1週間滞在して陽向は伊賀に帰っていった。
・・・・・・2ヶ月後
僕たちは体育館に並んでいた。
「なんだろうねいきなりの全校集会ってのは?」
「なんでも1年に転校生が入ったらしいのじゃ」
「なんで1年に転校生が入ったくらいで全校集会なんぞするんだ、あのババアなにを企んでやがる」
「・・・・・授業がツブれただけでもいい」
「何か凄い転入生らしいですよ」
「・・・・・編入試験で500点満点で1020点取ったと聞いた」
「わっ翔子、毎度毎度お前はどこから現れるんだ。というか500点満点の1020点って何だ?」
「・・・・・間違って3年の入試用模試の問題を出してしまったらしい。それを満点だったから倍の1000点」
「うちの編入試験はバラエティか?20点は何だ」
「・・・・・数学の問題に間違いがあったらしい。そこを訂正の上で「罰ゲーム」と言って、その子の作った問題が裏に書かれていたけれど、うちの数学の先生が誰も解けなくてその分が20点」
「もしかしてファイナル問題は1万点出すんじゃないかうちの学校は」
「しかし凄い生徒がいるもんだね」
その時、壇上にババアちょ、学園長が現れた。
「静かにおし、ガキ共」全校生徒相手でも遠慮なしだな、この人は。
「噂は聞いていると思うけど転入生を紹介するよ」
「なんで転入生紹介するのに全校集会なんぞする必要があるんだ」
「相変わらずうるさいガキだねぇ。点数だけだったらこんなことしないが、ちょっと召喚システムの想定外の事態だったから面白いことがおきたのさ。だから、あんたらにも見せてやろうと思ってね」
「どうせまたプログラムミスじゃないのか」
「まあ、とりあえず実物を見てからホザきな。出ておいで」学園長が舞台の袖に声を書けた。真新しい文月学園の制服に身を包んだ小柄なサイドポニーの女の子が出てきた。
「紹介しとくよ。今度編入した土屋陽向さんだ。噂は聞いていると思うけど編入試験で1020点取った子だ。自動的に1年Aクラスの代表と1年の総代をやってもらう」
「・・・・・ひっ陽向」なぜかムッツリーニが驚いている。
「陽向ちゃん?」なぜか工藤さんがここにいる。着々と霧島さんの技を自分のものにしているようだ。
「まあ、論より証拠だ。土屋、召喚してごらん」と学園長が言った。
「はっはい、召喚《サモン》」
やがてズズズと白っぽいものが形を表し・・・・・
「ガッ、ガンガム?」装備なんてレベルの話ではない。人間ですらないじゃないか。
「あれはロボットではないのかのう」
「・・・・・中に人が入っているから装備と言えないこともないが」
「どうだい驚いたかい?」学園長が自慢げにいう。
「驚いたじゃねえ。いかにも計算通りみたいな言い方しているが、さっき想定外とか言っていただろう」どうも雄二は学園長の言葉にツッコまずにはいられないらしい。
「うるさいガキだねぇ。ちょうどいいからあんたこの子と戦ってみな」
「アホか、俺の召喚獣は素手だぞ。どうやったら勝てるんだ」
「何も勝てとは言わないさ。そうさね、このこの点数を10点減らしたらあんたの点数を100点増やしてあげるよ」
「だが、だなあ」その時に霧島さんが近寄ってきて雄二に何か手渡した。
「・・・・・雄二、これがあれば大丈夫」
「なんだこれは・・・・・ってお守りじゃねえか。しかも安産祈願」
「・・・・・効果がある」
「糞ガキさっさと舞台に登りな」学園長が急かす。
「わかったよ。おう、転入生。悪いけど手加減しないぜ」言っていることだけ聞けばカッコいいんだが、実力差からすればドラゴンとチワワなのだが。
「まあ、あんたの好きな教科で戦わせてあげるよ。何がいいんだい」
「俺か・・・・・よし数学にしよう」
「じゃ吉本先生お願いするよ。始めな」
「召喚《サモン》」雄二の召喚獣が現れた。学ランの裏地に龍の刺繍が入っているところが装備アップされたところだね。
「召喚《サモン》」転校生の召喚獣が現れる。さっきと同じ白いガンガム・・・・・
「ちょっと待て、ババア」雄二が叫んだ。
「なんだい、うるさいガキだねぇ」
「ガンガムだけでも反則なのにビームバズーカまで持ってるじゃねえか」
「システム上本体にこれ以上装備が付けられなったんだね」
「だねじゃねぇ。バズーカ相手にメリケンサックで勝てるか」
「ああ、わかったわかった。土屋。その武器は使用禁止だ」
「ちぇ、威力試したかったのに」
「開始」