バカとテストとフラグ魔ーズ〜フラグ魔達の奮闘記〜 作:近衛龍一
よろしくお願いします!
桜咲き乱れる春。
僕がここを通るのももう二回目だ。
「おっす明久」
「おはよう明久」
「当麻に一刀。おはよ」
登校中、出会ったのは僕の親友である上条当麻と北郷一刀。
2人とも物凄いフラグ魔で女難が酷くて苦労してる、なんて羨ましい状況の中、自分のハーレム状態を理解していないバカなやつらだ。
「「いや、それはお前だろ」」
なんで僕がつっこまれたのかはさて置いて……。
この2人、フラグを立てるだけ立てて放置。
2人に恋心を抱いているというのにどれだけアピールしても気づいいてもらえないという生殺しの状態にある女子生徒が多発している。
まったく、質の悪い男だ。
「それ、お前には言われたくない。てか、俺じゃなくて明久と当麻がフラグ魔なんだろ?」
「ないな。不幸な俺がそんな美味しい状況にいるわけないだろ? 一刀と明久がフラグ魔なんじゃないか」
「ははっ。2人とも冗談でしょ? 自慢じゃないけど、僕は生まれてこの方モテるどころか手を繋ぐレベルの女性経験すらないからね?」
沢山の女の子から好かれてる当麻達とは違うんだよ。
…………悲しい意味の方だけど。
だいたい、あんなにフラグ立てるって何?
主人公補正でもかかってるの?
しかも気がつかないなんてワザだとしか思えないよ。
『おいおい明久。お前が言うなよ』
むっ、僕の中の悪魔か。
一話目だというのに登場が早いな。
『お前のメタ発言は置いといて、お前も相当なフラグを立ててるぞ?』
そんなわけないじゃないか。
一体何を根拠に……
『え〜? だって島田だろ? 姫路だろ? 恋だろ? 鈴々もだし、朱里もだし……』
な、なんだと……?
僕にはそんなにフラグが立っているというのか!?
これは僕にも春が……!
『それに久保もだ』
………来ていないようだね☆キリッ!
『……だから来てるんだって』
黙れ悪魔め!
前半はよかったのに最後は男じゃないか!
僕は断固として信じないぞ!
やっぱり僕はフラグなんて立ててないっ!
『ダメだよ明久。現実逃避なんてしちゃ。それに久保に目を瞑れば素晴らしいメンツじゃん!』
相変わらず遅い登場だな、僕の中の天使。
でもまぁ…今回はマトモな意見じゃないか。
もし仮に悪魔の言うことが本当なら僕の人生は素晴らしいものになるし……いや、でも待てよ……?
こんな僕を好きになる女の子なんているか…?
僕に異性としての魅力がないように思えるんだけど……?
『まぁそう自分を卑下するなよ。お前はブサイク、バカ、下心の塊という点に目を瞑れば財力、甲斐性、能力、才能が皆無というだけじゃないか』
何だと悪魔!?
こと言うにこの僕にはセパタクローしか残ってないというのか!?
『何でセパタクロー!? その返答は流石の俺も予想出来なかったぞ!?』
『安心して明久。まだ明久には残ってるものがある!』
何だって!?
それは何なんだよ天使!
『女装が似合うってことだよ♪』
……………………ふんっ!←僕が天使をぶん投げる
まったく、僕に女装が似合うわけないじゃないか。
冗談言うなんて本当に僕の中の天使なのか…?
『いや、冗談じゃないと思うが』
…………お前もぶん投げてやろうか悪魔……?
「おい明久。一人で何を考えてるんだ…? 俺たちを放置して一人で世界に浸かるな」
『さらばだ明久っ☆キラッ』
くっ……!
当麻が話しかけてきた内に逃げるとは……!
中々やるじゃないか……。
「ごめんごめん。ちょっと自分の心と格闘しててさ」
「何を言ってるんだ…? まぁいい。それより、振り分け試験はどうだった? 手応えあるか?」
「大丈夫だよ。今回はストライカーシグマファイブのおかげで5問に1問は当たってると思うから」
「テストの選択問題って4問だったよな……?」
な、何?
何で当麻と一刀は僕を『やっぱダメだこいつ……』みたいな目で見てるの……?
僕としては良くてB、Cクラス。悪くてもDクラスには行けてるつもりなんだけど……
「明久は放っておくとして、当麻はどうなんだ?」
「ダメだ。たぶん、Fクラスだな」
「そうか。俺はBクラスにはいけると思うぞ」
む、そうなのか。
じゃあもしかすると一刀と同じクラスになれるかもね。
そんな淡い期待を胸に、僕らは桜道を歩いていった。
☆★☆★☆★
「おはよう吉井、上条、北郷」
校門前。
僕らの前に立ちはだかるのは、黒い肌の生物学上人間であろう男が立っていた。
「……吉井、今失礼なことを考えなかったか……?」
「いえ、とんでもない」
もとい、西村先生が立っていた。
「まぁいい。それにしてもよく遅刻してこなかったな」
「ま、流石に始業式くらいの日は。ところで、何でこんなところに立ってるんですか?」
「それはお前たちに振り分け試験の結果を渡すためだ」
「んなことしなくても掲示板かどっかに貼り出せばいいんじゃないっすか? 一々渡すの面倒でしょ?」
「そういうわけにもいかんのが。ここは世間にも注目されている学校だからな。少し趣向を変えてというのが学園長の考えだ」
「そうなんですか、大変でしょうね」
「で、振り分け試験の結果は……?」
楽しみだ。
早く結果が知りたい。
「あー………それなんだがな……」
鉄人は、何だかバツが悪そうに隣の段ボール箱から3つの封筒を取り出す。
どうしたんだろ?
「これがお前らの振り分け試験の結果だ」
取り出した封筒を、一人に一封ずつ手渡ししていく。
表面には各自の名前が書いてあって、上は糊付けと、割りと本格的だ。
「結論から言うと…お前らは同じクラスだ」
「なん……だと……!? ということは俺は明久と同じ……!? Fクラス確定じゃないか……!」
鉄人の言葉に頭を抱えてショックを受ける一刀。
失礼な。僕と一緒ならDクラスは堅いのに。
「な、名前でも書き忘れたんでしょうか……?」
「いや、北郷の点数はBクラス並だったぞ」
「え……? ってことは……」
「だがBクラスではない」
はい……?
この人は何を言ってるんだろうか…?
一刀の点数はBクラス並なのにBクラスじゃないだって……?
まったくこの人は……
「おい吉井。今お前俺をバカだと思っただろ」
「とんでもない」
……なんて鋭い人なんだ。
まぁでも、とりあえず結果はこの封筒の中をみれば分かるはずだし早く開けよう。
僕は封筒の上の部分を破り、中に入っている一枚の紙切れを出す。
そして当麻や一刀と同時に紙を開き……
「「「………え?」」」
疑問を抱いた。
「まぁ……そういうことだ。教室は本校舎のAクラスとBクラスの間にある。頑張れよ」
そして、そう鉄人に告げられた。
「あ、あの……このクラス名の意味は…?」
「知らん」
まだ何が起こったのは分からないまま、僕らは校舎の中に入っていった。
吉井明久 FMクラス
上条当麻 FMクラス
北郷一刀 FMクラス
「……まさかクラス名が『フラグ魔クラス』なんて言えるわけないだろうが……」