バカとテストとフラグ魔ーズ〜フラグ魔達の奮闘記〜 作:近衛龍一
「なぁ明久…。このシステムについてどう思う……?」
鉄人が出ていった後、一刀がトイレに行き、僕と当麻は設置してあるドリンクバーで飲み物を入れながらFMクラスのことについて話していた。
え? ドリンクバーを使うのかって?
当然じゃないか! どうあがいてもこのクラスなのは確定なわけだし、ここの設備を使い続けれるまでは使い尽くす!
「どうって言われても……不思議だとしか言いようがないよ」
何故僕らがFMクラスに選ばれたのか。
Aクラスの久保君みたいに、沢山の女子から人気がある人がこのクラスだったら争奪戦になるから効果はあると思うんだけど……僕らじゃねぇ……?
「だよな…。俺たちを獲得するために3クラスも落とすなんてリスクを負う物好きなクラスはないだろうしな……」
「でも現にAクラスとFクラスがすぐに動いたわけだし……このクラスに、落とすだけの価値があるのは確かだよ」
「そうなんだよなぁ……」
そんなことを言っていると、一刀が帰ってきた。
だけど、その顔は何かを悟ったような、少し哀愁を含んだ様子だ。
「明久、当麻……。俺はこのクラスの秘密を知ってしまった……」
「え!? 何!? 何が分かったの!?」
「いいか明久。俺たちを獲得するためにAクラスが戦争を始めたのは俺たちを奴隷にでもして俺らへの恨み辛みを晴らすためだ」
「………あはは。何をいうかと思えば。Aクラスの人は皆良識のある人ばっかりだよ? そんな僕らを奴隷にするなんて……」
「そう思うならこれを見てみろ」
前にある液晶スクリーンの電源を入れる。
映し出されたのは様々な召喚獣の姿。
各召喚獣にAやEのマークが付いていることから、どうやらAクラス対Eクラスの試合が映し出されているようだ。
『……絶対に明久をAクラスにする』
『そうなのだ! 絶対に譲らないのだ!』
『皆! 倒されたらただじゃおかないからな!』
『必ずFMクラスを倒す!』
中でも一際目立っているのが先頭に立って戦っている恋、鈴々、愛紗、凪の姿。
皆凄く頑張っているんだけど………殺気が半端じゃない…。
というか凪、もうFMクラスを倒すとか言ってるし……。
「凄いだろ? んでもって極めつけがこれだ」
画面が切り替わり、映し出されたのは10人ほどのEクラスの生徒を前に立ちはだかる御坂さん。
『絶対にあいつをここにしないといけないの……! 超電磁砲
レールガン
っ!!』
殺気立つ御坂さんの召喚獣から放たれる電磁砲。
それは一瞬にしてEクラスの召喚獣を一気に飲み込み、召喚獣を消し飛ばした。
と。
ちょうどその場面で一刀がスクリーンの電源を切った。
「どうだ……? 今の殺気、尋常じゃなかっただろ……?」
「た、確かに……」
あれは人を殺る時の目だった。
あまり印象に残らなかったけど、心なしか一緒に戦っていたAクラスの男子ですら恐怖に怯えていたような……。
「だけど僕たちが怨まれる理由って……?」
そう、当麻に問いかけたのだが……
「(ガクブルガクブル)……やばいですよ……上条さんこの間御坂を怒らせちゃいましたよ……!」
……どうやらヤツには心当たりがあるようだ。
当麻は基本相当仲のいい人の前以外だと一人称が上条さんにならないんだけど……よほどヤバイんだろうね。
え? 僕と当麻はそんなに仲がいいのかって?
当然じゃないか!
僕と当麻は毎日食費がピンチな者同士なんだから!
「え〜っと……当麻? 因みに聞くけどこの間はなんて言って怒らせたの……?」
「いや、分からないんだけど、上条さん、御坂に『え? タイプ? 特にないけど……胸は大きい方がいいかも』って言ったらいきなりビリビリが飛んできて……」
そりゃ怒るわ。
だって御坂さん、当麻のこと好きなんだもん。
なのに……その……御坂さんはそこまで大きくないといいますか……とにかくさっき言った当麻の言葉には若干味そぐわない部分があって……
ま、そういうことで……
「「当麻、もう諦めよう」」
「酷っ!? こんな不幸な上条さんを見捨てるって言うのですか!?」
だって無理じゃん。
あんな電磁砲放つ人に勝つなんて。
元はといえば御坂さんを怒らせた当麻が悪いし。
「上条さんを見捨てるなんてそんなこと言っていいんですか!? 大体明久は鈴々と恋のお弁当つまみ食いしたのばれてますし、一刀だってエロ本持ってること愛紗と桃香と凪が怒ってましたよ!」
「なんだって……!? 食べ物の恨みは恐ろしいっていうのにあの二人のはもっと恐ろしい……! 完璧に隠せたと思ってたのに……!」
「くそっ……! 破廉恥なこと大っ嫌いな愛紗と凪にそのことがばれただと……!? 桃香も何気に俺がエロ本持ってると怒るし……!」
なんてことだ……!
一気に状況が変わった……!
「どうですか? 上条さんを見捨てませんか?」
「「当然! 同じ危険な身の者同士、頑張って助け合っていこう!☆キリッ」」
え? 都合がいい?
知るかそんなもの。
改めて僕らの結束が深く固まった瞬間であった。