘れてますよね!?隊長って本当にどんな記憶力してるんですか!?」
そりゃ、『おちん○ん祭り』の件を忘れていたくらいだからな。ちなみにあの宴会芸の件もガチで忘れていた。アイアンクロー食らわしたら思い出したけど。
そんなこんなで六号にもモケ串奢ってグリムが待っている城の広場に到着すると……
「遅ーい!急いでって言ったじゃない!」
グリムはお札を不気味な土人形?の顔に張りまくっていた。
「グリム。そいつらは何だ?」
「悪霊よ!野放しにできないから土塊で作った依り代に閉じ込めてるの!それよりぬいぐるみは!?」
そう言ってグリムが急かしてくるので、オレは八つ裂きミート君とクロスブレードマン君をポイポイと幾つかグリムへ投げつける。
「ちょっと!?こっちの人形は不気味じゃない!それにもう片方は副隊長に似てるし!」
「そうかな?どっちも結構可愛いと思うよ」
ロゼはそう言ってミート君とクロスブレードマン君を抱えると……後ろのボタンを押した。
『コンニチワ、ボクミート!イキオクレハヤツザキダ!』
『オレハクロスブレードマン!ブラックハセンメツダ!』
……アリス、絶対にセリフ追加しただろ。
「そっちの不気味な方はセリフに悪意ありすぎよ!こんなんじゃ悪霊詰め込んだら怖いでしょ!犬とか猫とか、そんな可愛いぬいぐるみを持ってきなさいよ!」
「ぬいぐるみに入っても怖いだろ」
六号の言う通りだよなー。しかも唸ってるし。
……ん?この土塊人形たち、何か膨らんできてないか?
「マズい!」
グリムがそう言った瞬間―――土塊人形は一斉に爆発した。
ダメージこそないが……おかげで全身土まみれだ。
「……二人とも。グリムを取り押さえろ」
「じゃあ、オレは右で」
「なら、あたしは左ですね」
そうして流れる動作でオレとロゼはグリムの腕と肩を掴んで捕縛。まるで罪人の如く取り押さえられたグリムはゆっくりと歩いてくる六号にビビり始める。
「ねえ、落ち着きましょう?三人がかりは反則よ?もうすぐアンデッド祭りが始まるから……」
「そこは安心しろ。お前は六号にセクハラされるだけだからな」
「全く安心できないわよ!?」
オレの言葉にグリムは声を荒げて反論するが、暴力よりかは遥かにマシだろ。
「そうですね。セクハラくらいなら大丈夫ですね。隊長、やっちゃってください」
「ロゼ!?お願いだから―――」
ピロリロリ~ン♪
『悪行ポイントが加算されます』
ゴシゴシゴシ。
「で、アンデッド祭りって結局何なんだ?」
スカートで上半身包み込んで拘束されて黒下着が開帳されて泣いてるグリムを無視し、布で土汚れを拭き取った六号は同じく布で土汚れを拭き取ったロゼに質問する。
オレも同様に土汚れを布でキレイに拭き取っている最中だが。
「亡くなったご先祖様をお迎えする儀式ですよ。毎年この時期に行われて、お祭りになると美味しいものがタダで食べられるんですよ」
「俺の国で言うお盆か」
幽霊が来る点を除けば、な。
「その依り代なかったらどうなるんだ?」
「そこらの死体に取り憑きます。そうなると大混乱ですよ」
「うわぁ」
そりゃ確かに大混乱だな。おもくそバイオハザードの光景になるな。それならぬいぐるみにぶち込んだ方がまだマシだな。
……ん?そうなると……
「だとしたら魔族の霊もくるんじゃないのか?オークや狼男とかにも魂はある筈だし」
「そっちに関しては心配ないわよ」
あ、グリムが拘束から抜け出して復活したな。
「魔族や魔物の魂は穢れを纏い易いからすぐに悪霊になって自我が崩壊しちゃうのよ。この時期にはそういったアンデッドも増えるからそれらも含めて私が仕切ってるのよ」
自我の崩壊かー。何か怖いな。
「相性等によっては自我を保つケースもあるけど……土属性の魔法の使い手じゃないとそう長くは自我を保てないわ。仮にもっても二、三日程度よ」
…………。
「それだと魔王軍四天王の《地》のなんとかってヤツが自我を保ったまま暴れるんじゃないのか?」
ゴーレムという岩石人形を作れたみたいだし。後から知ったことだけど。
「そっちも大丈夫よ。副隊長のせいで判別不能な程の肉片になってたけど、何とか全部回収してあの腕ごと燃やして灰にしたから。それを壺に入れて祭壇の上に安置して浄化してるから復活の可能性はないわ」
「……文字通りミンチになってたのかよ。やっぱりクロスブレードマンはおかしい」
「あれは本当に地獄でしたよ。むしろ副隊長の攻撃で死ぬんじゃないかと思いましたよ……」
全員から呆れたような視線が注がれるが知らん。一応は考慮したんだからいいだろ。
「とにかく、アンデッド祭りまであと一週間だから、それまでにご先祖様たちの依り代を用意しなきゃいけないの。隊長たちにはその人形の材料集めを……」
「畑の手入れで忙しいから帰るわ」
「俺もめんどくさそうだから遠慮しとく」
「言い終わる前に帰ろうとしないでよぉおおおお!?」
グリムが泣き叫んでいるようだが知らん。そっちより畑仕事に精を出した方がよっぽど有意義だ。
「お願いだから協力してよ!おねーさんが色々サービスしてあげるから!!」
地雷女のサービスとかいらんわ。後、その発言は六号が食いつくぞ。
「……仕方ねえなあ。じゃあ、サービスとやらを期待してるからな?」
こんな風にな。絶対、エロイベントレベルのサービスを要求するからな。
「俺たちはもういい大人だってことを理解しろよ?」
「え」
「いつかのスノウみたいにお礼のキスだとかしょっぱいことじゃ済まないからな」
「え?」
あー、そういえば同衾?セックス?を所望して魔物の首を片手に拒否して代わりにキスしたんだっけ?こっちは勇者コールで最悪だったってのに。
「……やっぱりちょっと考えさせて」
グリムは傷物にされる可能性から顔を青くし、人差し指同士をちょんちょんさせながら六号から顔を逸らしながら消え入りそうな声でそう呟く。
「遠慮するなって」
「嫌ぁああ!隊長、絶対責任取らないでしょ!」
「俺、責任って言葉嫌い」
「やっぱりぃいいいいいいいいい!!」
グリムが悲壮な声で叫んでるが、今のうちにこの場から離脱……
「副隊長!副隊長は確かアンデッド祭り中に店を出すんでしょ!?このままだとお店が開けないわよ!!」
……………………あ゛?
「それはつまり、オレへの脅しか?」
「違うわよ!このままご先祖様が迎えられないままだと、アンデッド祭りが開けないって意味よ!!第一、副隊長を脅す度胸なんて私にはないわよ!!」
腰のカラフルセイバーを若干引き抜いた状態でのオレの質問に、グリムは大慌てで弁明する。
「お前、祭りに参加する気満々じゃねえか」
「副隊長はどんなお店をやるんですか?美味しいものの店なら手伝いますよ」
六号が呆れ、ロゼは飲食店なら手伝うと言ってくるがもう人員は確保してるから大丈夫だつーの。
「飲食店だ。後、お前に手伝わせたら店の食材を全部食うから却下だ」
砂漠の前科があるから特に。
ちなみにラッセルの方は家事で勝手に食べたりしないのは把握済みなので問題ない。
「失礼ですよ副隊長!ちゃんと耐えられますから大丈夫ですよ!」
いや、耐えられないだろ。六号を食欲的に食おうとした前科があるから。
その後、グリムが土座下してまで懇願してきたので、オレは最低限の仕事だけを手伝うことを条件に引き受けてしまうのであった。
プロフィール
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リリス
キサラギ幹部。通称《黒》のリリス。
惑星間を移動する転送装置や改造手術など、キサラギの高度な技術を生み出した天才だがある意味六号以上のバカでもある。
ニコチューブの配信に、ハッキングによる投票数の操作、勝手な社員雇用を行ったが全部バレてしまい、アスタロトとべリアルから制裁を受ける羽目となった。
クロスブレードマンの評価:調子に乗って自滅するタイプ。