これが土屋家の日常   作:らじさ

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いやあ、本当にお久しぶりです。

転職して忙しくなるわ。ギックリ腰になるわ。甘ブリが始まって終わるわ、今は「冴えない彼女の育て方」を見るのに忙しくてなかなか更新ができなかったことをお詫びいたします。

ということで久しぶりの更新ですが、まだ覚えていて下さる方がいらっしゃれば幸いです。(正直、書き方を全くわすれているのですが)


第27話

「こうして人々は生きるためにこの街へ集まって来るのだが、僕にはそれがここで死ぬためのように思える」

 

・・・・・・ん?あ、これは今書いている「マルテの手記」だった。久しぶりだから書き間違ってしまった。

 

「今日、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、僕には分からない」・・・・・・これは「異邦人」だね。

 

などと盛大な見栄を張って書き間違ったフリをしてみた書いている人だったのであるが、実はここから先を覚えていないので書き間違いに気がついたように無理やり終わらせただけである(そうでなければ「異邦人」を丸ごと写しかねない男なのだ)。

 

「・・・・・・・・ダッ・・・ダカ・・ラ」陽向がかすれた声で言った。

「なんでいきなり声が枯れているのよ」

「だってユカりん。半年以上もこの怒鳴り合いを続けているんだよ。いいかげん声だって枯れるよ」

「なに言っているのよ、あんたは?さっきからまだ10分も経ってなわよ」

「ユカりん。人間には体感時間っていうのがあってね。あたしの中じゃ半年以上経過しているんだけど・・・・・・」

「だからそういうネタの使い回しがマンネリって言われる原因なのよ」

「どこで言われているのか知らないけど、こんなマイナーSS読んでいる人はそうはいないと思うし、いいかげん読んでくれていた人だって前の話なんて忘れているよ」

 

書いている本人ですら前話のヒキを忘れているほどであるから覚えてくれている人などまずいないことを確信せずにはいられない。

 

一方、誠を置き去りにして颯太とアンナの怒鳴り合いも続いていた。

 

「ダカラ私は「チェンジシステム」とはナニカということを聞いていマス」

「おっ、落ち着き給えアンナ・マリア・カリーニン君。これは日本の風ぞ・・・いや、仏教界の深遠なシステムで一言では説明できん。何よりやましいことなぞ何一つないから、君が知る・・・心配する必要はない話だ」

「目をソラすどころか、顔を90度横に向けて言われても信用できまセン。それに私の中のゴーストが最大音量で問い詰めろと囁いていますネ」アンナが目を細めながら颯太に詰め寄った。

「どんだけハタ迷惑なものを色々と装備しているんだ、お前は」

「ソータ・・・・・」アンナが微笑みながら言った。

「な、なんだ」

 

「よくあれでアンナさん納得したわね?」二人の様子を見ていた由香が不思議そうに呟いた。

「なんでそう思うのさ、ユカりん」

「だって、さっきまで怒りオーラ全開だったのに、とてもリラックスしている感じだわ」

「甘いよ、ユカりん。一流のプロがリラックスしているというのは最大レベルの警戒体制なんだよ」陽向が元ネタばればれの教えを諭すように由香に解説した。

「日本の高校に留学しているロシアの女子高生が何のプロフェッショナルなのよ」

「まあ、アンナちゃんの場合は颯兄にベタ惚れということと廃人レベルのオタクということを除けば、ほとんど完璧超人だから・・・・・」

「それってほとんど役立たずと言っているのと同じ意味じゃないの?発揮できる能力なんて10%もないわよ」呆れたように由香が言った。

「お前もたいがいナチュラルに凄い毒をはくな」いつの間にやら誠が会話に参加した。

「あれ、マコちん。こっちに参加することにしたの?」陽向が尋ねた。

「どうもあの二人の戦いが別次元に突入したらしく俺がアウト・オブ・眼中になっているようだからな」

 

「ソータ、3秒だけ待ってあげマス。さっさと白状して下サイ」アンナが微笑みながら言った。

「いや、白状も何も・・・」

「ヒトーツ」と言った瞬間、アンナの右手が颯太の顔面に飛んだ。

しかしながら、颯太もダテに幼稚園の頃からお母様会にボテ繰り回されてきたわけではない、アンナの意表を突くパンチを紙一重で避けた。

 

「ナカナカやりますネ」アンナは余裕の表情を崩さない。

「「やりますネ」じゃねぇ。3秒待つと言いながら1秒でパンチ打ちこんでるじゃねぇか」

「男は「イチだけ覚えておけば生きて行ける」とアイコが言っていましたネ」

「じゃ、わざわざ「3秒待つ」なんて言ってるんじゃねぇ。それに大体そのセリフは金魂の丸パクリな上に、そもそも愛ちゃんの言うことをまともに受け止めるな」

 

「なんだか知らないけど随分色んな人に飛び火させるハタ迷惑なケンカだわね」由香が冷静に解説した。

「というか今のパンチなんて全然見えなかったぞ。おまえのアホ兄貴よくあれをかわせたな」誠が感心したように言った。

「そりゃもう、幼稚園の頃から外に出たら4バカとケンカ、うちに帰ればお母さんに折檻の毎日を20年以上も続けていたら、あれくらいは余裕でかわせるよ」

「普通の人間ならそんな能力が身につく前に反省して行動を改めると思うんだけど」由香が呆れたように言った。




だいぶシステムが変わっていて戸惑っておりますが、これからも気長によろしくお願いします。

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