戸山香澄は轟く鬼   作:のうち

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第10話

香澄が自宅(蘭と住んでいるマンション)へ帰るとエントランスに見知った顔が見えた。

 

「あ、香澄〜、おかえり」

「モカちゃん⁉︎、なんで?」

「ふふふ、それはですな」

 

 とモカは香澄にここにいる経緯を話し始める。

 以前から、香澄と他の鬼との婚約話というのは出ていて、モカにもその話は来ていたのだ。モカは香澄と同じく小学生の頃から、宇田川巴の師匠である立花響を通じて鬼の世界に入っており現在、circleの厨房スペースにてリーダー的立ち位置である裁鬼さんこと佐伯栄さんに弟子入りし、香澄が鬼学科を離れる直前に裁鬼の名を襲名していた天才なのである

 そして、やはり師と同様にオールマイティであり1番の得意分野は弦だが、管や打もこなすことができる。未成年の鬼は夏のシーズンに出動することはあまりないが、中学の際に鬼学科のメンツで夏の魔化魍と遭遇した際には巴や現在になり、歌舞鬼を正式に襲名した蘭、香澄等と共に響鬼やその他のベテランが来るまでの間、戦うことが出来ていたくらいにはかつて香澄が所属していた当時の鬼学科の面子の中では相当に強かった。モカが候補に上がらない訳はないのだ。

 というわけでモカちゃんがこのマンションのワンフロアの我が家に一緒に暮らすことになりました。

 そして翌日は週に一度の弦の鬼達の合同訓練の日だ

 circleの地下のライブ施設のさらに下に造られている訓練施設にて、鬼の弟子や未成年で若くして鬼を襲名した者達は週に一度、こうして格分野に分かれながら鍛錬を行っている。

 もちろん、夏の場合はその例にははまらず、打の稽古が優先的に行われ、今日は本格的な夏に入る前の最後の弦での稽古である。

 一通りのフレーズをこなして、3時間ほど経過する。

 香澄が自分のギターケースの外側のポケットの携帯を見ていると蘭から打の方は先に終わった為、先に帰って夜の支度をやっているそうだ。

 

「どしたの香澄?」

「ん、蘭ちゃん、先に帰ってるってさ」

「そっか、それじゃあ。一緒に帰り道をデートで……「香澄ちゃん、モカちゃん!」とモカちゃんが言おうとした時、それを遮るようにまりなが話しかけてきた。

 

「まりなさん」

「2人、仲睦まじいところをごめんね」

「ど〜うしたんですか〜?」

「うん、実はね」

 

 とまりなの話す内容は、モカのかつての兄弟子であり現在、関東十一鬼の1人である蛮鬼が最近、鬼の仕事の際に大きな怪我を負い、土日のシフトに穴が出た為、今回のシフトは近年、鬼の名を襲名したモカと蘭に頼みたいという話だったのだ。

 香澄はもちろん自分もついていくと言ったが、その日。2日間は香澄は香澄で響鬼から頼まれたとある財閥令嬢の護衛の任務があるのだ。その為、香澄はついていくことは出来なかった。

 その日の夕飯の時間に香澄達は、土日の任務について話しあっていた。

 

「まさか、蛮鬼さんが怪我してるとは思わなかったよ」

「そうだね。響鬼さん達より上の世代で活動してる数少ない1人だったのに」

「ベテランも大変だなぁ、そういうえば、この前、蛮鬼さん弟子がいるって言ってたけどモカちゃん達はあったことある?」

「私はないかな」

「私も〜」

「そっか……、一体誰なんだろうね」

 

 とたわいもない話を続けながらも1日の幕はおり、それから数日が経ち、等々、任務の日を迎えたのだった。

 




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