しばらくしたらご飯に呼ばれた。由美ちゃんもいたので結構な人数だったが、圭君は上機嫌だった。
「いやぁ、息子たち全員のお嫁さんと一緒に食事ができるなんて幸せだなぁ」
「「「嫁じゃない!!!」」」
それを聞いてボクと由美ちゃんは、顔を真っ赤にしてうつむいたけど、
アンナちゃんはまだ日本語が完全じゃないのか「このフライおいしいデス」と唐揚げをパクついていた。
あれだけたくさん食べてるのに、あんなに細いなんて反則だよね。
いや、部分的に集まっているのか?ムムムム・・・・
ボクはアンナちゃんの胸を睨みながら考えてた。
「あっ、あの愛ちゃん。茶碗持ちながら何を唸っているのかしら?」
「・・・・・考えていることは、だいたい想像がつく。愛子、無駄な考えは止めて、さっさとメシを食え」
お風呂をもらって部屋に戻ると布団が敷かれていた。
「アンナちゃん、布団しかないのごめんなさいね。もし、どうしてもベッドで寝たくなったら・・・こっちへいらっしゃい」
「「???」」
裕ちゃんは廊下へ出ると奥の部屋の前にボクたちを連れて行き、
「ここが颯太の部屋でベッドもあるわ。夜中に襲っちゃいなさい。愛ちゃんは案内いらないわね」と言った。
裕ちゃんのことだから、きっと本気なんだろうなぁ。
裕ちゃんは「じゃ二人とも頑張ってね」と言い残して階段を降りていった。
ボクたちは何を頑張ればいいんだろう?
「もう遅いし寝ようか?」
「ハイ」
ボクたちはそれぞれ布団にもぐりこんだ。
「これが布団デスか。漫画ではよく見たケド、寝るのは初めてデス」
「そっか、アンナちゃん漫画好きだったよね。何が好きなの」
「たくさんありますケド、デス・ブックが一番好きデス」
「え~、アンナちゃんもデス・ブック好きなの?ボクも大好きなんだ。夜神日ってカッコいいよね」
「ワタシはRの方が好きデス。日みたいに子供っぽくナイし」
「(ムッ)日のどこが子供っぽいのさ。お菓子ばっかり食べてるRの方が、よっぽど子供だね」
「(ムッ)あれは不幸な子供時代の幸せを取り戻そうとする無意識の行動なんデス。
神になろうとする日の方が幼稚デス」
「絶対的な善になろうとするために殺人を犯すというアンビバレンツがいいんじゃない。
Rみたいに根暗じゃないし」
いつしか僕たちは半身を起して怒鳴りあっていた。
・・・・・30分後、ボクとアンナちゃんは布団の上に正座させられていた。
「・・・・・もう一度、確認するぞ」
眉間を揉みながら康太が言った。
「・・・・・二人ともデス・ブックが好きで、それで夜神日とRのどっちがカッコいいかでケンカになった、とこういう訳だな」
「違うんだよ、康太。アンナちゃんが日を子供ぽっいってバカにしたんだよ」
「愛子がRをバカにしたからデス」
「最初にバカにしたのは・・・痛い」
「・・・痛いデス。父さんにもぶたれたことがないのに」
ボクたち二人はゲンコをもらった。
「・・・・・夜中に大ゲンカするほどのことか。静かに寝ろ」
そういうと康太は頭を振りながら部屋を出て行った。
「しょうがない寝ようか、アンナちゃん」二人は再び布団にもぐりこんだ。
気疲れもあったのだろうか。アンナちゃんはすぐに寝息を立ててしまった。
「アンナちゃん、もう寝た?」返事はなかった。
ロシアン少女の方を向いてみると、豊かな胸が布団を押し上げていた。
「そういや、大会の時から気になってたんだよね」少女は布団からでると、にじり膝でロシアン少女に近づいていった。
起さないように静かに布団をお腹の辺りまでめくると、胸の側に胡坐をかいて座った。
「うーん、こうやって近くで改めて見ると壮大な眺めだなあ。なに食べればこんなに大きくなるんだろう?」
若さゆえかアンナのバストは仰向けになっても横崩れせず、そのまま前に突き出した形を保っていた。
少女は人差し指でアンナのバストをツンツンとつついてみた。
「うーん、これはなかなか」少女はほとんど親父と化していた。
代表のバストも触らせてもらったことがあるけど、柔らかかった。
それに比べるとアンナのバストは固柔らかい弾力性があった。
「そうだ!」というと部屋を出て少年の部屋へと向かった。
ドアを数回ノックし「康太、起きてる?」と声をかけた。
すぐに少年が顔を出し「・・・・・何だ?何かあったのか?」と聞いた。
「ちょっとボクたちの部屋に来て」
「・・・・・一体どうした」
「いいからいいから」
部屋に入るとアンナの枕元に立って両手を広げた。
「じゃ~ん!」
「・・・・・」
「あれ、リアクションが薄いね?」
「・・・・・薄いも何もなんのことやら意味がわからんのだが?」
「あいかわらずニブいなあ。じゃこれならどう?」
少女はアンナの胸の横に片膝をつき、胸を紹介するように再び両手を広げて
「じゃ~ん!」と言った。
「・・・・・アンナが寝てるだけではないのか?」
「違うよ。これだよこれ」
少女は再び人指し指で、ロシアン少女の豊満なバストをツンツンとつついた。
「ほら、スゴイ弾力なんだよ。もう二度とこんなチャンスはないだろうから、
康太にもつつかしてあげようと思っ・・・・・イタッ。何すんのさ」
「・・・・・何すんのさじゃない。どこの世界に彼氏によその女の胸をつつかそうとする彼女がいるのだ」
「康太、人の頭をポンポン叩きすぎ。それってDVっていうんだよ」
「・・・・・世間じゃ普通は躾とよんでいる。くだらないこと考えてないでさっさと寝ろ」
少年は憤慨して出て行った。だが少女は布団の上であぐらをかいてニヤニヤしていた。
「アンナちゃんの巨乳に目もくれなかったということは、やっぱり康太はボクくらいの胸が好きということなんだね」
あいかわらずポジティブに前向きに大きな勘違いをする少女であった。